Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

フランス料理教室【2015年12月】

2015-12-08 23:09:51 | フランス料理
今日は今年最後のフランス料理教室へ行ってきました。今年の1月からこちらの
お教室に通い始めたので、今回のレッスンでちょうど1年が経ちます

先生はまだお子様が小さく、毎月レッスンがあるわけではないので、今年は8回の
レッスンに通わせて頂きましたが、どの回もとっても楽しくてすっかりはまって
しまいました。来年も全レッスンに参加したいと思っています


今日はいつもと違い、年に2回ほど行われる地方料理の会。12月のクリスマス時期
ということで、今回はクリスマスマーケットで有名なアルザス地方を取り上げて
下さいました

地方料理の会では約1時間かけてその地方の特色や観光名所、名産品や習慣などを
講義形式で教えて頂き、その後に調理に入ります


講義の際に出して頂いたウェルカムドリンクはホットワインでした。アルザスの
クリスマスマーケットに欠かせない飲み物なのです

アルザスは寒暖の差が激しく、冬はとっても寒くなる地域で、特にクリスマスの
時期ともなれば寒さはピーク

11月後半からアルザス各地に立ち並ぶクリスマスマーケットではオーナメント・
リース・ガラス細工・ろうそく・クリスマス菓子などのクリスマスに欠かせない
ものが売られていますが、一緒に出ているのがホットワインの屋台

寒いこの時期に、野外で何時間もお買いものをする人たちの体を温めてくれる、
とってもありがたい飲み物です

赤ワインにオレンジとシナモンやクローブなどのスパイスを入れて温めたものが
基本なのですが、白ワインで作る場合もあるそうです。

このアルザスのクリスマスマーケットは世界的にも有名で、人口が50万人ほどの
アルザスですが、この時期はなんと200万人の観光客が訪れるのだとか

そんなアルザスですが、実はドイツとの境目にあるためフランスとドイツの間の
領土争いに巻き込まれていた過去があってそのため文化的にドイツの影響を濃く
受けているようです。

アルザス地方の家はドイツのように木組みに漆喰の壁のとても可愛らしい建物で
有名ですし、食べ物もソーセージやビールなどドイツらしい物が多く口にされ、
フランスのビールの70%はアルザスで作られているのだとか

今日はそんなアルザスらしい食材や小物を使ったおもてなしフレンチです



アルザスのクリスマスがテーマということで、ダイニングにクリスマスツリーが
飾られているのですが、そのオーナメントが可愛らしいアルザスのもの

薄い木に繊細な掘りと可愛らしい絵を施した手作りのオーナメントで、この絵は
アルザスを代表する画家「ハンジ」のものだそうです。


こちらのオーナメントに合わせて、今日は可愛らしい小さな木のオーナメントを
ナプキンリングとして使うため、ナプキンは細長い形に折っています。


テーブル全体はアルザスの家庭でのクリスマスパーティー風に仕上がっていて、
とても可愛らしい雰囲気です。白いテーブルクロスにハンジの絵をプリントした
テーブルクロスを重ねて、白い食器にグリーンのステムが特徴的なグラス

テーブルのセンターにはお花のかわりに今日のメイン料理で使うベッコフ鍋を。
両脇にクリスマスリースをあしらったキャンドルを飾って


グリーンのステムのグラスはアルザスらしいもののひとつだそうです。手描きの
ペイントが可愛らしいベッコフ鍋もアルザスを代表する陶器で、同じような絵の
かかれたクグロフ型やミルクピッチャーなども人気のお土産です


まずは前菜から作っていきます。前菜はアルザスの特産品の盛り合わせですが、
唯一作る「Salade de chou rouge」は、アルザス特産品である紫キャベツを使う
酸味の効いたサラダです。お肉の付け合せとして使われることも多い一品


千切りにした紫キャベツを30秒ほどサッと茹でて冷水に取り、水気を切ります。
お鍋に白ワインビネガー・砂糖・塩・ローリエ・クミン・オリーブオイルを入れ
火にかけて温まったら、水気を切ったキャベツを入れて良く混ぜ、粗熱を取って
冷蔵庫で一晩味をなじませます。冷蔵庫で5日くらいは持つそうですよ


次はデザート作りを。デザートは「Forêt noir」。「黒い森」という意味ですが、
もともとドイツのお菓子でドイツ南西部の「黒い森(シュバルツヴァルト)」に
ちなんだもの。常緑樹で黒く見える森とその地方の特産品であるさくらんぼ
イメージして作られたお菓子です

基本的にココア生地のロールケーキですが、合わせるフルーツは必ずチェリー。
ダークチェリーのシロップ漬けを使います。



室温に戻した卵を卵白と卵黄に分けて、卵白は砂糖の半量を数回に分けて加え
ながら逆さにしても落ちないくらいしっかりと泡立てます。卵黄に残りの砂糖を
入れてもったりするまで泡立てたら、サラダ油と牛乳を加えて混ぜます。



卵黄に薄力粉・ココアをふるい入れたら粉っぽさがなくなるまでしっかりと混ぜ
合わせて、卵白の1/3の量を加えます。この時の卵白は泡がつぶれても良いので、
しっかりと馴染ませるように混ぜ合わせます。残りの卵白を加えたら今度は泡を
潰さないようさっくり混ぜ合わせればOK



生地をクッキングシートを敷いた型に流し入れ、表面を平らにならし、型の底を
トントンと叩いて空気を抜いてから180度のオーブンで10分焼きます。



焼き上がった生地は型から外し、オーブンシートをつけたまま粗熱を取ります。
この時にふきんをかけておくと表面の縮み防止になるそうですよ


粗熱を取っているあいだにメインを作ります。今日のメインは「Baeckeoffe」。
アルザスの言葉で「パン屋のかまど」という意味で、家で仕込んでおいたお鍋を
パン屋さんに預けて、朝パンを焼き終わったあとの釜の予熱で作った料理とか

可愛らしい専用の陶器のベッコフ鍋で作ります


洋風肉じゃがのようなお料理なのでお肉以外の材料はジャガイモ・玉ねぎ・人参
というベーシックなもの。ジャガイモと人参は薄くスライスしておきます。


お肉は豚・牛・羊の3種を一緒に煮込むのが基本で、日本でしたら羊肉がなかなか
手に入らないので鶏肉で代用しても大丈夫ですが煮込みに向く部位を選びます。



お肉は食べやすい大きさに切っておき、スライスした玉ねぎ・潰したニンニク・
クローブ・塩コショウ・ブーケガルニ・白ワインと一緒に冷蔵庫で一晩漬けこみ
作るときに具とマリネ液に分けたら、マリネ液だけを沸騰させてアク取りします。





ベッコフ鍋の内側にバターを塗ったら、ジャガイモと人参の1/3を底に敷き詰めて
その上にお肉と玉ねぎの半量を重ね、これをもう一度繰り返して、一番上にまた
ジャガイモと人参を重ねて、マリネ液とフォンドボーを注ぎ、蓋をします。

これを220度のオーブンで2時間煮込めば完成です

専用のベッコフ鍋でなくても、ストウブやルクルーゼなどの蓋にしっかり重みの
あるお鍋なら作ることができますので、もしオーブンに入れられないお鍋の場合
には直火で1時間ほどコトコト煮込んでも大丈夫です


次に作るのは「Tarte flambée」。アルザス風のピザです。イタリアピザとは違い
薄めのクリスピーピザのような生地なので今日はあえて市販のピザ生地を使って
作っています。手作りするとどうしても発酵させるためふっくらしてしまうので


生地に塗るソースはチーズ系で、フロマージュブラン・生クリーム・ナツメグ・
塩コショウを混ぜ合わせたものです。フロマージュブランは手に入りづらいのと
賞味期限が短いこともあり、水切りヨーグルトで代用するのがオススメとか


ソースの上にスライスした玉ねぎ・拍子切りにしたベーコンを散らして、220度の
オーブンで10分ほど焼けば完成です

基本はこの組み合わせですが、アレンジとしてはマッシュルームをプラスしたり
マンステールチーズをプラスしたり、具をスライスしたリンゴに変えてデザート
ピザにして食べても美味しいそうです。


ケーキ生地の粗熱がとれたところでケーキを完成させていきます。生クリーム・
キルシュ・砂糖をボウルに入れて泡立てて、シャンティークリームを作ります。




ケーキ生地についていたオーブンシートをはがし新しいオーブンシートに乗せ、
ケーキ生地にチェリー缶のシロップを塗って、その上にシャンティークリームを
伸ばしたら、水気を拭きとったダークチェリーをちらし、しっかりと巻きます。


巻き始めは少し折れても良いので芯になるようキツめに巻き、残りは一気に巻き
あげて、最後にオーブンシートの上から定規などでギュっと巻き込めばOK

巻き終わった生地は一度冷蔵庫で落ち着かせ、食べる前にまわりにシャンティー
クリームを塗り、上にチョココポーとダークチェリーを飾れば完成



前菜のお皿の盛り付けを完成させます。前菜の主役は紫キャベツのサラダですが
それ以外にもアルザスの名産品を盛り合わせます

アルザスと言えばこれというマンステールチーズの他に、フォアグラのムース、
そしてフェルベールのコンフィチュールを添えて


お料理が出来上がったところでお料理をテーブルに置いてテーブルの完成です。
アルザスらしい可愛らしさの詰まったテーブルをお部屋に飾られたツリーなどが
引き立ててくれています


ツリーが飾ってあるのでテーブルのメインにお花ではなくてベッコフ鍋を飾ると
いうのもとても良いアイデア。赤いテーブルナプキンにグラスの緑色のステムが
クリスマスカラーになっています


食前酒はアルザスのリースリング。アルザスワインは細いボトルが特徴的ですが
私はこの独特の甘い香りが大好きです。今日はリースリングですが、私が一番好き
なのはゲヴェルツトラミネールという品種


前菜はアルザス特産品盛り合わせ。紫キャベツのサラダ、マンステールチーズ、
フォアグラのムース・フェルベールジャム添え。全部を手作りするのではなく、
こうして一部に既製品を使うのも賢いパーティー料理の用意の仕方ですね


2品目はタルト・フランベ。パリッサクッとしたクリスピータイプのピザに酸味の
効いたソースが良く合って、シンプルな具材なのにとっても美味しくてついつい
パクパク食べてしまえる一品です


メインはベッコフ。洋風肉じゃがとは良く言ったもので、確かに肉じゃがに近い
お味ですが、日本のものはジャガイモメインなのに対してこちらはお肉メイン。
柔らかく煮込まれた3種類のお肉を楽しませて頂きました



デザートはフォレ・ノワール。ココアとダークチェリーの相性がバツグンで意外
にも軽い口当たりだったのでペロリと食べてしまいました。ダークチェリー缶は
あまり見かけることがないのですが、とっても美味しいのですね


デザートに合わせた紅茶はオーストリアの「DEMMERS TEEHAUS」。日本では
有名ではないブランドのようなのですが、飲んでみて興味を持ちました

先生が今日のために選んで下さったのは「アドベント」というセイロンティーを
ベースとした紅茶。オレンジピールやバラの花びらやシナモンなどが入っていて
いかにもクリスマスらしい紅茶でした

今年の1月から通わせて頂いていきたこちらのお教室も今日のレッスンでちょうど
1年となり、人気のお教室にも関わらず幸運にも全レッスン通うことができました

出張レッスンなどでお教室の知名度もあがってますます予約が取りづらくなって
いますが、来年も頑張って予約をとって、レッスンに通わせて頂きたいです