今日は小満。様々いのちが次第に満ちていくころです
初候である5/20~5/25は「蚕起きて桑を食う」。
蚕が桑の葉をたくさん食べて育つころ。エネルギーを蓄えて、絹糸となる繭玉を
紡ぐ体を作っていきます。この時期に美味しいのは空豆。桜が咲いた2か月後が、
空豆の旬なのだそうです
この時期には浅草で浅草神社の例大祭である三社祭が行われます
次候である5/26~5/30は「紅花栄う」。
染料であるの紅の原料となる紅花が一面に咲くころです。紅花というのにお花は
黄色なのを昔は不思議に思っていましたが、花びらの上の方には黄色い色素が、
下のほうには赤い色素が含まれているのだそう。この黄色い色素は水溶性ですが
赤い色素は水溶性ではないので、水に何度もさらして赤い色素を取り出します。
まだ本格的な夏にならないこの時期は、潮干狩りの旬でもありますね
ちなみにこの「潮干狩り」という言葉。漢字が読めるようになってからは間違い
ませんが、昔は「ひおしがり」だと思っていました。というのも私の母は生粋の
江戸っ子のため、「ひ」と「し」の発音が混ざります
そのため、この2つの言葉が含まれる単語は、ある程度大きくなるまでは勘違いを
したままのものが多かったです
末候である5/31~6/4は「麦秋至る」。
麦の穂が豊かに実り、収穫を迎えるころです。秋はたくさんの穀物の収穫時期に
あたりますが、麦にとっての収穫時期は初夏。そのため、収穫時期を表す「秋」
という字を使って、麦秋=麦の収穫時期という言葉になったのだそうです
この頃は衣替えの時期でもありますね。学生時代は6月に入ると冬服から夏服に
変わって「もうそんな時期か」と感じていましたが、今では袷の着物から単衣の
着物に変わることで季節を実感します
着物や帯だけでなく、和装時に持つ袋物や風呂敷、懐紙挟みに扇入れ、足袋入れ
から化粧ポーチなどの小物も絽で出来たものに変わり、簪なども珊瑚から翡翠で
できたものに変わります。いつも6月最初の和装は準備にバタバタしています