Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

フランス料理教室【2016年5月】

2016-05-27 23:58:26 | フランス料理
今日はフランス料理教室へ行ってきました

今月のレッスンメニューは5月の上旬に日本橋三越のはじまりのカフェで行われた
出張レッスンとほぼ同じ内容だということだったのですが、同じ内容ならやはり
こちらのお教室に通う方が好きなので、こちらに申し込みをさせて頂きました


今月は年に数回ある地方料理をテーマとした回で今回の地方は「バスク地方」。
地方料理の会では、お料理に入る前にまず先生の用意して下さったレジュメで、
その地方の場所や風土、歴史や特産品、伝統などを1時間以上勉強します


まずはウェルカムドリンクを頂きながら、じっくりとバスク地方の講義の時間。
今日のドリンクは「ピムス風」。ピムスとはイギリスで飲まれる夏のカクテルで
ジンベースのリキュールをレモネードで割り、ミント・きゅうり・柑橘類などを
加えたもの。今日はピーチティーシロップを炭酸で割っているそうです。

バスク地方はピレネー山脈を隔てて、スペイン側の「南バスク」とフランス側の
「北バスク」に分かれていて、全部で7つの地域があります。

スペインとの国境をまたぐ一帯で、観光のメインとなる地域とはずいぶん離れて
いるため、名前を聞いたことはあっても訪れたことのある方は少ないのでは

独自の文化や言語などが発達していて、フランス人やスペイン人というよりも、
「バスク人」と言ったほうが良いくらいだとか。バスク語は世界で最も習得する
のが難しい言語とも言われているそう

海と山に接しているこの地域は美食の町としても知られていて、特に最大の都市
であるバイヨンヌは生ハム・塩・チョコレートなどで有名です。フランスで一番
最初にチョコレートが発達したのがこのバイヨンヌです

また海側はリゾート地としてもヨーロッパでは大人気で、ビアリッツのビーチは
サーファー憧れの地だそうです




また女性にはバスク雑貨がとても人気があり、伝統的なバスク陶器やバスク織、
栗の籠など、日本でも度々特集されています。

バスク陶器は青い線がお皿の縁に放射状に入るのが特徴で、素朴な可愛らしさ。
バスク織は白地に赤や青のストライプが基本で、線が7本になっているのが特徴。
この7本の線はバスクの7つの地域を表すそうですよ。最近はモダンなものも。
そして栗の枝と栗の木の皮を使った籠は、パンや野菜を入れるのにぴったり

いつもこの講義を聞くと、その地方に行ってみたいなぁと夢が膨らみます


バスク料理の特徴ではトマト・ピーマン・ニンニク・オリーブオイルが使われる
そうで、味付けにはピマン・デスペレットという唐辛子を使うことが多いとか。
辛味よりもパプリカのような風味のある、美味しい唐辛子パウダーです



ひと通り講義が終わったところで、調理の前にテーブルセッティングをします。
今日は爽やかなバスク織のテーブルクロスに、バスク陶器の大皿や野菜を盛った
栗の籠などを合わせて

個々のお皿は白いセットで、ナプキンをバスク地方の名産品であるトウガラシを
使ったナプキンリボンで留めています。初夏らしく爽やかな取り合わせですね


ディスプレイコーナーにはエスペレットの町の家々に必ず飾られている赤唐辛子
「ピマン」。現地では壁や窓に無数のピマンが紐で繋げて吊るされているそう。
そしてバスク織のお洋服が可愛らしいくまちゃんが座っていました


セッティングが終わったところで調理開始。まずは前菜の「Pipérade basquaise」
から作っていきます



フライパンにオリーブオイルをひき、みじん切りにした玉ねぎを火にかけ香りを
移していきます。そこに細切りしたパプリカとピーマン、スライスした玉ねぎを
加えて弱火でじっくりと炒めます。こうすることで野菜の甘みが引き立ちます。


トマト缶とピマン・デスペレットを加えたら塩コショウで味を整え、弱火で10分
ほど煮ていきます。ピマン・デスペレットが無い場合には、パプリカパウダーに
少しチリペッパーを加えるのが一番近い風味になるそうですよ


煮込んだら溶き卵を加えて軽く炒め、スクランブルエッグ状にします。色合いを
綺麗にしたい場合は、先にスクランブルエッグを作って取り出しておき、最後に
加えると黄色が引き立って綺麗ですね。



今日は春巻きの皮で作ったタルトにピペラードを盛るのでタルト作りもします。

普通のサイズの春巻きの皮を四等分にして、片面にオリーブオイルを塗り、2枚を
角が互い違いに成るように重ね合わせたら、タルト型やココット皿に入れて形を
整えます。この時に出来る限り生地を型に沿わせて広げるのがポイント。

これを180度のオーブンで10分ほど焼けば春巻きタルトの完成です。


続いてお口直しのソルベを作りましょう。ソルベは「Sorbet au poivron rouge」。
これはバスク料理ではありませんが、バスク地方でよく食べられる赤ピーマンを
使って甘いソルベにしたもの

パプリカは種を取り除いて適当な大きさに切って、砂糖・ハチミツ・水と一緒に
鍋に入れて火にかけたら、柔らかくなるまで10分ほど煮ます。これをミキサーに
かけてザルで漉し、レモン汁を加えて冷蔵庫で冷やし固めます。


冷蔵庫から取り出したものをもう一度ミキサーにかけて柔らかくしたら、さらに
冷蔵庫で冷やしておけば、口当たりの良いソルベのできあがりです


続いてメイン料理を作ります。今日のメイン料理は「Poulait sauté basquaise」。
材料としては前菜のピペラードとほとんど同じなので、途中まで一緒に作って、
前菜用とメイン用に取り分けて調理しても良いそうです



フライパンにオリーブオイルをひき、みじん切りにした玉ねぎを火にかけ香りを
移していきます。そこに細切りしたパプリカとピーマン、スライスした玉ねぎを
加えて弱火でじっくりと炒めます。

ここまでは前菜と工程が一緒で、メインではここに白ワイン・トマトペーストを
加えて少し煮詰めます。


鶏肉は本来は骨付き肉を使ったほうが美味しいのですが、食べやすさを考えて、
今日は鶏もも肉を一口大に切ったものを使い増す亜。鶏肉は塩コショウをして、
フライパンで両面に焼き色が付くまでソテーし、取り出しておきます。



パプリカなどを炒めたブーケガルニ・トマトを加えたら、焼いた鶏肉を入れて、
ピマンデスペレットを加えて弱火で10分ほど煮込み、塩コショウで味を整えれば
メイン料理の完成です

前菜ではトマト缶を加えましたが、こちらではフレッシュのトマトをざく切りに
したものを加えます。これも特にフレッシュではなくてはいけないという訳では
ないので、トマト缶でもOKです

また鶏肉ではなくこれをマグロに変えると「トン・バスケーズ」という料理に。


続いてはデザート作りを。デザートはバスク地方を代表する「ガトー・バスク」。
クッキーのようなタルトのようなサクサクの生地に、ダークチェリーのジャムが
入っているのが特徴です。最近ではジャムではなくカスタードが入ることも


室温に戻したバターを泡だて器ですり混ぜクリーム状にし、砂糖・塩・レモンの
皮を加えて城っぽくなるまで混ぜ合わせて、溶き卵を分離しないように少しずつ
加えて混ぜ合わせます。



振るった薄力粉・アーモンドパウダー・ベーキングパウダーを一度に加えたら、
木ベラなどで押すようにして混ぜてしっかり馴染ませます。ひとまとまりにして
ラップに包み、冷蔵庫で数時間から一晩寝かせます。

かなり柔らかい生地なので、冷蔵庫に入れる時間は長めがオススメ。この時点で
冷凍保存することもできますよ



冷蔵庫から取り出した生地を2:3の分量で切り分けそれぞれを円形に伸ばします。
大きいほうは型の下側に敷き詰めるので、型よりも2~3cm大きくなるように切り、
小さいほうは蓋として乗せるので、型と同じ大きさになるように切ります。


型にバターを塗って小麦粉を振り、大きい生地を型に敷き詰めます。このときに
底の角をしっかりと形作るのがポイントで、ここさえしっかり出来ていれば多少
アバウトに成形しても綺麗に仕上がります。

その上にダークチェリージャム(今日はブルーベリージャム)を敷き詰めます。



小さいほうの生地を被せて端を指で軽く押さえてつけたら、余った生地を細長く
伸ばして2本の紐を作り、それぞれをS字に形作りながらバスク十字を描きます。
最後に表面に溶き卵を塗ればあとは焼くだけ。


180度のオーブンで40分ほど焼いて完成です。焼き立てでは少しふわふわ感の残る
ケーキですが、冷めると固くなって、ガレット・ブルトンヌのような硬さに



それぞれのお料理が出来上がったので、盛り付けをして試食に入ります。前菜の
ピペラードは春巻きタルトに入れて生ハムを飾ります。前菜のお皿にはこちらと
グリーンサラダ、そしてチーズを盛り合わせます


チーズはバスク地方の特産品である羊乳のチーズで「オッソ・イラティー」を。
現地ではガトー・バスクにも使ったダークチェリーのジャムと一緒に食べるのが
定番なのだそうですよ



盛り付け終わったところでお料理をテーブルに。お料理が並ぶとやはり華やかに
なりますよね。今日は最初からお皿に盛るのではなく撮影後にとりわけました。


前菜は「ピペラード」。ピマン・デスペレットをそれなりに入れたのですが辛味
よりも風味が際立っていてとっても美味しかったです。春巻きタルトの食感と、
生ハムの塩味が良く合っていました


お口直しは「赤ピーマンのソルベ」。香りや風味はたしかにパプリカなのですが
甘みがしっかりとありながらもさっぱりした、とっても美味しいソルベでした。
これなら小さい子供でも食べてくれるかも


メインは鶏肉のバスク風煮込み。ベースの味付けはピペラードと同じなのですが
鶏肉の旨味に、ブーケガルニや白ワインの風味が加わるので、より深い味わい。
今日はご飯を添えていますが、焼いたバゲットを添えても美味しいですね


デザートは「ガトー・バスク」。今日は焼き立てを頂いたのでふわふわサクサク
とした食感でいかにもケーキという感じですが、冷めるとよりクッキー感の強い
食感になるそうなので、二度楽しめるデザートですね


今日の紅茶は「FORTNUM&MASON」から創業200周年を記念して作られたクィーン・
アンを選んで下さいました。濃く淹れてミルクティーにしても美味しいそう

この地方料理の回では、毎回その地方についてみっちりと学ぶことができるので、
いつかフランスに旅行に行くときにとても役に立ちそうで、楽しみにしています