さて、金曜日(8.25.06)はついに日経ジャスダック平均もマイナスに転じるなど、このところの上昇基調がはっきりと下落に転じたようです。まだOSCはジャスダックの80%(-2%)は別格にしても、マザーズ指数、ヘラクレス指数ともに50%台です。日経225平均が45%まで調整が進んでおりますが、これも過去の局面からすると一度は30%台への突入がないと底打ちとは行きません。5月16日、23日、6月13日、14日、7月21日といったところが30%台でした。
このように過去28日間のデータから拾ってきたOSC値ですが、日経平均が30%台を付けたその翌日の安いところで買い、という法則はかなりの確率で当たっているようです。しかし個別銘柄ではこの振れ幅がもっと大きいため、30%台に突入したからといって買っても、その後まだ下落が続くことがよくあります。例えば、2413ソネット・エムスリーのデータをご覧ください。
左から日付、終値、前日比、OSC値の順です。
7月12日 475K -8K 33%
7月13日 455K -20K 31% ←買いポイント1
7月14日 445K -10K 31%
7月18日 411K -34K 31%
7月19日 415K +4K 36% ←買いポイント2
7月20日 447K +32K 41%
7月21日 436K -11K 41%
7月24日 426K -10K 43% ←OSCコンバージェンス
7月25日 439K +13K 46% ←買いポイント3
7月26日 408K -31K 42%
7月27日 390K -18K 44% ←OSCコンバージェンス
7月28日 410K +20K 47% ←買いポイント4
ちょっとくどくなりますが、興味深いデータですので、独り言と思って見てみてください。この株のOSCと終値の7月に入ってからの最低値は7月18日でした。(青字部)しかし、これは後から振り返って分かることです。実際にはOSCが30%台に突入した7月12日の翌13日の終値455Kで買ったとします。(買いポイント1)この方はその後2日の下落に耐えられるでしょうか?多分損切りです。
<法則1>
OSCが30%台に突入したからといって、翌日必ずしも買いではない。特に前日比マイナス終了で前日安値を上回って終われなかった時は要注意。
では買いポイント2での買いはどうでしょうか。これは正解なのですが、筆者のようにリアルタイムでOSCと終値をトラッキングしていないと引けでは買えません。
<法則2>
OSCがプラ転し、終値もプラ転した時は買い。但し40%台は騙しもあることに注意。また、プラ転の度合いが大きすぎると翌日反落の危険性が高い。
では、筆者がよくOSCがコンバージェンスしたので注目と言っておりますが、このコンバージェンスした翌日の押されたところで買った場合はどうでしょうか。7月24日がコンバージェンスしておりますので、翌25日の押されたところで買ったとして、安値の427Kで買うのがベストでした。終値は439Kです。しかもOSCも46%と上昇しておりますので、ここは普通なら持ち越しです。ところがどっこいそこから地獄が控えておりました。(7月27日は380Kまでの底値がありました)つまり、買いポイント3は失敗ということになります。
ではOSCのコンバージェンスは当てにならないのかというと、そんなことはありません。7月27日にやはりOSCがコンバージェンスしております。翌28日は寄りつきからプラスで始まっておりますが、この日はいつでも買いで正解でした。つまり、買いポイント4まで待たないと、このソネットM3は真の買いタイミングではなかったのですね。
この真の買いタイミングをできるだけ確率を上げて見つけるというのが、筆者の課題です。
最近、このブログではXX日の終値がYYであり、その時のOSCから今日は+Z%上げながら、終値は逆にこれこれだけ下げている、といったコメントをよくするようになりました。アレクサンダー・ワイル博士のダイバージェンス現象などと称しております。
このダイバージェンス現象を上の四本足とOSC値の流れから読み取る方法が、実はもっとも高い確率で真の買いポイントを予測する手法だと気がつきました。上の例では青字の2つのデータに着目してください。買いポイント3が駄目で、買いポイント4がなぜ正解なのか、このダイバージェンス現象で理解できるかと思います。つまり、OSCは上げながら、終値がその起点となった日(上の場合は7月18日の411K)よりどれだけ下げているか、その極限点を計るやり方です。28日はいつ買っても正解と書いたのは、18日を起点とした場合に、28日は終値はまだ1K低く、しかもOSCは前日でも+13%も上方へ乖離しており、当日はさらに3%乖離していたためです。
7月25日はOSCが46%となり、この期間では最大でしたが、終値が439Kであり18日の終値の411Kからは28Kも上にありました。前日にOSCのコンバージェンスはしておりましたが、この1点でまだ買いではありませんでした。
こうした見方と、別途筆者が真の高値、安値をベースに累積値をトラッキングしている「指数値」と呼ばれる数値と、乖離幅(20日の+32Kの上げは、前日の乖離幅からも納得できます)を組み合わせれば、より精度が上がるようです。
問題は、テクニカル分析は過去のデータに依拠していることです。しかし、将来を見通すには将来のデータを先回りして入手出来ない以上、過去のデータに「前日までは」依存せざるを得ません。問題は「当日の変化」です。データと市場&個別株概況をミックスするといってもよいかと思います。ここの組み合わせ判断技術が実は株の複雑系たる所以のようです。8月23日のコメント欄にも書きましたが、確率微分方程式をデリバティブに理論化したノーベル賞受賞者をそろえたLTCMが破綻したのも、突発的な出来事や思わぬ人間の行動までは、論理的な法則をいくら精緻に仕上げたところで限界があることを示しております。
追伸:以前から申し上げておりますが、四本足データをリアルタイムでダウンロードして、このOSCやらRSIやらを算出する計算式が組み込まれたエクセルファイルを無償で差し上げております。実践なさりたい方は、mariomari@goo.jpまでご連絡ください。希望者に個別にメールでファイルをお送りします。楽天証券のマーケットスピードとRSSが使える環境が必須です。この無償提供に何の他意もないことは、このブログを長く読まれている方であればご理解頂けるかと思います。非力な個人投資家が市場でうまく生き残って頂き、トレードを楽しんで頂くのがこのブログの目的でもあります。(1番の目的は筆者のトレーディングのスキル向上ですが。)
このように過去28日間のデータから拾ってきたOSC値ですが、日経平均が30%台を付けたその翌日の安いところで買い、という法則はかなりの確率で当たっているようです。しかし個別銘柄ではこの振れ幅がもっと大きいため、30%台に突入したからといって買っても、その後まだ下落が続くことがよくあります。例えば、2413ソネット・エムスリーのデータをご覧ください。
左から日付、終値、前日比、OSC値の順です。
7月12日 475K -8K 33%
7月13日 455K -20K 31% ←買いポイント1
7月14日 445K -10K 31%
7月18日 411K -34K 31%
7月19日 415K +4K 36% ←買いポイント2
7月20日 447K +32K 41%
7月21日 436K -11K 41%
7月24日 426K -10K 43% ←OSCコンバージェンス
7月25日 439K +13K 46% ←買いポイント3
7月26日 408K -31K 42%
7月27日 390K -18K 44% ←OSCコンバージェンス
7月28日 410K +20K 47% ←買いポイント4
ちょっとくどくなりますが、興味深いデータですので、独り言と思って見てみてください。この株のOSCと終値の7月に入ってからの最低値は7月18日でした。(青字部)しかし、これは後から振り返って分かることです。実際にはOSCが30%台に突入した7月12日の翌13日の終値455Kで買ったとします。(買いポイント1)この方はその後2日の下落に耐えられるでしょうか?多分損切りです。
<法則1>
OSCが30%台に突入したからといって、翌日必ずしも買いではない。特に前日比マイナス終了で前日安値を上回って終われなかった時は要注意。
では買いポイント2での買いはどうでしょうか。これは正解なのですが、筆者のようにリアルタイムでOSCと終値をトラッキングしていないと引けでは買えません。
<法則2>
OSCがプラ転し、終値もプラ転した時は買い。但し40%台は騙しもあることに注意。また、プラ転の度合いが大きすぎると翌日反落の危険性が高い。
では、筆者がよくOSCがコンバージェンスしたので注目と言っておりますが、このコンバージェンスした翌日の押されたところで買った場合はどうでしょうか。7月24日がコンバージェンスしておりますので、翌25日の押されたところで買ったとして、安値の427Kで買うのがベストでした。終値は439Kです。しかもOSCも46%と上昇しておりますので、ここは普通なら持ち越しです。ところがどっこいそこから地獄が控えておりました。(7月27日は380Kまでの底値がありました)つまり、買いポイント3は失敗ということになります。
ではOSCのコンバージェンスは当てにならないのかというと、そんなことはありません。7月27日にやはりOSCがコンバージェンスしております。翌28日は寄りつきからプラスで始まっておりますが、この日はいつでも買いで正解でした。つまり、買いポイント4まで待たないと、このソネットM3は真の買いタイミングではなかったのですね。
この真の買いタイミングをできるだけ確率を上げて見つけるというのが、筆者の課題です。
最近、このブログではXX日の終値がYYであり、その時のOSCから今日は+Z%上げながら、終値は逆にこれこれだけ下げている、といったコメントをよくするようになりました。アレクサンダー・ワイル博士のダイバージェンス現象などと称しております。
このダイバージェンス現象を上の四本足とOSC値の流れから読み取る方法が、実はもっとも高い確率で真の買いポイントを予測する手法だと気がつきました。上の例では青字の2つのデータに着目してください。買いポイント3が駄目で、買いポイント4がなぜ正解なのか、このダイバージェンス現象で理解できるかと思います。つまり、OSCは上げながら、終値がその起点となった日(上の場合は7月18日の411K)よりどれだけ下げているか、その極限点を計るやり方です。28日はいつ買っても正解と書いたのは、18日を起点とした場合に、28日は終値はまだ1K低く、しかもOSCは前日でも+13%も上方へ乖離しており、当日はさらに3%乖離していたためです。
7月25日はOSCが46%となり、この期間では最大でしたが、終値が439Kであり18日の終値の411Kからは28Kも上にありました。前日にOSCのコンバージェンスはしておりましたが、この1点でまだ買いではありませんでした。
こうした見方と、別途筆者が真の高値、安値をベースに累積値をトラッキングしている「指数値」と呼ばれる数値と、乖離幅(20日の+32Kの上げは、前日の乖離幅からも納得できます)を組み合わせれば、より精度が上がるようです。
問題は、テクニカル分析は過去のデータに依拠していることです。しかし、将来を見通すには将来のデータを先回りして入手出来ない以上、過去のデータに「前日までは」依存せざるを得ません。問題は「当日の変化」です。データと市場&個別株概況をミックスするといってもよいかと思います。ここの組み合わせ判断技術が実は株の複雑系たる所以のようです。8月23日のコメント欄にも書きましたが、確率微分方程式をデリバティブに理論化したノーベル賞受賞者をそろえたLTCMが破綻したのも、突発的な出来事や思わぬ人間の行動までは、論理的な法則をいくら精緻に仕上げたところで限界があることを示しております。
追伸:以前から申し上げておりますが、四本足データをリアルタイムでダウンロードして、このOSCやらRSIやらを算出する計算式が組み込まれたエクセルファイルを無償で差し上げております。実践なさりたい方は、mariomari@goo.jpまでご連絡ください。希望者に個別にメールでファイルをお送りします。楽天証券のマーケットスピードとRSSが使える環境が必須です。この無償提供に何の他意もないことは、このブログを長く読まれている方であればご理解頂けるかと思います。非力な個人投資家が市場でうまく生き残って頂き、トレードを楽しんで頂くのがこのブログの目的でもあります。(1番の目的は筆者のトレーディングのスキル向上ですが。)