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独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

明日のモニタリング銘柄(1.17.08)

2008-01-16 17:10:18 | 明日のモニタリング銘柄
今日の後場はどうも不吉な予感が当たってしまったようです。

今の世界的な金融不安という状況のもとで、いつものように株がリバウンドを果たすのが異常かも知れません。これは欧米の金融機関に不測の事態が起こっている兆候かも知れません。年の初めの勝手な予測で指摘した、レバレッジ効かせた証券化商品の地雷をあちこちの投資銀行、ヘッジファンドその他機関投資家が実際には踏みつけているのかも知れません。何しろ、二重・三重にレバレッジを効かせていた筈です。

言ってみれば、1億円の元手で10億円の証券を買い、その10億円の証券を担保にして、更に10倍の100億円の別の証券を買い、といったことを繰り返していたのが、連中という訳ですね。そこに、担保価値がなくなり流通しなくなった紙切れ同然の証券しか残っていないとしたら、あっという間に地獄まで真っ逆さまです。これがレバレッジの真の怖さですね。

もう、ここまでくると個別銘柄をモニタリング候補として挙げることはあまり意味をなさないようです。

まだ下がありうることを、オシレーターによるいつもの市況概況で確認をしておきます。

・日経先物:OSC25%(前日比-1%)
・CME日経先物:13585円(大証夕場比+145円、終値比95円)16日終値
・日経平均:OSC33%(前日比-3%)
・TOPIX:OSC37%(前日比-1%)
  ちなみにTOPIXのOSCの直近の最低値は11月12日の28%です。
・マザーズ指数:OSC27%(前日比-1%)
・ヘラクレス指数:OSC27%(前日比-1%)
・日本国債先物:OSC40%(前日同値)27銭高-金利低下
・NYダウ:OSC40%(前日比-2%)16日終値
・ドル円:OSC41%(前日比+7%)86銭円安 16日終値

今日の前場の切り返しという余計なことが起こったお陰で、ほとんどOSCが低下しておりません。日経平均のOSCは少なくとも8月17日の30%を下回らないと、このところの下落相場の説明がつきません。

ちなみに、明日の日経平均のOSCが29%になるためのシミュレーションをしてみました。寄り付きは13400円で始まり、13450円と少し反発しての高値を付け、その後13000円まで一直線に下落すると、OSCはちょうど29%にまで落ちます。このシナリオに沿って、明日以降今週は動くのではないでしょうか?

しかし、今日は余計な反発をしてくれたものですが、ものは考えようで、これで今週いっぱいの下落の余地が生まれたとも言えます。今日OSCが仮に25%でも落ちるような大下落をしてしまうと、それこそNYが今晩下げたからと言って、更に落ちる余地が確率論から言ってもほとんどなくなってしまうところでした。

上でシミュレーションをしたように、事態は13000円割れを一度は起こさないと灰汁抜けしない方向へと行っているような雰囲気です。もっとも、今晩にでもバーナンキが1%の利下げを緊急発表すれば、それはそれで話が違ってきますが、そうした狂気を今更起こすのなら、なぜ、初動で大きく先手を取らなかったのか?とも思えます。もっとも、そうしていたからと言って、今回の事態が回避されたとは全く思えません。

要は、ファンド資本主義と呼ばれる資本主義の深層(=真相)が顕わになってしまったことが、根本にある最大の問題、いや危機だと思います。資本主義の根っこが腐っていた訳です。略奪貸し付けにより、サブプライムローンで法外な手数料をせしめ、それを糊塗するために、信用評価機関と結託してCDOでまぶし、それを簿外資産として売り飛ばし、自身は法外な報酬を手にしていた、ということがあからさまになったのですね。

今日の後場は4716中国塗料のリバウンド狙いでの+10円と、2371カカクコムを戯れに指していたら421Kで出来てしまったので、引けにストップ安に張り付く前に、売買を繰り返しチャラにしたトレードのみ。とても危うくて手がつけられませんでした。

最後に、タイトルを「明日のモニタリング銘柄」と銘打っている以上、テクニカルに反発体勢にあると思われる銘柄を少しは挙げておかないと、看板倒れになりますので、筆者自身のためでもあり、少しばかりスクリーニングをかけておくことにします。

テクニカル用語の簡単解説

1.1412チャイナボーチー
 環境関連銘柄の一角ということで応援したい株。公募の16万円を大きく下回り、誰からも見放されOSCは-10%の26%と奈落の底に転落中。

2.6301コマツ
 25MAラインからの乖離は-20%と売り込まれ、OSCも38%で前日同値に沈んでおります。この円高では株主の37%を占める外国人もそれは逃げるというものです。しかし、このコマツがPER11倍になっている現状こそ、日本株の現状かと思いますが、実はこの会社、筆者が若い頃に初めて買った株なのです。確か350円位で買って、1ヶ月くらい持ってから売って儲けました。株で初めて儲けたのがこの株です。そうした縁からも、ここまで成長したこの株を応援したいものです。

3.7751キヤノン
 さすがに今日の4350円の安値からは反発しております。OSCは+9%の36%にまで跳ね上がっております。明日はこの4350円に近づけば近づくほど買い場となります。オイルマネーが入っているという根も葉もない噂があるようです。しかし、あの御手洗さん、年を取るまでにもう少し品の良い顔に出来なかったのですかねぇ~。あの顔が日本の財界の典型かと思うと、この株を買う気も失せるというものです。

4.7201日産自動車
 もうこうなりゃ、破れかぶれでこの株も挙げておきます。OSCは+4%の36%で久々に1000円割れ。日産を買うのはあのゴーンを買う訳では決してありません。あのスカイラインGTRをあの値段で世に問い、世界の自動車業界を震撼させたその技術力に敬意を表してです。時速300キロの世界ですよ。筆者の家のガレージがもっと大きく、株で大きく儲けた暁には、是非GTRを買いたいと思うほどです。明日は、絶対に他車にブーストしてやれよ。

5.6907ジオマテック
 地味系からはこれを。909円からの上昇でOSCも+7%の42%まで上昇。成膜加工の専業大手。液晶だけでなく有機EL向けも。筆者好み。隠れた優良株か?ここから下げても800円まで。

6.4849エンジャパン 
 やっと出血が止まったようです。しかし転職サイトという他人の褌で相撲を取る業態のせいでここまで貶められたようです。致し方ありません。自ら何かを生み出す会社ではないのです。いわば世の中の泡のような存在かと。しかし、かつて80万円以上もしていた株です。さすがに200Kを割ることはなかったようです。筆者が最も嫌う業態。

7.3402東レ
 炭素繊維で今後注目される株。今日はボーイングの例の一件もあり、大きく売り込まれ、OSCも-9%の31%まで下落。筆者の家の浄水器がこの会社のものです。という縁もあり日頃から親近感を抱いております。400円位の時からの付き合いですが、ここは少し贔屓してやらねば。

以上です。今日はあまりの下げに、昔を懐かしみながら、少し情に溺れたような銘柄を選別してしまいました。多分、世の異変を感じて少々気がふれたのでしょう。

明日は暮れぐれも地合の急な変動に巻き込まれて頓死だけはしないようにお気を付け下さい。
 
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当面のリバウンドなのかどうか?

2008-01-16 11:20:27 | 株に出会う
昨日のNYダウは一時12500ドル割れ。OSCはまだ42%もあり、短期調整としては、一気に12100ドルあたりまでの下落は想定しておいた方がよさそう。

日経も当然に、現在のOSC36%から30%割れ水準までの下落を覚悟せねばなりません。既に昨日のシカゴCMEは13695円で終わっておりますので、今日から週末にかけて13000円割れまで、一気にNYダウと連れ安する可能性まで見えてきました。この水準までくると、年初に書いたフィボナッチ比率での50%押し目水準です。

しかしながら、今のところ前場の終わりにかけて各市場ともリバウンドの色彩を強めております。既に分足のMACDは過熱状態です。皆さん、いつ突き落としが来るのかを警戒しながら、じり高を辿るのでやむを得ず買い上がりをしている感じですね。

但し、安心するのはチョイと早計かと思います。背後には欧米の金融危機の高まりがあるためです。

イギリスのノーザンロックは買い手が結局つかずについに国有化の方向。欧州の不動産バブルはアメリカ以上です。そして、特にイギリスは国際金融センターとしての位置づけから、オイルマネーを中心とする世界の資金が集まり、その資金が不動産(特に高級不動産の暴騰そして今年の下落)やアメリカ発の証券化商品へと流れ込み、それが裏でアメリカへのファイナンスをサポートしていたという構図です。その逆流が始まっております。

現在、ドルだけでなくポンドが弱いのも、こうしたアメリカとイギリスのこれまでの金融を中心とした一蓮托生の経済モデルの崩壊からは当然の帰結かと思います。

ユーロは賢明にも、英米のそうした金融至上主義に乗らなかったために、中間層の疲弊が少なく、それがアメリカほどの消費減退には陥っていないようです。日本はこの潮流に乗ろうにも乗れなかったので金融面での不安が少ない、ということでの消去法的な側面からの円高になっているに過ぎません。

前場は、2371カカクコムのまさかのストップ安までの下落からの反転で-1Kとなった他は、様子見の姿勢が勝ち、9438エムティアイで+6Kを抜いただけ。

堅実なところで、4901富士フイルムを朝から4200円で指しておりましたが、これは逃しております。

ちなみにOSCは先物が+4%の30%、日経平均が+6%の44%、マザーズ指数が+8%の36%、ヘラクレス指数が+5%の33%、TOPIXも+8%の46%と、数字の上では完全にリバウンドしております。しかし、各市場とも昨日の安値水準を上回れていないことにも留意。まだまだ押されすぎからの自律反発の域です。後場に更に伸びるとしてもこの安値水準までが精一杯と見ます。

この前場の反発局面で、特に先物は売買判断指数が159%にまで達しておりますので、後場はこの反動からの急な下げに見舞われることもあり得ますので注意。相当な強気局面(最近では12月5,6日あたり)でないと、この160%近い水準からは翌日に反落しております。

もし買い上がるにしても、後場の出だしで仕掛け的に上昇した時がタイミングとしては考えられますが、果たして、売り方の踏み倒しが勝つのか、相場全体のマクロな下降トレドからくる弱気が勝つのか、このあたりが見ものかと思います。

いずれにしても、引けにかけて更に戻したからと言って、明日も強気相場のリバウンドが続くと思っている参加者は少ない筈です。
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