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独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

市場概況(7.11.08)

2008-07-11 15:12:32 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説

7月11日(金)の市場概況を振り返ってみます。赤字部は12日朝更新

・日経先物:42%(+4%)7月8日の33%から切り返し中。
・日経平均:44%(+2%)7月4日の37%から切り返し軌道に入り損ねたか?
・TOPIX:47%(+3%)7月4日の38%から切り返し軌道に入り損ねたか?
・マザーズ指数:31%(同値)6月27日の26%に引き寄せられて安値更新中。
・ヘラクレス指数:36%(-1%)6月30日の27%に引き寄せられて安値更新中。
・長期国債先物:45%(+1)7月7日の32%からまだ切り返し中。
・日経先物イーブニングセッション:13010円(大証終値比-80円)
・シカゴCME先物:12960円(大証終値比-130円)更新
・NYダウ:11100ドル(128ドル安)OSC42%(-3%)7月8日の46%から下落に転じる。更新
・ドル・円:106.34円(75銭の円高)OSC52%(+1%)7月8日の62%から下落中(円高進行中)更新

今日の圧巻は、後場に一度12920円まで落として最安値をマークさせてからの、その後の怒濤の上げでした。ここまでフェイントを厳しくやられると、SQの日でもあり、何か裏があるのではとの疑心暗鬼に駆られて素直には乗れないものです。

後場はその押し目の時に2326デジアーツを110Kで朝から待っていたのが約定。その後、今日も安値更新の株なので薄利撤退。そして、6269三井海洋開発が2時前に切り返す時に40円抜いたトレードのみ。

その後は一進一退の難解な相場でした。

日経平均は7月7日に13400円台に乗せてからは、安値を更新中。TOPIXも同様。先物だけ昨日の安値で今日は踏みとどまっております。OSCも7月8日の33%から日々切り上げてきており、NY次第では反発する気配です。月曜日はもう一度だけ12920円を試しに行く可能性がありますが、ここで踏みとどまれば3度目の正直で、一定程度の切り返しを見せるかと思います。

しかし、肝心のNYダウが安値を更新中であり、今晩あたり不足の事態で、11000ドル割れとなれば、一気に下に持って行かれるかと思います。

この11000ドル割れで、株に資産の多くを振り向けているアメリカ人は、損益がマイナスに転じるそうです。そうなるといよいよ消費が減退、インフレの進行、そして景気後退と、悪いサイクル入りが確実となりそうですね。

-------12日朝のコメント-------

NYダウはついに一時11000ドル割れ。昨日後場の日経の上昇は、フレディマックとファニーメイの国有化の噂のせいだったそうです。しかし、NYダウの寄り付きでは、両社の株は国有化の懸念で50%近い急落となったようです。国有化すれば、株は紙くず同然となるため投げ売りは当然ですね。ということは、昨日の日経の後場の上げは、典型的な嵌め込みでしたね。その筋は、これでサブプライム問題も灰汁抜けしたと思わせたかったのでしょうが、そんなに簡単なものではありません。

このGSE(Government Sponsored Enterprises)と呼ばれる両社のうち、ファニーメイは60億ドルの増資をこの5月に行った筈ですが、投資銀行が証券化した証券を「投資家」として両社合わせて2448億ドルも保有しており、そのほとんどがサブプライム関連投資と言われております。(このことを明らかにした権威ある?我が国の「独立行政法人」(名前は例によって難解だったため、既に忘却)のHPの記事はすでに削除されております。今回の動きに関連してとてもきな臭い。)とてもこの程度の増資では間に合わないでしょう。5月7日のブログ参照。

サブプライム・モーゲージ関連の証券の市場価格はほぼゼロに落ちております。

フレディマックは昨晩緊急声明を出し、RMBS(注)を担保として借り入れ可能なため、自己資本は適切と言っております。これはFRBからの借り入れを意味するのでしょうが、やはり両社は実質破綻状態になっていると言ってもいいでしょうね。

注)住宅ローン担保証券のこと。両社合計で4.5兆ドルも保有し、昨年末残高の6割を超えます。破綻すれば相当のインパクトです。
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仕手株の哀れな末路

2008-07-11 11:25:22 | 株に出会う
人間が死ぬ時、一瞬意識を取り戻してパァーと最後のこの世の見納めにと、神が活力を与えたもうことがあると聞きます。

仕手株の末路もこれと似ているのは単なる偶然とは思えません。例の1972三晃金属のことです。

5円安の410円で始まり、そこから435円まで上げた時が、その最後のこの世の見納めでした。その値段は奇しくも昨日の後場に付けた高値水準でした。その筋は最後の稼ぎ場をこのように周到に設定したことでしょう。

骨の髄までしゃぶるとはまさにこのことです。

それ以降のこの株は、上月晃(三晃金属の晃はここから取っております??)の後光はすっかりと消え失せ、ジリジリと下げるばかり。ここで手を出すのは、まさに資源のないアフリカの慈善事業に家財を担保に入れてつぎ込むようなものです。リターンを期待するとすれば、かなりの確率で失敗します。ここはごくごく真面目に貧困に苦しむ同類を助ける気持ちでなければなりません。そうすると貴重なあなたのお金は、何百人もの人々の命を救うことになり、それはそれで生きた使い道をしたという満足感も残るでしょう。

ところが落ち目の仕手株に欲だけで買いを入れても、蟻地獄に共々落ちるだけです。安部公房の「砂の女」のような、砂を噛むような思いをするだけです。

次の機会をじっくりと待つ以外にありません。

日本市場は、NYダウが上げてもアメリカの苦境を見抜いているかのように、日経平均は下げて始まりました。やむを得ません。今日のコメントに書いたように、AAA格のフレディマックとファニーメイが破綻状態に陥っています。政府保証があると思い込んで彼らの証券を買っている世界の金融機関は、今頃かなり青ざめていることでしょう。

一応、各市場の動向を確認しておきます。

・日経先物:41%(+3%)-20円
・日経平均:45%(+3%)-55円
・TOPIX:48%(+4%)-7.4ポイント
・マザーズ指数:30%(-1%)-0.93ポイント
・ヘラクレス指数:35%(-2%)-11.33ポイント
・長期国債先物:46%(+1%)16銭高(金利低下)
・ドル・円:107.04円(+5銭の円高)前日終値比

新興市場は素直に続落。主力市場もOSCはコンバージェンスしておりますがマイナス圏で終始。

この後の株価予想はかなり困難ですが、このままマイナスで終始すると、今晩のNY市場がマイナス終了なら、明日、もう一度下値を模索した後、反発に転じる兆候を示しております。

前場はあえて上値を追わず、下で待っておりましたが何も約定せず。あまり無理をしないで後場に臨みたいと思います。

筆者がいくらお人好しでも、何の縁もゆかりもない、臨終間際の病人の空元気にまで付き合う必要はないのではないかと思う次第。。。あの世まで連れて行かれては、清廉な「慈善事業」を標榜したところで、元も子もありません。この世は、命あっての物種というものです。
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政府系住宅金融会社が実質破綻状態?

2008-07-11 06:55:25 | 株に出会う
11日朝のコメントを書いていたら、結構重要なニュースが昨日あったようです。それはフレディマックとファニーメイについてです。以下に稿を改めて掲載します。

-------以下、11日朝のコメント-----

NYダウは一時年初来安値を更新するも、引けにかけては切り返しての82ドル高でした。安値更新は当たったのですが、その後の切り返しは、原油が急騰した中ではチョイと異例でした。

しかし、この切り返しはまだ安値を切り下げている状況の中では、とても反転に転じたとは言えません。バーナンキは昨晩もPDCF(プライマリーディーラー向けの連銀窓口貸し出し)の継続(昨日は2009年までの延長声明だった)を表明しております。つまり、金融機関が持つ不良債権は、今の金融の混乱が収拾するまでは、FRBが無期限に引き取りますよ、といっているようなものです。

実は、これが原油高の大きな背景です。

FRBは、不良債権を「引き取りますよ」としか言っておりません。代わりに換金が容易な米国債を渡す訳ですが、これは金利を付けていずれ返さなければなりません。返すべき時期が来たら、借り換えもOKと言っているに過ぎません。

借りた金融機関は、何としてもこの資金で利益を上げ、自らのバランスシートを改善しなければなりません。そこで、現在もっとも利益を上げるのが容易な商品市場にお金をつぎ込まざるを得なくなっているのです。いわば、FRBから借りたお金でイチかバチかの投機の世界に打って出ざるを得ないのですね。そういえば、今年の原油先物のチャートを見て下さい。綺麗な右肩上がりです。押し目で買えば必ず儲かるパターンですね。昨年までと全く異なります。

何だか、長良川の鵜飼いがFRBで、鵜そのものが金融機関の構図です。しかも本来の鵜は、川魚程度しか採れないのに、もっと換金率の良いマグロを10羽がかりで採ってこいと強要されているような悲哀を感じますね。哀れな鵜が結局はマグロに飲み込まれなければ良いが。。。

プール前セントルイス連銀総裁が、フレディマックとファニーメイの両政府系住宅金融機関が「実質破綻状態にある」と述べたことで、これら2銘柄は急落。その後、イエレン・サンフランシスコ連銀総裁は、これら2社の財務状態については、「コメントできない」とだけ述べております。

そりゃ、現職の総裁と前職の総裁では、発言内容が異なるものですが、こうした場合、フリーな立場の前職のコメントが信用できるというのが、フツーの見方です。

となると、大変なことになります。詳細は、昨年4月30日のこのブログ記事を参照下さい。
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