GSE問題が表面化した割には、NYダウが連日で切り返し、ドル・円も円安に振れるなど、市場は奇妙な小康状態を保っているようです。
これは、大きなトレンドの中の小さなトレンドの「反転」と見なければなりません。小さなトレンドだけを見続けていると、その変幻自在さにいわば翻弄され、ただただ身を任すだけの大波に浮かぶ小さな葉っぱとなってしまいます。
筆者は、大きなトレンドまで分析するような能力も技術も感性も何も持ち合わせておりませんが、中ぐらいまでのトレンドなら、ここ3年間ぐらいの積み重ねのお陰で?、何とか世間からの情報などを参考にして、少しは食らいつくことが出来るようになりました。
今日は、その中くらいのトレンドをいくつか確認しておきます。
★ドルインデックス:
米ドルの弱体化がずっと叫ばれております。しかし、これはドル・円だけを見ても駄目で、円に加えてユーロやポンド、スイスフラン、カナダドル、スエーデンクローナの計6つの通貨をまとめて、ドルの相対位置を評価しなければなりません。それがドルインデックスです。
→7月17日現在のドルインデックス:72ポイント少々。
2008年2月は77ポイント、3月の危機の時に71ポイントでした。
古くは、2001年7月には121ポイントでした。7年間で50ポイントの下落です。1年間で7ポイント平均の下落。今年の2月~7月でもほぼ同じ程度の下落です。
ここ数日の円安(ドル高)は、原油相場が軟調になったための一時的な現象と見なければなりませんね。
★ボラティリティ・インデックス(VIX):
VIXの定義はこちらです。
NYダウが底を打ったかどうかを中期的に判断する指標として使えます。35ポイントを今年は1月と3月に2度マークしております。今回の下落では30ポイントにまでしか届いておりません。これで収束するのか、この後35ポイントあたりまで届いて底を更に打つのかは予断を許しませんが、少なくともここ2日(17日、18日)のNYダウの上げでは投資家心理は改善されていないようです。ほぼ横這いで18日は24ポイント。
5月からのチャートを見ると、原油価格とは違って、まだ上昇のトレンドラインの下限で踏みとどまっております。つまりまだ不安心理が勝っている状態ですね。
★景気期待指数と景気現況指数:
なぜ、日本の株価がこのところ世界でも相対的に高いのかを解く鍵の1つがこの2つの指標です。主要国の7月のデータを並べてみます。
景気期待指数 前月比 景気現況指数 前月比
・アメリカ -29.4 -8 -77.9 -4.7
・ユーロ圏 -63.7 -11 -3.3 -11.2
・ドイツ -63.9 -11.5 +17 -20.6
・イギリス -59.1 -4 -43 -12.7
・フランス -63.9 -10.2 -17.7 -11.3
・日本 -32.2 -9 -19.8 -2.0
これは世界の350の主要機関投資家とアナリストにヒアリングした結果であり、かなり信頼できるものです。
注目すべきは、ユーロ圏の主要国の景気現況指数が大幅に悪化していることです。特に景気を引っ張ってきたドイツが、まだプラス17ポイントで気を吐いてはおりますが、大きく悪化。
それに対して、アメリカはこれまでに悪化し過ぎているためか、景気の現況指数は小幅の下げに留まっております。今後はユーロ圏の景気の悪さがクローズアップされるものと思います。ここにはデータはありませんが、スペインなど住宅バブルが引き金になって、金融機関も倒産し自動車販売が3割も落ち込むなど、かなりひどい状況に陥っております。
この夏過ぎには、ECBが0.25%政策金利を上げたことの結果がきちんと市場からのメッセージとして出ると思います。筆者は、ユーロ圏は赤信号が点滅し始めていると思います。
★日経平均の長期移動平均線:
40年移動平均線→12840円
45年移動平均線→11563円
以上の2つの移動平均線の攻防が、日経平均の現在の位置となっているようです。
10年移動平均線は13627円ですが、これは6月27日に割り込んでしまっております。7月7日に一旦13409円まで付けましたが、それまででした。こうした節目を中期的には意識しておくのも損はないかと思います。
以上、4つの指標をご紹介しましたが、元ネタは、COTレポートの見方です。管理人は現職の証券会社の営業部長。証券・外為・商品先物などのオンライン部門を主に担当とあります。ご本人は職業柄実際のトレードは出来ませんが、その仕事柄からか、内容は凄いものがあります。是非継続的にチェックしてみて下さい。
これは、大きなトレンドの中の小さなトレンドの「反転」と見なければなりません。小さなトレンドだけを見続けていると、その変幻自在さにいわば翻弄され、ただただ身を任すだけの大波に浮かぶ小さな葉っぱとなってしまいます。
筆者は、大きなトレンドまで分析するような能力も技術も感性も何も持ち合わせておりませんが、中ぐらいまでのトレンドなら、ここ3年間ぐらいの積み重ねのお陰で?、何とか世間からの情報などを参考にして、少しは食らいつくことが出来るようになりました。
今日は、その中くらいのトレンドをいくつか確認しておきます。
★ドルインデックス:
米ドルの弱体化がずっと叫ばれております。しかし、これはドル・円だけを見ても駄目で、円に加えてユーロやポンド、スイスフラン、カナダドル、スエーデンクローナの計6つの通貨をまとめて、ドルの相対位置を評価しなければなりません。それがドルインデックスです。
→7月17日現在のドルインデックス:72ポイント少々。
2008年2月は77ポイント、3月の危機の時に71ポイントでした。
古くは、2001年7月には121ポイントでした。7年間で50ポイントの下落です。1年間で7ポイント平均の下落。今年の2月~7月でもほぼ同じ程度の下落です。
ここ数日の円安(ドル高)は、原油相場が軟調になったための一時的な現象と見なければなりませんね。
★ボラティリティ・インデックス(VIX):
VIXの定義はこちらです。
NYダウが底を打ったかどうかを中期的に判断する指標として使えます。35ポイントを今年は1月と3月に2度マークしております。今回の下落では30ポイントにまでしか届いておりません。これで収束するのか、この後35ポイントあたりまで届いて底を更に打つのかは予断を許しませんが、少なくともここ2日(17日、18日)のNYダウの上げでは投資家心理は改善されていないようです。ほぼ横這いで18日は24ポイント。
5月からのチャートを見ると、原油価格とは違って、まだ上昇のトレンドラインの下限で踏みとどまっております。つまりまだ不安心理が勝っている状態ですね。
★景気期待指数と景気現況指数:
なぜ、日本の株価がこのところ世界でも相対的に高いのかを解く鍵の1つがこの2つの指標です。主要国の7月のデータを並べてみます。
景気期待指数 前月比 景気現況指数 前月比
・アメリカ -29.4 -8 -77.9 -4.7
・ユーロ圏 -63.7 -11 -3.3 -11.2
・ドイツ -63.9 -11.5 +17 -20.6
・イギリス -59.1 -4 -43 -12.7
・フランス -63.9 -10.2 -17.7 -11.3
・日本 -32.2 -9 -19.8 -2.0
これは世界の350の主要機関投資家とアナリストにヒアリングした結果であり、かなり信頼できるものです。
注目すべきは、ユーロ圏の主要国の景気現況指数が大幅に悪化していることです。特に景気を引っ張ってきたドイツが、まだプラス17ポイントで気を吐いてはおりますが、大きく悪化。
それに対して、アメリカはこれまでに悪化し過ぎているためか、景気の現況指数は小幅の下げに留まっております。今後はユーロ圏の景気の悪さがクローズアップされるものと思います。ここにはデータはありませんが、スペインなど住宅バブルが引き金になって、金融機関も倒産し自動車販売が3割も落ち込むなど、かなりひどい状況に陥っております。
この夏過ぎには、ECBが0.25%政策金利を上げたことの結果がきちんと市場からのメッセージとして出ると思います。筆者は、ユーロ圏は赤信号が点滅し始めていると思います。
★日経平均の長期移動平均線:
40年移動平均線→12840円
45年移動平均線→11563円
以上の2つの移動平均線の攻防が、日経平均の現在の位置となっているようです。
10年移動平均線は13627円ですが、これは6月27日に割り込んでしまっております。7月7日に一旦13409円まで付けましたが、それまででした。こうした節目を中期的には意識しておくのも損はないかと思います。
以上、4つの指標をご紹介しましたが、元ネタは、COTレポートの見方です。管理人は現職の証券会社の営業部長。証券・外為・商品先物などのオンライン部門を主に担当とあります。ご本人は職業柄実際のトレードは出来ませんが、その仕事柄からか、内容は凄いものがあります。是非継続的にチェックしてみて下さい。