株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

リバウンドがしやすいタイプ

2008-07-26 14:36:09 | 株に出会う
木曜日の夜、NYダウは200ドル超の下落でした。当然、金曜日の日本の株式市場も下落モードで始まりましたが、その後の結果は、大きく分けて次の3つのパターンに分かれました。

1.寄り底タイプ(寄り付きの若干の下落から、ほぼ右肩上がりの上昇)
2.寄り天タイプ(寄り付きから、ほぼ右肩下がりの下落)
3.そこそこタイプ(寄り付き値段を挟んでのボックストレンドに終始)

1の寄り底タイプとは、どういう条件を備えていたのでしょう。これをきちんと総括しないことには、今後も同様なケースが発生した時に、何を寄り付きで買って良いのか分かりません。

そこで、日中足を手がかりに、この3つのパターンにあてはまる銘柄の、前日までの動きの特徴を把握するのが今日の目的です。

=寄り底タイプの定義=

 寄り付きが底値で、その後引けに前日比でOSCを落とさずに、ほぼ高値圏で終わっている銘柄とします。

・3859シナジーマーケティング(-5.1%での始まり)
 前日高値引け、昇り基調(OSC2連続上昇)。

・2432DeNA(-2.6%での始まり)
 前日ほぼ高値引け、昇り基調(OSC2連続上昇)、前日出来高急増。

・6363酉島製作所(-1.4%での始まり)
 昇り基調(OSC3日連続上昇)。

・4503アステラス製薬(-1.2%での始まり)
 前日高値引け、昇り基調(OSC2日連続上昇)、底値脱出過程。


200銘柄を超える監視銘柄からたった4件です。

寄り底となった以上の銘柄に共通することは、前日高値引けであること、OSCが昇り基調にあること、そして出来高急増銘柄ということになります。

しかし、事はそう簡単ではありません。例えば、金融銘柄の8315三井住友FGは、出来高急増ではありませんが、残りの2つの条件は満たしておりました。8306三菱UFJも同じです。(みずほFGは前日押されての終了でした。)

従って、その日の業種別の人気度を最優先する必要があります。木曜日のダウの下げはアメリカの金融不安再燃でしたので、日本の金融機関が上げる訳はありませんでした。

そうして見ると、業種別では電池関連銘柄がこのところ復活基調でした。出来高も多いままです。OSCは当然、上昇基調でした。ここで代表的な電池関連銘柄を見ておきます。

・6674GSユアサ
 2%安で寄り付き、前日比2.8%安まで落ち、引けに27円高で終了。

・6934新神戸電機(OSCは前日に下落し、マイナス終了)
 1.3%安で寄り付き、前日比2.6%安まで落ち、最後は+19円で終了。

・6937古河電池
 3.6%安で寄り付き、前日比4.5%まで落とされ、引けは+29円で終了。

・6759NECトーキン
 2.6%安で寄り付き、前日比3.6%安まで落とされ、引けはゼロ終了。

結論として、総合的に言えることは、

①前日までの勢いがあること(OSC、出来高、前日が高値引けかどうかで判断)
②当日はかなり押されての寄り付きであること、
③その業種に関してはネガティブな材料がないこと。

この3つが満足されればされるほど、翌日の深い押し目からの一気のリバウンドが期待できるということになりそうです。

上記の電池銘柄は、前日に利確の動きがそれなりに出ており、決して高値引けではなかったことが、寄り底そのものにはならずに、一旦底値を見定めてからの急反転に繋がったものと思います。その意味では、前日引けにかけてのトレンドは大事です。

出来高が少ないのですが、例えば、6023ダイハツディーゼル。これは前日に出来高を伴ってのストップ高まで付けておりました。そこから少々押されての終了でしたが、金曜日は2.7%安で始まり、一瞬1151円の成り売りがあり(多分、たったの1件だと思います。)、その後は前日終値比+5%程度までの高値を付けております。

これがストップ高張り付きでしたら、1151円の成り売りもなく、寄り底から一気に+5%高までは行ったことでしょう。

以上の見方を、NYダウ急落時の翌日の日本市場での銘柄選びの「仮説」と考え、今後のトレードではチャンスを逃さないようにしていきたいと思っている次第。

しかし、こうしたパターンが色々とあるため、株は確かに難しいですねぇ~。徒手空拳の単純売買で勝てる訳はありません。
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格付け機関とは一体何者か?

2008-07-26 08:02:00 | 株に出会う
7月26日朝のコメント欄が長くなりすぎたので、首記テーマにして別稿で抜き出しました。

-----以下、26日朝のコメント-----

NYダウは平穏に終わったようです。良いニュースとしては原油安(123.26ドル)の他に、6月の耐久財受注が-0.3%の予想が0.8%となったこと、ミシガン大学消費者信頼感指数が56.4%の予想に対して61.2%と良かったこと、また、新築住宅件数も予想を27K上回って年率換算530Kだったことがありました。

但し、悪材料としては、S&Pがファニーメイ、フレディマックについて格下げ方向で見直しとの、当然とも言えるニュースがあります。これがNYダウを大きく押し下げたようです。

そうだったのか。。。

格付評価機関には、今回問題となった証券化商品など金融商品の格付けの他に、会社や国そのものに対する格付けをする機能がありましたね。

金融商品の格付けにおいてはその相手から格付手数料を得ている訳ですが、会社に対するこうした格下げを伴う格付けについては、まさかファニーメイなどから手数料を得ているのではないでしょうね??

と思ってS&Pのウェブサイトを見ると、個別企業の格付け情報の閲覧は有料となっておりました。つまり、当該会社からは手数料は貰わないけれども、その会社に投資を考えている人からは情報サービス提供料を頂く仕組みのようです。国に対する格付けは多分、結果をオープンにする必要があるので1種の「公共サービス」でやっているのでしょうね。

個別商品に対する格付けは、それを行うアナリストが、格付手数料の交渉に拘わらないことを規定して厳格な社内行動規範としていると言いますが、それは野村でのインサイダー事件の防止(これは全証券会社のシステムデータを集めて、様々なインサイダー臭い取引を炙り出す多様なデータ処理を行えば、ある程度は防げる可能性はあります。)策よりも、もっと胡散臭いものです。元来、アナリスト(&会社の蓄積データ)の固有技術に負うところが多く、その分析モデルこそ格付け機関のノウハウであるため、第三者が後で検証するデータが公開されていないし公開することもないからです。

そうなると、この格付け機関というのは、一体全体プライベートな会社組織で良いものだろうか?もっとも政府組織にしたところで、政府の圧力がかかるので好ましくはありませんが、純粋の民間企業がビジネスベースでこうした格付けを行うのもチョイと変ではありませんか?

証券化商品の格付けに関しては、筆者が昨年9月23日のブログでムーディーズのCEOの言い分に疑義を唱えた通りです。

格付会社の格付けに対する市場での受け止め方と、格付会社の言い分にズレが明らかに生じております。「サブプライムローンの証券化商品の格付けは2005年までは厳しすぎたのではないかと言われたぐらいだ」と、ムーディーズは平然と言い放っております。その頃のサブプライム商品が今になって問題を起こしているではないのでしょうか。

こうして、その時々で言質を七色に変えるようなCEOが率いる格付会社に世間が依拠し、その格付結果に一喜一憂するというのも、この近代資本主義社会が生み出した、キメラのような存在かも知れません。(いや、色鮮やかな毒キノコでしょう。心は、それを食した人間=世界の金融機関は、後になって体調が悪化、最悪は死亡に至る。)

しかし、誰が本来格付けをするのが望ましいかと言うと、そのブログで書いたように、格付けは不特定多数の投資家が資金を出し合って設立した機関が行い、少なくとも個々の投資家の意向がその会社の金融商品の格付けに影響しないようにすべきではないかと思うのです。

中立的な運営が、それはそれで難しいですが、今の純粋プライベート企業のプロフィット事業として行うことの弊害の大きさを比べれば、こうした別の事業体への転換をすべきではないでしょうか。

もっとも、国連と同じで、各出資会社の利害調整に多大な労力を要し、格付行為そのものが全く機能しなくなる怖れもありそうですので、国連における常任理事国のような特定の会社が影響力を持つことがないように、例えば、上場企業全員が均等に出資するなどの仕組みを考えてはどうでしょうか。

参考までに同じ時期にS&Pがアメリカの上院で行った証言です。
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