株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

明日のモニタリング銘柄(7.15.08)

2008-07-14 21:17:52 | 明日のモニタリング銘柄
今晩のNYダウは、米財務省とFRBの救済策の成否が問われる日となりそうです。米財務省は、納税者に負担を与えない方策を取ると言っておりますが、それは500兆円にも上る住宅担保債券の価値を支える住宅価格がこれ以上下がらないことが前提となります。もし、後15%程度は最低でも下落するなら、単純計算で500兆円X0.15=75兆円の更なる債券価格の下落ですね。

フレディマックとファニーメイの自己資本は現在7兆円です。後8兆円の増資が必要とのことですが、500兆円のエクスポージャーに対してはたったの1.6%にしかなりません。

もう一度ケース・シラー住宅指数を見てみましょう。ロスアンジェルス地区をモデルにします。2006年に274ポイントの最高値をマーク。最新データの2008年4月には203ポイントに下落。下落率は26%です。2000年1月を起点にして、一旦2.7倍に上がった住宅価格がまだ2倍の水準です。日本のバブルの時の経験から、とてもこれで済むとは思いません。筆者の経験でも少なくとも最高値から半分には下落しております。つまり274ポイントから137ポイントあたりまでの下落が必然かと思います。137÷203=67%となりますので、後少なくとも3割程度の下落が見込まれます。

どう考えてもたったの8兆円の増資で500兆円のエクスポージャーがマネージ出来るとは思えません。

さて、金融の専門家でもない筆者が、このような勝手な憶測記事を書くと、どうやら、SECが「風説の流布」の摘発に立ち上がったようですので、下手をすると当局から不意にお呼びがかかるかも知れません。この年になって、異国の地、アメリカの監獄にぶち込まれるのはご免被りたいものですが、まあ冥土の土産にはちょうど良いのかも知れません。

さて、前置きが長くなりましたが、明日のモニタリング銘柄です。

1.4901富士フイルムホールディングス
 富山化学の買収以降、余り冴えません。それにしてもOSCを7%も下げての27%はこの株としては3月24日以来です。今日の安値の3480円の更新がなければ、買っておく手か。

2.6379新興プランテック
 OSC38%(-10%)は3月10日の34%以来の出来事。

3.1972三晃金属
 落ち目の仕手株。しかし、安値は切り上げ、OSCは+2%の44%に戻し、指数値は、金曜日がボトムで今日は切り返しておりますが、まだ6月20日のそれより安い水準です。ここで一旦下落に歯止めがかかるかどうか?353円の今日の安値が死守できるかどうかに注目。

4.6252TAIYO
 OSCを10%も落としての34%は、この株にとっては初めての経験。一応、6月30日の238円と言う安値までの下落は明日は覚悟。落ちきったところからの反発があるのかどうか?太陽電池製造装置メーカーの一角。

以上です。


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市場概況(7.14.08)

2008-07-14 15:42:21 | 市場概況
テクニカル用語の簡単解説

7月14日(月)の市場概況を振り返ってみます。赤字部は15日朝更新

・日経先物:43%(+1%)7月8日の33%から切り返し中。
・日経平均:39%(-5%)7月9日の38%から反落中だが、ギリギリ粘っている。
・TOPIX:40%(-7%)7月9日の39%から反落中だがギリギリの粘り。
・マザーズ指数:34%(+3%)7月10日の31%に引き寄せられて安値更新中。
・ヘラクレス指数:34%(-2%)6月30日の27%に引き寄せられて安値更新中。
・長期国債先物:47%(+2%)7月7日の32%から切り返し中。
・日経先物イーブニングセッション:13010円(大証終値比-40円)
・シカゴCME先物:12970円(大証終値比-80円)更新
・NYダウ:11055ドル(-45ドル)OSC43%(+1%)7月8日の46%から下落中。更新
・ドル・円:106.21円(13銭の円高)OSC46%(-6%)7月8日の62%から下落中(円高進行)。更新

今日の後場は予想通りに反落しました。しかし、12970円まで先物が落とした後は、意外としぶとく粘り、引けはまだ13000円台をキープしております。いつもの、第2弾、第3弾の下げが今日の後場は見られませんでした。チョイと不気味な終わり方。

しかし全体を見渡すと、先物を除いてOSCは軒並み下落。新興市場も一部の押しに押されていた銘柄だけ健闘しておりますが、指数は安値を更新中。

長期国債は安く始まったものの、後場には何とか切り返しておりますので、資金は株式市場から債券市場へと逃避の流れが鮮明にはなってきております。

後場は、その大きく落下する時に2326デジアーツを101Kで買わされ、その後100Kを割り込む雰囲気があったので、一部を除いて-1Kの損切り。その残りも同値撤退でしたが、どういう訳か、その後106Kあたりまで戻しております。明日以降が勝負でしょう。

その他4185JSRが一部出来ましたが、これも早々に撤退。しかし100株単位のためか中々に活発な値動きです。明日以降も地合に敏感に反応する銘柄として、チョイ遊びをするには格好な銘柄かと。その銘柄の癖を掴んでおかないとやはり駄目ですね。

と言う訳で、今晩のNY市場の注目度が俄然高まってきました。ここで持ち越しはかなりのリスクがあるかと思います。3月のような雰囲気が高まってきております。それにしてはVIX指数など、先週金曜日で27.49ポイントであり、まだ上げきっておりません。これからが本番の雰囲気です。

明日のモニタリング銘柄は追ってアップする予定です。これから、歯科医で歯の定期点検です。

-------15日朝のコメント-------

原油は横這い。金は上昇。金融懸念は払拭されず下げて終わっております。欧州は買収関連ニュースで軒並み上昇。ダウはまだ11000ドル割れの瀬戸際です。7月9日の11418ドルの高値で一旦ピークアウトした感があります。これからの金融機関の決算を控えて、今のじり貧膠着状態が継続するものと思います。

今日の日本市場は少々やっかいな動きとなりそうですね。中途半端なダウの下落、先物は13000円割れで果たして12920円をまず防御できるのかどうか。そこを突き破られれば12800円の黄金分割比率でまずは下げ止まるかどうか注目です。
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テクニカルな綾戻しの範囲か?

2008-07-14 11:27:58 | 株に出会う
前場、日本市場は意外な健闘を見せております。

そうは言っても、アメリカ同様に最初は株式も債券も共に下げておりました。

これは実は危険な兆候です。資金の逃げ場がないことを意味します。現金化か現金に代わるドル下落のヘッジとしてのゴールドに資金が逃げている状況ですね。

今晩予定されているフレディマックの短期債の入札がもし不調に終われば、NY市場が大きく動揺するであろう事は、この極東の市場においてはどうも能天気に受け取られているようです。

前場の上げは、テクニカルな綾戻しの範囲と思います。一旦戻すタイミングに日経平均にしても到達しておりました。

今日はNY市場を意識して大きく下げるであろうという市場の大方の予想に反して、このように天の邪鬼に相場が跳ねることは良くあることですね。

だからといって、この上昇気流に相乗りをしようとして、飛び乗ってもろくな事は待ち受けていないと思います。上空では気圧も低く空気も希薄です。その限られた飛行船に定員以上の欲に駆られた乗客が詰めかけると、どういう事態を招くかは火を見るより明らかです。

「オー、ミステーク!」という英語が、GHQ占領下で最も日本人の間に流行った英語だそうです。(ジョン・ダワー著、「敗北を抱きしめて」)

このジョン・ダワーというアメリカ人が書いたこの本、戦後の日本の状況を描いた本としてはまさに一流の本です。上下2巻の大作ですが、何故にこうした本が日本人が書けなかったのか?

それは、まさに大東和戦争(あえて、戦前のこの言葉を使います。)は、「オー、ミステーク!」と軽く受け流した、日本の多数の意識構造が影響しているのでしょう。

筆者も家人からこっぴどく叱られることがあります。その際、思わず「オー、ミステーク!」などと軽く口に出したりすると、家人の怒りをますます助長することになることは火を見るよりも明らかです。

つまり、本心から改心していないことが、丸見えになっている言葉が、「オー、ミステーク!」という訳ですね。

一体全体、何を言いたかったのか分からなくなってしまいました。

そうです。今日の前場の思わぬ買い上がりは、「オー、ミステーク!」と言っているのと同義ではないかと思うのです。

つまり、日本の市場は本心から改心している訳ではないことを言いたかったのです。

フレディマックとファニーメイの問題は、あくまでアメリカ自身の問題である。我が日本は世界でも類を見ないほどに受けた傷跡が少ない。ここは自信を持って、日本の相場を世界にぶち上げようではないかと、まるで戦前に無謀な戦いをアメリカに挑んだような、その無謀さが見え隠れしているのではないかと。。。

後場はこの大いなる自信が、くず折れる瞬間が来るのではないかと思っております。その時になって、「オー、ミステーク!」と叫んでも、無謀にも、上空高く舞い上がった飛行船を助けに行こうという「似非善人」すら、この欲が渦巻く株式市場にはもはやいないでしょう。

前場は、あえて無謀な飛行船への飛び乗りは行わず。かといって、飛行船が地上に降りてくる訳でもないので指し値は突き刺さらず、結局は傍観していたのみ。

追伸:前場のこの上げ、13日にアメリカ財務省とFRBがファニーメイとフレディマックに、必要に応じて公的資金による資本増強(150億ドル相当-この程度では焼け石に水)を検討するほか、FRBが資金繰りを全面的に支援するとの緊急声明を出していたことが、好意的に受け止められての反応だったようです。しかし、これでドル安の流れは逆に決定的。ゴールドは今日も上げております。日曜日にこうした声明を出さざるを得ないほどに、アメリカの金融市場が悪化していることの現れかと。
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