同じオシレーター系の指標でも、RSIには見えなくてOSCには見える光景もあります。株式相場においては、短期的には下降トレンドなのか上昇に転じたのかは分かります。極端な話、昨日より日経平均が下げていれば下降トレンドと誰でも分かります。
しかし、2ヶ月くらいのスパンで値動きを判断することが、大変重要になってきます。それ以上になると四半期単位で企業も決算をし、さまざまな経済イベントも一巡しますので、あまり意味を持たないのが現状です。
そこで、今日はOSCから見て、この3ヶ月くらいまでの中期波動について検証してみたいと思います。
それというのも、この波動さえうまく捉えられれば、もっとも旨味のあるトレーディングのタイムフレーム(時間軸)に近づくことが出来るのではないかと考えたためです。
今日は昨年始めからの激動の時期に遡って検証してみます。
検証の条件は下記の通りの簡単なものです。
1.OSCが40%前後以下へと落ちた日を起点とする。(このOSC値は日経平均の過去データからの設定です。個別株は別。)
2.翌日以降に起点日の前日のOSCを上回って、かつ安値・高値ともに前日を上回り、終値がプラ転した時に買い。(いきなり前日高値を抜いて始まるケースは寄り付きで買い。)
3.その後は、安値・高値がともに下回ることがない限りホールド。
4.安値・高値がともに前日を下回った時に売る。(寄り付きで前日安値を下回った時は寄り付きで売り。)
以下、昨年の日経平均のデータからの検証結果です。
◇1月11日 OSC37%で買い時機到来。
以後更に下げ1月16日に33%までOSCが落ちるも、翌日は安値・高値ともに前日を下回り見送り。1月18日にOSC47%となりますが、安値が前日を下回っていたため見送り。(その後大暴落)
◇1月22日 OSC30%で買い時機到来。
◆1月24日 OSC38% 終値13092円。買い。
◆1月28日 この日は大きくギャップダウンして始まる。前日安値の13248円を割り込む時に売り。(+156円の利益)
◇3月5日 OSC35%で買い時機到来。
翌日は安値・高値ともに前日を上回るも、OSCが3月4日の43%を抜いていないので買い断念。(その後暴落)
◇3月10日 OSC29%で買い時機到来。
◆3月12日 OSC43% 終値12861円。買い。
◆3月13日 この日いきなり前日安値を下回って始まる。寄り付きの12741円で売る。(-120円の損切り)その後3月17日の30%までOSCは下げ続ける。チャンスを待つ。
◆3月19日 OSC40% 終値12260円。買い。
◆3月27日 OSC61% 前日安値の12591円を下回ったところで売り。(+331円の利益)
<その後更に上昇しOSCは70%まで上げておりますが、ここは見送り。やるならデイトレだけ。>
◇5月26日 OSC41%で買い時機到来。
◆5月29日 OSC54% 終値14124円。買い。
◆6月2日 OSC58% 終値14440円。売り。(+316円の利益)
この日は、安値がわずか2円ですが、前日を下回ってしまいました。仮に持ち越しても翌日は寄り付きで処分すべきです。
◇7月4日 OSC37%で買い時機到来。
◆7月7日 OSC44% 終値13360円。買い。
翌日はギャップダウンして始まり、前日安値の13169円を下回る時に売り。(-191円の損失)
◇7月16日 OSC32%で買い時期到来。
◆7月17日 OSC38% 終値12888円。買い。
◆7月25日 OSC56% 終値13334円。
この日は寄り付きから前日安値を下回っておりましたので、寄り付きの13452円で売り。(+564円)
◇8月4日 OSC40%で買い時機到来。
◆8月6日 OSC50% 終値13254円。
この日は寄り付きからいきなり前日高値を上回って始まる。この寄り付きの13059円で買い。
◆8月7日 OSC50% 終値13125円。
この日、前日安値の13049円を割り込んだところで売り。(-76円の損切り)
◇9月5日 OSC38%で買い時機到来。
◆9月8日 OSC47% 終値12624円。買い。
この日は大きくギャップアップして始まりました。前日高値の12385円を抜いたところで買い。
◆9月9日 安く寄り付き前日安値の12352円を下回ってしまったところで売り。(-33円の損失)リーマン破綻前の不穏な時期でした。
◇9月18日 OSC37%で買い時機到来。
◆9月19日 OSC45% 終値11920円。買い。
◆9月24日 この日の寄り付きで既に前日の安値を下回っておりました。寄り付きの12032円で売り。(+112円)
以降、世界を変えた激動の日々が続きますが、検証の4条件を満たした日はありませんでした。恐らく、10月6日にOSC26%をつけ、終値10473円になった時に、突っ込み買いをして自爆した方も多かったことでしょう。
◇10月10日 OSC20%で買い時機到来。
◆10月14日 この日ギャップアップして始まる。前日高値の9016円を越える時に買い。この段階で、OSCは31%でした。前々日の24%を軽く抜いていました。
◆10月16日 OSC34% 終値8458円。
好事魔多し。大幅ギャップダウンで始まる。前日安値の9269円を割り込んだ時に売り。(+253円の利益)しかし、まだ買い時期到来継続中。
◆10月20日 OSC43% 終値9005円。買い。
◆10月22日 この日前日安値の9135円を割り込んだ時に売り。(+130円の利益)
◇10月24日 OSC33%で買い時機到来。
◆10月29日 OSC45% 終値8211円。買い。
その後10月31日に調整が入りますが、前日安値は防御しております。また、OSCも+1%の52%とコンバージェンスしております。売買判断指数も16%と最低値レベルです。ここは我慢してホールド。
◆11月6日 この日大きくギャップダウンして始まりました。前日安値の9216円を割り込む段階で売り。(+1005円の利益)
◇11月20日 OSC38%で買い時機到来。
◆11月25日 OSC52% 終値8323円。買い。
翌日は反動安ですが、安値を下回っていないこと、OSCが11月21日の46%をまだ上回っていることから、そのまま我慢のホールドです。
◆12月1日 OSC55% 終値8397円。
この日ギャップダウンして始まりました。前日安値の8336円を割り込む時に売り。(13円の利益)OSC50%以上での買いは実入りが少ない。
◇12月5日 OSC42%で買い時機到来。
◆12月8日 OSC49% 終値8329円。買い。
◆12月12日 OSC55% 終値8720円。
この日大きくギャップダウンして始まる。前日の安値の8519円を割り込む時に売り。(+190円の利益)
その後、買い時機は到来しておりません。押し目としては強いて言うと、12月19日の54%となります。もしここを起点とするなら、12月30日のOSC62%、終値8859円が買いポイントとなります。しかし、この高値圏では本来なら利益は限られているばかりか、むしろ反落のリスクが大きいと言えます。それが1月7日のOSC71%でピークに達して、今はその調整過程にあります。
以上、たったの4つの条件で昨年の相場を検証してみました。結果としては、
・利益総額:3801円。
・損失総額:420円。
差し引き3381円の利益。
特に、ベテラン投資家ほど痛手を受けたであろう、昨年9月から10月にかけての大激動の時期、及び年初のボラティリティの激しい時期は、この4条件さえ厳守していれば、未然に損失を回避できました。
もちろん完璧なテクニカル指標などこの世には存在しません。7月8日に191円損切ったケースなどは、7月7日のダウ平均もたったの57円しか下げておらず、日経平均が326円も下げるとは予想できませんでした。
以上、OSCを現にお使いの100人ぐらいの方々への、筆者からのお正月プレゼント?として、あくまで参考までにお届けします。
こうして振り返ってみることで、筆者もOSCの活用方法においては、まだまだ未熟であったことを思い知らされました。上記のことは、3年以上の試行錯誤の結果得られた1つの到達点だと思っております。
他の条件を作って、あの激動の昨年の相場を分析し、これより良いパーフォーマンスがシミュレーション出来た方、是非、例の個人的なメールアドレスまでご連絡を頂ければありがたいと思います。
世の中不穏な空気に包まれております。しかし、職を失おうと、年金が出なくなろうと、インフレで貯金が大きく目減りしようと、もし、株式市場さえ開いていて、そこで食い扶持だけは稼ぐことが出来るのであれば、これほど経済的には心強いものはないと思います。
皆さんの今年のご健闘を、遅まきながらお祈りします。
しかし、2ヶ月くらいのスパンで値動きを判断することが、大変重要になってきます。それ以上になると四半期単位で企業も決算をし、さまざまな経済イベントも一巡しますので、あまり意味を持たないのが現状です。
そこで、今日はOSCから見て、この3ヶ月くらいまでの中期波動について検証してみたいと思います。
それというのも、この波動さえうまく捉えられれば、もっとも旨味のあるトレーディングのタイムフレーム(時間軸)に近づくことが出来るのではないかと考えたためです。
今日は昨年始めからの激動の時期に遡って検証してみます。
検証の条件は下記の通りの簡単なものです。
1.OSCが40%前後以下へと落ちた日を起点とする。(このOSC値は日経平均の過去データからの設定です。個別株は別。)
2.翌日以降に起点日の前日のOSCを上回って、かつ安値・高値ともに前日を上回り、終値がプラ転した時に買い。(いきなり前日高値を抜いて始まるケースは寄り付きで買い。)
3.その後は、安値・高値がともに下回ることがない限りホールド。
4.安値・高値がともに前日を下回った時に売る。(寄り付きで前日安値を下回った時は寄り付きで売り。)
以下、昨年の日経平均のデータからの検証結果です。
◇1月11日 OSC37%で買い時機到来。
以後更に下げ1月16日に33%までOSCが落ちるも、翌日は安値・高値ともに前日を下回り見送り。1月18日にOSC47%となりますが、安値が前日を下回っていたため見送り。(その後大暴落)
◇1月22日 OSC30%で買い時機到来。
◆1月24日 OSC38% 終値13092円。買い。
◆1月28日 この日は大きくギャップダウンして始まる。前日安値の13248円を割り込む時に売り。(+156円の利益)
◇3月5日 OSC35%で買い時機到来。
翌日は安値・高値ともに前日を上回るも、OSCが3月4日の43%を抜いていないので買い断念。(その後暴落)
◇3月10日 OSC29%で買い時機到来。
◆3月12日 OSC43% 終値12861円。買い。
◆3月13日 この日いきなり前日安値を下回って始まる。寄り付きの12741円で売る。(-120円の損切り)その後3月17日の30%までOSCは下げ続ける。チャンスを待つ。
◆3月19日 OSC40% 終値12260円。買い。
◆3月27日 OSC61% 前日安値の12591円を下回ったところで売り。(+331円の利益)
<その後更に上昇しOSCは70%まで上げておりますが、ここは見送り。やるならデイトレだけ。>
◇5月26日 OSC41%で買い時機到来。
◆5月29日 OSC54% 終値14124円。買い。
◆6月2日 OSC58% 終値14440円。売り。(+316円の利益)
この日は、安値がわずか2円ですが、前日を下回ってしまいました。仮に持ち越しても翌日は寄り付きで処分すべきです。
◇7月4日 OSC37%で買い時機到来。
◆7月7日 OSC44% 終値13360円。買い。
翌日はギャップダウンして始まり、前日安値の13169円を下回る時に売り。(-191円の損失)
◇7月16日 OSC32%で買い時期到来。
◆7月17日 OSC38% 終値12888円。買い。
◆7月25日 OSC56% 終値13334円。
この日は寄り付きから前日安値を下回っておりましたので、寄り付きの13452円で売り。(+564円)
◇8月4日 OSC40%で買い時機到来。
◆8月6日 OSC50% 終値13254円。
この日は寄り付きからいきなり前日高値を上回って始まる。この寄り付きの13059円で買い。
◆8月7日 OSC50% 終値13125円。
この日、前日安値の13049円を割り込んだところで売り。(-76円の損切り)
◇9月5日 OSC38%で買い時機到来。
◆9月8日 OSC47% 終値12624円。買い。
この日は大きくギャップアップして始まりました。前日高値の12385円を抜いたところで買い。
◆9月9日 安く寄り付き前日安値の12352円を下回ってしまったところで売り。(-33円の損失)リーマン破綻前の不穏な時期でした。
◇9月18日 OSC37%で買い時機到来。
◆9月19日 OSC45% 終値11920円。買い。
◆9月24日 この日の寄り付きで既に前日の安値を下回っておりました。寄り付きの12032円で売り。(+112円)
以降、世界を変えた激動の日々が続きますが、検証の4条件を満たした日はありませんでした。恐らく、10月6日にOSC26%をつけ、終値10473円になった時に、突っ込み買いをして自爆した方も多かったことでしょう。
◇10月10日 OSC20%で買い時機到来。
◆10月14日 この日ギャップアップして始まる。前日高値の9016円を越える時に買い。この段階で、OSCは31%でした。前々日の24%を軽く抜いていました。
◆10月16日 OSC34% 終値8458円。
好事魔多し。大幅ギャップダウンで始まる。前日安値の9269円を割り込んだ時に売り。(+253円の利益)しかし、まだ買い時期到来継続中。
◆10月20日 OSC43% 終値9005円。買い。
◆10月22日 この日前日安値の9135円を割り込んだ時に売り。(+130円の利益)
◇10月24日 OSC33%で買い時機到来。
◆10月29日 OSC45% 終値8211円。買い。
その後10月31日に調整が入りますが、前日安値は防御しております。また、OSCも+1%の52%とコンバージェンスしております。売買判断指数も16%と最低値レベルです。ここは我慢してホールド。
◆11月6日 この日大きくギャップダウンして始まりました。前日安値の9216円を割り込む段階で売り。(+1005円の利益)
◇11月20日 OSC38%で買い時機到来。
◆11月25日 OSC52% 終値8323円。買い。
翌日は反動安ですが、安値を下回っていないこと、OSCが11月21日の46%をまだ上回っていることから、そのまま我慢のホールドです。
◆12月1日 OSC55% 終値8397円。
この日ギャップダウンして始まりました。前日安値の8336円を割り込む時に売り。(13円の利益)OSC50%以上での買いは実入りが少ない。
◇12月5日 OSC42%で買い時機到来。
◆12月8日 OSC49% 終値8329円。買い。
◆12月12日 OSC55% 終値8720円。
この日大きくギャップダウンして始まる。前日の安値の8519円を割り込む時に売り。(+190円の利益)
その後、買い時機は到来しておりません。押し目としては強いて言うと、12月19日の54%となります。もしここを起点とするなら、12月30日のOSC62%、終値8859円が買いポイントとなります。しかし、この高値圏では本来なら利益は限られているばかりか、むしろ反落のリスクが大きいと言えます。それが1月7日のOSC71%でピークに達して、今はその調整過程にあります。
以上、たったの4つの条件で昨年の相場を検証してみました。結果としては、
・利益総額:3801円。
・損失総額:420円。
差し引き3381円の利益。
特に、ベテラン投資家ほど痛手を受けたであろう、昨年9月から10月にかけての大激動の時期、及び年初のボラティリティの激しい時期は、この4条件さえ厳守していれば、未然に損失を回避できました。
もちろん完璧なテクニカル指標などこの世には存在しません。7月8日に191円損切ったケースなどは、7月7日のダウ平均もたったの57円しか下げておらず、日経平均が326円も下げるとは予想できませんでした。
以上、OSCを現にお使いの100人ぐらいの方々への、筆者からのお正月プレゼント?として、あくまで参考までにお届けします。
こうして振り返ってみることで、筆者もOSCの活用方法においては、まだまだ未熟であったことを思い知らされました。上記のことは、3年以上の試行錯誤の結果得られた1つの到達点だと思っております。
他の条件を作って、あの激動の昨年の相場を分析し、これより良いパーフォーマンスがシミュレーション出来た方、是非、例の個人的なメールアドレスまでご連絡を頂ければありがたいと思います。
世の中不穏な空気に包まれております。しかし、職を失おうと、年金が出なくなろうと、インフレで貯金が大きく目減りしようと、もし、株式市場さえ開いていて、そこで食い扶持だけは稼ぐことが出来るのであれば、これほど経済的には心強いものはないと思います。
皆さんの今年のご健闘を、遅まきながらお祈りします。