日本では屋久島、白神山地、知床に続いて4番目の世界自然遺産登録ということになった。
小笠原諸島、現在でも東京から丸一日の航海でないとたどり着けないところであるが、これも「東京都」ということで、東京都としては初めての世界遺産ということになる。まずは地元の皆さん、おめでとうございます。
うーん、「島の旅」というと憧れの響きがあるが、小笠原となると外国へ行くより遠く感じる。だからこそ自然も手つかずで残っているわけだが、果たして私のこれからの人生の中で行く機会があるかどうか。
ただ、屋久島の縄文スギの時もそうだったが、いざ世界遺産に登録されたとなると大勢の観光客が訪れる。ましてや今や団塊の世代の皆さんが旅行会社のツアーでこれでもかというくらい押しかける。本土にあってこういう人たちと遭遇するとそのスポットの見学も面白くなくなるし、受け入れ側も個人客には冷たく接しているようでいやな感じがする。で、観光客が訪れることでせっかくの自然がおかしくなったり、生態系が少しずつ乱されやせんかというのが心配である。島の人たちがそのところをどう考えるか。今後、日本の観光というものをどのように発展させていくのかのテストケースになるだろう。
小笠原に続いて平泉も世界文化遺産に登録される見込み。まあ、世界的に素晴らしいものと認められるのは喜ばしいことであるが、ただ当の日本人が世界遺産背景にある地理や歴史をどれだけ知識として持っているか。私も人のことを言えた義理ではないが、「平泉」や奥州藤原氏のことを聞かれてどの程度のことを答えることができるだろうか。外国の方に尋ねられて誰もが胸を張って答えられるように、そこは学校での歴史・地理教育の充実というものを期待したいところである。
あ、先ほど「東京都の世界遺産は初めて」と書いたが、実は関西2府4県にあって世界遺産が一つもないのが大阪府。そこのところは常に近代化とともに歩んできた大阪の街らしいのかもしれないが、実は私の地元も含めて「古市・百舌鳥古墳群を世界遺産に登録しよう」という運動が行われている。
ただどうだろう、古墳文化というのは世界的に見ても独特のものと認められ、秦の始皇帝陵やエジプトのピラミッドがそうなら前方後円墳もありかなと思う。ただ、その中に誰が葬られているのかが特定できていない(確かに仁徳天皇や応神天皇という言い伝えはあるが)のは、ちょっと説得力に欠けるかなと思う。世の中には真実を知らずに済んだようがいいこともあるのだろうが・・・。