24日は今季初の観戦ということで大正ドームに向かう。オープン戦も最終戦、次の金曜日には公式戦の開幕であるが、今年はWBCの余韻が残るせいか、国内の開幕といってもまだファンの気持ちと体がついていけてないところがある。
相手は阪神。私はいつもの観戦位置である内野上段席に陣取る。下段は結構入っているようだが、指定席は一塁オリックス側にもかかわらず阪神ファンの姿も目立つ。大正ドームも我がとこの本拠地やと思っているのだろう。こういう客は排除できないのだろうか。
オープン戦とはいってもタレントが始球式に来る。この日は菊地亜美さんという人だったが、「アイドリング16号」という肩書?らしいがどういう活動をしているのやら。またネットで検索しないといけないな・・・。
開幕を控え、両チームとも野手はほぼベストメンバー。セ・パの違いということで、オリックス側は指名打者を置く10人野球に対し、阪神は9番に投手を置く9人野球。その阪神の先発は大物ルーキー・藤浪。ちょうど一週間後の開幕3戦目での先発が濃厚で、この日が最後の調整となる。オリックス打線は安芸での練習試合で藤浪に抑えられた(T-岡田に至っては三球三振)こともあり、このタイプの投手をどう攻略するかが見所である。
その前に、オリックス先発は2年目の海田。今年はプロ初勝利だけでなく、左の先発の中心的な役割が求められる。移籍の八木、中山、前田というところが出遅れているため、ここでローテーション入りを確実なものにしたい。
ただ、立ち上がりからボール先行で苦しむ。先頭の西岡にセンター前に運ばれ、その後二塁へ進塁。鳥谷のところで三塁盗塁を試みて失敗し、これでピンチを脱したかに見えたが鳥谷、新井良に連続四球。続く福留を打ち取って何とか無失点で切り抜ける。
そして藤浪のマウンド。ナマで見るのは初めてだが、改めて背が高いなと思うし、マウンド捌きも落ち着いている。初回は坂口、川端、糸井と簡単に退ける。
2回裏、李大浩がレフトへうまく運ぶものの続く後藤が併殺打。6番に下がっているT-岡田は高めの150キロの速球に力のないスイングで空振り三振。このところ同じ高卒ルーキーの日本ハム・大谷の陰に隠れた形になっているが、やっぱりものが違う、敵ながらすごいなと思わせる。
一方の海田もボール先行だが少しずつ落ち着きを取り戻す。3回には大和に二塁打、鳥谷にレフト前ヒットを許すが、ここは川端が落ち着いてバックホーム。齋藤のブロックもよく俊足の大和がアウト。このプレーは大きかった。
試合が動いたのは打順が2巡目に入った4回裏。坂口がライト線に二塁打。川端がきっちりと送り、迎えるは糸井。スポーツ紙で「侍の洗礼」と表現されたように一・二塁間を鮮やかに抜くタイムリー。あっという間に先制点。この後李大浩の四球でチャンスを広げるが、ここで藤浪、T-岡田を変化球で空振り三振に切り、1点で食い止める。それにしてもT-岡田、普段は対戦しないとして、藤浪に苦手意識を持ったかな。前試合から3連続三振だし・・・。
海田は5回まで投げ、結局無失点で切り抜けた。シーズンに入りコントロールが安定するか。それでも悪いなりに抑えられたのは収穫だと思う。一方の藤浪も5回に2三振を奪い、こちらも負けていない。
6回の阪神の攻撃中、藤浪がなかなかウォームアップに出ないので5回で交代かと思ったが、途中で出てきて結局6回もマウンドに上がる。これがオリックスの猛攻の始まりとなった。川端が二塁打、糸井にはストレートの四球。ここで李大浩がセンターに弾き返し、追加点が入る。続く後藤にもヒットが出て満塁。そして打席にはT-岡田。
これは先輩の意地だろうか、三遊間を破る2点タイムリーとなった。これで4対0となり、藤浪はこの回一死も取れずに降板。これまでは内容がよかったのにこの回にきてバタバタっと失点したのはどういうことだろうか。3巡目ともなると相手が慣れてくるのか。まあその辺りは、明日になればテレビ、新聞という関西マスゴミが詳しく解説してくれることだろう。
この後2番手の鶴からバルディリスのタイムリー、山本の内野ゴロの間に得点を重ね、この回打者10人で5点。いい形で打線がつながった。
7回表、ジェット風船片手にオリックス打線の猛攻を呆然と見ていた阪神ファンからやけくそのような風船飛ばしが行われる。オリックスはルーキーでBCリーグ・福井の森本。ただ先頭のマートンに四球。
ここで代打で登場するのは日高。オリックスからFAで阪神に移籍したが、これには一塁側からも大きな拍手が送られた。慣れた球場ということか、左中間に鮮やかなタイムリー。阪神にようやく1点が入り、三塁側、レフトスタンドからようやく歓声が上がる。六甲おろしも流れる。日高に打たれるというのも皮肉なものだが、投げたのは一緒にプレーしていないルーキーの森本。ここはしっかりしないと。
7回表終了。6対1ということで試合としてはオリックスの勝ちは見えてきたが、ここで席を立つ。試合後の「ファンと選手の出陣式」のイベント参加だが、当選メールには8回表までにスタンドを出て外の集合場所に集まるようにとの指示があった。
このイベント、300人のファンがグラウンドで「花道」をつくって、開幕を迎える千葉に送り出そうというものである。集合場所で当選メールの確認が行われ、ライト後方の関係者入口に移動する。グラウンドの用具やら何やらが置かれているところに4列に並ぶ。2列ずつで一塁側と三塁側のファウルラインに並び、選手を見守ろうということである。ちょうど真上がライトスタンドで、応援の鳴り物やらスタンドの歓声も聞こえてくる。ちょうど8回もオリックス打線が阪神の抑え・久保に襲いかかり、3点を追加したようである。
そして試合終了。するとフェンスの扉が空き、グラウンドに入る。この位置からグラウンドに入るのは初めてで、何だかちょっと緊張する。ちょうど選手たちが試合後のアップをしていたところである。
一旦ベンチ裏に下がったが、しばらくすると一人、また一人と選手たちがベンチに出てくる。開幕を棒に振った金子や、開幕投手が決まった西の姿も見える。この角度で選手たちを見るのもそうできることではない。
選手たちが出揃ったところでグラウンドに登場。開幕を前にオープン戦終盤で少しずつ形になってきた試合運び。後は、公式戦でベストのプレーができるか。この日いい形で勝利したこともあり、選手たちもいい表情である。
ファン代表の小学生からの激励作文が読み上げられ、メッセージの入った絵馬型の箱が選手会長の坂口に渡される。
この後は西、伊藤、坂口へのインタビューで今年の意気込みを聞く。これまで低迷が続き、戦力的に優勝候補と言われながら下位に沈んだことも多かったのだが、今年はどうだろうか。いや、今年こそは大丈夫・・・よね?
そして最後はファン300人が左右に分かれ、その間を選手全員がハイタッチをしながら通る。選手の表情もさまざまで、最大限に愛想を振りまく選手、あえて無表情を通す選手、それぞれあるが、どの選手からも今年にかける思いが伝わってきた。まずは千葉、そして仙台での遠征を乗り切り、いい形で本拠地に戻ってきてほしいものである。