まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

新潟の一時

2013年03月22日 | 旅行記C・関東甲信越

新潟訪問の続き。

夜に今回の新潟行きの事案が済み、同行の人たちと新潟駅前のホテルに戻る。

「新潟にはそう来る機会もないし、せっかくだから新潟らしいものを食べよう」という同行の人たちの発案で、街に繰り出す。繰り出すといっても、これまで何回か訪れた中で、駅からすぐのところに郷土色豊かな店がゴロゴロ転がるくらいにあるレベルの高いところ。新潟は米、酒、魚に始まり、地元産の食材の豊かさでは全国トップレベルにあると思う。

2013031923530001_2そんなことを思ううちに、駅からすぐのところに「越後番屋酒場」というのを見つける。観光客、出張客を意識した店構えだが、価格は良心的。ここに即決して木戸をくぐる。

中は民芸調にしつらえており、なかなか風情がある。料理も豊富で結構迷うところだ。ただそれ以上にうならせるのが地酒の豊富さ。上越、中越、下越、魚沼、佐渡の各地からの厳選銘柄は100近い。全国的に有名な銘柄を含めて(出るのは昔ながらの本醸造だが)一杯580円均一でいただけるのはすごい。ただ幅か広すぎて、結局どれを注文すればよいのか迷ってしまう。まあそこは、月間の売れ筋ランキングが置かれていたりして、それを手がかりにいただくこともできる。今回3人で注文したのは越後山、八海山、〆張鶴、緑川、雪中梅といったところ。

2013031923110000この他に郷土料理、締めはへぎそばにコシヒカリのおにぎりというところで、話が弾む中であっという間に時間が過ぎる。注文しなかったが、この他に南蛮エビの量り売りとか、イカ徳利とか気になるメニューもあり、もし仮に公私問わず新潟を訪れることがあれば、もう一度のぞいてみたいと思う。

2013032000410001店を後にしてホテルに戻る。途中に立ち寄ったコンビニで、気になっていた一品を買い求める。サッポロビールが出している新潟限定ビール、風味爽快ニシテである。サッポロクラシックの新潟版というか、いやいやラベルの説明を見れば、新潟のビールが北海道に渡り、サッポロクラシックになったとか、結構面白いものである。

味は爽快。ほんのり苦味はあるが後に残らない。新潟といえば地ビールの走りとも言えるエチゴビールがあるが、私の場合爽やかさを好むこともあり、風味爽快ニシテのほうを押してしまうかな・・・。

さて翌日。この日は午前中のそれなりの時間までは空き時間となった。ホテルでゆっくりしてもいいし、どこか散歩してもいいと言われてたのだが、こういう時は部屋に落ち着いていられない性分。朝食を早くに済ませて(新潟らしい食材が多く満足)、新潟日報を片手に新潟駅の在来線ホームに立っていた。

時刻表を検索すると、新潟から白新線で新発田、すぐの乗り換えで羽越線の普通列車で新津、そして快速くびき野で新潟に戻るという、短いながらネタの多い乗り鉄ができる。ということでまずは白新線から羽越線に直通する村上行きに乗車。村上といえば鮭の遡上する町として有名である。昨夜の越後番屋酒場でも郷土料理として村上の鮭があったが、人気メニューなのか遅い時間だったからかほとんど売り切れていた。新潟駅にて自分土産に鮭の酒ひたしを購入したことである。

乗るのは国鉄型の115系。祝日の朝ということで、長い編成だがガラガラである。出発すると新潟の車両区や貨物ターミナルが車窓に広がり、鉄道好きとしては、日本海側最大の拠点性を持つ新潟の一面を垣間見る。

2013032007460001阿賀野川の鉄橋を渡る。ここは日本4大公害病の一つ、新潟水俣病が発生した地域である。前日にこのことを思い出すことになったのだが、発生が確認されたのは1965年。もう半世紀近くになるが、今でも後遺症に苦しむ人はたくさんいる。新潟日報でも、国の基準では患者と認められない人たちについて独自に救済措置をとろうとする新潟の行政の動きを報じていた。一度発生した公害というのは解決に時間がかかる。その中にあって、今回の東日本大震災での福島第一原発の事故というのはとてつもなく長い時間がかかるということになる。孫の代までで解決することだろうか。

2013032008140000そんなことを思ううちに新発田に到着。一度改札を出る。新発田の銘酒「菊水」という看板が目立つ。菊水はアルミ缶の姿で街のコンビニでも見かける銘柄である。それだけを見て再び改札をくぐる。

2013032008210000次にやってきたのは羽越線の新津行き。羽越線といえば日本海縦貫線として貨物列車にとってはなくてはならない路線であるが、羽越線の起点である新津から新発田まで走る旅客列車は極端に少なく、長ければ次の列車まで2時間以上空くという区間である。それが今回は10分で新津行きがやってくる。それが新潟オリジナルカラーの国鉄型気動車キハ47。これはラッキーな出会いである。だだっ広い新潟平野をトコトコと走る。この広さ、この後再び合流した会社の人たちもうなっていたところである。途中で貨物列車とも行き違う。

2013032008550000新津に到着。羽越線、信越線、磐越西線が合流する鉄道の要衝で、駅の近くには鉄道資料館もあるし、現在も車両区があっていろいろな車両が停まっているのが見える。磐越西線を行くSLばんえつ物語用の客車もある。すると遠くでSLの汽笛が響く。残念ながら姿は見えないが、この日は運転するのだろう。またいつか、その勇姿を見られればと思う。

2013032009010000新潟に戻る。その列車としてやってきたのは快速くびき野。今や希少価値となった国鉄型特急485系。塗装は新潟カラーだが当時の原型をとどめており、乗れるだけでもラッキーである。しかも快速ということで特急料金も不要。乗客の中にはいかにも「これに乗ること」を目的としているとおぼしき姿も多い。この日の私はフォーマルな格好をしていかにも「用務客です」という顔をしていたつもりだが、見る人が見れば「こいつもその筋のヤツだな」という表情に見えたかもしれない。

新潟に到着。短いながらも見どころのあった寄り道。幸い集合時間にはまだ時間があり、駅地下の書店で地元に関する書籍を買い求めることもできた。さて、気分転換が図れたところで本来の業務に戻ることに・・・・。

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