まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都44番「三室戸寺」~神仏霊場巡拝の道・86(源氏物語ゆかりの寺は店じまいも早く・・)

2024年01月18日 | 神仏霊場巡拝の道

奈良の西ノ京と宇治を1日でめぐる今回の神仏霊場巡拝の道。時間的にこの日最後となる京都44番・三室戸寺に着いたのは14時30分すぎ。先ほど、京都45番・平等院では鳳凰堂の内部拝観があったが、13時50分からの組ということで時間を持て余すため、宇治川を渡り、宇治神社、宇治上神社の参拝、そして源氏物語ミュージアムの見学を経てこのタイミングでの到着である。

入口で拝観料を納め、境内の坂を上る。ちょうど、西国三十三所の先達輪袈裟や笈摺をまとった団体とすれ違う。入口の駐車場に観光バスが1台停まっていたから、西国バスツアーのようだ。私も今回、神仏霊場と西国三十三所の4巡目をかねての参詣で、さらにJR西日本のデジタルスタンプを3月末までにコンプリートしよう・・という慌ただしいプランである。

三室戸寺は花の寺、特に初夏のあじさいの名所であるが、真冬の1月となるともの寂しく、庭園も閉鎖されている。

最後は石段を上がる。まず出迎えるのは宇賀神の像。財運の蛇神である。

本堂に向かう。その前に祀られるのは狛犬ならぬ狛菟と狛牛。宇治は古来「菟道」と称されていた。宇治神社に祀られる菟道稚郎子命との関連もあるが、三室戸寺のホームページでの紹介だと、菟道稚郎子命は応神天皇と、宇治に住んでいた渡来人の和邇氏の娘との間の皇子で、この地を本拠地としていたとされる。「菟道」と書くのは、菟が菟道稚郎子命の道案内をしたからとか。仁徳天皇との皇位争いを嫌い自害し、葬られたのは現在三室戸寺の奥とされる。

その向かいには狛牛。宝勝牛とも呼ばれている。そういえば、西国三十三所めぐりを兼ねて、三室戸寺に参詣した後、バファローズの試合を観戦したこともあったなあ・・。

牛の前には、大相撲の若貴兄弟の手形。

三室戸寺が開かれたのは奈良時代末、光仁天皇による。平安時代からは西国三十三所の霊場として、一時はs結願の三十三番だったこともあったという。元々は「御室戸」という名だったが、光仁、花山、白河の三帝にゆかりがあるとして、現在に続く「三室戸」になったという。本堂の前にてお勤め。現在の本堂は江戸時代後期の再建。そうした由緒ある建物と、蛇、菟、牛を半ばキャラクター化した縁起物も同居する寺院である。

本堂から少し奥にある鐘楼の脇に、「浮舟之古蹟」の石碑があり、その奥に浮舟の墓が祀られている。浮舟は、「源氏物語」終盤の「宇治十帖」に登場するが、薫君と匂宮との間でさまざまに思い悩んだ末、宇治川に入水する。いずれもあくまで物語の中の人物だが、こうした石碑は、現在のアニメやドラマの「聖地めぐり」とも相通じるものがあるようだ・・。

納経所に向かう。受付には「光る君へ」にちなんだ切り絵の朱印が掲げられている。光源氏、薫大将、浮舟、紫式部の4種があるが、好評につき現在品切れとある。

無事、西国三十三所の重ね印と神仏霊場の朱印をいただく。

納経帳をリュックにしまっていると、納経所横の扉が閉まり、鍵がかかる。冬の時季の拝観は16時までとあり、もうそんな時間かと思う。境内を後にしようと坂道を下ると、正面入口はすでに閉じられており、案内の矢印の先には駐車場につながる回転扉がある。

ただ、改めて時計を見ると時刻はまだ15時10分をすぎたところ。そして、改めて入口の案内を見ると、拝観、朱印の受付は15時10分で終了とある。そんなに早く閉めるのかとも思うが、これまでの実績を踏まえてのことなのかもしれない。年中、7時~17時まで寺の門を開けている四国八十八ヶ所とは事情が異なる。

これ、平等院鳳凰堂の内部拝観の後、宇治神社、宇治上神社、源氏物語ミュージアムをじっくり回ってから三室戸寺に来たら、完全にアウトだったな・・。JRの西国三十三所のデジタルスタンプは駅で獲得できたが、肝心の朱印のためにもう一度三諸戸まで出直すことを考えると、鳳凰堂の内部拝観をあきらめてよかったと思う。

このまま歩いて京阪の三室戸駅に到着。そして六地蔵に移動する。

300メートルほど歩き、JR六地蔵に到着。

六地蔵というところ、JR、地下鉄、京阪と駅が集中しており、ベッドタウンとして駅前にはマンションも建ち並ぶ。ここで、今回訪ねることはなかったが西国第11番・醍醐寺のデジタルスタンプを獲得。これで残るスタンプは、青岸渡寺、紀三井寺、播州清水寺、成相寺、松尾寺となった(最後の華厳寺は最初からのサービスで獲得済)。

通常なら、三室戸寺にて次の行き先を決めるあみだくじとなるのだが、当面はJRのデジタルスタンプラリーを完結させるとして、神仏霊場めぐりは上記5つの寺(最悪でも最寄りの駅)を回ることを優先する。

六地蔵から京都行きに乗車。旧国鉄205系の4両編成は座席がほぼ埋まるくらいの乗車だったが、稲荷に着くと国内外の人たちがどっと乗車し、満員電車となった。1月6日といえばまだ初詣期間といえる。伏見稲荷大社・・私も前の大阪勤務時の職場では、半期、そして正月の行事として成田山不動尊と伏見稲荷大社を参拝しており、伏見稲荷大社では稲荷山を一巡というのがあった。その当時も、インバウンドの客が大勢押しかけていたな・・と思い出す。

京都に到着。新幹線は新大阪往復としているので、まずは新大阪に向かう。今回は16時30分発の「はるか43号」を選択。6両編成の前に3両を増結して、合計9両編成だ。9両とは新快速や「サンダーバード」よりは短いが、それでも堂々とした編成。

京都を発車してしばらくは貨物線ルートを通る。インバウンドの客(あ、インバウンドに限らず関空に向かう一般の日本人客も含む)にすれば別にどうでもいいことだが、新快速と比べると一部違った景色が楽しめる。

元々は札所めぐりに時間がかかることも想定し、帰りに新大阪で一献としようかと、新大阪を遅い時間に発車する列車を予約していた。本来なら指定の「のぞみ」でしか乗ることができないのだが、ここはあえて17時37分発の「こだま861号」に乗る。カレンダーでは連休中とはいえ、翌7日と8日は出勤なので、時間を巻いて早めに帰宅することにする。

・・・ならば、京都から追加料金で広島まで乗り換えなしの「のぞみ」に乗るか、新大阪到着後も「のぞみ」や「さくら」ところ。そこで「こだま」とは・・・500系が割り当てられているとはいえ、いったいこのおっさんは、早く帰りたいのか中途半端に遅く帰りたいのか・・・。

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