1月21日、広島を舞台に行われた第29回都道府県対抗全国男子駅伝。
2020年10月に2回目の広島勤務となったが、コロナ禍の影響で2021年、2022年の大会は中止。2023年は3年ぶりに開催されたが、沿道での応援は控えるように・・ということもあってか、その日私は広島を離れていた。今回、従来からの応援スタイルに戻ったこともあり、せっかくなので沿道で応援としよう。
午前中に広島新四国八十八ヶ所霊場めぐりで江波地区を訪ねた後、自宅に戻る。広電の車内にはどこの県だろうか、応援の幟を手にした人も見かける。
レースは12時30分、平和記念公園をスタート。テレビで見届けた後、自宅近くの宮島街道に向かう。ちょうど1区の高校生区間である。選手がやってくるのに先立ち、白バイやパトカーが道路上のクルマをどかせる。ちょうど、沿道の店への納品のために停まっていた軽トラがいて、白バイから「運転手さ~ん!」とマイクで声がかかる。
待つ間、先頭がどのあたりに来ているかスマホ(NHKプラス)で見る。高校生とはいえ1キロ3分ほどで走るのだから、もうすぐにやって来る。
NHKの中継車、そして先導の白バイが通過する。いよいよ、選手がやって来る。
1区7キロの中盤ということで、20人近くが一塊になって通過する。この辺りは沿道の観客も1列になる程度だが、温かい拍手が送られる。
下位になると選手もぽつぽつと通過する中、最後にやって来たのは石川。遊学館高校の選手である。元日に発生した能登半島地震、200人以上の方が亡くなり、現在も避難生活を送る方が多い状況での出場である。トップ集団や広島チーム以上に拍手が送られた。
復路は最終7区で再びここを通過するため、いったん帰宅して、昼食を取りながら続きをテレビで観戦する。全国男子駅伝のコースは仕事等でクルマで通る機会も多く、沿道の景色で「だいたいあの辺り」というのがわかるので面白い。
1区はは長崎がトップで通過したが、2区の中学生区間は兵庫、長崎、埼玉が並ぶ展開。3区の大学・社会人区間は埼玉がリードして宮島口へ。そして4区の高校生区間で、高校駅伝で優勝した佐久長聖高校の選手の快走で長野がトップに立つ。
5区、6区も長野がトップで、最終7区に入る。もう一度観戦しようと、先ほどとはちょっとずれた宮島街道のポイントに向かう。往路の時は離れていて気付かなかったが、店舗の駐車場で太鼓の演奏が披露されている。「広島庚午太鼓団」によるもので、同じ町内でこういう活動があるとは初めて知った。
そろそろトップがやって来るようで、NHKの中継車、白バイに続き、先頭の長野がまず通過。箱根駅伝でも活躍した駒澤大学の鈴木選手である。
続いて上位チームが通過する。沿道で見ると、みんな速いわ・・。
その中で、広島は青山学院大学の箱根駅伝優勝メンバー・区間賞の倉本選手も健闘する。
そして、ここでももっとも拍手が大きかったのが最下位の石川。3区の大学・社会人区間では大会最年長の40歳のランナーも走っていたが、1区から結局順位を上げることができなかった。一緒に見ていた中で、「一番応援しよったのに、何でドベなんじゃろ・・」と半泣きになっていた方もいた。
再び自宅に戻り、ゴールの瞬間をテレビで観る。優勝した長野は3連覇、そして大会新記録も更新した。2位埼玉、3位千葉と入り、中国地方の最高は岡山の6位だった。ちなみに私の出身・大阪は(3区の葛西選手の区間新記録もあり)10位、広島は14位だった。
そして、最下位とはなったが石川も完走し、平和記念公園に詰めかけた人たちからも大きな拍手が起こった。こうした地域応援、ふるさと応援というのもこの全国駅伝の特徴である。
・・さて、石川、能登の支援に少しでもつながればということで、ネット通販にて注文した「能登棚田米」が届いた。能登といえば白米千枚田をはじめとした、狭い土地を有効活用した棚田が多い。米じたいは昨年のうちに収穫済だったのでまだしも、このたびの地震では棚田にもひび割れ、地滑りなどの被害が目立ち、2024年は田植えができるかわからないとのことである。棚田を含めた地域復興全体がこの先どうなるかだが・・・。