前日のサヨナラ勝ちの翌日。関西版のスポーツ紙の一面は「鳥谷」「金本」の文字が躍る。他のニュース番組でも阪神ネタばかりだし、たまに取り上げたとしても関西のマスコミのくせに楽天側からの目線で結果を伝えるという有様。まあ所詮、関西でのオリックス・バファローズの注目度というのはこの程度のものだ。
さてそんなことをボヤいても今に始まったことではないので、気を取り直して本日22日が開幕となるスカイマークスタジアムへ。風はやや冷たいものの雲がほとんどない快晴。春先のデーゲームというと天候不安定で小雨も混じることが多いのだが、この日は野球観戦日和といっていいだろう。やはり、ドームの屋内より外で観るほうが楽しいように思う。
この日も開幕シリーズということで、前売りでのライブシートを確保。この球場は内野の防球ネットが低いため、選手の姿を見るのに障害をほとんど感じない。しばらくの間、前のフェンスにかじりついて選手の表情を追う。
試合前には、球団歌「SKY」を唄うバンド、メガ・ストッパーのメンバーが一曲を披露し、後の国歌斉唱も行う。ただ思うに、7回のラッキー7の時にもナマで唄ってほしかったな。
さてオリックスの先発は左腕・山本、楽天は永井。3連戦の3戦目、この試合の出来如何で開幕ダッシュの成否がかかるといっていいだろう。
ところが初回から山本がピリッとしない。先頭の渡辺直にヒットを許すと、一死から3番・鉄平がレフト線に流し打ち。この日レフトに入っていたT-岡田が打球の処理に手間取るうちに渡辺が一気に生還して1点先制。続く山﨑に今度はライトにおっつけられ、連続二塁打。初回から2点を許し、レフトスタンドの「東北魂」が大いに沸く。苦手の永井相手にこれはきつい。
ただオリックス打線は前日の余韻がまだ残っていたようで、後藤のヒットなどで一死満塁と永井を攻め立てる。ここで5番・ラロッカがライトへの犠牲フライで1点返すと、続くT-岡田が逆らわずレフト前へ運び、たちまち2対2の同点とする。何だかいけそうな感じ。
・・・と思ったのもつかの間で、2回以降は永井の前にヒットが出なくなる。やはりこれまでカモにされてきたという呪縛のようなものがあるのかな。
一方の山本は締まらない投球で、3回には中村ノリにライト前へさばかれて3対2と勝ち越しを許す。どうもピリッとしない内容にイラッとする。
それを見てか、岡田監督は4回から山本をあきらめる。登板したのは先発要員の岸田。この開幕シリーズの後は少し日程が空くため、調整も兼ねての登板だろう。それとも、こういう局面を任せられる中継ぎ要員がいない??
結果的にはこの継投がはまった。中盤以降は要所を締める投球を見せ、スタンドも「抑えている間に何とか追いつけるやろな」というムードのようなものが出てきた。
これで流れが来たのが6回裏。ヒットのカブレラを置いて、ここまで犠牲フライといい当たりの三塁ライナーに倒れていた5番・ラロッカが、打った瞬間にそれとわかる一発をレフトスタンドに放り込む。お見事!逆転の2ランで4対3とする。
続く8回裏、今度は真打登場とばかりに、カブレラがレフトスタンドへの大きな一発。貴重な追加点になるとともに、苦手の永井を力で克服した当たりとなった。
いやあ、カブの豪快なスイングと弾道というのは、特に屋外だとスカッとしますなあ。
さあこれで9回はどうするかな、と見るに、岸田がそのまま登板。ただ楽天もここでようやく目覚めたか、先頭の代打・憲史が内野安打。続く草野が二塁打で無死二・三塁。一打同点のピンチだがベンチは動かない。その後の代打・フィリップスの内野ゴロの間に1点返して5対4、なお二塁にランナーが残る。スタンドからは大きな岸田コール。
これで奮起したか、渡辺直を空振三振に切って取る。次の高須には四球を与えたものの、最後は先制打の鉄平を落ちるボールで空振三振。最後はヒヤヒヤしたが力の入る内容で、5対4での逃げ切り勝利。
・・・・これで昨年4勝しかできなかった楽天相手に3連勝!パの開幕シリーズで3つとも勝ったのがオリックスだけということで、まずは「首位」。それも全て1点差勝ちというのは大きく、岡田監督はこういう野球をやりたかったのかな、と思わせる。一方の楽天にとっては痛い敗戦続きで、「今年はくみし易し」という印象を与えるかな。
でもまあ、まだ3試合だし。こういう試合展開がどこまでできるか、まずは対戦カードが一回りしてからのことかな。そんなことも含めて楽しみである。
PRポスターにあるように、「くぎづけ、に」。