3月13日、この日からJRグループのダイヤ改正。前夜の「北陸」「能登」の廃止はテレビや新聞でも取り上げられており、上野駅には三千人の見物客が押しかけたという。あの13番ホームに人がびっしりだったとか。ご苦労様です。
さてそのダイヤ改正の初日、早朝の新大阪駅に現れる。乗車するのは700系使用の「ひかり」。ネットでみつけた「ひかり」利用の出張プランでの東京行きである。途中駅からの利用客を拾ってほぼ満席で東へ進む。
この列車は浜松や静岡にも停まる。そういえば静岡県というのも通過することが多い県で、伊豆はともかく駿河・遠州というのはそれほど多くをめぐったということもない。いずれこのあたりをターゲットに出かけることにしようか。
富士川から富士山を眺める。やや霞んではいるものの頂をくっきりと見ることができる。旅の幸先がいい感じ。品川の手前では、このダイヤ改正で新たに開業した横須賀線・武蔵小杉駅の横を通過する。多摩川のほとりに高層ビル群が立ち並ぶ、最近発展が注目されているエリア。駅前では開業イベントが行われる様子だった。
品川に到着。今回はここで下車し、この夜の宿泊地である五反田に移動。ロッカーに荷物を置いて一度身軽になる。さて、ここからどうしようか。夜は友人と会う予定だが、午後の部をどうするか。久しぶりに上野の鈴本にでも行って落語を聴くか、それとも東京ドームで行われる日本ハム対ロッテのオープン戦を観に行くか(開幕一週間前ということで、ダルビッシュが先発予定)。行きの新幹線の中でいろいろ考えていたのだが、まあ、野球のほうはまた見に来ることもあるだろうからということで、結局この日は鈴本演芸場を選択。
上野駅から上野公園を歩く。御徒町側の出口に差し掛かると、交番脇の桜が早くも満開。早咲きの品種なのだろうが、3月中旬にして早くも今シーズン初の桜鑑賞である。
鈴本では久しぶりの東京落語を楽しむ。早い時点でほぼ満席となり、一時の「落語ブーム」はさすがに収まったようだが、やはり寄席は人気である。ここは食事をしながら鑑賞することができるとあって、中央前部に陣取った団体さんなどは酒の4合ビンが何本も並び、演者が登場すると「待ってました!」と威勢のいい声をかけたり、漫才や漫談の演者には合いの手を入れて逆に客席を笑わせてみたりと、寄席を楽しんでいるなあという風情である。まあ、それも間が肝心で、これを外すと単なる迷惑な客となってしまうのだが・・・。
この日のトリはかつて「笑点」にも出演していた桂才賀。「鹿政談」に、最後は「篠原流舞踊」で手錠をかけられた状態でお開き・・・。
さて夜の部ということで、今度は池袋に出る。高校時代の同級生N氏が現在東京に住んでおり、せっかくなので声をかけていた。彼は昼は別の会合があってすでに出来上がっている状態だが、そこはということで駅前の韓国料理店で乾杯。N氏と会うのは私が東京から関西に復帰することが決まっての送別宴以来である。仕事のことや友人たちの消息などの話で時間は過ぎる。
N氏は昨年だったかに成増にマンションを購入した。「せっかくなのでウチを見に来るか」とのN氏の誘いもあるし、出かけていたN氏の細君も帰宅して「遅い時間からですがぜひお越しください。飲みましょう」とのことだったので、東武線で出かける。細君と会うのも二人の結婚式以来。現在は二匹のワンちゃんが子供代わりということだ。新築マンションで新たな結婚生活、いや実によろしいですな。
しかしそのN氏も、今年開催される上海万博のプロジェクトにタッチしており、4月から彼の地にしばらく赴任するということだ。今回は逆にその送別ということになったかな。土産が「神戸プリン」だけでは申し訳なかったかな。経済の成長により、今や世界一の都市といってもいい上海。彼の地での大いなる活躍を祈る。
さて気がつけば時刻は22時半を回る。いくらなんでもということでここで失礼し、今度は副都心線に乗る。まさか今回の旅でこの線に乗ることになるとは想像していなかった。一旦渋谷まで出て、そこから山手線で五反田へ。荷物を引き上げてルートインホテルにチェックインしたのは24時近かった。
客室が「地下1階」というのがなかなかユニーク。