まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

シャチに足を食いちぎられた女!

2016-01-17 | フランス、ベルギー映画
 「君と歩く世界」
 失業者のアリは、幼い息子サムを連れて姉の家に転がりこむ。クラブの用心棒の職を得たアリは、ステファニーというシャチのトレーナーと出会う。その直後、ステファニーは事故で両足を失ってしまうが…
 「真夜中のピアニスト」や「預言者」などの名匠ジャック・オディアール監督の作品
 「Far From The Madding Crowd」でmy イケメンレーダーをビビビ!とさせたベルギーの男前、マティアス・スーナールツの出世作を、やっと観ることができました~♪
 マティアスといえば、ゴリマッチョ。この映画の彼も、とにかくゴツい!イカちー!素敵なゴリマッチョぶりに、こっちまでウホウホですわ。もうね、きれいなだけのヒョロい草食男子など、マティアスの前では軟弱なオカマにしか見えません。

 ゴツいゴリマッチョですが、暑苦しさのない汗臭くない冷ややかなところが、これまたいいんですよね~。悪役じゃなくても、何か冷酷そうで怖いところも、マティアスの独特さ、魅力でしょうか。危険を常に身にまとってる男。関わると無事でいられないと知りつつ、惹かれてしまう。そういう男にハマっちゃう女、多いですよね。甘い優しい平穏な幸せを望むなら、マティアスを選んではいけません。
 この映画のマティアスもね~。アリって悪い男じゃない、、むしろ善人なんですが…無頼漢オーラ、ろくでなしムードが全身からムラムラ出てるんですよ。ちょっとオツムがアレなのかな?と思ってしまう言動が、微笑ましかったりシャレになんなかったり。飼いならせない野生動物の獰猛さと、嘘やズルさとは縁のない純真さがない交ぜになったアリを、マティアスが台詞よりも饒舌な肉体を駆使して、ワイルドに可愛らしく演じてます。

 抑えきれない荒ぶる血潮を、ストリートファイトで発散させるアリ。本物の格闘家のようなマティアスのヘヴィな肉体、リアルなファイターぶりは圧巻。こんな役、演技、日本のヘナチョコイケメンには無理です。暴れてるマティアスはヤバいのですが、ヒロインへの不思議な優しさ、息子への不器用な愛は、邪気や悪意がなくてピュアそのもの。ステファニーには何の恩も負い目もないというのに、足を失って自暴自棄、うつ状態のステファニーの要求やわがままに従順に応えたり、もうセックスできないかもと不安がるステファニーに、じゃあヤってみる?と無邪気に提案するところとか、ステファニーじゃなくても心がほっこりします。ステファニーとのやりとりでは、ちょっとトボけた味わいも出してて、巨大な子どもみたいに可愛いマティアスです。

 ステファニーとアリのラブシーンも、生々しくも温かみがあって、いいセックスしてるな~って感じ。肉布団なマティアスが素敵。マティアス敷いて寝たら、よく眠れそう。見事すぎる全裸すっぽんぽんシーンもあり。デカいのブラブラさせてます
 ステファニー役は、オスカー女優のマリオン・コティアール。日本の24時間テレビだったら、可哀想だけどけなげに頑張る障害者、みたいなお涙ちょうだいヒロインになってただろうステファニーを、メソメソ湿っぽくなく、でも押し付けがましい頑張り屋さんでもなく、力みのない、しなやかなヒロインとして演じてたマリ子でした。情感にあふれたステファニーの再生にも共感、好感。
 お金がなくてヒッチハイク、列車の中で他の乗客が残した残飯を食べるアリ親子。賞味期限切れの食べ物を職場から持って帰るアリの姉。シビアな就職難とリストラ。社会の底辺で生きる人々のくたびれた姿も、切実でリアルでした。

 ↑1977年生まれの同い年、ヤバいけど可愛いゴリマッチョ、というキャラがちょっとカブってるトム・ハーディとは、“The Drop”という作品で共演してるマティアス。仲良しな二人に萌え~マティアスは今春、「フランス組曲」と「リリーのすべて」が日本公開
コメント (2)
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