まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

イケメンとウミガメ

2024-04-21 | 北米映画 08~14
 「異人たち」公開記念BL映画祭③
 「Loggerheads」
 10代の時に産んですぐに手放した息子を探し出そうとするグレース。保守的な夫と家出した養子との間で苦悩するエリザベス。浜辺でウミガメを探す青年マークと出会うゲイのジョージ。面識もなく遠く離れた場所で暮らす彼らは、あることで深くつながっていた…
 ようやく観ることができました!この映画、すいぶん前から気になっていたんです!何でかって?「タイタンズを忘れない」や「ドリヴン」などで、いっときハリウッド次世代スターとして期待されていたイケメン、キップ・パルデューがゲイの役を演じてるからです(^^♪

 キップくん、ほんとイケメンだったんですよね~。金髪と白い肌、明るく健康的、優しそうで上品な雰囲気があり、アメリカのいいとこの坊ちゃん、優等生って感じがすごい好きだったんです。実際の彼も名門大学出身で、フットボールの選手だったという文武両道の経歴にも惹かれるものがありました。いつの間にか消えてしまったのが残念。今でも俳優してるのかな。現在の姿、調べないようにしてます爽やかイケメンだった頃の彼を心にとどめておきたいので。

 キップくんが華々しいメジャー大作から身を引き、ひっそり出演したのがこのインディペンデント系の小品。内容も出演者も映像も、まさに低予算って感じの映画。映画というよりテレビドラマっぽかった。心と人生に悲しみと痛みを抱えた人々が織りなす群像劇が、淡々と奇をてらわず描かれています。お涙ちょうだいのあざとさはないので好感を抱けましたが、いかんせん地味すぎる。ドラマティックさや刺激に狎れすぎると、こういう映画は結構キツくなりますね。

 ゲイの青年役を演じたキップくんですが、見た目もキャラも全然キャマキャマしくもゲイゲイしくもなくて、フツーに爽やかな好青年。たまに顔がマット・デーモンに似て見えた。マットをクリーミーな細面にした感じ?養父母との断絶やHIV感染など、ヘヴィー級の深刻な境遇にあるようには見えない。もうちょっと絶望の翳りとか怒り、悲しみが伝わる演技、役でもよかったのではとも思いました。観客の心の琴線に強く深く触れるには、やはり相当の演技力と脚本のクオリティが必要なんですね。キップくんはちょっとだけ肉体美を見せてますが、男同士のラブシーンはほぼ端折られてます。ジョージ役の俳優が、フツーのおっさん。もっと男前にしてほしかった。
 80年代に吹き荒れたエイズ恐慌、養子縁組の実態など、アメリカって国土は広大なのに社会や人間の価値観が狭い国ですね。HIV患者に対する人々の無知と差別偏見の露骨さが非道すぎ。養子がゲイだとわかると出ていくように仕向けた牧師が、愛だの平等だのと説いてるのが偽善的すぎて怖い。都合が悪くなると捨てるとか、養子はまるでペット以下な扱い。産んですぐに養子に出した息子に会おうとするグレースも、自分のことしか考えてないようで不快でした。いきなり私がママよ!と現れたら子どもがどう思うかなんて、そんなの関係ねぇ!なのかな。何で産んだの、何で引き取って育てたの、な人々に翻弄され傷つけられる子どもたちを思うと、胸が痛みます。
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永久欠番のスター

2020-09-20 | 北米映画 08~14
 「42 世界を変えた男」
 1947年のアメリカ。ニグロチームで活躍していたジャッキー・ロビンソンは、ブルックリン・ドジャーズのGMであるリッキーにスカウトされ、黒人初のメジャーリーガーとなる。それは大きな波乱を呼び、ジャッキーはチームメイトやファンからも差別的な扱いを受けるが…
 追悼チャドウィック・ボーズマン
 突然すぎる訃報に、今なおショックと悲しみは薄れぬままです享年43歳。あまりにも若すぎる。ガンで闘病中だったことも、ファンはまったく知らなかった。まるで神隠しにでもあったように消えてしまったチャドウィック。いまだに信じられない、信じたくない気持ち。もうすぐブラックパンサー2や、その他の新作でまた彼に…は、もう会えないのですね。そろそろその現実を受け入れねばなりません。大好きだったチャドウィック哀悼の意で、未見だった彼の旧作を観ていきたいと思っています。この作品は、チャドウィックがメジャーリーグ史上初の黒人選手を演じた作品。彼にとっては記念すべき初主演映画です。

 今では考えられないような露骨で過激な差別的扱いを受けながらも、実力と不屈の精神でドリームロードを切り拓いていったヒーロー役。チャドウィックのためにあるような役でした。傷つき悲しみながらも、過酷な宿命の中で夢も希望も誇りも捨てず闘うチャドウィックasジャッキーは、ブラックパンサーのティ・チャラ陛下とカブりました。チャドウィックが演じるヒーローは、他のスターたちが演じるヒーローとは違うんですよね~。ヒーローにありがちなナルシズムや自己陶酔が全然なくて、静謐で穏やかな威厳と、深い悲しみがあるところが好きです。理不尽で非道なことをされたり言われたりしても、ぐっと我慢して瞋恚の炎を燃やすチャドウィックの表情に胸キュン試合中にあまりといえばあまりな侮辱を受けて、人前ではこらえたけど独りにはると怒りを爆発させる激情、深く傷ついた涙の演技が迫真で圧倒されました。チャドウィックの笑顔も素敵だけど、悲しそうな顔はもっとチャーミング。ハッピーなイケメンよりも、チャドウィックのように不幸が似合うイケメンのほうが好き

 当時35,6歳のチャドウィック、ブラックパンサーの時も40過ぎには見えなかったけど、さらに若いので可愛くもあります。爽やかな青年っぽさが。今の嵐とかと同じ年頃ですが、あの人たち全然もう青年っぽさなんかないもんね。野球のユニフォームも40年代アメリカンファッションも、まるでモデルのように着こなしてます。「ブラックパンサー」や「マーシャル」でも思ったけど、チャドウィックって何着ても似合ってて、スタイリッシュなんですよ!演技といいルックスといい、間違いなく近い将来黒人俳優ナンバーワン、第二のデンゼル・ワシントンになるはずだったのに、かえすがえすも惜しい。もし若き日のワシントン氏がジャッキーを演じてたら、もっと屈折した攻撃的なヒーローになってたでしょう。チャドウィックの真面目さと心優しさのほうが、今の軽薄で冷たい時代に沁みる魅力なのでは。

 強く優しく誇り高く、才能があってしかもイケメン。ジャッキーといい陛下といい、チャドウィックもかなり理想的というよりドリーミーなヒーロー役者でした。ジャッキーもほとんど聖人な男。ほんとはもっと汚い醜い部分もあったはず。アメリカでも日本でも、神格化されてる人物はキレイキレイにしか描けませんよね。長嶋茂雄氏や王貞治氏の物語を映画化したら、きっと忖度だらけな内容になるでしょうし。ジャッキーの人間的な面はリアルに描かれてはいませんでしたが、アメリカ社会といえばの黒人差別偏見のエゲツなさは容赦なくこれでもか!とばかりに。

 ひどい、ひどすぎるあんなことが当たり前だった時代、怖すぎるわ。飛行機に乗れないとかトイレ使えないとか、今では考えられない差別ですが、でも今でも実はそんなに改善はされてないんですよね。トランプさんの言動とか、頻繁に伝わってくる悲劇的なニュースとかが、不変の差別の現状を教えてくれます。対戦チームの監督のジャッキーへの執拗な侮蔑的挑発が、特に非道すぎて醜悪すぎてほとんど笑えたレベル。ユダヤ人を虐げるナチス役もだけど、民度の低い下劣な人種差別主義者の役も、演じててさぞや辛いだろうな~。怖いのは、別に悪意とか憎悪があるのではなく、彼らにとって差別は交通ルールを守るのと同じような慣習になってるところです。

 差別も偏見も、実力と清廉な人柄でねじ伏せていくジャッキーでしたが。ほとんどの有色人種は見た目も中身も凡庸で、ジャッキーみたいな偉人はまれ。この映画のジャッキーを見て勇気づけられる黒人っているのかなあ。平凡な人間って結局は無力。所詮ジャッキーの栄光は夢物語に過ぎないのかもしれません。
 ジャッキーの周囲にはレイシストばかりではなく、味方のほうが多かったので不快感はそんなに感じずにすみました。最大の味方、球団GMのリッキーを演じてるのは私の幼い頃のヒーロー、インディ・ジョーンズことハリソン・フォード。すっかり爺さんになりましたが、ひょうひょうとかくしゃくとしてて豪快。いつまでもお元気で、若い俳優を叱咤激励したり引き立てたりするポジションで今後は活躍してほしいものです。それにしても。今でもハリソン爺さんは壮健なのに、チャドウィックは…人間の命ってほんとわからないものですね…

 ↑ まさかこの時、自分より先にチャドウィックが逝くとはハリソン爺、思ってなかったでしょうね…ブラックパンサー2は実現しなかったけど、チャドウィックが遺した日本公開待ち映画はいくつかあるようなので、悲しみと共に観たいと思いますあらためてMay he rest in peace😢
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はるばる来たぜ北朝鮮

2018-01-24 | 北米映画 08~14
  アカデミー賞のノミネーションが発表されましたね!
 だいたい順当な結果でしたが、ちょっとした番狂わせもありました。私が残念なのは、ジェームズ・フランコとアーミー・ハマーの落選。フランコはゴールデングローブ賞を受賞し、作品も好評だったので候補入りすると信じてたのですが。セクハラ問題のあおりを受けたのでしょうか。アーミーも、ティモシー・シャラメに勝るとも劣らぬ好演だったのにな~。「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督の落選もショック。みんな大好きなクリストファー・ノーラン監督より、私はマクドナー監督の作品を高く評価してるんですよね~…
 候補にあげられた作品は、どれも面白そうだし、いい役者がそろってるので早く観たい!特に「スリー・ビルボード」「シェイプ・オブ・ウォーター」「レディ・バード」「ファントム・スレッド」「ウィンストン・チャーチル」は絶対に観に行きます(^^♪3月の授賞式も楽しみ!

 「The Interview」
 タブロイドトークショーの司会者デイヴとプロデューサーのアーロンは、北朝鮮の悪名高き支配者である金正恩が、デイヴの大ファンであることを知り、インタビューをオファーし快諾される。CIAから金正恩暗殺ミッションを背負わされながらも、二人は意気揚々と北朝鮮に乗り込むが…
 ジェームズ・フランコ、ゴールデングローブ賞受賞おめでと!受賞作“The Disaster Artist”でも共演してる親友セス・ローゲンとは、「スモーキング・ハイ」などコンビ作が多いフランコさんですが、この映画は日本では未公開のまま、DVDスルーさえされてません。あまりにも北朝鮮と金正恩を愚弄した内容に、国際問題にまで発展したり、サイバーテロが起こったりと、日本でも話題になったことをご記憶の方も多いのではないでしょうか。

 確かにこの映画、北朝鮮と金正恩をおちょくり過ぎ。北朝鮮に好意的とは決して言えない日本人でさえ、これいいのかな~?ひでえな!と引いちゃうほど、バカにしまくってます。北朝鮮の脅威を常に身近に感じ、その動向や情勢に詳細にならざるを得ない日本人と違って、遠く離れた場所で俺たち最強を自負しているノーテンキで無知なアメリカ人にとっては、金正恩はヒトラーやフセイン、ビンラディンと同じ単なる悪者。問答無用にやっつけちゃえ!な軽~いノリ。そう、この映画、ただのバカ映画なんです。北朝鮮をリサーチし尽くして作った!みたいな知識人ぶった皮肉とか政治的・社会的メッセージなど露ほどもなく、悪趣味でオゲレツでハイテンション、自分たちの先入観と偏見だけで作った、良くも悪くもアメリカ人気質丸だしなバカ映画、なので、こんなのが国際問題化?!と騒動が馬鹿らしく思えて仕方がありません。

 北朝鮮といえばな軍人や喜び組、子どもといったお馴染みな人々が、滑稽で過激なキャラとして大暴れしてます。特に将軍さまのためにパフォーマンスする子どもたちがヤバすぎます。冒頭のアメリカへの口汚い罵倒ソングを、にこやかに歌う少女が笑えた。最&高にコケにされてるのは、もちろん将軍さまご本人。超おバカキャラ!ご本人が見たら当然激怒ですが、おバカすぎてオチャメでもあって、実際の将軍さまよりはるかに可愛い好人物になってます。下品で軽薄なアメリカンカルチャーが大好きで、デイヴと意気投合してマブダチになる将軍さま。デイヴと一緒に戦車でドライヴしたり、歓び組をはべらして乱交パーティetc.この映画みたいな将軍さまだったら、北朝鮮はもっとまともな国になったのでは?でも結局は危険なキ◯ガイとして成敗されちゃうんだけど。悲惨だけど滑稽すぎる最期も、バカすぎて笑えます。英語ペラペラな将軍さまでしたが、実際の金正恩もスイスに留学してたので、語学は堪能なんだろうな。

 あと、これでもか!な下ネタも、乙女淑女には耐えられないでしょう。私は大好きく、くっだらねぇ~!と大笑い。ホラー顔負けなグロい血しぶき、血まみれシーンも酷すぎて笑えた。修羅場と化したモニター室での指の食いちぎり合いとか、結構ツボでした。
 デイヴ役のジェームズ・フランコの、はっちゃけ過ぎなバカ演技ときたら!

 この映画でも、隠しようがないほどイケメンなフランコ氏なのですが、やってることは日本のお笑い芸人でも躊躇するオゲレツ演技。終始ラリってるみたいなアヒャヒャっぷりです。イケメン崩壊な顔芸も強烈。すごく楽しそうで、地でやってるとしか思えぬほどの自然体。すっかりバカ俳優になってしまったフランコ氏ですが、せっかくの男前がと惜しくもあります。たまにはまた二枚目役をやってほしいかも。

 この映画の監督とアーロン役を兼任したセス・ローゲンは、フランコ氏より年下とは思えぬほどおっさん。アヒャアヒャと無茶ぶりをしてくるフランコに、狼狽困惑しながらも従うローゲン、というのが基本だったのですが、二人の親密さも演技を超越してました。この二人のコンビ作は、仲の良すぎる男同士の親友以上恋人未満な関係、というのも重要なテーマなのかも。

 デイヴのトークショーに出演する有名人として、エミネム、ロブ・ロウ、ジョゼフ・ゴードン・レヴィットがご本人役で出演。しかもみんな、とんでもないぶっちゃけカミングアウト!突然俺はゲイだと告白するエミネム、おもむろにヅラを外してハゲ公開のロブ・ロウ。日本ではありえない悪ノリです。フランコ&ローゲンのコンビって、悪ふざけばかりしてる慶應や早稲田の大学生とカブるんですよね~。お勉強はできる金持ちのバカ息子、みたいな。いい年してみっともないと眉をひそめる反面、そういうキャラを貫いてほしいと願ってもしまいます。

 ↑ゴールデングローブ賞受賞、おめでと!同時に、セクハラ糾弾されピンチでもあるフランコ氏。あんまり下半身が元気すぎるのも、やっぱよくないですね~…不品行が祟って、オスカーではシャットアウトされてしまいました。いい年なので、そろそろ落ち着きましょうよフランコさん!
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青木ヶ原で逢いたい…

2017-12-06 | 北米映画 08~14
 「JUKAI 樹海」
 日本で教師をしていた妹のジェスが、青木ヶ原で行方不明になったという知らせを受けたサラは、アメリカから日本へと向かう。記者のエイデンに同行し、サラは樹海へと入るが…
 最近は、昔みたいに手当たりしだい何でも観る!な貪欲さが失われ、老化による気力体力集中力の著しい衰退もあって、よほどの話題作か大好きなスターが出てる作品しか観なくなってしまっていて、とても映画ファンとは名乗れないテイタラクです。反面、かなり厳選して観ているためか、トホホな駄作にはあまり遭遇しなくなってはいます。なので、たま~にババ引くと、いい映画よりもそっちのほうが印象に残ってしまいます。この作品も、そんなババ映画でした。

 これぞB級!な映画でした。いい映画を作ろうとして失敗なのではなく、最初からB級映画を作ろうとしてたとしか思えないような。すごい雑でテキトーな内容でビツクリ。オチのなさすぎるラストにも失笑。ただ単に、青木ヶ原で撮影したかっただけ?その青木ヶ原にしてって、あまり効果的に使われてなかったし。ほんとにここ、青木ヶ原?イギリスかアイルランドの森林公園じゃないの?と疑えましたし。ここでハイキング、森林浴したら気持ちいいだろうな~という自然の美しさよりも、入ったら二度と出られない、黄泉の入口である樹海の神秘や不気味さを、カメラにとらえてほしかったです。
 ホラーとしてはかなりの出来損ないですが、こんなこと日本人はしない!日本にはない!な、ヘンテコな日本描写はかなり笑えました。いまだに欧米人にとって日本は、おかしな国なんですね~。サラが寿司屋に入ると、注文もしてないのに生きたエビの寿司が出てきたり。食べたいわ!と思った。青木ヶ原の案内所の地下室には、樹海で発見された自殺死体が安置されてたり。サラたちの樹海に入る服装が軽装すぎ!ハイキングでももっとちゃんと着ますよ。立ち入り禁止にも堂々と入っていくサラたち、いま観光各地で問題化してる典型的な迷惑外人!
 サラ役のナタリー・ドーマンは、The Tudorsのアン・ブーリンですね。The Tudorsの時はピチピチしてましたが、この映画ではすっかりおばさんになってました。やっぱちょっとビョークに似てますよね~。サラを助ける記者役は、俳優としてよりもレディ・ガガの彼氏として知られてるテイラー・キニー。ガガが惚れただけあって、男前ですね。ちょっとジェラルド・バトラー+コリン・ファレル、みたいなご面相。少し濃ゆ目のヒゲ顔といい、マッチョな体といい、ゲイにも受そうなルックス。
 この映画を観たのは、大好きな小澤征悦に会いたかったからさ(^^♪

 樹海の日本人ガイド役のオザユキ。外国人と一緒でも見劣りしない長身と、流暢な英語がカッコよかったです。さすが世界的指揮者を父にもち、海外生活も長かっただけある生粋のお坊ちゃまです。英語を喋ってる時のほうが、何かいつもより演技が上手に見えたのは気のせいでしょうか樹海を案内するだけで、特筆するような役でも演技でもなかったのが惜しい。何か怪しい?なガイドにしてほしかった。この映画でハリウッドデビューと言っても失笑されるだけなので、次はちゃんとしたハリウッド映画で、謙さんみたいにオスカーにノミネートされるほどの名演を、オザユキに期待したいものです
 
 ↑来年の大河ドラマ、西郷隆盛役はオザユキにやってほしかったな~。篤姫でのオザユキの西郷どん、めっちゃカッコカワイかったもんね~🍏
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吠えるBL詩人

2016-12-20 | 北米映画 08~14
 「Howl」
 1957年のサンフランシスコ。詩人のアレン・ギンズバーグは、発表した詩集「Howl」がワイセツであると訴えられる。インタビューで語られる、彼の人生と芸術とは…
 ジェームズ・フランコがゲイの詩人役!ということで、前から気になってた作品。運よく観ることができました(^^♪
 結論から申し上げますと…腐的にはかなりガッカリな映画でしたせっかくゲイが主人公、しかも「ミルク」で腐をキュンとさせたジェームズ・フランコがゲイ再演、なのに。BLシーンはほとんどなく、LGBTの苦悩や闘い、希望を描いているわけでもなく、フランコにアンなことコンなことさせてもいない、というトホホさでした。
 BLものでもなかったけど、アレン・ギンズバーグの半生を描いたドラマでもないんです。私のような詩を解さない者にとっては、ただもう難解というか高尚というかワケワカメなギンズバーグの詩の、これまたワケワカメなアニメーション付きの朗読劇、みたいな内容でした。ワケワカメながらも、風変わりな作風でつまんなくはなかったです。

 法廷、インタビューを受けてるアレンと彼の回想、朗読会で詩を暗誦してるアレン(ここだけモノクロ)、の三つの構成になっていて、アレンの詩がアニメになってます。詩は性的ですが、わいせつとまでは思わなかったです。詩はまさにワケワカメなのですが、激情的で精神世界がイっちゃってて笑えました。アレンの詩、英語が解らない私はもとより、フツーのアメリカ人にとっても???なのでは。アニメも性的ですが、イヤらしくはなく、シュールで面白かったです。
 アレン・ギンズバーグ役のジェームス・フランコが、相変わらずのイケメン

 久々に見たフランコ、彼ももうアラフォーですが、若々しくてまだ青年っぽい。クニャ~っとした笑顔、雰囲気のユルさが好き。メガネ男子な彼も可愛かった。朗読が上手!あのモニャモニャした独特の声で、エキセントリックにエモーショナルに暗誦。英語は解からないけど、彼の朗読CDとか欲しいです。

 男の色気、フェロモンも放つフランコなので、セクシー演技やシーンがなかったのが本当に惜しかった。主役ながら出ずっぱりでもなく、アレン不在の法廷シーンの割合が高いのも減点要因。フランコのBLシーン、あることはあったのですが、チョコっとだけで物足りないことこの上ないです。恋人役が、「レ・ミゼラブル」のアンジョルラス役でMYイケメンレーダーを反応させたアーロン・トヴェイトだったから、なおのこと惜しい。

 トヴェイトくんがフランコの年下彼氏役、というので超期待してたのに。彼、チョイ役でした。正味5分ぐらいの出番。でも、ベッドでフランコと裸の彼がイチャつくシーン、公園で幸せそうに寄り添うシーンは、なかなか萌え~でした。どっちがタチでウケなのか、かなり気になったけど。どっちにしてもイケメンな二人なので、BLも絵になります。

 恥ずかしながら私、この映画を観るまでアレン・ギンズバーグのご尊名を存じ上げませんでした。アメリカでは超有名で、あの村上春樹先生も信奉してる偉大な詩人なんだとか。実際のアレンは、フランコとは似ても似つかないです。橋田スガ子先生を安田成美が演じるぐらい無理がある、とまでは言わないまでも。ちなみに他作品で、元ハリポタのダニエル・ラドクリフが若き日のアレン・ギンズバーグを演じてるとか。

 ↑いい男なのに、ちょっとズレてるところが残念でもあり可愛くもあるフランコ。わざと恥ずかしい自撮り画像をアップしたり、悪友たちとの内輪ウケ映画によく出たり。子どもっぽい悪ノリも、そろそろ卒業していい頃。真面目な大人の映画で、いい演技+演出をI wish!
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人生も書き直せたら

2016-12-13 | 北米映画 08~14
 ファンタビ日本公開記念!師走の英国男優祭⑤
 「RE:LIFE リライフ」
 若くしてオスカーを受賞しながら、その後ヒット作に恵まれず妻子にも逃げられ、中年になった今では自宅の電気も止められるほど落ちぶれた脚本家キースは、エージェントの勧めで心ならずも田舎の大学のシナリオ講師となる。適当すぎる仕事ぶりは周囲のヒンシュクを買うが、生徒たちとの交流はやがてキースに創作への意欲を取り戻させて…
 80年代に一世を風靡した英国美青年俳優軍団。その中でも屈指の人気を誇ったのが、「モーリス」のヒュー・グラントでした。90年代に入ると、ハリウッドでまさかのラブコメ帝王となり、再び大ブレイク。その後も毀誉褒貶、恥ずかしすぎるスキャンダルなど、なかなか波乱万丈というか紆余曲折というか、豊かな?人生とキャリアを送りながら熟年となったグラント氏の主演作を観たのは、思えばかなり久々かも。相変わらずなグラント氏で、すごい笑えました!いや~おもろいおっさんですよね彼。そして、すっかり爺さんになった。さすがにもう、ご本人が認めてる通り、ラブコメは無理ですね。でも、ラブコメとは違う系統のコメディで、今後は活路を見出しそう。落ち目の中年脚本家役という、ちょっと自身とカブる?自虐的な笑いに鉱脈を掘り当てたかも。滑稽ですが、やはりアメリカ俳優とは一味も二味も違う個性と魅力です。どこへ行っても、どんな役でも、やっぱ彼は生粋のイギリス人なんですよね~。それを面白く活かしてる笑いこそ、彼の真骨頂でしょうか。

 ↑だいたいいつもこんな顔して、皮肉かまし&超KYな言動するのが笑えます
 イギリス人とはいえ、スノッブな感じで気取ってるのではなく、すごいオドオドと他人の顔色うかがいつつ、地雷踏みまくり、スベリまくりな皮肉とKY言動ばかりするグラントおじさんが笑えました。気の利いたジョークのつもりなのか、はたまたホントにバカにしてるのか、どっちともとれる感じが珍妙で独特。でも、ああいった冗談や皮肉って、かなりの教養と頭の回転の速さが必要ですよね~。明石家さんまとかも頭いい人だなとは思うけど、俺を笑えない奴はおかしいと言わんばかりの自信とか、自己主張と自意識が過剰ですごい苦手。グラント氏のサラっとシレっと、知的で洗練されたライトな笑いのほが、ツボだし心地よいです。
 高田じゅんじも真っ青な、キースの超テキトーな仕事ぶりも笑えました。マット・デーモンの新作の脚本を執筆中、とか詐欺に近い大ボラとかも、映画ファンならクスっとなります。マットと聞いて、ミーハーに色めき立つゼミの生徒たち。アメリカで今いちばん人気があるスターは、やっぱマットなんですね~。他にも有名スターの実名が出てきて、業界ネタで笑いを誘います。
 キースのシナリオ教室が、すごく楽しそうでした。私も入りたいと思った。美女8割、オタク男2割なゼミの生徒たちも、みんな個性的でいい味だしてました。ディズニーやラブコメなどハリウッド王道派と、ベルイマンや黒澤明などアート志向派の対立も面白かった。どっちも素晴らしい!派もいたけど、まさに私はそこに属してます。

 名バイプレイヤーたちも、脇役を好演してました。軍人上がりの学長役は、「セッション」でオスカーを受賞したJ・K・シモンズ。セッションと同じ鬼ヅラですが、キャラは人情家のおじさん。そのギャップが珍妙かつ可愛かったです。シングルマザーのゼミ生役は、これもオスカー女優のマリサ・トメイ。彼女も、いかにも明るく気のいいアメリカ女性って役で好感。
 それにしても。アメリカにおけるアカデミー賞の威力ってスゴいんだな~と、田舎だと神扱いされてるキースを見ていて思いました。オスカー像とか、まるで水戸黄門の印籠です。アメリカ人にとって、映画は世界に誇れる最大の文化、最高の憧れの夢なんですね。アメリカ人にとっては、たぶんノーベル賞やオリンピックの金メダルよりも、オスカーのほうが上なんだろうな。オスカーといえば。前哨戦のゴールデン・グローブ賞に、「マダム・フローレンス!」でグラント氏がノミネートされましたね
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ダンディとイケメンが…

2016-12-11 | 北米映画 08~14
 ファンタビ日本公開記念!師走の英国男優祭③
 「リチャード・ギア/人生の特効薬」
 自動車事故で同乗していた親友夫婦を亡くした後、大富豪のフラニーは世間から距離を置いた隠遁生活を送っていた。そんな中、亡くなった親友夫妻の一人娘であるオリヴィアが、夫のルークを伴い故郷に戻ってくる。オリヴィアとルークは、自分たちに過分な社会的・経済的な援助をするフラニーが、重度のモルヒネ中毒となっていることに気づくが…
 内容や演出に、これといった独特さとか目新しさはなく、人生に絶望した老人が愛の力で再生する、といったよくある話、よくある展開の映画でした。
 親友を失った事故で心身ともに傷つき、立ち直れずにモルヒネ中毒者となったフラニーですが。薬が切れて、ヤク!ヤクくれよおぉ~!!とASKAも真っ青な物狂おしい醜態をさらすフラニーは、どんなに辛い悲しいことがあったにせよ、周囲にとっては迷惑以外のナニモノでもないトラブルメーカー。いくらお金持ちでも、あんな人が近くにいたらイヤだわ~。経営する病院の小児病棟に、禁断症状になって真夜中に乱入して大暴れとか、ドン引き!高級ホテルで暮らしてるフラニー、そのきちゃない部屋にもドン引き。私がホテルマンなら、さっさと出てけ!と心の底から思うことでしょう。悲惨なモルヒネの禁断症状を生々しく描くよりも、もっとさりげなく繊細な形で、フラニーの心の傷や闇を描いてほしかったかも。それにしても…モルヒネって、あんな風になっちゃうんですね~。怖い。

 陳腐な内容とはいえ、面白くできる要素はあった。若い夫婦の間に、まだ男としての魅力が残ってる、しかも大金持ちの熟年男性が割り込んでくる。金と権力をチラつかせ、寂しい老人であることを強調し、恩と同情で拒めなくしてしまう。ちょっとファザコン気味な妻に必要以上に、これ見よがしにベッタリしてくる熟年男の挑発的ともとれる態度に、夫は嫉妬…みたいな、昼ドラ的なドロドロドラマにしてほしかった。そんな風になりそうでならなず、もどかしくも肩すかしでした。

 フラニー役のリチャード・ギア、さすがに爺さんにはなりましたが、まだまだイケてます。シブいというより、まだ男の色気が残ってます。某事務所の若いタレントと60過ぎの今のギア氏だったら、迷わず後者に抱かれます。ギアおじさんの、若いカップルへの強引な善意押し付けや、調子がいいKY(なフリをしてる)言動が笑えた。エキセントリックなヤク中演技、なかなか鬼気迫ってました。たまにコントみたいで笑えましたが。やたら上半身裸になるのですが、かつてはハリウッドきってのセクシー男だった彼も、裸はジェラール・ドパルデューに近づいてて、往年のファンにはショックかも
 私がこの映画を観たのは、リチャード・ギアではなく、ルーク役の英国俳優テオ・ジェームズが目当てです♪

 テオ~♡やっぱカッチョEですね~ワイルド&スウィート!似てないんだけど、テオって何となく故ポール・ウォーカーとカブるんですよね~。ポールをちょっと濃くした感じ?医者役のテオ、あんなイケメンドクターいたら、毎日通院するわ!そんでもって、無理やり触診にもってくわ!筋肉質だけどスラっとした長身。スタイルいいので、白衣もタキシードも、何着ても似合ってる。

 厚い唇がエロい!低く甘い声にもジュンときます。奥さんにZOKKON命で、彼女を大切に気遣ってる優しい言葉やスキンップとか、なれなれしくて恩着せがましいフラニーにイラっとしたり、フラニーに挑発されてブチギレたり、若い男の情熱って感じで素敵でした。
 この映画で面白いと思ったのは、フラニーとルークの意図的演出としか思えぬゲイゲイしい絡み。試着室でパンツ一丁になるルーク、彼のアソコに顔を近づけて、今にもフェ○しそうなフラニー、とか。

 酔っぱらったフラニーとルークが、同じベッドに寝転がり、寝ぼけた?フラニーが、ルークに抱きついてきたり、とか。ずっと独身で女っけがないフラニー、オリヴィアの父の死から立ち直れないのは、やっぱり…と妄想しちゃいましたが、本当にフラニーをゲイ設定にしたら、もっと面白い話になったかもしれません。
 オリヴィア役は、名子役だったダコタ・ファニング。すっかり大人の女性になりましたね~。もう妊娠中の人妻役やるようになったんですね。地味だけど、私がヒロイン!と出しゃばってこない風情には好感。

 ↑逃げ恥テオバージョン

 年明け早々、「アンダーワールド ブラッド・ウォーズ」が日本公開!でもこのシリーズ、ヒロインが苦手な女優なので、一作も観てないんですよね~。でもテオには逢いたいので、チャレンジしてみます!悪役で出演の「バッドガイズ!!」も楽しみ♪ダイバージェントシリーズは、日本では大コケしてるので、最新作公開が危ぶまれます~…
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ブラパのイケメンレストラン

2016-11-25 | 北米映画 08~14
 「二つ星の料理人」
 ロンドンでホテルを経営するトニーの前に、数年前に彼のパリの店で問題を起こし失踪した天才的シェフ、アダム・ジョーンズが現れる。アダムは再起のため、ミシュランの三ツ星を獲得しようと仲間たちを集めるが、その破綻した性格が災いして…
 愛しのブラッドリー・クーパー主演作です。近年は、3年連続でオスカー候補になるなど、今や人気と実力を兼ね備えたハリウッドきってのスターとなったブラパ。どちらかと言えば、コメディ系俳優である彼ですが、シリアスな彼も悪くないです。シリアスといっても、暗くも重くもならないところがブラパのいいところ。明るい笑顔や楽しいおバカ演技は封印していましたが、エキセントリックで衝動的な言動とか、ぷっつんブチキレ演技は、いつものブラパで笑えました。私、ブラパのキレ芸がすごい好きなんですよね~。

 ブラパも、私が大好きな陽気でタフなオールアメリカン男なのですが、マットとかカッコいいけど何か垢抜けないヤボったい他のハリウッド男優と違って、飾り気のなさの中にも何となく洗練されたスマートな小粋さがあります。今回のシェフ姿も、似合ってて超イケてました!シェフ姿だけでなく、革ジャンにオートバイとか、何の変哲もない白いTシャツとジーンズも、ファッショングラビアみたいだった。ノータイのスーツとか、ブラパの右に出るものなし!なカッコよさですよ。

 「世界にひとつのプレイブック」や「アメリカン・スナイパー」など、心に問題を抱えた男の役は、ブラパの十八番。今回もお約束の如く、豪快に怒鳴って暴れてました。ライバルのシェフの店に泥酔して乱入し狂態とか、ほとんどコメディでした。ブラパのプッツン演技、ヤバい狂気とおバカが融合した絶妙さで、ほんと素晴らしい!
 ブラパのガタイのよさも好き!バキバキ筋肉質、ではなく、ガッチリムッチリ系なのがまさに私好みなんです。抱かれ心地、よさそう。肉布団にしたい!あと、ブラパのフランス語も聞けます。「ミケランジェロ・プロジェクト」のマットと違って、かなり流暢な感じでカッコよかった。聞くところによると、ブラパは学生時代にフランス留学してたらしいです。道理で上手なわけだ!ぜひフランス映画にも出てほしいものです。

 ブラパはカッコよく、演技も彼ならではのものでしたが、アダム・ジョーンズという主人公に共感と魅力を覚えなかったのが、とても残念な映画でした。天才なら何しても許されるの?彼の周囲の人たちが、みんな善い人すぎる。そういうところが、ちょっと「グッド・ウィル・ハンティング」とよく似てました。なぜあそこまでアダムがコワレてしまったのか、もうちょっと掘り下げて描けてれば、彼の傲慢さ、コミュ障さにも理解、納得ができたかもしれません。とにかく、イケメンでチャーミングなブラパが演じたから、話が成立した映画です。アダムがもし見た目キモブサ男だったら、誰も相手にしなかったでしょうし。

 あと、アダムたちの作る料理が、見た目はきれいだけど、あんまし美味しそうじゃなかった。庶民が食べられない料理というのも、何か感じ悪かったです。
 この映画、キャストが無駄なまでに豪華でインターナショナル!
 トニー役は、これまた大好きなカワウソ男、ダニエル・ブリュール(ドイツ)。アダムへのツンデレっぷりが、可愛くて切なかった。トニーはゲイで、アダムに片想いしている、という美味しい設定が巧く活かされてなかったのが、かなり惜しい。ブラパとダニエルのキスシーン!には、かなり萌えましたが。

 アダムのシェフ仲間役には、オマール・シー(フランス)とリッカルド・スカマルチョ(イタリア)。せっかく個性的なヨーロッパ男優を起用したのに、別に彼らじゃなくてもいいようなもったいない使われ方。アダムと恋に落ちるシングルマザーのシェフ役は、ブラパとは「アメリカン・スナイパー」でも共演してたシエナ・ミラー(イギリス)。彼女とのロマンス、ありきたりでつまんなかったわ~。トニーと結ばれるほうが、よっぽど面白い話になりそうだったのに。

 精神科医役に名女優のエマ・トンプソン(イギリス)、料理評論家役にユマ・サーマン(アメリカ)。二人ともチョイ役です。そして、アダムの元カノ役で、アリシア・ヴィキャンデル(スウェーデン)も登場。ヴィキャ子、またあんたか!な働き者ぶりに驚嘆。彼女もチョイ役ですが。それにしてもヴィキャ子、可愛いけどすごい色黒ですよね~。
 いろんな意味で惜しい!点が多い映画ですが、せっかくロンドンを舞台にしてたのに、赤い二階建てバスが走ってるのでかろうじてロンドンと分かる程度で、ここはシカゴ、ボストン、と言ってもスルーされそうな撮り方してたのが、最大のトホホかもしれません。

 ジェニファー・ローレンス共演の“Joy”は、いつ日本公開なんでしょう?「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2」も待ち遠しい!最新作は、レディ・ガガをヒロインに迎えて初の監督に挑む「スター誕生」のリメイク!
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お宝奪還隊員マット

2016-11-13 | 北米映画 08~14
 ジェイソン・ボーン日本公開記念!お松の独りマット祭③
 「ミケランジェロ・プロジェクト」
 第二次世界大戦中のヨーロッパ各国では、ナチスドイツによって世界的美術品が強奪されていた。ハーバード大学美術館長ストークスは、政府に願い出て美術の専門家を集めた特殊部隊“モニュメンツメン”を編成し、フランスやドイツに潜入するが…
 ガス姐さんやソダバなど、名匠たちとは一回こっきりではなく何度も一緒に仕事をしているマットですが、中でもジョージ・クルーニー兄貴からの信寵は厚く、まるで義兄弟の杯を交わし合ったかのような相思相愛ぶり。でもね~…クルーニー兄貴とマットの仕事って、オーシャンズシリーズとか、何だか仲良しさんの狎れ合い、内輪ウケっぽさがなきにしもあらず…クルーニー兄貴が監督したこの映画も、きっとそんな感じなんだろうな~という一抹の不安を観る前は抱いていたのですが、恐れてたほどなあなあ感はなかったです。

 モニュメンツメンの一人で、メトロポリタン美術館のキュレーターであるジェームズ・グレンジャー役のマットは、相変わらず明るく誠実、善良、不屈、といった理想のアメリカンな見た目とキャラ。命がけの任務での活躍もヘンにヒーローぶっておらず、フツーっぽいところがファンにとってこれぞマット!な役、演技でした。でも、そこがつまんなくもあったかも。無難すぎ、挑戦なし、で。
 どんな役、どんなシチュエーションでも、野暮ったいイモゴリラなマットが好き。スーツも超似合わないけど、軍服もこれほど着こなせてない俳優いないかもなマット。軍服ってやっぱ、着る人を選ぶコスチュームですよね~。でも、コスプレにさえならない、ハロウィーンの仮装みたいなマットの軍服、ダサ可愛かった!農民風の服の時のマットは、めっちゃイケてました

 フランス語を話すマットも、見もの聞きものです。本人は流暢なつもりだけど、フランス人からしたら聞くに耐えない下手くそさ、という設定が笑えました。協力者となるフランス女性にモーションかけられても、紳士的にサラっと誘惑をかわすところが、真面目で浮ついてないマットらしくて好感。でも、これもつまんないな、とは思ったが。いい男はやっぱ、007みたいに据え膳食わねば。でもまあ、相手がケイト・ブランシェットじゃあ、男もちょっと食ってみよっかな、という気にはならないですよね逆に食べられそう。ブランシェット姐御は素晴らしい女優ですが、貫禄あるニューハーフにしか見えなくて。強い女役にはドンピシャだけど、男とロマンスするヒロインなんて全然似合わないです。フランス訛りの英語とか頑張ってたけど、オーストラリア人の彼女にフランス女性の役やらせる意味が分からない。マリオン・コティアールとか、適役っぽいフランス女優いっぱいいただろうに。。

 ストークス役兼監督は、今やハリウッド屈指の実力者、ジョージ・クルーニー。マットやブラピ、マーク・ウォールバーグやジュリア・ロバーツなど大スターを舎弟にした、ハリウッドの兄貴的存在である彼を久々に見ましたが、やっぱ男前ですね~。華があります。そして濃ゆい。ただでさえ薄いマットが、兄貴と一緒だとさらに薄くなります。ダンディで軽妙洒脱な熟年だけど、加齢臭とは縁がなさそうな現役男なクルーニー兄貴、チョビヒゲだと何か男前になったヒトラーにも見えて苦笑。映画監督としても手腕を評価されてるクルーニー兄貴、この映画も深刻になりがちな戦時下の話を、コミカルにユーモラスに描きつつ、メッセージ性のある社会派映画を作りたい!という本来の硬派さや骨太さも、しっかり伝わってくる作風になってました。アメリカは正義の味方、善と強さの象徴、みたいなヒロイズムは、さぞやアメリカ人の自尊心をくすぐるでしょう。

 モニュメンツメンのメンバーは、ビル・マーレイ、ジャン・デュジャルダン、ジョン・グッドマンなど、豪華というより高齢、じゃない、シブいメンツ。
 「黄金のアデーレ」でも描かれていましたが、ナチスの美術品強奪が非道すぎる。多くはモニュメンツメンの活躍で奪還できたけど、焼却されたりして失われたものも少なくなかったんですね~。あらためて、ナチスの罪深さに暗澹となります。歴史ある貴重な美術品も大切だけど、最もかけがえのないものは人間の命、尊厳ですよね~。言っても詮なきことですが、もっとユダヤ人を救うことはできなかったのかな~…強制収容所や虐殺があったことは、アメリカは知らなかったの?モニュメンツメンよりも、ジェイソン・ボーンとかイーサン・ハント、ワイスピファミリーみたいなのを送り込んでほしかった。彼らなら、強制収容所なんかぶっ潰して、ヒトラーも暗殺できたでしょうし…
 この映画、日本での公開が突然延期となり、危うくお蔵入りしそうになりました。理由は謎のままですが、一説によると…戦時中の日本もアジアで、ナチスと同じような美術品強奪をやっていたから?そのことを蒸し返されたくなかったから?政府の圧力がかかった?…真偽のほどは、定かではありません…

 2017年も、チャン・イーモウ監督、アレクサンダー・ペイン監督、そしてクルーニー兄貴と、才人たちから相変わらず引く手あまたなマットです
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そんなマットにチクられて

2016-11-11 | 北米映画 08~14
 ジェイソン・ボーン日本公開記念!お松の独りマット祭②
 「インフォーマント!」
 大手食品会社の営業本部長であるマークは、会社が不正なカルテルに関わっているとFBIに内部告発する。マークの告発の裏には、さらなる秘密が隠されていたが…
 マット・デーモンが役作りで百貫デブになったことが話題に。特殊メイクじゃないところがスゴい。確かにすごい太ってましたが、うう~ん…ぶっちゃけ、超イケてました~女性のふっくらぽっちゃりは大好きな私ですが…私はデブ専どころか、だらしなく醜く肥えた男の贅肉が苦手で、北の将軍さまとかマツコデラックスとか、できればあまり目にしたくないのですが、この映画のマットなら全然OK、むしろ抱かれたい

 この映画のマット、デブはデブでもブヨブヨでもボテボテでもなく、すごく張りが合って堅そうなデブなんですよ。肥満って感じじゃないんです。デブにありがちな怠惰な鈍重さ、緩みがない。太ってるのに、動きは軽やかで敏捷、ほとんどじっとしてるシーンがないほどエネルギッシュ。普段のゴリマッチョな力強さ、頼もしさに、愛嬌と温かさとユーモアが加わって、ゴリラがクマのプーさん化してました。ハンパなく愛くるしい。癒される風貌でした。でも、これはマットだからこその奇跡なんでしょうね~。演技力がなく性格が悪そうな俳優は、ただの見苦しいデブになる可能性が高いので、同じような挑戦はやめたほうがいいかも。

 それにしてもマット、デブっても暑苦しさゼロな爽やかさ!大企業の重役ポジションである中年男の役なのに、全然おやじ臭がしないんですよ。おっさん役にはそぐわないほどの若々しさ。顔もツルツルでシワひとつないし。大学生といっても通じる見た目だった。あんな大学生、フツーにいますし。

 「ふたりにクギづけ」や「恋するリベラーチェ」など、コメディも得意なマット。今回の彼も、なかなかの喜劇役者っぷりでした。軽妙でトボけた味わいの中にも、キラリと光る知性がマットならではでした。主人公のマーク、かなり心に闇を抱えたコワレ人なのですが、ありがちな狂気演技ではなく、徹頭徹尾明るさと善良さを貫くことで、返ってヤバさを浮き彫りにしてたマット。彼の役者としての技量の高さに、あらためて感嘆。

 内部告発は正義感にかられてなのか、それとも恐るべき野心のためか、はたまた病んだ精神のせいか。真意を読ませないマークに 翻弄される会社やFBI、家族の姿がコミカルに描かれています。実話を基にしているらしく、日本の某大会社も実名で登場。あれ、いいの?!訴えられなかったのでしょうか。日本をかなりおちょくった描写が、ちょっと不快でした。ほとんどのアメリカ人って基本は、何の根拠もなくアジア人のことを下に見てるんでしょうね~。アメリカ人のほうがよっぽど浅はかで愚劣だと思うことが多いけど…

 ↑この人、ジェイソン・ボーンと同一人物
 チャーミングなおもしろキャラになってたけど、実際にマークみたいな人が自分の夫、上司あるいは部下だったら、すごい迷惑だろうな~。でも何であんなおかしくなっちゃったんでしょう。生まれついての虚言癖なのでしょうか。あんなに賢くて教養も学歴も社会的ステイタスもあってコミュ力も高いのに、残念すぎるわ。でも、スケールの大小の違いはあれ、マークみたいな人っていますよね~。悪意や他意なくウソばっかついてる人。自分ではウソだと思ってないところが怖い。虚言癖に頭の良さが加われば、マークみたいなトンデモない詐欺師になってしまうのですね。どんなに巧妙な嘘つかれても、見た目が大泉洋とか宮根みたいだったら身構えることができそうだけど、マットみたいな胡散臭さ皆無な、誠実を絵に描いたような男なら、いくら用心深い私でも騙されない自信はない…
 マットとは、オーシャンズシリーズや恋リベなど、多くの作品で組んでるスティーヴン・ソダーバーグ監督作品。若かりし頃のマット同様、ソダバ監督も昔は何となく知性や才能をひけらかす気取りや驕慢さが作風にありましたが、だんだん円くなってきて、今作や恋リベみたいな楽しい作品を作るようになりました。

 マットはジョージ・クルーニー兄貴が監督の新作で、またデブってるらしいです 
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