土砂災害から、早くも6日が経過しました…
被害のあまりのむごさ、悲しさに、心ふさぐ毎日です…
まったく被害に遭わなかった私でさえ、こんなに悲しく苦しいのだから、被災者の方々の精神的肉体的苦痛はいかばかりか、察するにあまりあります。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすることしかできない無力な自分が情けないです。これ以上被害が拡大せず、一日も早く被災地が復旧し、行方不明者の方々が無事に見つかり、被災者の方々に安全と安心がもたらされますよう…
映画とかカープとか、楽しんでいいのかな…と罪悪感を感じずにはいられませんが、私なんかが暗く落ち込んだところで、周囲が迷惑なだけですよね。悲しみに沈まないよう生きるためには、元気と勇気が必要。私にとって、今は映画とカープがそれらの源です…
お松の独りイザベル・ユペール映画祭⑦
「White Material」
アフリカのとある国。コーヒー農場を営むフランス人のマリアは、内戦が勃発し危険が身に迫っても、頑なに立ち退きを拒むが…
アメリカで男と火遊び、フィリピンでテロの人質になり、韓国でブラ散歩、ベトナムで農業、そして今度はアフリカの紛争地で再び農業。イモトアヤコも真っ青な、イザベル・ユペールのイッテQぶりです。フランスの大女優なのに、パリで演技してる彼女って最近お見かけしないですよね~。世界各国を飛び回ってるユペりんですが、NYとかロンドンとかカッコいい都会でも、南の島とか楽しい美しいリゾート地でもなく、行く先々のほとんどが絶対行きたくない!住みたくない!ハードライフ&デンジャラスゾーン。この作品の舞台も、まるで北斗の拳実写版のような、危険度MAXなヤバさ。現在、世界各地で深刻な紛争や内戦がドロ沼化しているので、平和や豊かさを当り前のように享受している日本人からすると、観ていて身につまされる映画でした。
アフリカのどこの国とか、なぜ内戦が起こったのかとかは、明確にされることなく物語は進行するのですが…終わりのない暴力と憎悪のループ、血と涙、恐怖と混沌に支配された国が、世界には数多くあるのだという厳然たる事実を、あらためて突きつけられた感じです。ドキュメンタリータッチのリアルさが、息苦しく暗澹とさせる。ああ~日本に生まれて本当によかったと、つくづく思いました。暴力に育てられた若者たちの、荒廃と残虐さに戦慄。血に飢えたケダモノって感じは全然なく、みんなどこか心が死んでるような虚無感を漂わせていたのも怖かったです。あんな環境で、思いやりとか優しさとか人情とか、そんなヌルいこと言ってられないよなあ。一瞬一瞬が、死と隣合わせ。いつ血泥の屍になっても不思議じゃない世界。幼い子どもたちさえ、武器を手に殺るか殺られるかな修羅場。日本のヤンキー映画とかドラマとか、平和でいいよな~と心の底から思います。
そんな地獄の真っ只中にいても、そこから抜け出そうとせず、農園に固執するヒロインのマリアも、これまた怖い女なんですよね~。何で逃げないの!?意思の強さも、あそこまで頑なだと病的です。困難や危険から逃げ出さず、闘う勇敢なヒロインってキャラじゃないが、ありきたりではない独特さですが。共感は全然できません。独善的な強い意志でイラクやシリアにノコノコと乗り込み、結局ただの大迷惑になるだけだった困ったちゃんな日本人を、マリアは思い出させました。マリアはいったいなぜ、あそこまで農園に執着したんだろうか。それもはっきりとは説明されず、観客の想像に委ねられています。
タイトルの“ホワイトマテリアル”とは、劇中マリアや彼女の家族が所持していたライターとかネックレスといった、“白人の持ち物”という意味みたいです。農園とかも含むのかな。かつてはアフリカの一部も植民地として支配していたフランス、さぞや理不尽な搾取や特権で原住民を苦しめてたんだろうな~。ホワイトマテリアルが奪われ壊され、意味のないものにされていく争いや反抗が、皮肉で虚しいです。
イザベル・ユペールが、もちろんマリア役です。
強い女なんて、たいていの女優ならできる陳腐な役ですが、ユペりんだと強いとか弱いとかいったフツーの言葉、次元ではなくなってしまうんですよね~。いつ殺されるか知れたものではない状況、雇っても逃走したり脅したりしてくる原住民。なのに、テコでも農園を手放そうとせず、逃げようともしない不可解な女マリアを、いつもの通りクールに演じてるユペりんです。いったい何を考えてるんだろ?なヒロインをやらせれば、やはり天下一品です。謎という魅惑的な言葉が、世界一似合う女優。小柄で華奢で、後ろ姿とか遠くからだと、少女のように肉体的には頼りないユペりんですが、屈強で凶暴な原住民に囲まれていても、弱々しく見えないんですよね~。静かで冷やかな貫禄もだけど、関わったらマズいんじゃないかというヤバいオーラがあって、原住民たちも何となく彼女を恐れているような感じがしました。それは「囚われ人」や「Un barrage contre le Pacifique」でも同じでしたが。
還暦を迎えたイザベル・ユペールですが、おばあさん臭は皆無。まだまだオンナ現役よぉ~!と、腐臭のような色気を必死に出そうとしてる気持ちの悪い熟女とも違う。美しい!若々しい!といっては当たらないけど、そこを通り過ぎた清潔さが。熱いカオスの中で立ち尽くす白い寒げな彼女が、とても印象的です。
マリアの息子役、ニコラ・デュヴォシェルのイケメンぶりが、この映画の華になってます。
アフリカの紛争地で、のんきにニートしてるバカ息子なニコラ、久々に見ましたがやっぱイケメンですね~。カッコカワいい。はじめはバカなだけだったのに、原住民の子どもたちに襲われ非道い屈辱的な目に遭って以来、おかしくなってしまうコワレっぷりが何か笑えた。アソコ丸出しなすっぽんぽんシーンあり。彼、脱がないほうがいいかも。服を着てたら、スレンダーでスタイルよく見えるけど、脱いだら生っ白くてプヨプヨ、おまけに小汚い胸毛もあるし。アフリカにいても、すごい美白肌なのが羨ましかった。アンナの夫役、クリストフ・ランベールも久々に見た感じ。おっさんに、いや、何かもうおじいさんになってしまってたような…
やはりアフリカを舞台にした処女作「ショコラ」で高い評価を得た、クレール・ドゥニ監督作品。ドゥニ監督は、幼い頃にアフリカのカメルーンで過ごした経験があるとか。この映画のロケ地は、そのカメルーンなのかな。サッカーでその名を日本でも知られるようになったカメルーン、私なんか絶対この先行くことないだろうな~。遠い遠い世界です。でも内戦とか紛争を、自分には縁のない異次元の出来事、とスルーしてはいけないのですよね…
↑クールな童顔ボーギャルソン、ニコラ・デュヴォシェル。顔は可愛いけど、中身は完全にヤンキーな彼。全身タトゥーだらけで、ガンとばし夜露死苦ポーズな画像多し。盗んだバイクを走らせて、校舎の窓を壊したに違いない子です「情痴アヴァンチュール」で共演したリュディヴィーヌ・サニエの元カレとしても有名。サニエちゃんとの間にもうけた子、さぞや可愛いんだろうな~。
被害のあまりのむごさ、悲しさに、心ふさぐ毎日です…
まったく被害に遭わなかった私でさえ、こんなに悲しく苦しいのだから、被災者の方々の精神的肉体的苦痛はいかばかりか、察するにあまりあります。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすることしかできない無力な自分が情けないです。これ以上被害が拡大せず、一日も早く被災地が復旧し、行方不明者の方々が無事に見つかり、被災者の方々に安全と安心がもたらされますよう…
映画とかカープとか、楽しんでいいのかな…と罪悪感を感じずにはいられませんが、私なんかが暗く落ち込んだところで、周囲が迷惑なだけですよね。悲しみに沈まないよう生きるためには、元気と勇気が必要。私にとって、今は映画とカープがそれらの源です…
お松の独りイザベル・ユペール映画祭⑦
「White Material」
アフリカのとある国。コーヒー農場を営むフランス人のマリアは、内戦が勃発し危険が身に迫っても、頑なに立ち退きを拒むが…
アメリカで男と火遊び、フィリピンでテロの人質になり、韓国でブラ散歩、ベトナムで農業、そして今度はアフリカの紛争地で再び農業。イモトアヤコも真っ青な、イザベル・ユペールのイッテQぶりです。フランスの大女優なのに、パリで演技してる彼女って最近お見かけしないですよね~。世界各国を飛び回ってるユペりんですが、NYとかロンドンとかカッコいい都会でも、南の島とか楽しい美しいリゾート地でもなく、行く先々のほとんどが絶対行きたくない!住みたくない!ハードライフ&デンジャラスゾーン。この作品の舞台も、まるで北斗の拳実写版のような、危険度MAXなヤバさ。現在、世界各地で深刻な紛争や内戦がドロ沼化しているので、平和や豊かさを当り前のように享受している日本人からすると、観ていて身につまされる映画でした。
アフリカのどこの国とか、なぜ内戦が起こったのかとかは、明確にされることなく物語は進行するのですが…終わりのない暴力と憎悪のループ、血と涙、恐怖と混沌に支配された国が、世界には数多くあるのだという厳然たる事実を、あらためて突きつけられた感じです。ドキュメンタリータッチのリアルさが、息苦しく暗澹とさせる。ああ~日本に生まれて本当によかったと、つくづく思いました。暴力に育てられた若者たちの、荒廃と残虐さに戦慄。血に飢えたケダモノって感じは全然なく、みんなどこか心が死んでるような虚無感を漂わせていたのも怖かったです。あんな環境で、思いやりとか優しさとか人情とか、そんなヌルいこと言ってられないよなあ。一瞬一瞬が、死と隣合わせ。いつ血泥の屍になっても不思議じゃない世界。幼い子どもたちさえ、武器を手に殺るか殺られるかな修羅場。日本のヤンキー映画とかドラマとか、平和でいいよな~と心の底から思います。
そんな地獄の真っ只中にいても、そこから抜け出そうとせず、農園に固執するヒロインのマリアも、これまた怖い女なんですよね~。何で逃げないの!?意思の強さも、あそこまで頑なだと病的です。困難や危険から逃げ出さず、闘う勇敢なヒロインってキャラじゃないが、ありきたりではない独特さですが。共感は全然できません。独善的な強い意志でイラクやシリアにノコノコと乗り込み、結局ただの大迷惑になるだけだった困ったちゃんな日本人を、マリアは思い出させました。マリアはいったいなぜ、あそこまで農園に執着したんだろうか。それもはっきりとは説明されず、観客の想像に委ねられています。
タイトルの“ホワイトマテリアル”とは、劇中マリアや彼女の家族が所持していたライターとかネックレスといった、“白人の持ち物”という意味みたいです。農園とかも含むのかな。かつてはアフリカの一部も植民地として支配していたフランス、さぞや理不尽な搾取や特権で原住民を苦しめてたんだろうな~。ホワイトマテリアルが奪われ壊され、意味のないものにされていく争いや反抗が、皮肉で虚しいです。
イザベル・ユペールが、もちろんマリア役です。
強い女なんて、たいていの女優ならできる陳腐な役ですが、ユペりんだと強いとか弱いとかいったフツーの言葉、次元ではなくなってしまうんですよね~。いつ殺されるか知れたものではない状況、雇っても逃走したり脅したりしてくる原住民。なのに、テコでも農園を手放そうとせず、逃げようともしない不可解な女マリアを、いつもの通りクールに演じてるユペりんです。いったい何を考えてるんだろ?なヒロインをやらせれば、やはり天下一品です。謎という魅惑的な言葉が、世界一似合う女優。小柄で華奢で、後ろ姿とか遠くからだと、少女のように肉体的には頼りないユペりんですが、屈強で凶暴な原住民に囲まれていても、弱々しく見えないんですよね~。静かで冷やかな貫禄もだけど、関わったらマズいんじゃないかというヤバいオーラがあって、原住民たちも何となく彼女を恐れているような感じがしました。それは「囚われ人」や「Un barrage contre le Pacifique」でも同じでしたが。
還暦を迎えたイザベル・ユペールですが、おばあさん臭は皆無。まだまだオンナ現役よぉ~!と、腐臭のような色気を必死に出そうとしてる気持ちの悪い熟女とも違う。美しい!若々しい!といっては当たらないけど、そこを通り過ぎた清潔さが。熱いカオスの中で立ち尽くす白い寒げな彼女が、とても印象的です。
マリアの息子役、ニコラ・デュヴォシェルのイケメンぶりが、この映画の華になってます。
アフリカの紛争地で、のんきにニートしてるバカ息子なニコラ、久々に見ましたがやっぱイケメンですね~。カッコカワいい。はじめはバカなだけだったのに、原住民の子どもたちに襲われ非道い屈辱的な目に遭って以来、おかしくなってしまうコワレっぷりが何か笑えた。アソコ丸出しなすっぽんぽんシーンあり。彼、脱がないほうがいいかも。服を着てたら、スレンダーでスタイルよく見えるけど、脱いだら生っ白くてプヨプヨ、おまけに小汚い胸毛もあるし。アフリカにいても、すごい美白肌なのが羨ましかった。アンナの夫役、クリストフ・ランベールも久々に見た感じ。おっさんに、いや、何かもうおじいさんになってしまってたような…
やはりアフリカを舞台にした処女作「ショコラ」で高い評価を得た、クレール・ドゥニ監督作品。ドゥニ監督は、幼い頃にアフリカのカメルーンで過ごした経験があるとか。この映画のロケ地は、そのカメルーンなのかな。サッカーでその名を日本でも知られるようになったカメルーン、私なんか絶対この先行くことないだろうな~。遠い遠い世界です。でも内戦とか紛争を、自分には縁のない異次元の出来事、とスルーしてはいけないのですよね…
↑クールな童顔ボーギャルソン、ニコラ・デュヴォシェル。顔は可愛いけど、中身は完全にヤンキーな彼。全身タトゥーだらけで、ガンとばし夜露死苦ポーズな画像多し。盗んだバイクを走らせて、校舎の窓を壊したに違いない子です「情痴アヴァンチュール」で共演したリュディヴィーヌ・サニエの元カレとしても有名。サニエちゃんとの間にもうけた子、さぞや可愛いんだろうな~。