まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

逃げて!美しすぎる死刑囚

2025-01-12 | 日本映画
 「正体」
 拘置所で自殺を図った死刑囚の鏑木が、病院へ搬送中に逃亡する。大坂、東京、長野と警察の捜査網をかいくぐりながら逃走を続ける鏑木の目的とは…
 横浜流星主演の最新映画、年末にやっと観に行けました(^^♪主演に抜擢されたNHKの大河ドラマも放送開始、今や若手トップクラスの人気俳優となった流星くん、売れ始めた頃は苦手だったんですよね~。すごい美男子だけど、何かヘビ?トカゲ?を思わせる爬虫類系の顔が気持ち悪くて。でも「流浪の月」の彼を見て、いい役者じゃん!と感服。「線は、僕を描く」や「ヴィレッジ」「春に散る」と、ヴァラエティに富んだ役で好演を続け、気づくと新作が最も気になる俳優のひとりになってました。インタビューやトーク番組での、すごく実直で真面目そうな彼の人柄にも好感。人気イケメン俳優にしては珍しく、チャチャラ軽薄でスカしたところが全然ないですよね。変なスキャンダルが発覚したら、いま最も驚く俳優かも。そんな流星くんが、逃亡死刑囚という衝撃的な役に挑戦、その熱演はどうやらすこぶる好評みたいです。

 流星くんって、カッコいいイケメン役よりも、美しさを隠した暗い役のほうが似合うし、演技も冴えているように思われます。この映画の後、netflixのドラマ「わかっていても」も観始めたのですが、絵に描いたようなモテ系イケメン役の流星くん、顔も役も何かすごい気持ち悪かった死刑囚の彼よりもよっぽど人殺しっぽい顔だったし。この映画でこそ、そんな不気味さとか怪しさが出てないといけなかったのに。

 ネトフリのドラマでは気持ち悪かったのに、この映画の流星くんはすごく美しくて可愛かったです。ボサボサ頭、無精ひげ、薄汚い服装でホームレスあるいはドヤ街の日雇い労働者に扮してる時の、チラっと垣間見せる素の美貌の神々しさよ!こんな美男子、ぜったい逃亡なんかできないよな~と思いました。東京編ではマスクしたオタク風、でもただ者じゃないことがすぐに判る瞳の美しさ。長野編の真面目で穏やかな好青年、事件を起こす前の高校生!な流星くんも、少女漫画から脱け出した男子みたいでしたが、終盤の拘置所での面会シーンのこざっぱりと地味な彼が、いちばん美しく見えました。

 あんなに鏑木が巧く逃亡できたのは、間違いなく美貌のおかげですよ。優しくて賢いだけでは、あの逃亡劇は無理。匿ったり協力してくれる東京の記者も長野の施設職員も女まるだし、イケメンに目がハート状態。もし鏑木があんなに美青年じゃなかったら、明らかに深く関わらなかっただろう女たちでした。とにかく流星の七変化ショーみたいな映画。ファンなら必見。ドヤ街の宿場の風呂で体洗ってるシーンで、ちょっとだけお尻も見せるサービスも。

 流星くんを愛でるアイドル映画としては楽しめるのですが、内容と鏑木のキャラはちょっと残念でした。最初っから鏑木が冤罪、と決まってる設定が彼のキャラを浅くしてたように思えて。ほんとに無実?ひょっとしたら?なミステリアスで灰色な、関わる人々も観客も惑わす主人公だったら面白かったのに。鏑木も出会う人々も、いい人すぎるところがつまんなかった。逃亡中の鏑木、やってることを考えたら、結構したたかで計算高い男、天才的な詐欺師なのに。殺人しないセックスしない「復讐するは我にあり」みたいだった。あと、逃亡犯にしては目立つことしすぎ。ドヤ街での法律知識披露とか、東京での文才を認められたりとか、長野の職場での優秀な仕事ぶりとか、抑えられない承認欲求の持ち主なのかな?とも思った。殺人犯にされてしまった事件現場のことといい、出過ぎたことをしがちなのが不運の原因。

 それにしても。死刑囚が逃亡、なんて戦後すぐならいざしらず、現代ではありえない椿事。よく捜査もせず殺人の動機がない高校生にさっさと死刑判決とか、何度も逃亡犯の確保に失敗したり、施設に立てこもりされて発砲沙汰とか。韓流じゃあるまいし、日本の裁判所と警察あそこまで無能じゃないですよ。鏑木を追う刑事さん、クールにかっこつけてたけど、あんたすごい無能ですよ!脇のキャストが個人的にはあまり好ましくなかったのが、ちょっと残念。

 ↑ ついに放送開始!NHKの大河ドラマ「べらぼう」まだ初回観てない💦初夏に公開予定の映画「国宝」は、共演の吉沢亮がやらかしちゃったのでどうなることやら…
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仮想空間の愛

2024-11-15 | 日本映画
 「本心」
  工場で働く青年朔也は、豪雨の夜に川に落ちて死んだ母が、法律で制度化された自由死を選択していたことを知る。母の本心を知りたい朔也は、AI企業に依頼して仮想空間で母を甦らせるが…
 「ぼくたちの家族」や「バンクーバーの朝日」などの石井裕也監督作品。芥川賞作家、平野啓一郎センセイ原作の映画といえば、「ある男」が好評だったみたいですが、私は未見のまま。でも、こっちは速攻で観に行きました(^^♪すごく楽しみにしてたんですよ。だって、池松壮亮主演だもん!佳作「ぼくのお日さま」からあまり間を置かずしての再会が、ファンに喜ばしいかぎりです。壮亮くん、やっぱいい役者ですね~。彼こそが今の邦画界の至宝、最高の俳優!わらわらいる同世代の俳優さんたちとは、明らかに品質というか力量が違います。この映画でも、そう思わせてくれた演技と存在感でした。まだ34歳にもかかわらず、すでに風格さえ備えてるような。

 真面目で不器用な青年役でも、どこかもう人生に倦んだような退廃と倦怠を漂わせてるところが好きです。大げさな演技はしないのですが、はっと見入ってしまう、引き込まれてしまう表情や目つきをするんですよ。誰ものぞけない異世界を見つめているような瞳が、怖くて美しくもあった。壮亮くんの美しい瞳って、「アデルの恋の物語」や「ポゼッション」のイザベル・アジャーニの瞳を思い出させるんですよね~。そんな俳優、日本には壮亮くんしかいません。

 いろんな人や状況に翻弄され、狼狽し傷つく壮亮くんが哀れで可愛いです。ボソボソ声ではなく、はっきり喋ったり大声の時の美声ときたら!お猿さんのような童顔も、相変わらずラヴリー。不自然なツルツル美白肌ではなく、ちょっとザラっと脂っけのある浅黒い肌が男の色気を醸して素敵。とっちゃん坊やなアラサー童貞?みたいな役だけど、色気は隠せない壮亮くんです。小柄なんだけど、体つきが何かエロいんです。シャワーシーンでちょっとだけ脱いでましたが、いいカラダ数年前は若き濡れ場王だったのに、最近はとんと色仕事はご無沙汰で寂しい限りです。

 この映画、すごい豪華キャストです。AI企業のCEO役が妻夫木聡、朔也の友人役が水上恒司、若い富豪役が仲野太賀、他にもチョイ役で綾野剛、窪田正孝など、一枚看板の人気俳優がズラリ。石井監督作品の常連で、共演も多いブッキーと壮亮くん。今回のブッキーは弟分?の壮亮くんのための友情出演っぽく、登場シーンも少な目。ブッキーもすっかりおじさんになったなあ。可愛いおじさん。ブッキーと綾野剛、「怒り」のBLカップルじゃん!二人のツーショットを久々に見て、やっぱ「怒り」はブッキーと壮亮くんだったらさぞや…と思いました。

 水上恒司、デビュー作のクソドラマ「中学聖日記」でのイケメンぶりと学芸会以下な大根演技が強烈でしたが、久々に見たらすごく成長したな~と思いました。いい演技、いい味。でも演技よりも、やっぱ見た目が最強です。端正な男らしい、けど可愛くもある顔立ち。壮亮くんにやたらイチャイチャ絡むシーン、なかなか萌えました。朔也のことが好きなのかな、と勘繰ってしまうほどの執着が愛しかったです。共演作が多く、私生活でも仲良しっぽい仲野太賀と壮亮くんは、再来年のNHK大河ドラマでも共演予定ですね。
 朔也の母役は、名女優の田中裕子。おしん(古っ!)も、すっかり老婦人になりましたね~。滅多に会えないのでプレミア感があり、出てるだけで何だか作品の格が上がるような。三吉彩花は初めて演技するところを見ましたが、美人ですね~。オンナオンナしてない、クールな美青年っぽい風貌がカッコいい女優かも。デカい?壮亮くんのほうが背が低かったような。

 そう遠くない未来では、あんな風に高度なAI技術が利用されるんですね~。いいのか悪いのか。それにしても。もう会えない人にAIでとか、私からしたら気持ち悪い発想です。私ならもし母が急死したとしても、本心とか秘密とか知りたいとは思わないなあ。ベタベタしい親子の情とか苦手。テーマはユニークなんだけど、いい映画、それだけ、で終わってしまってるのがいつもの石井監督らしかったというか。何か惜しい、物足りない。AIが知りたくなかった母に関する事実や秘密を暴露したり、勝手に個人情報を公開したり、ちょっと暴走気味だったのが笑えたので、いっそのことデジタル化社会への警鐘をブラックに描くコメディにしてほしかったかも。自由死制度には賛成。それはそうと。この映画、公開二日目に観に行ったんだけど、週末の夜なのに客は私だけガラガラすぎて悲しくなりました。

 ↑ 壮亮は邦画の宝。彼のファンだからこその願い。しょーもない映画やドラマで彼の無駄づかいはしないで!たまにしか会えなくてもいいので、よい作品を選んで出てほしいです
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婚活女の罠!

2024-11-05 | 日本映画
 「傲慢と善良」
 ビール会社を経営する架は、婚活アプリで出会った真実と交際を始めるが、結婚には踏み切れずにいた。そんな中、真実がストーカーに付きまとわれてることを知った架は…
 おかしいだろー!!??何で!?この映画を観ている間、そして観た後の感想は、ただもうそれだけです。多くの人は、この映画に感動したり共感したり胸キュンしたりするのでしょうか。ただもう不快なだけ、理解不可能だった私のほうが間違ってるのでしょうか。私にとってはこの映画、近年まれにみる最悪のイヤミス映画でしたわ。とにかく真実という女が、ほんと気持ち悪かったし腹立たしかった。言動も性格も見た目も、すべてにおいて不愉快で嫌悪感しか覚えませんでした。私が最も苦手なタイプの女。羊の皮をかぶったハイエナ、糖衣をかぶせた生ゴミ、みたいな女。私からしたらとんでもないクソ女なんだけど、男はああいうのに弱いんですよね~。

 フィクションの世界だと、悪女やビッチにはスムーズに反感や警戒心が抱けるし、企みとか奔放さが魅力的でさえある。相手を陥れたり傷つけようとしたりする性悪女とか、病的なイカレ女コワレ女も、岩井志麻子センセイとか桐野夏生センセイの作品とか笑えるキャラが多い。でも、この映画の真実ときたら。あんなにも嘘つきで無責任で調子がいい女を、けなげで切ないヒロインみたいに仕立て上げてることに、ものすごい違和感。イタい女、ヤバい女として描いてれば、面白いイヤミス映画になってただろうに。こんなにも、うわ~殴りたい!罵りたい!トラックにでも轢かれて早く死ねばいいのに!と思ったヒロイン、初めてかもほんと耐えられなくなって、途中で席を立ちそうになったほどです。

 架と初めて会うシーンから、もう不快指数マックスな真実。いい年して喋り方もファッションも、かまとと+ちょっと不思議ちゃん。きゃ♡とハンドバッグを落として中身を散らばらせたり、老人のこぼしたお茶を拭いてあげながら自分のスカートをそのお茶で汚したり、優しく可愛いドヂっ娘ぶりに架はキュンキュン、みたいなベタな方法で男の心を掴む序盤で、オエ~と吐きそうになりました男の気を引くためのストーカー被害自作自演といい。架が自分を70点の女と評したと知りショック、突然失踪とか。70点でも高得点だろ?どんだけ自信があったんだよ。しょーもないことで人騒がせすぎることすんな!

 不愉快言動は枚挙にいとまがなく、こんな男とはキスできないとか性格がちょっととか、見合い相手を上から目線で評定したり。見合い相手とデート中、バッタリ会った知り合いにデート?と聞かれて違う!と速攻で否定したり。失踪しても自分がどこにいるか架が察するような写真をインスタにあげたり。こいつほんとタチ悪い女だなと思ったのは、田舎でもすぐに男の気を惹いて、いい感じにもっていってるところ。精神病なのかと疑ってしまうほど理解不可能だったのは、町の役人に架のビール会社を紹介し、結果架が自分のところに来るよう仕向けたこと。田舎の青年でもいいかな、みたいな感じだったけど、いざ都会のハイスペックな元カレと再会すると、やっぱこっちのほうがいい(^^♪とばかりに、これまたまわりくどい方法で男の心をくすぐり、まんまと元サヤにもっていったラストなど、私はSF映画でも観てるのかなと混乱したほどのありえなさ。架、ほんとにそれでいいのか!?とんでもない女に引っかかってしまったバカ男にも呆れるばかりでした。それにしても真実、架とヨリ戻してルンルンで東京に戻るのかよ。田舎の仕事とか、気をもたせて期待させた青年とか、また無責任に打っ棄って?ほんと身勝手すぎて迷惑!

 架の女ともだち二人も相当な性悪女どもなのですが、真実の嘘や正体を見破り真実を撃破したところは、グッジョブ!と喝采女が女を見る目の鋭さと底意地の悪さが怖すぎる。架と元サヤになっても、あの二人がいるかぎり真実はストレスから逃れられないでしょうね。真実が調子に乗らぬよう、あの二人には今後も性悪な活躍を期待(笑)。
 この映画を観に行ったのは、言うまでもなく藤ヶ谷太輔に会いたかったからです(^^♪ガヤくん、カッコよかったキスマイブサイクのコントでの彼のキャラだった、都会のおしゃれなヤングジェントルマン風でちょべりぐ(死語)。高級感あるトラッドなファッションも素敵。優しい声、喋り方も好きです。小柄で痩せてるので、韓流俳優を見慣れてる目にはちょっと貧相に映った。もうちょっと肉つけよう!ガヤくんは地に近い(たぶん)温厚キャラよりも、悪い男、屈折した男の役のほうが、演技力も色気も発揮できる俳優かも。

 原作小説を読んで感動、架を演じたい!と熱望して実現のため熱心に動いた、とインタビューで語っていたガヤくんですが。この架という男の、どこにそんなに惹かれたんだろう。映画だけだと架は、容姿にもお金にも恵まれた性格もいい欠点のない男、という何の面白みもないキャラ。「そして僕は途方に暮れる」のクズ男なガヤくんのほうが、いい役者だなと思った。架のパーフェクトさの裏に見え隠れするイヤな部分をもっと深掘りしてたら、イケメンなだけ俳優でも演じられる単にカッコいい役ではない、ガヤくんにとってチャレンジングな役になってたことでしょう。

 ガヤくん、原作を読んで、架と自分がカブる!と思ったのかな?それはそれで、なかなかの傲慢さではあるけどでも俳優には、そういう傲慢なまでの自信って必要ですよね。劇中、超高価そうな腕時計が結構これ見よがしだったり、真実のお見合い相手に会った時の何となく相手を蔑んでるような目とか、ガヤくんの傲慢な演技もイヤミがなくさりげなかったのがよかったです。架の部屋とか友人宅でホームパーティーとか、おしゃれなバーとかレストランとか、田舎の庶民には無縁な東京の富裕層ライフが、トレンディドラマ(死語)みたいでした。

 ↑ ガヤくんももういい年(ポール・メスカルやピエール・ニネより年上!)なので、アイドル仕事は卒業して決定打になる代表作を!
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俺が愛した銀盤の美少年

2024-09-25 | 日本映画
 「ぼくのお日さま」
 雪深い町で家族と暮らす小学生のタクヤは、フィギュアスケートの練習をしている中学生のさくらに胸をときめかせる。そんなタクヤを、さくらのコーチである荒川は気にかけていたが…
 久々の映画館での映画鑑賞。すごく佳い映画でした!優しく瑞々しく、そしてホロ苦い。驚きとか衝撃とかいったスパイシーな要素はないけど、タイトル通り、お日さまの柔らかく温かい光に包まれて幸せな気持ちになる、そんな映画でした。雪深い冬の景色も、不思議と冷たさと寒さを感じさせず、汚れない少年の心の世界のように美しかったです。お日さまとは、好きな人のこと。生きる歓びを与えてくれる純真な恋のこと。お日さまとは無縁な私の曇り人生の、何という寒々しさよそれはさておき、おもしろおかしい漫画映画も悪くないけど、等身大の人間を優しい目線で描いた邦画も、もっと観たいと思いました。

 とにかく主役の3人が、愛おしくなります。ダンススケート大会に向けて練習するのですが、猛特訓!なスポ根ではなく、すごく楽しそうで幸せそうで微笑ましいんです。3人ともそんなにお喋りじゃなく、台詞も少ないのですが、一緒にいる幸福感が交わす笑顔、なにげない仕草や表情で伝わってくる。幸せに多くの言葉は必要ではないんですね。ずっとこのまま…と願わずにはいられない3人の優しく幸せな時間は、ああ…何とも切ない形で断ち切られてしまうのです。まるで楽しい夢から覚めてしまったかのような悲しさと寂しさ、やるせなさ。永遠に続く幸せなんて、やはりありえないのですね。

 この映画、見方によってはかなり危ない内容で、見ていて心配になってしまうシーンもあったりして、ただのほのぼの系映画ではないところが、私にはツボだったのかもしれません。観ていてフランス映画の名作「シベールの日曜日」を思い出しました。シベールは幼い少女、タクヤは少年ですが。大人の男と小学生の男児の、微笑ましさを逸脱した親密さ…コーチがゲイという設定なので、禁断のにおいも薄っすら漂っているんですよ。精神的なショタコンBL映画、と言ってもいいでしょう。誰もいないスケートリンクでの、二人だけの楽しそうな練習。まさに二人だけの世界になってた。さりげない触れ合いや、交わし合う微笑み…さくらじゃなくても、こいつらまさか…?と疑ってしまう甘やかな雰囲気なんです。噂になってスキャンダル、みたいな展開になってもおかしくない二人にドキドキ♡

 コーチは明らかに、さくらよりもタクヤに関心と好意を向けていて、さくらにも優しいけどあくまでビジネスライク、タクヤに対する優しさとは全然違うんですよ。さくらとの練習中にタクヤを目で追って、さくらのことはなおざりだったり。結構露骨なので、身近にいてあれをスルーするにはよほどの鈍さが必要。悲しいかな、さくらは鈍感ではなかった。恋する少女の鋭さ、少女の潔癖さゆえの、あの残酷な拒絶。コーチも痛ましかったけど、私はさくらに同情せずにはいられませんでした。同性愛を嫌悪したのではなく、大人の欺瞞が裏切り行為、屈辱的な嘘に思えて許せなかったのではないでしょうか。幸せを破綻させたのは、さくらの気持ちに気づかなかったコーチの鈍感さ、さくらに彼氏とのイチャイチャを目撃されたコーチの軽率さです。でもそれだって、どうしようもなかったこと。誰も悪くなんかないのが悲しい。何も知らぬままポツンと置いていかれたようなタクヤが、いちばん可哀想だったかも。

 大好きな池松壮亮が荒川コーチ役。「DIVE!!」や「とめはね!」で部活に励む高校生だった壮亮くんも、今や生徒を指導する役。すっかり大人の男になって、色気もただならぬものが。あのニヒルで退廃的な雰囲気は、今の邦画界では唯一無二なのでは。都会の倦怠をまとったワケアリ感が魅力的な翳りになってますが、今回の壮亮くんはいつもより明るい優しい笑顔が多く、すごく可愛かった!すごい童顔でもあるので、3人で楽しそうにしてる姿に年の差が感じられない。その少年っぽさも素敵でした。


 壮亮くん、スイスイと銀盤を滑ってるのもスゴかった。乗馬とかピアノとか、にわか仕込みに見えない演技がいつも驚嘆な壮亮くんです。フィギュアスケーター時代の写真がカッコカワいかった!ちょっと残念だったのは、せっかくゲイ役なのに男性同士のラブシーンとかはなかったところ。同棲中のゲイカップルというより、シェアハウスしてる親友同士って感じだった。恋人役の俳優は、有名な人?苦手かも…

 タクヤとさくら役の子役が、すごく可愛かったです。すごい美少年、美少女ではないけど、優しげで爽やかで清らか。子役にありがちな、わたし演技うまいでしょ!可愛いでしょ!いたいけでしょ!な圧のようなアピールが全然なく、素人っぽい自然さに好感。二人ともスケートが上手!タクヤの親友役の子も可愛かった。タクヤが吃音、という設定の意図は?ぜんぜん障害になっておらず、むしろ可愛さましまし。元有名スケーターを個人コーチに雇えるなんて、さくらはかなりお金持ちのお嬢さま?
 静かだけど時に流麗なカメラワーク、柔らかく清澄な光があふれる映像や、冬・春の景色も美しかったです。ドビュッシーの「月の光」が、劇中で効果的に使われていました。

 ↑ 今秋は主演作「本心」も公開!このところ色っぽい役や演技は封印してる壮亮くんですが、そろそろ解禁希望
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温泉に韓流スター

2024-08-28 | 日本映画
 「薔薇とチューリップ」
 韓国の人気画家ネロは、東京での個展イベントを放棄して、自作の盗作がある温泉旅館を訪れる。そこで自分とうり二つの韓国人留学生デウォンと遭遇したネロは…
 私、東村アキコ先生の漫画が大好きなんですよ。「海月姫」とか「主に泣いてます」「メロポンだし!」とか、ハマったわ~。ギャグ漫画なんだけど、絵が可愛くてきれい。この薔薇チューは、原作漫画は読んでないのですが、東村先生原作ということで観てみました。

 海月姫も主泣も、漫画はあんなに面白かったのに、実写化されたものは別物みたいなつまらないものに。すぐれた漫画や小説が、すぐれた映画やドラマになるとはかぎらない、の悪しき例のようなトホホさ。この薔薇チューも、他愛もない内容でした。これで映画館で1800円は払えません。1800円あったら、東村先生の漫画を買います。でも、ある特定の方々には楽しめる、鑑賞マスト映画ではあります。K POPアイドルグループ、2PMのメンバーであるジュノのファンのための映画、いやファン限定の映画、といって差し支えはないでしょう。

 東村先生も韓流にハマってたそうで、海月姫にも明らかに某韓流スターがモデルなキャラが出てた。この映画も漫画も、ジュノ主役で企画、ジュノをイメージして作られたジュノのため、ジュノのファンのために作られたもの。2PMは昔、野獣アイドル?みたいな感じで、日本の歌番組に出てた記憶が。もう随分とベテランなアイドルグループですよね。ジュノの出演作は映画「監視者たち」と「メモリーズ 追憶の剣」「色男ホ・セク」を観てますが、特に印象に残らず。久々に見たジュノですが、彼ってイケメンなんですか?可愛いとは思うけど。顔が星野源に似てる?星野源を薄めて色白スマートにした感じ?顔はイケメンじゃないけど、長身でスタイルがいいところはさすが韓流スター。個人的には、キム・ヨンデくんに演じてほしかった二役かも。
 
 クールな俺様王子さま、お人よしのワンコ男子。どっちも韓流ドラマではおなじみのキャラ。どっちもジュノにやらせてるので、ジュノファンには一度に二度の美味しさかも。ジュノのたどたどしい日本語の台詞も可愛いです。設定といいジュノの演技といい、韓流ファンならニヤリとなったり、お約束に満足したり。さすがご自身も韓流ファンな東村先生、ツボを心得てます。富と名声を得るために自分の描きたい絵を諦めたネロには、美大出身の東村先生ご自身が重ねられているのかな。
 韓流俳優、そして温泉が舞台、とくれば。否が応でも期待しちゃうでしょ、ジュノの肉体美披露を。脱いでも乳首は頑なに見せない、という演出が不自然すぎて笑えた。すべてにおいて韓流ドラマ仕立てなのに、肉体自慢の韓流俳優のサービス無駄脱ぎだけは端折るとか、キムチが入ってないキムチチゲみたいな映画ですね映画のはじめのほうで、2PMのメンバーのチャンソンが、チョコっとだけ友情出演してます。ジュノは最近、俳優として評価が高まってるみたいですね。好評を博した時代劇「赤い袖先」が面白そうなので、観てみよっかな。
 
 
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俺は不死身のイケメンだ!

2024-06-16 | 日本映画
 「ゴールデンカムイ」
 日露戦争の帰還兵である杉元は、大金を稼ごうと北海道で砂金を採っていた。そんな中、アイヌが秘蔵していた金塊の情報を得た杉元は、ヒグマに襲われたところをアイヌの少女アシリパに救われる。利害が一致した杉元とアシリパは、共に金塊の行方を追うが…
 日本にも大好きなイケメン俳優はいっぱいいるのですが。残念ながら、そのほとんどが観たい!と思える映画やドラマには出てくれません。山﨑賢人もその一人です。賢人くんの出演作って、よく考えたら映画は「羊と鋼の森」とTVで観た「キングダム」、ドラマは「トドメの接吻」と「グッドドクター」ぐらいだわ。賢人くん、ほんとカッコカワイイですよね~。昔から好き。女よりきれいで可愛い顔!けど全然キャマっぽくない涼しげで凛とした男らしさ!汚れない透明感!メイク感のないナチュラルさ!無駄な肉なんか一片もなさそうなほっそりした長身!抱かれたい男というより、こんな男の子に生まれ変わりたいと思わせるイケメンです。あの容姿だけでもう人生勝ち組ですよ。そんな賢人くんですが、今やすっかり漫画俳優になってしまってるようです。彼のファンなら、それでも問題なし、不満なしなのでしょうか?彼の映画を観に行くことは、私のようなおっさんにはハードルが高い。若くてきれいな時にしかできない役や演技に挑戦してほしい!まあ漫画映画の主役も、若くてきれいなうちにしかできないとは思うけど、それにしても漫画実写に偏り過ぎてるような気もします。本人の意向なのか事務所の戦略なのかは知るよしもありませんが、もったいないなとは思います。彼の最新作であるこの作品も、人気漫画の実写でした。

 原作漫画についてはほぼ無知なのですが、うう~ん…やっぱ内容が漫画すぎるというか…わしのようなおっさんが楽しめる映画ではないですね~。まあ、それは想定内。いろいろツッコミどころの多いところは楽しめました。すごい低予算映画なのかな?と思うほど、CGと合成だらけなのが返って新鮮でした。戦場シーンやヒグマとか狼とか、もうちょっとリアルにできなかったのでしょうか。明らかにセットな雪山と小樽の町にも失笑。雪や水の中など、極寒さが全然伝わってこなかった。巨額の制作費をかけた洋画と比較はしたくないけど、最近は「オッペンハイマー」や「哀れなるものたち」「関心領域」など、映像もセットも圧巻の作品を観続けてるので、そのショボさ雑さに邦画の貧しさと限界を思い知らされ、ちょっと悲しくなってしまいました。

 まあ、内容も映像も私には二の次三の次。目当てはオンリー山﨑賢人なのだから賢人くん、やっぱキレイカワイイですね~ルックスだけなら、わし的には今の日本の芸能界ナンバーワンかも。顔がキレイカワイすぎて、「キングダム」もそうでしたが、戦場の猛者には1ミリも見えませんでしたタイマン張ったら吉田沙保里や伊調馨のほうが勝ちそうです。ワイルド&タフなキャラも、野郎っぽい言葉づかいも男臭さがなく、ただもう可愛い。凄んでみてもちっとも怖くも迫力もなく、ただもう可愛い。たまに語尾が『~だよ』とか『~だね』だったり、年下の少女を呼び捨てにせず『アシリパさん』と呼んだりする賢人くんの口調には、野卑にも粗野にもなれない地の優しさ、品のよさが出てしまっていて可愛かったです。

 この映画最大の見どころは、山﨑賢人の肉体美でしょう。ガリガリに近いほど細いイメージの賢人くんなので、彼主演で映画化が発表された時はかなり批判や失望の声があがったみたいですね。否定派に挑むかのように、役作りでかなり鍛えたみたいな賢人くん。序盤の銭湯シーンで、上半身裸に。ハリウッドや韓流俳優みたいなムキムキバキバキじゃないけど、しなやかに引き締まった美しい裸体でした。あれぐらいが理想的

 賢人くん、アクションや格闘などは正直かなり稚拙なので、すごいことやってます!みたいな宣伝はやめたほうがいいのでは、と思いました。でも、コメディ演技はチャーミングでした。カワウソやリスを食べる時の様子とか、ほっぺに串をブスっと刺されるシーンとか、おバカワイくてキュンキュンしました原作漫画もギャグ寄りなのかな?おバカなシーンが多かった。

 賢人くんas杉元、ほんとんど野良生活、闘いまくってるのに、まったく汚れないし破れもしない軍服やマフラーや、無精ひげひとつ生えないキレイな顔なども、微笑ましいツッコミどころでした。それにしても。どんな傷もすぐに治る杉元、なぜあんな不思議な体質になったの?戦争に行く前の、明治の書生っぽい賢人くんも可愛かったです。三島由紀夫の「春の雪」は、ブッキーじゃなくて10年前ぐらいの賢人くんにやってほしかったかも。

 若い出演者はみんな学芸会でした。脱獄囚の白石役の俳優、「Gメン」にも出てたけど、ああいう俺うまいでしょアピールが強い悪目立ち演技は苦手。中堅の玉木宏、ベテランの舘ひろしは、楽しそうにコスプレコント。キングダムみたいに、こっちもシリーズ化するみたいですが。金塊の行方とかまったく気にならないので、私はもういいです賢人の全裸とか濡れ場があれば観ます
 
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イケメン刑事に調教されたい♡

2024-05-26 | 日本映画
 久々に庭いじりを楽しみました(^^♪
 春の花はほとんど姿を消してしまい、ちょっと寂しくなっているマイリトルガーデンです。

 シネラリア、また種まきに失敗して、たったこれだけしか咲きませんでした。でも大好きなので、懲りずにまた秋に蒔きます。

 数年前の引っ越し祝いに老母が買ってくれた食虫植物も、枯れずに元気いっぱいです。

 アーティチョークも元気いっぱい。今年も存在感抜群です。

 このナスタチウム、花色が独特で好きなんです。

 ブータンルリマツリが咲くと、近づく夏に揺れる想い~♬by ZARD

 「湖の女たち」
 琵琶湖の近くにある高齢者施設で、入居者の不審死事件が発生する。事件を捜査する刑事の圭介は、施設の介護職員である加代との歪んだ愛欲に溺れていくが…
 吉田修一の小説って、たくさん映像化されてますが。残念ながら、特にすぐれた作品はないように思われます。「悪人」と「怒り」は悪くなかったけど、傑作とは言い難い。妻夫木聡が出てた、ブッキーがいっぱい脱いでた、ぐらいしか印象にない修一センセイおん自ら監督した短編「Water」がいちばんの秀作かも。この映画も、観に行く前に原作小説を読みました。正直あんまし面白くなかったけど、主人公の若い刑事役が福士蒼汰だったのでスルーできませんでした。福士くん、昔すごく好きだったんですよ。爽やかでカッコカワいかったわ~。でも、実力の伴わないゴリ押しが祟って映画もドラマも大コケ連発。同世代の若手俳優との競争は熾烈で、いつしか山崎賢人や菅田将暉、竹内涼真らの後塵に。そんな中、だらしない女性関係をスッパ抜かれたこともイタかった。私の中ではいつの間にか自然消滅してた福士くんが、脱カッコカワイイだけのイケメンを目論みアダルティな役に挑んだ!福士くんももう(まだ、とも言えるが)30歳。よい役者になれるかどうかの瀬戸際。本気モードの演技で魅せてくれるはず!そう信じて観に行きました。

 どうだったかというと…ビツクリしました!予想通り過ぎて!期待はしつつも、どうせ大したことはしてないんだろうな、という予想通りでガッカリよ確かに人気があった頃の福士くんが好きだった人が見たら、あの福士くんが…と驚かされる役ではあったんです。性関係でも尋問でも女をサディスティックに扱う刑事の役…なんだけど、何だろう、ぜんぜん怖くなかったというか…どんなに凄んでも異様なことをしても、ヤバい人感が希薄、どころか、まったくないんですよ目つきと表情も、狂気的というより眠そうなだけ、みたいな。劇中、容疑者役の財前直見が、あんな若い刑事にスゴまれても全然怖くないと言ってましたが、ほんとその通りだと思ったし。もうイケメンとは言い難い顔になってる福士くんですが、でもやっぱ可愛いく見えることもあるので、それも敗因のひとつになってしまったようです。公開2日目、週末の夕方なのに、観客は私だけ!というガラガラっぷりにもビツクリでした。

 加代との歪んだ性関係の描写も、ビツクリするほど大したことなし。『濡れてんのか』とか『性器を触れ』『ケツの穴もっと広げろや』などなど卑猥な台詞を口にしたり、車内で自慰行為をしたりする福士くんはかつてない彼でしたが、大胆な濡れ場などには挑戦してませんでした。セックスシーンなんて、一回もなかったし。原作ではあったはずだけど。全裸の濡れ場どころか、風呂上りシーンが唯一の脱ぎってバスタオルが落ちて一瞬ケツ見せ、というファンサービスはありましたが。若い頃に比べるとゴツくなってガッチリムッチリした、程よく脂ののった裸にはなかなか色気があったので、濡れ場で活かさないなんてもったいないなと思いました。

 圭介と加代の関係が、そんなに異常に見えなかったのも致命的。あれぐらいの変態行為、許容範囲ですよ殴ったり蹴ったりするわけじゃないし、若いカップルのソフトなSMプレイみたいで、むしろ楽しそうだったような私も福士くんみたいなイケメン刑事になら、あれぐらいOKだわあれがもし千原ジュニアとか日村みたいな刑事だったら超怖いし、即訴えますが。観客に衝撃を与え動揺させるほど病的で破滅的な堕落の悦び、死と隣り合わせのような性愛の深淵をのぞいてみたかった、けど、まあ今の邦画でそれは期待しずぎというもの。
 加代役の松本まりか、苦手かも…声がちょっと…全体的に軽いので、病的マゾの深刻さが感じられませんでした。あの役で脱いでなかったのもビツクリ。エマ・ストーンとかチョン・ドヨンみたいな大物女優でも、必要とあらばスパっと脱いでるのに。
 高齢者施設の事件と戦時中の731部隊がつながるミステリー部分も、ちょっと強引だし浅い薄い。だいたい、あんな女子高生みたいな記者に、関係者があっさりと秘密を打ち明け情報を提供するなんて、ありえないでしょ。それはそうと原作ではあの記者、若い男だったはずだけど。パワハラ先輩刑事役の浅野忠信も、もっと陰湿で卑劣だったらよかったんだけど。ことあるごとに福士くんの頭をはたく浅野氏、何だかドツキ漫才のツッコミ役みたいで笑えたし。学生時代に何度も行った琵琶湖が懐かしかったです。
 修一センセイ原作の最新映画「国宝」は、吉沢亮と横浜流星の美男競演。これは楽しみ。同性愛的な心理や関係性も、ちゃんと描いてほしいけど…
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青い珊瑚礁の男

2024-01-12 | 日本映画
 「サンゴレンジャー」
 大規模な橋の建設工事をめぐって賛成派と反対派が対立していた石垣島に、環境省の自然保護管である矢島が赴任。同期の岸谷を強引に仲間に引き込み、サンゴ防衛レンジャーを結成し環境保護のため奔走するが…
 現在はイケオジになりつつある青柳翔ですが、この10年前の主演作では当然ながら若い(当時28歳)、そしてやっぱいい男某事務所のタレントは苦手だけど、エグザイル系は好きだった私。見た目も芸も子どもっぽい男より、男らしい男くさい男のほうが素敵。青柳翔はエグザイル系の中で最もドストライクな男。三代目 J Soul Brothersの「FIGHTERS」のMVの彼、いま見ても惚れ惚れするようなカッコよさ!でも。私が好きなイケメン俳優によくあることですが、観たい!と思える面白そうな映画やドラマには、あまり出てくれない。青柳くんもその御多分に洩れず、FIGHTERSのMVがいまだに彼の最高作なのが、かなり残念でもあります。

 「渾身」と同年の主演作、内容はともかく、青柳翔は顔も体もチョベリグ(死語)!野生的だけどスウィートでもある顔も適度な濃さ。大きな瞳は美しく、どこか翳りと淀みがあって。そしてやはり何と言ってもカラダですよ。スラっとして見える長身ですが、脱ぐとジューシーな肉体美!映画の前半はこれでもか!とそれを見せてくれます。上半身だけでなく、お尻まで!すごいキュっとしたキレイなケツでした。ケツのみならず、ボカシ入りで前まで!惜しみないサービス無駄脱ぎに拍手。まるで沖縄の現地人のような色の黒さですが、青柳くんって意外なことに北海道出身なんですよね。

 フワフワパーマの髪型も可愛かった。舞台の「三十郎大活劇」でも思ったけど、青柳くんって声もきれいなんですよね~。おバカな演技も頑張ってたけど、やっぱ彼は明るい役より、暗い怪しい役のほうが似合うかも。青柳くんはチャーミングでしたが、演じた役は首をかしげるものでした。天衣無縫、破天荒な熱血漢という設定なのでしょうけど、こだわりとか他人の話が耳に入らず自分が常に正しい!な言動や思考、まったく落ち着きがない騒々しさなど、ちょっと矢島って発達障害、ADHDなのかな?と思った。いい年した男にサンゴレンジャー!とか目の前でやられたら、バカにされてる?真面目にやれ!とか、私なら思う…が、青柳翔みたいな男だったら全然OKかも矢島がブサメンだったら、あんなにみんなに好かることはなかったはず。イケメンだから成り立つ話、イケメンマジックな映画でした。

 岸谷役は田中圭。風貌も演技も、今と全然変わってないです。色黒の青柳翔とは真逆で、すごい色白!せっかくのイケメン共演なので、もっとイチャイチャしたり取っ組み合いのケンカしたりなシーンがほしかったです。BLとまではいかなくても、ブロマンスな二人が見たかった。ヒロイン役の佐々木希、あの役って必要だったの?彼女の美白肌、沖縄っぽくなくて違和感。美人だけどサイボーグみたいで、演技も学芸会でした。環境破壊はダメ!と訴える映画の内容も、小学生が思いついたような幼稚さでトホホ。でも、石垣島の海の美しさを目にするだけで、自然は守らないといけないと痛感させられます。田中圭たち職員が着てた沖縄のシャツがおしゃれで可愛かった。

 ↑ おっさんずラブリターンズに、青柳翔も出てほしかった
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風雲たけし城! 戦国おっさんずラブ&バトル

2023-12-07 | 日本映画
 「首」
 戦国時代。暴君である織田信長に忍従しながら、羽柴秀吉や明智光秀ら家臣たちは、信長の後釜を虎視眈々と狙っていたが…
 北野武監督の新作は時代劇、本能寺の変の直前直後を描いた戦国ものです。もう映画やドラマで数えきれないほど取り上げられ、時代劇の定番中の定番といえるネタ。つい最近もキムタク主演の「レジェンド&バタフライ」が公開されたばかり。今年のNHKの大河ドラマともカブっています。日本人ってほんと戦国時代劇が好きなんですね!私も大好き!でも、手垢にまみれているネタでもあるので、よほど斬新な切り口や魅力的な演技がないと、粗製濫造のひとつに堕してしまいます。たけし監督の戦国時代劇はどうだったかというと…ぶっちゃけ、キムタクの映画の100倍は面白かったです!北野監督なので当然、お花畑なスウィーツ時代劇になるはずもなく、「アウトレイジ」の世界がそのまんま戦国時代に移し替えられた、血みどろのヴァイオレンス+お笑いという、北野監督節炸裂な映画でした。こういう映画、すごく好きです今まで観た戦国時代劇の中では、突出して特異で独特です。

 まず、北野監督といえばの暴力描写が冴えまくってます。とにかく首が飛ぶ飛ぶ!ほぼ全編にわたって、血しぶき血まみれ!とにかく斬る!刺す!撃つ!射る!貫く!と、これでもか!とばかりに様々な手法で人が惨殺されまくります。うげげ、ですが、私はヴァイオレンス描写がそんなに苦手ではないでの、へ~こんな方法で!とか、次はどんな殺られ方が?と、感心したり楽しみになったり。ポリコレ、コンプラにここまで反してる映画、最近はなかなかお目にかかれないので、北野監督の悪しき風潮に迎合しない気概に拍手です。

 織田信長をめぐる武将たちのキャラや年齢、関係、末路も史実無視なトンデモで面白かったです。キムタク映画もかなりのトンデモ設定&展開でしたが、同じトンデモでもお花畑ファンタジーには失笑、でも阿鼻叫喚クレイジーには大笑い!アウトレイジもでしたが、かなり笑えるところがさすが漫才師でもある北野監督。明らかに笑いを狙ってるシーンが多く、特に後半はコント化してました。ビートたけし扮する秀吉と弟の秀長、黒部官兵衛の3人のやりとりとか、ほとんど漫才でした。過激にボケまくるたけし、小ボケの大森南朋、ツッコミが浅野忠信、みたいな。あと、家康暗殺未遂シーンの繰り返しもコントみたいで笑えた。

 いちばん笑えたのは、やっぱ織田信長でしょうか。こんな信長、前代未聞!変態サディストの男色家!お気に入りの武将たちを嬉々として残虐にいたぶりまくる信長、ヤバすぎるけど笑えるですよね~。素っ頓狂な尾張弁、いたぶった後チューする信長がキモくて可愛かった。信長の本能寺での最期も、え!?な笑撃。加瀬亮、「アウトレイジ」以上の怪演が強烈!でもカッコつけてるだけのキムタク信長より、はるかにユニークでチャーミングでした。めったに会えないレアな俳優である加瀬亮の怪演だけでも、一見の価値アリな映画かも。


 その他の俳優たちも、みんな楽しそうに激演!ほとんどが北野監督のお気に入り?その筆頭である西島秀俊が明智光秀役。いい男!優しそうで温厚そうで紳士って感じ。どんな映画やドラマ、役でも全部同じに見えるけど信長にボコボコにされた後、チュ~されそうになって拒む時の表情が笑えた。男色シーンもあり!といっても、キスと上半身裸で並んで寝てるだけで、大したことはなかったのが残念。でも眼福な肉体美でした。遠藤憲一とのおっさんずラブシーンなんて、もうコントでしかない男色、衆道を描いていたのも、この映画の特色でしょうか。ほぼ男、しかもおっさんしか出てこない映画です。武士も農民も誰一人善人がおらず、おっさんたちの野蛮で薄汚い野望と倒錯した欲望は、純愛だの家族愛だのよりも苛烈な戦国時代にマッチしてます。家康のボディーガード、服部半蔵がイケメン!誰かと思ったら、桐谷健太だった。南蛮人の小姓、弥助もナニゲにインパクトあるキャラでした。
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壮亮来たりてジャズを弾く

2023-10-20 | 日本映画
 「白鍵と黒鍵の間に」
 ジャズピアニストを目指す博は、修行のため銀座のキャバレーでピアノ演奏のアルバイトを始める。元ヤクザと思しき男からリクエストされた「ゴッドファーザー」のテーマを弾く博だったが、それが思わぬ騒動を巻き起こすことに…
 大好きな池松壮亮主演作を観てきました~(^^♪もう随分と長いこと壮亮くんのファンやってますけど、最近はあんまり観たいと思えるような作品に出てくれなくて、気づけばほとんど昔のオトコと化してました久々の壮亮くん、やっぱ彼っていい役者!と心から再確認しましたよ。わらわらいる同世代の若い俳優とは、十把一絡げにはできない個性と才能、そして魅力の持ち主だと思いましたよ。

 おそらく壮亮くんは、業界でも若手では別格の存在、日本映画界の至宝、と見なされ大事にされているのでは。ヒット作や話題作に出てる人気イケメン俳優たちと違い、監督や共演者から畏怖や敬意を抱かれている名優の風格、重厚さがすでにある、みたいな。最近は横浜流星を、イケメン路線を歩まずヒット狙いもしない稀有な若手俳優、として注目していましたが。やっぱ壮亮のほうが役者が一枚も二枚も上手。人気イケメン俳優は、うかつに壮亮とは共演しないほうがいい。間違いなく食われちゃうから。

 昭和のジャズピアニスト、博/南の2役を演じてる壮亮くん、彼ももう30歳とか隔世の念すぎるわ。南の時の、若いのに酸いも甘いも嚙み分けたニヒルさや倦怠感、そこから滲み出る色気ときたら!ここが、いい年してチャラチャラ子どもっぽいアラサー俳優と違う壮亮の魅力。煙草吸ってるのがこんなにサマになって自然な若い俳優、他にいません。スーツ着てサングラスかけて、煙草吸いながら夜の銀座をアンニュイに歩く壮亮as南、ちょっとイケてるヤーさんっぽくて素敵でした。壮亮くんにはいつかヤクザ役も演じてほしいです。

 博の時の壮亮は、田舎から出てきたばかりみたいな純朴な青年風で、可愛い!すごい童顔なので子どもに見える瞬間も。若い男の色気と少年の愛らしさを併せ持つアンビヴァレントさも、壮亮の強力な個性。お面を被ってキャバレーでピアノを弾くシーンがあるのですが、お面の奥にある瞳がキラキラしてて可愛い&美しい!浮浪者になって髭もじゃ顔な時も、瞳はダイヤモンドな輝き!風貌だけでなく、声や口調でも南と博を巧みに演じ分けてる壮亮くんです。台詞は低音の棒読み調だけど、実は壮亮くんってすごいきれいな声してるんですよね。子役時代に出演した大河ドラマ「義経」で初めて彼を見た時、子どもながらにその美声での端正な台詞まわしに、何この子?!と衝撃を受けたものです。この映画でも、怒鳴ったりした時に美声を聞けて嬉しかったです。

 コミカルな演技もお上手な壮亮くん。博のどこかズレた言動やトボけた表情、南がアメリカ人歌手のリサと話す時の英語(リサいわく、18世紀の修道士みたいな)がヘンで笑えた。笑えるシーンが多く、ほとんどコメディといっていい内容の映画だったのが意外、ていうか、ちょっとガッカリだったかも。昭和の銀座、夜の世界で生きるジャズピアニストが主人公、と聞けばもっとムーディで退廃的なドラマを想像、期待しちゃうじゃないですか。そんなんじゃ全然なかったし。


 博と南の二役も、実は…?な、かなりトリッキーな設定。まるで時空が歪んでるような過去と現在の錯綜、ていうか過去と現在が同じ時に進行してつながってる?いや、どっちかがパラレルワールド?みたいな、え?え?え?な展開は、終盤に向かって現実?悪夢?妄想?と、どんどんカオス化。何この映画?シュールなマルチバース系、いや、精神崩壊系コメディ?!

 とまあ、かなりヘンテコな映画でした。壮亮に絡んでくるワケアリな男たちの役で、森田剛と高橋和也というヤメジャニ俳優が。森田氏は、ちょっと前までアイドルだったとは信じがたいほどのヨゴレ系に。高橋さんはヤメジャニの中では、いちばんクセと味のある役者なのでは。銀座に君臨するヤクザのボス役が松尾貴史、という点でもうおふざけ色濃厚。意外な好演だったのが、リサ役のクリスタル・ケイ。歌を聞いてくれない客にイライラ、粗暴で下品な罵倒英語が笑えた。

 猛特訓したという壮亮くんのピアノも見もの聞きもの。彼の「ゴッドファーザー」演奏と、デモテープを録るためのキャバレーでのセッションシーンが、なかなか胸アツでした。すぐに影響されちゃう私、さっそくサボってたピアノ練習を再開しました昭和の話なのに、映像的にあまり昭和感が出てなかったような。

 ↑ いや~やっぱ壮亮いいですね~ホリプロを辞めて独立した彼が、今後どんな作品を選ぶか楽しみですね
コメント (2)
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