「南へ向かう女たち」
今年のカンヌ映画祭は、20数年ぶりに地元フランス映画がパルムドールを受賞。その作品“Entre les murs(The Class)”の日本公開が待たれるローラン・カンテ監督の旧作を観ることができました。
70年代のハイチ。バカンスに来た北米の女性たちが、地元の青年たちとのアバンチュールを楽しんでいた。その一方で、独裁政権下の過酷な現実も浮き彫りに...
常夏の美しい南島で、セクシーで優しい若者たちと、甘く熱いリゾートラブアフェア...いいですねえ。まさに夢のようなシチュエーションです。金持ちの白人熟女たちを楽しませる地元の黒人青年たち、ほとんどホスト、いや、男娼なんですけど、金のために仕方なくやってるという暗さや悲しさとかはなく(たまにウザっとかメンドい女だな、みたいな様子は見せるが)女たちをカモにしてる狡猾さとかも希薄です。楽しく遊んで暮らすのが好きなだけって感じ。同じ買春でも、おやぢが少女と、なら陰惨で不快になるだろうけど。
でも、結局は金で男あさりしてる女たちも...そんな女の浅ましさイヤらしさ醜さ、そして苦しみを、さりげなくも緻密に炙りだす内容が、なかなか見ごたえあります。
魅力的な地元青年レグバをめぐる二人の熟女、エレンとブレンダが見せる女の心と体の疼きや歪みが、イヤらしくも痛ましい。ブレンダさんは、数年前に夫と子供と遊びに来たハイチで、15歳の少年だったレグバと淫行に及んでしまい、彼のことが忘れられずに家庭を捨てて独りで再びハイチへ。レグバとの燃えるロマンスを期待していたけど、大人になったレグバは、女たちの人気リゾラバになっててガーンそれでも、レグバへの想いと欲情は抑えきれず、心は乱れ体は淫れ...
エレンさんは、フランス文学の偉い教授。老いたら金で男を買う!と決めてたという、ドライ&クールに割り切ってる遊び人。でも、もっか寵愛中のレグバには、離しがたい執着心を...
ブレンダはねえ、ほんと見ていてイタい女なんです。真面目な主婦がホスト狂いしちゃってるって感じで。レグバに純愛、と自分にも周囲にも思わせようとするカマトトぶりも、何だかイヤらしい韜晦。恋などではなく、目覚めてしまった病的な淫蕩さゆえにハイチに来たことが次第に分かってきて、女の性って怖くて業だよなあと怖くなります。
そんなブレンダに要所要所で、辛らつな皮肉をかますエレンの、ズバリ言うわよ!ぶりが、グサリと的を射て怖い、けど笑えます。セックス目的ではなく、レグバを本当に愛していたのは、エレンのほうだったのかも。それを頑なに否定して、これは遊び!金でどうにでもなる相手!と自分に言い聞かせるエレンの高慢なプライドも、ブレンダとは違う意味で、女のイヤらしさを表しているようでした。
遊びの域を逸脱し、嫉妬や独占欲、自分本位な愛情を押し付けつつ、やんわりと頬を札束で叩くような言動をする白人熟女たちに困惑迷惑、そして怒り悲しむレグバが、ほんと可哀想です。一見、熟女たちから甘い汁を吸ってるレグバですが、実のところ利用されてるのは彼のほうだもんね。レグバは、ハイチそのものを象徴してる存在なのかも?美しい天然なルックスと性格ゆえに、蟻のように群がる女たちに貪られるレグバが、占領され植民地として搾取され続けたハイチと重なります。
陽気で平和な楽園、というのは上辺だけで、地元の人々が圧制と貧困に苦しんでいるハイチの真実も伝わってきます。
エレン役は、シャーロット・ランプリング。相変わらず、おんな現役!英語とフランス語を自在に操るところも、カッコいいです。ブレンダ役のカレン・アレンは、可愛いオバチャマって感じで、まだまだ全然イケてます。レグバ役の男の子は、ワタシ的には美男とは思えませんが、体はキレイです。
私がリゾラバにハマるなら、ハイチの黒人青年より、カリブあたりでガエルかロドリゴみたいなラテン青年がいいな。岩井志麻子先生の「ドスケベ三都物語」みたいなのもいいなあ。韓国でチョン・ジョンミョン、香港でダニエル・ウー、中国でリィウ・イエ(もしくは台湾でジェイ・チョウ)を現地愛人にしてみたいものぢゃ♪でもやっぱ、金で得る男の偽りの愛なんて、想像しただけで虚しくなる...
今年のカンヌ映画祭は、20数年ぶりに地元フランス映画がパルムドールを受賞。その作品“Entre les murs(The Class)”の日本公開が待たれるローラン・カンテ監督の旧作を観ることができました。
70年代のハイチ。バカンスに来た北米の女性たちが、地元の青年たちとのアバンチュールを楽しんでいた。その一方で、独裁政権下の過酷な現実も浮き彫りに...
常夏の美しい南島で、セクシーで優しい若者たちと、甘く熱いリゾートラブアフェア...いいですねえ。まさに夢のようなシチュエーションです。金持ちの白人熟女たちを楽しませる地元の黒人青年たち、ほとんどホスト、いや、男娼なんですけど、金のために仕方なくやってるという暗さや悲しさとかはなく(たまにウザっとかメンドい女だな、みたいな様子は見せるが)女たちをカモにしてる狡猾さとかも希薄です。楽しく遊んで暮らすのが好きなだけって感じ。同じ買春でも、おやぢが少女と、なら陰惨で不快になるだろうけど。
でも、結局は金で男あさりしてる女たちも...そんな女の浅ましさイヤらしさ醜さ、そして苦しみを、さりげなくも緻密に炙りだす内容が、なかなか見ごたえあります。
魅力的な地元青年レグバをめぐる二人の熟女、エレンとブレンダが見せる女の心と体の疼きや歪みが、イヤらしくも痛ましい。ブレンダさんは、数年前に夫と子供と遊びに来たハイチで、15歳の少年だったレグバと淫行に及んでしまい、彼のことが忘れられずに家庭を捨てて独りで再びハイチへ。レグバとの燃えるロマンスを期待していたけど、大人になったレグバは、女たちの人気リゾラバになっててガーンそれでも、レグバへの想いと欲情は抑えきれず、心は乱れ体は淫れ...
エレンさんは、フランス文学の偉い教授。老いたら金で男を買う!と決めてたという、ドライ&クールに割り切ってる遊び人。でも、もっか寵愛中のレグバには、離しがたい執着心を...
ブレンダはねえ、ほんと見ていてイタい女なんです。真面目な主婦がホスト狂いしちゃってるって感じで。レグバに純愛、と自分にも周囲にも思わせようとするカマトトぶりも、何だかイヤらしい韜晦。恋などではなく、目覚めてしまった病的な淫蕩さゆえにハイチに来たことが次第に分かってきて、女の性って怖くて業だよなあと怖くなります。
そんなブレンダに要所要所で、辛らつな皮肉をかますエレンの、ズバリ言うわよ!ぶりが、グサリと的を射て怖い、けど笑えます。セックス目的ではなく、レグバを本当に愛していたのは、エレンのほうだったのかも。それを頑なに否定して、これは遊び!金でどうにでもなる相手!と自分に言い聞かせるエレンの高慢なプライドも、ブレンダとは違う意味で、女のイヤらしさを表しているようでした。
遊びの域を逸脱し、嫉妬や独占欲、自分本位な愛情を押し付けつつ、やんわりと頬を札束で叩くような言動をする白人熟女たちに困惑迷惑、そして怒り悲しむレグバが、ほんと可哀想です。一見、熟女たちから甘い汁を吸ってるレグバですが、実のところ利用されてるのは彼のほうだもんね。レグバは、ハイチそのものを象徴してる存在なのかも?美しい天然なルックスと性格ゆえに、蟻のように群がる女たちに貪られるレグバが、占領され植民地として搾取され続けたハイチと重なります。
陽気で平和な楽園、というのは上辺だけで、地元の人々が圧制と貧困に苦しんでいるハイチの真実も伝わってきます。
エレン役は、シャーロット・ランプリング。相変わらず、おんな現役!英語とフランス語を自在に操るところも、カッコいいです。ブレンダ役のカレン・アレンは、可愛いオバチャマって感じで、まだまだ全然イケてます。レグバ役の男の子は、ワタシ的には美男とは思えませんが、体はキレイです。
私がリゾラバにハマるなら、ハイチの黒人青年より、カリブあたりでガエルかロドリゴみたいなラテン青年がいいな。岩井志麻子先生の「ドスケベ三都物語」みたいなのもいいなあ。韓国でチョン・ジョンミョン、香港でダニエル・ウー、中国でリィウ・イエ(もしくは台湾でジェイ・チョウ)を現地愛人にしてみたいものぢゃ♪でもやっぱ、金で得る男の偽りの愛なんて、想像しただけで虚しくなる...