まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

リゾラバ 熟女たちの淫らなハイチ滞在記

2008-08-28 | フランス、ベルギー映画
 「南へ向かう女たち」
 今年のカンヌ映画祭は、20数年ぶりに地元フランス映画がパルムドールを受賞。その作品“Entre les murs(The Class)”の日本公開が待たれるローラン・カンテ監督の旧作を観ることができました。
 70年代のハイチ。バカンスに来た北米の女性たちが、地元の青年たちとのアバンチュールを楽しんでいた。その一方で、独裁政権下の過酷な現実も浮き彫りに...
 常夏の美しい南島で、セクシーで優しい若者たちと、甘く熱いリゾートラブアフェア...いいですねえ。まさに夢のようなシチュエーションです。金持ちの白人熟女たちを楽しませる地元の黒人青年たち、ほとんどホスト、いや、男娼なんですけど、金のために仕方なくやってるという暗さや悲しさとかはなく(たまにウザっとかメンドい女だな、みたいな様子は見せるが)女たちをカモにしてる狡猾さとかも希薄です。楽しく遊んで暮らすのが好きなだけって感じ。同じ買春でも、おやぢが少女と、なら陰惨で不快になるだろうけど。 
 でも、結局は金で男あさりしてる女たちも...そんな女の浅ましさイヤらしさ醜さ、そして苦しみを、さりげなくも緻密に炙りだす内容が、なかなか見ごたえあります。

 魅力的な地元青年レグバをめぐる二人の熟女、エレンとブレンダが見せる女の心と体の疼きや歪みが、イヤらしくも痛ましい。ブレンダさんは、数年前に夫と子供と遊びに来たハイチで、15歳の少年だったレグバと淫行に及んでしまい、彼のことが忘れられずに家庭を捨てて独りで再びハイチへ。レグバとの燃えるロマンスを期待していたけど、大人になったレグバは、女たちの人気リゾラバになっててガーンそれでも、レグバへの想いと欲情は抑えきれず、心は乱れ体は淫れ...
 エレンさんは、フランス文学の偉い教授。老いたら金で男を買う!と決めてたという、ドライ&クールに割り切ってる遊び人。でも、もっか寵愛中のレグバには、離しがたい執着心を...
 ブレンダはねえ、ほんと見ていてイタい女なんです。真面目な主婦がホスト狂いしちゃってるって感じで。レグバに純愛、と自分にも周囲にも思わせようとするカマトトぶりも、何だかイヤらしい韜晦。恋などではなく、目覚めてしまった病的な淫蕩さゆえにハイチに来たことが次第に分かってきて、女の性って怖くて業だよなあと怖くなります。
 そんなブレンダに要所要所で、辛らつな皮肉をかますエレンの、ズバリ言うわよ!ぶりが、グサリと的を射て怖い、けど笑えます。セックス目的ではなく、レグバを本当に愛していたのは、エレンのほうだったのかも。それを頑なに否定して、これは遊び!金でどうにでもなる相手!と自分に言い聞かせるエレンの高慢なプライドも、ブレンダとは違う意味で、女のイヤらしさを表しているようでした。

 遊びの域を逸脱し、嫉妬や独占欲、自分本位な愛情を押し付けつつ、やんわりと頬を札束で叩くような言動をする白人熟女たちに困惑迷惑、そして怒り悲しむレグバが、ほんと可哀想です。一見、熟女たちから甘い汁を吸ってるレグバですが、実のところ利用されてるのは彼のほうだもんね。レグバは、ハイチそのものを象徴してる存在なのかも?美しい天然なルックスと性格ゆえに、蟻のように群がる女たちに貪られるレグバが、占領され植民地として搾取され続けたハイチと重なります。
 陽気で平和な楽園、というのは上辺だけで、地元の人々が圧制と貧困に苦しんでいるハイチの真実も伝わってきます。
 エレン役は、シャーロット・ランプリング。相変わらず、おんな現役!英語とフランス語を自在に操るところも、カッコいいです。ブレンダ役のカレン・アレンは、可愛いオバチャマって感じで、まだまだ全然イケてます。レグバ役の男の子は、ワタシ的には美男とは思えませんが、体はキレイです。
 私がリゾラバにハマるなら、ハイチの黒人青年より、カリブあたりでガエルかロドリゴみたいなラテン青年がいいな。岩井志麻子先生の「ドスケベ三都物語」みたいなのもいいなあ。韓国でチョン・ジョンミョン、香港でダニエル・ウー、中国でリィウ・イエ(もしくは台湾でジェイ・チョウ)を現地愛人にしてみたいものぢゃ♪でもやっぱ、金で得る男の偽りの愛なんて、想像しただけで虚しくなる...
 
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暗黒街のボーギャルソン

2008-08-27 | フランス、ベルギー映画
 「裏切りの闇で眠れ」
 パリの闇社会を牛耳る顔役クロードは、組織に属さない有能で冷徹なフランクに一目置き、仲間に引き入れたいと思っていた。そんな中、クロードが微罪で捕まり刑務所へ。彼の不在を機に、仲間割れや抗争が勃発して...
 ヌルいユルい映画やドラマばかり観てると、こーいう映画のキツさハードさは新鮮。フレンチな仁義なき男たちの激闘ぶりを楽しみました♪
 クロード一味と、アラブ人兄弟のグループ、いちおう友好関係にあるけど、それは上辺だけで、スキさえあれば牙を剥き、おいしいものは全部独り占めすることを虎視眈々と狙ってる様子や、互いの内部も決して一枚岩ではない不安定さが、端々に緊張感をもって伝わってくるのが面白かったです。
 日本のやくざものと違い、義理人情というカッコいい極道の美徳?みたいなものはなく、殺るか殺られるか、得るか失うかで、まさに掟なしの冷血でドライな欲望サバイバル戦争って感じが、浅ましくも怖い。
 ちょっと残念だったのが、闇社会での男たちの蠢動を追っているだけで、ドラマが薄いというか。スリルとサスペンスの要素や展開があれば、もっとコクが出たはずなんだけど。
 出てくるフレンチ極道の面々も、みんな他人の命なんぞ屁とも思ってない連中ばかりで、ヤバすぎます。特にクロード。けだもの!まあ、野獣どもの上に立つには、あれぐらいの凄みと残忍さがないとね。オゲレツ野卑なキャラなので、あんまりカリスマ性がないボスですが。クロードを裏切り下克上に踏み切るアラブ人兄弟が、結構男前でした。
 香港映画も真っ青な銃撃戦。パリも危険な街なんですね。巻き添え死なんて、絶対したくない!あと、拷問が酷い!ドリルでどこ削ってんのー!?バットをどこに突っ込んでるのー!?ヤーさんって、ほんとにあんなことしてるの?
 それと、田島妖子先生とかが観たら憤激しそうな、女性の扱い方が気になります。まったく人間として登場しません。商品、もしくは男たちの性欲処理場、ほとんど便所な存在。キャラがないので、可哀想とか感情移入さえできない。ここまで女性の人間性を排除、軽視した映画も珍しいかも。
 クロードの極妻は、屋敷女ことベアトリス・ダル。ゲゲゲの鬼太郎実写版に妖怪役で、特殊メイクなしで出られそうな容貌です。
 クールでニヒルでミステリアスなフランク役のブノワ・マジメルが、男前です。
  
 クロードからもアラブ兄弟からも頼りにされる、孤高の仕事請負人フランク。彼は果たして、どっちの味方なのか?どう動くか?が、ラストの見所になってます。
 ブノワ、ずいぶん恰幅がよくなったこと!早くもメタボが心配される肉体になってます。もちろん「ピアニスト」とかの美青年な彼のほうがいいに決まってるけど、凄腕冷徹な極道の役をするのに、カッコカワイいイケメンな見た目じゃマズいのも確か。そこはさすが、カンヌ男優賞俳優のブノワなので、ヤーさんっぽくイカつい風貌&雰囲気を作り上げてます。極道でも実は優しいところがあるよ、みたいな甘ったるいキャラじゃないフランクを、魅力的に演じてます。
 ブノワみたいに、若いけど苦みばしったシブさ&闘う男の強靭さ、がある俳優って、なかなかいないですよねえ。特に日本なんて、話になんない。織田ゆうじとかキムタコとか、ブノワより年上ですよ。おっさんなのに、チャラすぎ!
 さすがフランスというか、極道でも何かオシャレな感じが。いかにもビシっとキメたスーツではなく、ほんと雑誌とかで取り上げられそうな、チョイ悪オヤヂ風ファッションが粋です。ブノワのハンチング帽も可愛かった。
 
 
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ジンモが殺しにやって来る

2008-08-25 | 韓国映画
 「リアル・フィクション」
 鬼才キム・キドク監督作品。3時間ちょっとで撮影したという、かなり実験的で前衛的な作品。
 公園で似顔絵を描いている青年。セコい客やショバ代を請求するヤクザにも無反応な彼は、ビデオカメラを持つ少女に連れてこられた劇場で、“もうひとりの私”と題された劇そのものな、自分の屈辱的な過去と現在への憤懣を呼び覚まされ、次々と復讐の殺人を重ねていくように...
 フランスのヌーベルバーグ映画とかの実験的前衛さは、私の知能や感性だとホントわけわかめ、しかも面白くないので苦手なのですが、キム・キドク監督のそれは、同じ意味不明・理解不可能でも、何か面白いんですよね。どーいうこと!?と頭をひねるよりも、どーなっちゃうの?と展開や結末が気になる作りになってるので、退屈しないというか。
 この映画も、キドク監督ならではの不思議ワールド。ムカつく奴、悪い奴をジャンジャカ殺してゆく内容は、ちょっと「シリアル・ママ」みたいで悲惨な痛快さが。毒ヘビの入った袋を頭に被せて殺すのが笑えた。殺す現場を撮影している少女とか、これは現実?それとも虚構?なムードも、不思議色を濃くしています。
 ぷっつん殺人鬼青年役は、チュ・ジンモ
  
 狂気的な役ですが、あんまし怖くないです。可愛いです。ちょっと鈍重でボ~っとしてるところとか、殺人鬼なのに妙にオドオドした表情とか。異常に見えないので、突然フラっと現れても誰にも警戒されず、油断させて殺しちゃうところが、怖いといえば怖い男なのかも。
 こんな役でも、やっぱジンモは男前だとあらためて思いました。どこにでもいるよ、こんな男!じゃないもんね。これがもしジンモみたいなイケメンじゃなければ、最後まで観るのは案外キツい映画だったかもしれません。ずっとジンモの姿を追う、どこを切ってもジンモ金太郎飴映画なので、彼のファンならより楽しめる作品です。意欲的な役に挑戦してたと思うけど、欲を言えばもっと暴れ狂ってほしかったかな。映画宣伝ポスターでジンモの全裸に期待させられると、裏切られます
     
 ↑チョ・インソンと競演の新作映画“雙花店”は、期待のYAOI時代劇♪
 
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大激怒グリーングリーン♪

2008-08-24 | 北米映画 08~14
 「インクレディブル・ハルク」
 アメリカの人気アメコミの実写版。数年前、アン・リー監督もハルクを映画化しましたね。
 軍の秘密人体実験で、心拍数が200を超えると緑色のモンスターに変身してしまう体になってしまった科学者ブルース・バナーは、軍事利用を目論む将軍から逃れて、ブラジルに潜伏するが...
 最初から最後まで、ド派手でエキサイティングで面白かったです。かったるくなるシーンや間がない映画です。ありえねー!とか、バカらしい!とか、そんなツッコミはアメコミ映画には野暮というものです。ハチャメチャさを楽しめない人は、観ないほうがいい系の映画です。内容は子供向けですが、バイオレンスの度合いを高くして趣向を凝らしているので、大人でも楽しめるようになっています。
 大真面目に逃げたり追ったり闘ってるブルースや軍隊ですが、何だろう?そこはかとなく笑えるんですよねえ。巨大なハルクに変身してしまうブルースですが、元に戻れば上着は破れて上半身裸だけど、ズボンはちゃんとはいてたり。大きめサイズを買ってましたが、あれでも破けるだろ~?みたいな。再会した恋人とエッチしようとすると、アドレナインが上がってしまい、合体できずショボン、とか。のどかな昼下がりの大学キャンパスで始まる大戦争!でも一般人はほとんどいない?!軍のリーサルウェポンとして、カメハメ波みたいな珍奇な兵器の登場、とか。ラスト、悪いハルクが登場してニューヨークで大暴れ、逃げ惑う市民。いつまでワラワラと逃げてるの~?しかも、ハルクが闘ってる方に向かって走ってるし!すべてが終わり、平和になったNYの街、あんなにメチャクチャに破壊されたはずなのに、元通りになるのが早っとか。
  
 変身シーンや戦闘シーンよりも、ワタシ的に美味しかったのは、ブルース役のエドワード・ノートンが、変身したら服が破けて裸になる“男キューティハニー”だったところかな。エド、非メタボなナイスバディを保持してますね。裸で屋外ぐったり&フラフラ歩きなシーンが多く、ほとんど裸族なエドです。シャワーシーンでは湯煙の中、ケツも見せてます。
 相変わらず知的で優しそうなエド、あまりオヤヂ化してないというか、若々しいですね。ラフな服を着てる彼、大学生みたいです。いるよ日本にも、あんな留学生。同じような若者ファッションでも、前に見た「Sad Movie」のチャ・テヒョンは、オッサンが無理してる感じだったのに。ずっと年上のエドのほうが、若く見えました。間違いなくインテリで芸術家肌なのに、こういう映画で過激に暴れまくり弾けまくることもできるエド、ただの気取った知性派ぶった雰囲気だけ俳優とは、やはり懐の深さが違います。
 恋人役が、なぜかリヴ・タイラー。どこの店のMr.レディ?!みたいな男顔(親父のスティーヴン・タイラーそっくり)に萎え~おまえが闘えよ!な体格の良さや、エドと並んでも身長差がないデカさも、ちょっと...第一、科学者には全然見えんぞ!パリス・ヒルトンが教会のシスターの役をするに等しい違和感!
 将軍役は、すっかり怪しい悪いおじさん役専門になってしまっているウィリアム・ハート。その部下で、悪いハルクになる軍人役に、ティム・ロス。脇役も、なかなかシブいメンツでした。
 最後にロバート・ダウニーJr.が出てくるのですが、「アイアンマン」とリンクしてるのかしらん?それとも、ただの宣伝出演?
         
 エドの新作のひとつ、コリン・ファレルと競演してる“Pride and Glory”は、やっと今秋全米公開みたい?
 
 
 
 
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アラフォー女優 コワレて輝く

2008-08-21 | フランス、ベルギー映画
 「女優」
 イタリアの名家出身で、フランス大統領夫人を妹に持つ女優ヴァレリア・ブルーニ・テデスキが、主演と監督を兼ねた作品。
 もうすぐ40歳の女優マルセリーヌは、夫も子供もいない自分に不安を感じている。主演に抜擢された舞台の稽古にも集中できず、情緒不安定が加速して...
 around40、なんて言葉が耳なじみになっていますが、フランスも同じなんですね。仕事はうまくいってるけど、結婚できない、出産可能なギリギリ年齢、というのが典型的なアラフォー女性の悩みのようですが...いちばんの問題点は、あれもこれも手に入れなきゃ気がすまない!他人の芝生が青すぎる!な強欲さにあるのではないかとも。欲張りなのは、まあ女の持って生まれた不治の病みたいなものなので、欲望が満たされないかぎり悩みは尽きないところが、業な女という生き物です。
 で、この映画のヒロイン、マルセリーヌも結婚したい、子供も欲しいアラフォー女性なのですが。彼女の場合、欲張りというより肉体的にも精神的にもバランスを崩しかけてる感じなのが心配。泣いたり笑ったり激しい躁鬱、不可解な言動、あげくは妄想・幻聴まで。ただでさえ悩み多き年頃なのに、職業が女優ときてるもんだから、もう心も体も安息することがない。どんどんコワレていくマルセリーヌが、ヤバすぎて怖いです。注射!さもなくば男!みたいな状態。
 コワレっぷりが怖いけど(お乳なんか出ないのに、友人の赤ちゃんに嬉しそうに授乳しようとしたりするシーンとか。ママへの態度が、ちょっと「ピアニスト」のエリカ先生みたいだったりするところとか)、どことなく滑稽で笑える描き方をしてるので、イヤなものを見せられてるという不快感はないです。それは、マルセリーヌがエキセントリックというより、かなりトボケた感じのキャラなおかげかも?ラスト、ついにブっコワレて本番の舞台からトンズラ、夜のセーヌ川にドボンと身投げしちゃう彼女、あ~あ死んじゃった、と思ったら...北島康介も真っ青な達者な泳ぎっぷり!その必死な顔が、死ぬにも死ねない悲痛さと、女の生命力の強さを表しているようでした。
  
 ヴァレリア・ブルーニ・テデスキの、ユニークな情緒不安定演技が出色です。笑ってんのか泣いてんのか分からない顔が絶妙。ちょっとニューハーフ顔の彼女ですが、真っ白な肌と崩れた色気のある体つきがエロい。彼女のシンプルだけど可愛いファッションが素敵でした。フランス女優の、いかにもオシャレしてる!な力みのないナルチュラルなオシャレさが好きです。
 演出家役は、マチュー・アマルリック。コワレゆくマルセリーヌにイライラして自分もコワレ気味、な珍妙さがいい味だしてます。ギョロ目が何か可愛いです。
 マルセリーヌの舞台の相手役になる若い男優役が、あれ!ルイ・ガレルじゃん!出てるとは知らなかったので吃驚!相変わらずインパクトある顔です。つるつる肌や、若いというよりあどけなく見える瞬間など、二十代前半男おそるべし!です。
 娘と違って元気溌剌なマルセリーヌのママが、オチャメで素敵。演じてるのは、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキの実母だとか。
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ルイルイ♪映画狂時代

2008-08-20 | フランス、ベルギー映画
 「ドリーマーズ」
 ベルナルド・ベルトルッチ監督作品。
 五月革命前夜のパリ。アメリカ人の留学生マシューは、シネマテークで双子の姉弟イザベルとテオと知り合い、親密になる。両親が留守中である姉弟の家で、三人は淫靡で奔放な遊戯にのめりこんでゆく...
 背景となっていた、60年代後半の五月革命の様子が興味深かったです。どこの国も、あの頃は若者たちが熱くてエネルギッシュだったんですね。
 あと、ところどころに古い名画のシーンが挿入されるのも、なかなか面白かったです。この映画の主人公三人のように、相当な映画マニアでなければ???ですが。私もほとんど何の映画か分かんなかった。筋金入りの映画狂には、粋で楽しい演出かも。
 映画の内容も、思ってたより暗くもエロくもなかったです。
 パリに留学に来て、映画三昧で、魅力的でエッチな姉弟と仲良しになって、愉快でエロい毎日なマシュー。羨ましい!の一言です。家の中でやってることは、かなりアブない退廃的な遊びですが(映画クイズの罰ゲームとか)妙にアッケラカンとして楽しそうなんですよねえ。別に命に別状があることも、他人に迷惑をかけることもないので、いいんじゃない?私も仲間に入れて!とさえ思えます。
 イザベルとテオの関係は、かなりヤバい。いくら双子とはいえ、いつも一緒な一心同体ぶりは、近親相姦よりも不思議で奇異な感じ。まさに夢の中で生きてる二人。非現実的な五月革命の混沌と重なります。
 三人とも、服を着てるよりスッポンポンのほうが多い?!まさにパリの裸族です。ちゃんと服を着てる時の姉弟は、パリの60年代ファッションがオシャレでカッコいい。
  
 それにしてもマシューくん、せっかくパリに留学してるのに、フランス語を習得できそうにないのが気になった。ペラペラ英語を喋るイザベル&テオ、マシューのためにフランス語でシルヴプレ~!
 マシュー役のマイケル・ピットは、フツーっぽい可愛さ?文系の男にしてはマッチョな肉体です。
 イザベル役のエヴァ・グリーンは、そんなに美人じゃないけど、「ルパン」や007でもそうでしたが、時おり少女っぽい表情を見せて可愛いと思えることが。英語が得意な彼女らしく、あまりフランス人が喋ってるって感じがしなかったのがスゴい。
 エヴァご本人も、おもろい娘なんですよねえ。来日インタビューでの彼女、気取らないというか、開けっぴろげというか。ぶっちゃけトークが笑える。共演したことがある若いアメリカとイギリスの男優(おそらく、この映画のマイケル・ピットと、「キングダム・オブ・ヘブン」のオーランド・ブルームのこと)の撮影中の情けない素顔を、おもしろおかしく暴露したり。今後も、若き映画界ご意見番エヴァグリの発言に注目♪
 テオ役のルイ・ガレル。彼はねえ、何というか、個性的、という言葉では形容しきれない俳優なんですよねえ。好き嫌いがハッキリ別れるタイプだと思う。スゴい美男なのか、キモブサ男なのか、意見も別れる顔。ワタシ的には、ヘンな顔だけど、見慣れたらイケる、みたいな。暗くて重いんだけど、ふいに笑ったりしたら、年相応に可愛く見えたり。エヴァもマイケル・ピットも脱ぎっぷりが良すぎたけど、とりわけガレルくんは圧巻の裸族ぶり。「ジョルジュ・バタイユ ママン」でもそうだったけど、まさにボカシ王子です。またシコシコやってたし、自慰王子でもあります。日本の若手俳優ではありえない演技です。
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篤姫(29)~(33) 雌鳥鳴けば家滅ぶ

2008-08-18 | 日本のドラマ(連続)
 「篤姫」第29話から33話まで観ました...

 まず29話...
☆もう尚ゴローちゃんと呼ばないで
 とっくの昔に、小松帯刀という立派な名前を授けられてるんだけど、まだ頼りなくて可愛い感じが抜けきれてないので、いまだに私にとっては尚ゴローちゃんと呼ぶほうがシックリきます。
☆斉彬パパ&お由羅
 久々の登場!息子の斉彬は壮年で卒去したのに、爺のパパはご壮健!お由羅さんも、とても孫がいるとは思えぬ若々しさです。お二人とも相変わらず、みんなに嫌われてるのが可哀想。
☆女帝になりたい未亡人
 何かと幕政に口を挟もうとする篤姫あらため天璋院。亡き上様のご意志を、とか言ってるけど、少女時代からの出しゃばり癖がムズムズしてるようにしか見えません。古今東西、女が政治に関与するとロクなことにはならないのは定説。すっこんでなさい!
★総括
 篤姫に屈しない唯一の人物っぽい井伊直弼が、小気味よくて素敵。彼だけは、簡単に篤姫にコロっと攻略・懐柔されないでほしいな。
 MVPは、篤姫をバカにしきった慇懃無礼さが秀逸な、中村梅雀!

 つづいて、第30話...
☆老害!
 亡き斉彬の志を継ごうと張り切ってた久光や、尚ゴローちゃんたち家臣。でも、斉彬パパのせいで新体制も頓挫。現代の国会でも、老害な政治家っていますよねえ。
☆SMかよ
 捕らえられた僧・月照の縛られ方が、何だか亀甲縛りっぽいのが笑えた。
☆ホスト将軍
 家茂がねえ、どうも歌舞伎町系な顔で苦手。母上さま♪と天璋院に必要以上に優しくするところも、接客中のホストみたい...スゴい棒読みなのも、ちょっと...
☆重野
 幾島の代わりに、天璋院の片腕となる御年寄り。あれ、久本まさみ!?
★総括
 家茂が、my タイプな男子だったらな~池松壮亮なら、さぞや可愛く凛々しい上さまだっただろうな~
 MVPは、特になし。
     
    西郷どん、今はトロピカルな南の島でバカンス中、じゃない、島流し中
 
 そして、第31話...
☆クールな女が好き
 すぐに大人げなくヒステリックに大声で喚く幾島が鬱陶しい。こんなオバサンになりたくない。逆に滝山の冷静沈着さは、見習わねば!と思わせるカッコよさ。
☆美しい老女
 捕まった村岡は、何と72歳だって!演じてる星由里子さんも、もうそんな年?きれいですよね。
☆パパさん死亡
 ああ、とうとう斉彬パパがポックリ逝っちゃった。合掌。でも、しぶとく生きたね。号泣するお由羅、愛する男を亡くした悲嘆は、ホンモノのようで同情。やっぱ悪女なんかじゃないですよね。みんな誤解してる!
★総括
 幾島が去って、涙というよりホっとしました。苦手なキャラだったので。でも、網タイツ時代の松坂慶子は好きです。
 MVPは、特になし。

 さらに、第32話...
☆勝海舟も苦笑い
 アメリカへ渡航する使者として、勝海舟(北大路キンキン)が上さまの御前に。
 当然のように上さまのそばに陣取り、あれやこれやシャシャリ出る天璋院、下座に控える井伊直弼に、ネチネチとイヤミや当てこすりを。そんな女の矮小な意地悪さを、サラリとかわす井伊が素敵です。
 久々に登場したジョン万次郎こと勝地涼くん、何だかピーターみたいな顔になりましたねえ。民放の「四つの嘘」の彼も、全然ボクサーらしくないしイケてなかったので途中リタイア。
☆井伊まで
 茶室で天璋院と井伊。あ~ヤな予感!は的中。ちょっと茶の手前を褒められて、台拭きみたいな布きれをプレゼントされたぐらいで、とうとう井伊まで天璋院に敬服。ええ~そんな簡単に~井伊だけは、お茶の中に何か一服盛る、ぐらいのことをするキャラになってほしかったです。
★総括
 自己主張もいいけど、家茂をもうちょっと立ててあげようよ天璋院。良い子すぎる家茂も、ちょっと気持ち悪いぞ。
 MVPは、桜田門外で井伊の乗った籠に突進するイケメン若武者♪(誰?)

 最後に、第33話...
☆猛女!庭田嗣子
 ガーン!梅雀以上の妖怪チックなキャラ、登場!中村メイコ、すごい存在感です。
☆美しすぎる母
 和宮の生母・観行院。何て美しく上品で優しそうなおたあさんでしょう。ぶっちゃけ、娘の和宮よりイケてます。大好きな美しき怪女優・若村麻由美さま、ようやくの登場です!
☆岩倉具視が、なぜ
 鶴太郎が出てくると、ひょうきん族のコントにしか見えなくて...
☆ピューと笛吹くみかど
 和宮を慰めるように、笛をお吹き遊ばす主上。東儀秀樹が笛を吹くなんて、小島よしおが裸でそんなの関係ねー!やるのと同じようなネタ披露?
☆薩摩ノスタルジア
 篤姫ママ&兄、久々の登場。ママは相変わらず美しい。同じ未亡人でも、娘は色気のイの字もないのに。篤兄も、いまだにアホっぽくて可愛い。
★総括
 やっと和宮が登場して、新キャラが参戦!観行院&庭田嗣子、めちゃくちゃ扱いにくそうな女たちです。篤姫最大の敵になりそう♪胃潰瘍になるほど、篤姫をイライラ&キリキリさせて!
     
 お兄ちゃん久々の登場記念!↑今や懐かしの画像。尚ゴローとのツーショットは、ほのぼのしてたよなあ
 MVPは、和宮には優しいけど、敵にはとことん冷たく偏狭、という観行院を美しく怖く演じてくれそうな若村麻由美。次いで、宮崎あおいでは勝ち目がなさそうな迫力の中村メイコ。稲森いずみ、東儀秀樹、岡田義徳、メイコにビビりまくりな九条関白さまも良かったです。
 
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狼なんか怖くない♪

2008-08-15 | イギリス、アイルランド映画
 「ブラッドウルフ」
 現代のルーマニアで、絶滅寸前ながらも生き延びている人狼族。幼い時、アメリカで両親を人間に殺されたビビアンは、種族の首領ガブリエルの新しい妻に選ばれようとしていた。そんな中、彼女は人間である画家の青年エイデンと恋に落ちて...
 なかなか面白かったです。掘り出しもの的でした。ホラーというより、ファンタジーロマン?残酷なシーンは、ほとんどないし。ちょっと内容と設定が、日本の少女漫画ちっくで良かったです。
 人間を敵視しつつ、生き延びるために人間に混じって人間と同じ生活を送っている人狼族(ビビアンはチョコレート店の店員、ガブリエルは実業家)が、何だか可哀想なんですよねえ。バレないように、ちゃんと規則や掟を厳守してるところも、けなげというか。たまに若いのがオイタするけど、概ね人間よりも欲望が制御されてるのが立派です。狼の本能は、拉致してきた極悪犯罪者な人間を森に放って狩って殺す、という儀式で満たしてるのも、ちょっと正義の仕置き人っぽくて面白い。儀式での、人間の姿から狼に変身するシーンは、カッコよくて美しいです。

 でも、そんな儀式も、種の繁殖のためにガブリエルと結婚するのも嫌なビビアンは、知り合った人間のイケメン画家と禁断の恋。デビルマンのごとく、裏切り者の名を受けて~すべてを捨てて戦う女~♪に。そんなビビアンと画家に襲いかかってくる人狼族ですが...やっぱ悪い化け物に見えないんですよね。どっちかっつーたら、銀が苦手という弱点をフル活用して、刺したり撃ったり焼いたり!と狼を殺しまくる画家のほうがヒドい奴に見えます。まさに動物愛護団体から抗議ものな、狼たちの虐殺されっぷりです。可哀想!
 ビビアン役の女優は、いかにもアメリカンギャルって感じ。強そうで健康的。ルーマニアよりビバリーヒルズのほうが似合う、みたいな。
 やっぱこーいう伝奇的ロマンには、いい男が必要不可欠。その点では、内容よりも上出来かもしれないメンツをそろえてるのが、嬉しい美味しい映画かもしれません。

 ガブリエル役は、きゃオリヴィエ・マルティネス!マルちゃん、お久やん!狼のボスを、クール&ワイルドに演じてる彼、やっぱカッコええわあ。ほんとに狼っぽい。フニャヘニャした優男やガキを見慣れてる目には、新鮮とも言える大人の男の魅力です。野性的な色気に、チョイ悪風なシブ味が加わって、若い頃よりカッコよくなってるかも。フランス訛りの英語も、相変わらずセクシイ。黒い革ジャン&オートバイが似合ってて、トレビアン~あんな素敵な首領なら、喜んでお胤を...
 しかしマルちゃん、あんまし仕事熱心じゃなさそうなのが惜しい。まあ、いつも大物な女と付き合ってるから、ガツガツ働かなくても食うには困らないんだろうなあ。

 エイデン役は、きゃヒュー・ダンシー!カッコカワいいですねえ。優しそうだけど、いい具合に濃くて情熱的な感じがして好き。生え際が、ちょっと危険信号かも...
 ビビアンの従兄レイフ&その仲間たちも、ナニゲにイケメンぞろい。ビビアンがほぼ紅一点なので、作りようによってはYAOI系になってたかも。日本のBL漫画に作り変えできそうです。
 中世の趣残るルーマニアの街並みも、美しく撮られていて目に楽しいです。
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君よ生き急ぐなかれ

2008-08-14 | スペイン映画
 「サルバドールの朝」
 劇場公開時に観逃してしまい、悔しい思いをした作品。やっとDVDで...
 フランコ軍事政権下のスペイン。反体制運動家の青年サルバドールは、活動資金のため仲間とともに銀行強盗を続けるが、警察との銃撃戦の果てに刑事を射殺してしまい、死刑宣告を受けてしまう...
 うう~ん、政治と死刑か。重すぎるテーマですねえ。70年代初頭って、ほんと若者が熱い時代だったんですね。熱すぎて、自分たちだけでなく他人や社会まで燃やし大火傷を負わせた、狂熱の赤いレジスタンス時代を無軌道に、でも真剣に疾走したサルバドールの青春が、激しくも悲しく描かれています。
 とても1970年代とは思えぬ、フランコ独裁政権の人権無視な圧制と弾圧。あれじゃあ、別に政治思想がなくても逆らいたくなるよなあ。サルバドールたちの犯罪が、国民たちの非難や顰蹙をあまり買ってなかったのも理解できます。サルバドールの妹の友達なんか、捕まったサルバドールをアイドル視してたし。
 理不尽なことに黙って服従しない!戦う!という闘志は、立派だと思う。でも、あのやり方はマズいと思う。ロビン・フッド気取りで銀行強盗するサルバドールと仲間たちは、政治的信念に基づいてというより、退屈しのぎ、刺激を求めてやってるって感じだったし。そして、かなり偶発的な事故っぽいとはいえ、刑事殺しは重罪です。刑事たちが悪人キャラなので、サルバドールはまるで冤罪の犠牲者みたいに見えるのですが、被害者や遺族のことを考えると、どんな理由があったにせよ、やはり殺人の加害者には同情も共感もできません。
  
 とはいえ、このケースで死刑はあまりにも不当。日本じゃまず考えられない、ありえない。まさに見せしめ処刑。サルバドールは犯罪の加害者であると同時に、時代の被害者なのかもしれません。ガローテ(鉄環絞首刑)という処刑方法が、残酷すぎて戦慄!
 この映画の出来事と、あさま山荘事件や連合赤軍事件、三菱重工ビル爆破事件などとを思い比べずにはいられません。多くの国民から同情と支援を受けながらも処刑されてしまったサルバドールと、ほとんどの国民に恐怖と憎悪を抱かせながら、今も生きながらえている日本の元過激派青年たち。スペインと日本の皮肉な相違も興味深いです。
 サルバドールを熱演したのは、my dear ダニエル・ブリュール。
  
 ほとばしる若い激情、そして死への絶望と苦悩。ダニブリュの、生き生きと躍動感ある、そして痛々しいほど繊細な演技が素晴らしいです。演技以上に、まさに私好みのイモ可愛いルックスが、胸キュンさせる男です。
 ダニブリュのスペイン語演技、初めて見ました。彼はドイツとスペインのハーフなので、完璧なバイリンガルなんですよね。英語も堪能だし(「ラベンダーの咲く庭で」や「ボーン・アルティメイタム」など)、語学力も彼の武器。同い年のガエル・ガルシア・ベルナルと双璧を成す、若手随一の国際俳優です。
 めちゃくちゃ濃ゆい仲間役の俳優たち(イケメンが多かった)の中では、薄口なダニブリュ。ドイツ人にしては少し濃いけど、スペイン人にしては薄いところも、ダニブリュのユニークな個性でしょうか。 
 刑務所の看守役で、レオナルド・スバラグリアが登場。
  
 こ、濃ゆい~!けど、やっぱ男前♪はじめは、サルバドールにキツく当たる意地悪な鬼看守だったのに、サルバドールがパパへ書いた手紙を読んだだけで態度を軟化、すっかり友達になってしまうところが、ちょっと唐突すぎる豹変でしたが。看守さんも辛い大変な仕事だなあと、ある意味サルバドール以上に同情を覚えてしまいました。
 日本では、こういう映画って作れないのかなあ。男優にとって、TVドラマの延長みたいなチャラいヌルい映画よりも、やりがいがあると思うけど...死刑囚を妻夫木聡、看守を竹野内豊、みたいなシリアスに萌える邦画が観たい!
     
    ↑ダニブリュ&スバ、おいしそうなツーショット♪
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羞恥心を捨てろ!

2008-08-13 | 日本映画
 「炎と氷」
 今や国民的アイドルな三人組ユニット、羞恥心。メンバー中もっとも人気があるのは、上地雄輔?羞恥心のファンはほとんど彼のファン、とまで言われてるほど。
 松坂大輔の高校野球時代の先輩として、芸能界デビュー時に話題になりましたが、その後は鳴かず飛ばず状態で、売れない俳優を地味にやってた上地くんが、突然の大ブレイク!それも俳優としてではなく、おばかタレントという珍奇な形で。
 私も上地くん、好きです。でも...羞恥心の彼を、素直に応援できないんですよねえ。その理由1、いい年した男が中学生みたいなことをしてるから。嵐とかもそうだけど、可愛いというより不気味です。理由その2、あの大物お笑いタレントが背後にいるから。必死に働く三人の姿が、彼の懐に入る札束に見えます。
 上地くん、私はバカじゃないと思います。あのオバカ珍答は、かなり場を読む計算が必要なはず。それに真性バカには、可愛い!と女子を萌えさせることはできない。上地くんには、一流ホスト並みの手腕を感じます。
 上地くんのファンとしては、羞恥心は期間限定にしてほしい。このままやってたら、チープなタレントのイメージが根付いてしまう。全国に名前は売ったし、今度は本業で認められる仕事を!
 売れない時代にチョコチョコ出てたドラマや映画、Vシネマでの上地くんの演技、悪くないんですよね。やっぱオバカは演技だな、と思えるほど。演技力は間違いなくある上地くんが売れる前に、羞恥心のファンにとっては衝撃的な、でもハマリすぎな役で出ているVシネマを観ることができました。
 九州の高校で親友同士となった若瀬と世良。東京で裏金業者となった二人は、闇社会でのし上がる戦いに明け暮れることに...
 クールな若瀬は頭脳派、熱い世良は武闘派。正反対の二人の仲良しぶりが、かなり怪しい。少年時代の彼らなんて、結構イケメンが演じてるせいもあって、ほとんどBL映画じゃん!みたいな。世良のビーバップな不良キャラが、ちょっとレトロ?で笑える。
 裏金に金を借りにくる人々への応対も、なかなか興味深かったです。裏金さんって、ただ金を貸すだけじゃなく、細かいところまで観察してるんですね。
 大人になった世良が竹内力なのは、ちょっと恰幅が良すぎるものの、あまり違和感なかったけど、若瀬が宇梶剛士なのが???宇梶さんも悪くないけど、少年若瀬って顔が極小でモデルみたいにスタイルが良い男子だったので。
 で、我らが上地くんは、映画の後半になって出てきます。
 ラブホテルの一室、男女がベッドの上でエッチの最中。かなり年上な女がアンアンよがりながら、ガンガン腰を動かす若い男にしがみつき...
     
女『私にはカズヤしかいないの~お願い、愛してるって言ってぇ』
男『(冷めた顔で)愛してますよ、トモコさん』
女『いやっトモコって呼んでぇ』
男『(ちょっとウンザリ)愛してるよ、トモコ』
 ひゃ~!上地くん、堂の入ったスケコマシぶり!甘い口調と裏腹な、けっババアが盛りやがって、みたいな表情が絶妙です。腰の動きが激しいのも素敵さすが、元野球選手!エッチもスタミナありそうだ!
 さらに、エッチの真っ最中に、トモコのヤクザな亭主が乱入!このクソガキが、どう落とし前つけるんじゃ!と怖いヤーさんに脅され、あわわわわ、なカズヤくん。その可愛いアホ顔ときたら
    
 これをきっかけに、自分の客を若瀬のところへ案内する“裏金の連れ込みホスト”となって重宝されちゃうカズヤくん。風俗嬢の客に金を借りさせる時の甘えた可愛い態度など、うわあヤクザよりタチの悪いやっちゃなあ!と怖くなります。ぜんぜん悪い男にもズルい男にも見えないところが、カズヤくんの恐ろしさ。こんな男に騙されて、地獄を見る女は多いんだろうなあ。
 天使のような悪魔の使者を、上地くんが可愛らしく演じてます。まあ、ホストなんて羞恥心の上地くんそのものな役ですが。ホストスーツも似合っててカッコ良かった!あんなホストがいる店、行ってみたいものです。
 当時の共演者たちは、あのカズヤが人気スターなってビックリしてるだろうなあ。特にトモコさん、あの上地雄輔とベッドシーンしたのよ!と、自慢してるのでは?
 ブレイクがもう少し遅ければ、Vシネで脱ぎまくりヤリまくり系な、もっと美味しい仕事やってたはずなので、ファンにとっては惜しい今の出世かも?でも役者は、過去恥部になるほどの下積みがないとね。魅力的なベテラン俳優ほど、いっぱい封印したい仕事してるものです。
 この映画、パート2があるみたいだけど、カズヤは出てるのかな?世良の子分(ちょっと岡田あーみんの漫画に出てくるようなアブないキャラで笑える)の妹を弄んで自殺に追いやったのは、どうもカズヤらしいので気になる。でもホント、カズヤったら。あんな人の好さそうな可愛い顔して、ヒドい奴ですねえ。
 俳優としての素質も魅力もある上地くんなので、そろそろ本業に腰を据えてほしいと願わずにはいられません。でも、バックにあの大物お笑いタレントがいるかぎり、恩義の名のもとに不本意な仕事でコキ使われ、絞れるだけ絞りとられちゃう予感この映画の、裏金に金を借りた人々と上地くんがカブります...
     
 ↑仲良しさんの小泉コータローと。演技力は、上地くんのほうが確実に上です。二人とも、今のところは“自称俳優なタレント”。海外俳優の同世代は、ガエル・ガルシア・ベルナル、ダニエル・ブリュール、リィウ・イエ、ジェームズ・フランコだぞ!もっと映画やドラマで年相応に頑張れ~!大人の役者としてブレイクを!
※速報!十月スタートの新ドラマに、上地くん主演!でも、上戸彩の相手役...向井理とかもそうだけど、いくら好きでも観るのはキツすぎる、な仕事ばかりで残念...
 
コメント (2)
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