まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

哀しみの熟年スパイ

2012-11-20 | イギリス、アイルランド映画
 「裏切りのサーカス」
 東西冷戦時代のイギリス。英国諜報部、別名サーカスの元諜報員スマイリーは、組織内に潜伏しているソ連の2重スパイの正体を突き止めるよう指令を受けるが…
 元スパイの作家、ジョン・ル・カレの小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化。スパイものといえばのアクションやサスペンスを一切排除したリアルフィクション、とでも言うのでしょうか。スパイなんて、私からすれば宇宙人や魔法使いと同じくらい非現実でファンタジーな存在なので、一般人の知らないところでこんなことがホントに起きてるのか、と観ていて不思議な思いにかられるばかりでした。当時の国際情勢もチンプンカンプンなので、スマイリーたちがいったい何をしているのか???で、話について行けませんでした。
 話が理解できない上に、暗くて淡々とした展開やムードがかなり寝るなー!寝たら死ぬ!な雪山遭難系で、何度も睡魔に襲われてしまいました。私はやっぱ。ミッション・インポッシブルや007みたいなド派手でエンターテイメントなスパイ映画のほうが好きです。
 それにしても。ひそやかで危険な諜報活動に命を賭けるスパイたち、お国のためとはいえ、邪魔になったりしくじったりしたら、虫けらのように踏み潰されてしまうのが哀れすぎる。諜報員って、でもどーやってなるんだろう?フツーに就活してなるのかしらん?
 キャストがシブくて魅力的です。

 スマイリー役で、意外にも初めてオスカーにノミネートされたゲイリー・オールドマン。かつては英国の異端児的な、知る人ぞ知る的な個性派男優だった彼も、ハリポタやバットマンなど超メジャーな人気シリーズで、すっかり映画ファンにはおなじみの存在に。彼が主役として高く評価されたのって、久しぶりのことではないでしょうか。静かな孤高の中にも冷徹な凄気を感じさせる演技、そして枯れた哀愁は、チャラい若造男優を見飽きた目には新鮮でした。
 いろんな映画にチョコチョコ出てる多忙俳優マーク・ストロングの、翳りのある男前ぶりも相変わらず良かった。TVシリーズ「シャーロック」で人気のベネディクト・カンバーバッチが、いちばん目立つ美味しい役だったかも。顔がキツすぎて、私はちょっと苦手ですが…
 コリン・ファースの胡散臭い紳士ぶりも秀逸でしたが、私がこの映画を観たのは言うまでもなく、my new 英国愛人トム・ハーディ目当てさ♪

 東側への出張スパイ役のトム、出番は少なかったけど、やっぱ可愛いいつもより長めの髪も、彼をいっそう若々しく可愛く見せてました。ゴツいけど優しそうなところがいいんですよねえ。それにしても。敏腕でタフな野郎系、でもロマンチストで女に弱いスパイ、なんて「BLACK & WHITE」と同じじゃん。見た目が明るく爽やかで強そうなので、絶望したり嘆いたりする沈鬱な役が似合わないトムです。
 この映画、かなりゲイ色が濃ゆいです。男色シーンとかはないのですが、絡み合う視線や切ない言葉で、シブい男たちがゲイゲイしく苦悩してます(笑)。でも、熟年男同士の愛は萌えませんわ。乙女脳な腐は、やっぱ若く美しいBLじゃないとキュンキュンこない♪

 ↑トム、甘えすぎ!ゲイリーおじさん、困ってるよそーいやこの二人、「ダークナイト ライジング」でも共演してましたね。こんなゴツくて可愛い男が甘えてきたら、愛い奴じゃのうと、おじさんもメロメロになりそうですね



 

 
 
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グレーゾーンの毒婦!

2012-11-11 | 日本のドラマ(単発)
 録画してたフジテレビの松本清張ドラマスペシャル「疑惑」を、まったりと観ました♪
 新潟の港で、老舗鍛冶屋の主である白河と、その妻球磨子の乗った車が海に転落。脱出した球磨子は九死に一生を得たが、白河は死亡する。前科持ちの毒婦である球磨子は、すぐに警察とマスコミから保険金殺人の疑いをかけられる。逮捕された球磨子の弁護を引き受けた佐原は、球磨子と衝突しながらも裁判で無罪を勝ち取るべく奔走するが…
 これまで何度も映像化された、清張作品の中では屈指の知名度を誇る作品。最近では、田村正和の佐原、沢口靖子の球磨子でドラマ化されましたが(こちら)、やはり何といっても最高傑作は、桃井かおりと岩下志麻の映画版ではないでしょうか。子どもの頃TVで初めて観たのですが、ほとんど化け物だった2大女優の迫力と毒々しさは魅惑のトラウマとなり、「犬神家の一族」同様に怖いけどたまに観たくなる作品となったのです。
 あまりに濃ゆくてスパイシーな映画版と比べて、TV版は悪くないけど薄口でインパクトに欠ける印象が否めない。この最新版「疑惑」も、過剰な期待はせずに観たのですが…
 やはり、悪くはなかったです。フツーに面白かった。よくできた2時間ドラマって感じでした。時代を平成に置き換えてたのですが、そんなに強引で不自然な変更感もなかったです。でもやっぱ、こういう情念に満ちた事件は、暗く重苦しく殺伐とした昭和のムードのほうが合ってるかも。そして、平成に直したために裁判員裁判となっていたのが、仕方がないとはいえ何か余計な感じが否めませんでした。裁判員と家族の話なんて、必要なかったし。
 女優の演技と魅力が、予想通りとはいえ、映画版には遠く及んでなかったのも、ちょっとだけ残念でした。まあ、今の女優に桃井かおり&岩下志麻以上のものを求めるほうが酷で無理なんだろうけど…

 球磨子役の尾野真千子は、地味になった北川景子みたいな顔?なかなか熱演してました。ガラの悪いアバズレ感もよく出てた。でも、何だろう。球磨子といえばの、こいつホントは殺ってんじゃねーの?!な、限りなく黒に近い灰色感があまりなかったような。必死に無実を訴えてる姿は、冤罪なんだろうなと思わせるものがあったし。何だか冤罪と闘うドラマっぽくなってたような。なので、主題である“疑惑”の妖しさが薄まってしまった。あと、あまり性悪にも見えなかった。ただの粗暴なヤンキー女みたいだったし。毒が足りなかったせいか、怖くなかったです。でもこれは、尾野真千子の演技と個性がダメというより、脚本のせいだと思います。
 佐原役の常盤貴子、何か久々に見たけど…昔と変わらないですねえ。今でもきれい。老けない人ですね。羨ましい!演技も昔と不変。アラフォー女とは思えぬ深みや陰影のなさです。佐原は、いったい何歳の設定だったんだろ?ひょうひょうとしたキャラとして演じてたんだろうけど、ただもう軽い!不思議ちゃんっぽい言動も、ちょっと…このドラマが片平なぎさ主演の2時間サスペンスっぽくなってたのは、常盤貴子が軽すぎたからかもしれません。
 あと、球磨子と佐原の衝突に、女のイヤらしさがなくて面白くなかった。何だか今にも互いに気があって仲良くなりそうな雰囲気さえあって、とほほ。
 あと、脇役がフツーの2時間ドラマ以上に地味だった。それがこのドラマを薄く軽いものにしてしまった大きな敗因かもしれません。映画版と田村正和・沢口靖子のテレ朝版は、胸焼けしそうなほど濃ゆいメンツだったから面白かった。
 唯一、白河役の柄本明だけはさすがの存在感でした。みじめで哀れな、でも老いらくの妄念に衝き動く姿が怖かったです。そういえば柄本氏、映画版の疑惑に記者役で出てましたね。映画版、また観たくなってきました!明日レンタル店行こっと♪って、同じこと考えてる人、多いんだろな(笑)。「柳生一族の陰謀」の時もそうだったし。
 
 蛇足ですが…
 平清盛、ついにリタイア頑張って観てたんですが、あまりのキャストのショボ化&話の退屈化に、もう耐えられなくなりました。大好きな時代なのに(涙)。さよなら清盛
 今は、ぶっとびエロ昼ドラ「幸せの時間」を、寝る前に観るのが楽しみになってます♪
 
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悪い夢ほど光る

2012-11-07 | 韓国映画
 「白夜行 白い闇の中を歩く」
 刑務所から出所したばかりの男が殺害される。警察の捜査で、被害者の元愛人が14年前の殺人事件の遺族であることが判明し、彼女の息子ヨハンの存在が浮上する。一方、14年前の事件を担当していた刑事のドンスは、容疑者の娘ジアがミホと改名し、財閥の当主と婚約していることを知るが…
 東野圭吾の原作は、日本でもTVドラマ化、映画化されました。ワタシ的にはあまり魅力を感じないキャストだったこともありスルーしちゃったのですが、この韓国の映画版は俳優陣が頑張ってると聞いたので、とりあえず観てみました。噂通り、なかなか魅力的な熱演を披露していました。

 ヨハン役のコ・ス、初めて演技をするところを見たのですが、気合いの入った熱演でした。見た目は溝端淳平+中村俊介を薄く地味にした感じ?のイケメン。すごく不幸せそうな顔とムードが、暗く重い運命を背負ったヨハン役に合ってました。ヨハンみたいな役は、やっぱ自分にとって???なルックスの男優だと、感情移入できませんよね。その点、コ・スは合格点、いや、高得点をあげていいかも。

 ポイントの高さは、やはり果敢で大胆なベッドシーンへの挑戦にあります。パトロンの熟女と激しく交わるシーン、結構ハードでエロいです。

 お尻も丸出し、鬱積した暗い熱情を吐き出すかのように、黙々と激しく熟女を責める腰や手の動きは、おお~いい仕事してるねえと感嘆しました。ギリギリの露出といい、「ラスト、コーション」ちっくなアクロバットな体位といい、細身ながら引き締まった肉体美といい、コ・スくんの頑張りに拍手したいです。

 韓国の若手俳優は、ヤルときはヤってくれますよね。日本の若手は、チャレンジ精神がなくてヌルすぎます。美しく情感あふれる濡れ場ひとつできないくらいじゃ、いい役者とはいえません!
 ジア/ミホ役のソン・イェジンも薄幸そうな美人で、役に適してました。清楚さは良かったけど、もうちょっと毒があったら、貪婪で冷酷な悪女にならざるを得なかった凄味や悲しみが出てたかも。彼女のベッドシーンは、大したことないです。
 刑事ドンハ役のハン・ソッキュは苦手な俳優でしたが、年齢を重ねていい感じに枯れて哀愁も出てきてましたね。うらぶれ感や悲壮感が、ある意味ジア&ヨハンより痛ましかったです。
 それにしても。あそこまで男に愛され守られ尽くされ、破滅までしてくれるなんて、女冥利につきるジアでした。不幸や犠牲を糧に輝く運命の女、ファムファタールって、やっぱ憧れます。
 ジア&ヨハンの犯罪は、かなり大胆というかイチかバチかな賭博的で、荒っぽく雑でもあって、これじゃあ完全犯罪は無理だろ~なかなかヨハンのシッポを掴めない韓国の警察、相変わらず無能やのお、と苦笑いしてしまいました。
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本当は恐ろしい白雪姫

2012-11-06 | 北米映画 08~14
 「スノーホワイト」
 王女のスノーホワイトは、父王を継母のラヴェンナに殺され、牢に投獄されてしまう。邪悪な魔女であるラヴェンナは魔法の鏡から、美貌と魔力を保つためには美しく成長したスノーホワイトの心臓を食べなければならないと告げられる。スノーホワイトは脱獄に成功するが…
 白雪姫をダークファンタジー風にアレンジした作品。ラヴェンナの魔術(無数のカラスに変身したり)や禍々しくも美しい衣装、スノーホワイトが迷いこむ黒い森や妖精の森などの明と暗のファンタジックさは目に楽しく、イマジネーションの豊かさに感嘆させられました。スノーホワイトがジャンヌ・ダルクみたいになって戦う設定も、ユニークかつ現代的で面白かったです。しかし…
 何かがおかしい、何かが違う、という疑念が観ている間、ずっと脳内をグルグルしてしまい、いまいちハマれなかった。たぶん…観客のほとんどが、私と同じことに引っかかってたはずです。そう、それは…ヒロインであるスノーホワイトです。
 スノーホワイト、キャラは悪くない。か弱い少女が強い女に成長する姿には、共感がもてます。しかし…魔法の鏡が言うような、この世で一番美しい女ではないだろ?!誰が見ても、ラヴェンナのほうが美しいです。白雪姫が清純無垢な絶世の美少女であることが、何よりも重要なポイントなのに。はじめの頃も可憐な美少女じゃないし、後半もカッコいい女戦士には見えなかったし。美貌とカリスマの欠如が、決定的な敗因と言えましょう。
 スノーホワイト役を、「トワイライト」シリーズで人気のクリステン・スチュワートに演じさせたのは、痛恨のミスキャスト。お姫さまじゃなく、アメリカンハイスクールの生徒にしか見えないし。彼女、美人なのですか?個性的だとは思うけど…いつも開いてる口からのぞくデカい歯が、品がなくてトホホ。シャクレ気味なのも気になって仕方がなかった。私が高齢化したせいか、最近は人気も魅力も???な女優が多すぎます…
 この映画のヒロインはスノーホワイトではなく、完全に魔女ラヴェンナです。美しさといい演技力といいクリステン・スチュワートを圧倒、女優としての格の違いをコレデモカ!と見せつけたシャーリーズ・セロンのワンウーマン映画みたいでした。

 シャー子さんの映画を観るたびに思うのですが…シャー子さんって、自分の美貌を憎んでいるのでは?美貌崩しな演技が多いし、美しさでイイトコ取りするような役は絶対演じないですよね。今回のラヴェンナも、美しい女が生きづらいのは美貌、そして男のせい!美しさも男も害毒!と主張してるような役に感じました。フェミニストな怪気炎をメラメラドロドロと燃やすシャー子、美しいせいでイヤな目にばかり遭ってるのでしょうか。せっかく超美人に生まれたんだから、もっと肩の力を抜いて楽しんで!と言いたくなります。
 ラヴェンナの素性とか復讐?とか、よく解からないところも結構あってスッキリしません。
 スノーホワイトに絡む男ふたり、猟師と幼馴染の貴族青年が男前&イケメンでした。

 猟師役のクリス・ヘムズワースは、ゴツい!屈強そうで頼もしいです。斧を振り回して闘うのは、彼の当たり役「マイティ・ソー」と同じでご愛嬌でした。それにしても、ホントに熊でも倒せそうな容貌ですよね。
 幼馴染の貴族青年役のサム・クラフリンも、なかなかイケメンでした。イケメンだけどナヨナヨしい優男じゃなかったのが良かったです。
 せっかく男前&イケメンが絡んでくるのに、トライアングルな恋愛要素が希薄で残念。結局スノーホワイトは、どっちを選んだのでしょうか。貴族が夫で猟師が愛人?
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出しても出しても…

2012-11-05 | イギリス、アイルランド映画
 あ~。ハタから見れば、平和で楽しい毎日なはずなのに。五体満足で家族もいて仕事もって、不平や不満なんか口にすればバチが当たる毎日なのに。なのになぜでしょうか。一日が終わり眠りにつく前に襲われる、この虚しさや寂しさは。
 自己分析すると、おそらく最近の自分が本来の自分じゃない、違う自分を一生懸命演じてることから来る疲れと自己嫌悪が原因だと思われます。
 いい年をして若い者に調子を合わせ、迎合することに必死な自分が、イタすぎる。イタい年寄りと自覚していることが、最近は激痛になってきてます。
 いい年して何で高校生みたいな悩みを、と自嘲の涙が出ます。高校生の頃は、もっと毅然としてたはずなのに…今日も、自分を貶めるような軽んじるような言動をしてしまった…
 若い子と楽しく同化しているようで、その実けっして同じではないことも、よくわかっているのです。私も同じように若ければ、若い子の身勝手さや無神経さや幼稚さや気まぐれにも本音で対抗対応できるけど…気づかないフリしてスルーするのは、そんなことで気まずくなりたくない、友好関係を壊したくない、嫌われたくない、という年寄りのズルさ弱さでしょうか。自尊心をズタボロにしてまで、若い子と仲良くする必要あるのかな、とも自問自答しているのですが…
 楽しい、けど苦しい関係と。寂しい、けど心静かな独りと。後者に戻りたい、けど、どっぷり前者に浸かってしまった後では、それが難しい。こんなにしんどいなら、もう独りでいい。けど、大人げない手段や態度で前者を断ちたくない。妙なプライドも、イタさのひとつです。 
 あ~。どうせ私は孤独死するんだから、早く独りに慣れ、独り上手にならねば!寂しくても、自尊心は取り戻さねば♪
 
 「SHAME シェイム」
 ニューヨークに住むビジネスマンのブランドンは、娼婦やナンパした女とのセックス、そして自慰行為に耽溺する日々を送っていた。そんな中、妹のシシーがブランドンの部屋に転がりこんでくる。シシーは自殺未遂常習の恋愛依存症者だった…
 うう~ん。気持ち悪い映画でしたセックス依存症、怖い病気ですね。ある意味、ガンより怖い。絶対罹りたくない病気です。セックスが、とてつもなく醜悪で病的な行為として描かれてました。
 悪いものに憑かれたかのようにセックス&オナニーしまくるブランドンが、ほんと不気味でした。イタすぎる。とにかく、毒や膿を出すかのように射精しまくるブランドン。早く病院に行けよ~としか思えませんでした。愛も欲望もない性行為なんて、ただの排泄と同じ。虚しすぎます。あと、女性を男の性処理の場、トイレみたいな存在にしてたのも、すごく不愉快な映画でした。おゲージュツっぽい映画になってますが、はっきり言って下品で不潔な内容です。

 ただのエロとして楽しむのではなく、あまりにも突き詰めて深刻に性の深淵を覗き込むのは、いかがなものか…セックスって超個人的な問題なので、ある程度はベールに包んでおいたほうがいいと思う…こんな映画を観ても、誰も楽しいとは感じないだろうし。人の心、秘部や恥部に立ち入りすぎるのは、なるべくなら忌避したいものです。
 ブランドンのセックスライフは苦痛と苦悶に満ちていて、ちっとも気持ちよさそうじゃないのが、だんだん滑稽にも見えてきます。よくそんなに出るなあ、精子の無駄づかい!と苦笑を禁じえませんでした。あんなに酷使してたら、ココロの前にチ○コが壊れそうですが。ピーターとか職場の若い男子との下ネタトークでも、連続3回はフツーとは聞いてますが…若い男は無尽なんですね(笑)。
 相手は誰でもいい、いや、いなくてもいい、とにかく射精しないと気が狂うブランドンは、不特定多数の女とのファックや時間と場所も選ばぬ自慰では抑えきれず、何とゲイの発展場まで赴き、男とも!おいおい~これは笑いを狙ってんのかしらん?とさえ思ったブランドンの、破滅的な性なる彷徨に驚愕&恐怖。
 兄が兄なら妹も妹。ブランドン同様、シシーも異常すぎて…尻軽とか淫乱とかなら、まだ理解できるんだけど…シシーは恋愛依存症というより、重度の躁鬱病に見えました。男よりまず精神科医です。
 ブランドン&シシーの兄妹関係が、不可解かつ不気味でした。あの二人、過去に何か忌まわしいことがあったのでしょうか?曖昧で怪しいムードとやりとりだけで明確にはされず、観客の想像に委ねられていましたが。二人が病んだのは、そこらへんに元凶がありそうです。謎のままだったので、それじゃ心が病んじゃうよなあという納得も同情もできないまま、ただの気持ち悪い兄妹で終わってしまいました。
 ブランドン役は、最近売れっ子なマイケル・ファスベンダー。

 ファスベンの、イタすぎる痴態が圧巻です。これほど性的な演技に身をさらした男優、今までいたでしょうか。セックスも自慰も放尿も、本番としか思えませんでした。よくやるなあ~と、呆れるやら感嘆するやら。とにかく、ちょっと他の男優がマネできないような大胆で果敢すぎる演技は、賞賛に値します。ジョージ・クルーニーも絶賛した、ファスベンの巨大なイチモツも拝めますデカすぎて怖いわ(笑)。彼のカジュアルなファッションもオサレでした。長身でスタイルがいいので、何を着てもカッコいいファスベンです。
 それにしても。ファスベンみたいなイケメンだから鑑賞に耐えられたし、話も成立したのでしょう。ブランドン役をもしブッサイクなキモい男が演じてたら、それこそ女性に対する冒涜、虐待映画になってたことでしょうし。
 シシー役は、こちらも売れっ子なキャリー・マリガン。彼女も若いのに、女優魂ありますよねえ。ヘアとか平気で丸出しだもん。日本の女優は見習ってほしい。彼女のジワジワコワレ演技は、まるでホラーな怖さです。
 美しい映像が印象的です。ニューヨークが幻想的に撮られています。特に、リッチで孤独な大人のムード漂う夜のニューヨークが素晴らしいです。

 ↑カッチョEですね~1977年生まれ、現在35歳。同い年、同じ英国系のトム・ハーディ同様、おとこ盛りの昇り調子なファスベン。今年は出演作がガンガン公開されました。今年最後の日本公開作は、クローネンバーグ監督の「危険なメソッド」になりそう?
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キューティブロンドの二股大作戦!

2012-11-01 | 北米映画 08~14
 「BLACK&WHITE」
 CIAの凄腕コンビ、タック&FDRは、任務中の失態のせいで内勤となる。ヒマを持て余した彼らは、出会い系サイトとナンパでそれぞれ魅力的な女性と知り合う。しかし、その女性がローレンという同一人物であったことが判明し、彼女をめぐって男二人の壮絶な恋のバトルが勃発!
 面白かったです。金のかかったド派手なアクション+おバカなドタバタコメディ、という私の大好きな要素がドッキングされてたので。ハリウッド映画の美味しいところをゴチャ混ぜた特大ハンバーガーみたいな映画です。アメリカのハンバーガーはデカいだけで大味!でもありますが。楽しい!でオナカイッパイになりたいだけなら、まさにうってつけの映画です。あ~笑った!面白かった!ハイ終わり…と、すぐ忘れる映画でもありますが、そんなアメリカンハンバーガーみたいな映画も、たまにはガッツリ観たくなります。アクションもラブコメも、もうネタが尽きてるので、よほど斬新でユニークじゃないと傑作には成り得ず、この映画も凡庸ではあるのですが、そういう予定調和もヘンな意味で安心できます。

 スウィートなラブコメは苦手な私ですが、この映画はラブコメというよりオバカコメディって感じでした。それがポイントの高い要因かも。明るく開けっぴろげでワイルドでアホでノーテンキで下品ってのは、もはやアメリカ人の美質のように思えます。こういう映画を観ると、アメリカ人が大好きになります。
 CIAの職権を濫用しまくって恋路の妨害合戦をする&FDRの、おまえら中学生かよ?な大人げなさすぎる言動が笑えます。でも、あれがもし日本の警察官や政治家だったら、笑えないかも…
 タック&FDR、見た目はそれこそ白と黒ぐらい違うのですが、キャラはどっちも似たような大人げないオトナコドモだったので、もう少し個性を描き分けてほしかった。それにしても。あの二人なら出会い系やナンパしなくても、女のほうからいくらでも言い寄ってきそうでしたが。それと…
 タック&FDRはローレンが好き!というよりも、男としてどっちが上かムキになって競っている、あるいは一心同体同然な相方が自分より女を大事にしてることへの嫉妬、みたいな感じが中盤まではしてた。そっちのほうがワタシ的には面白いのに、フツーの三角関係ものになったので、軽く残念でした。
 タック役は、my new 英国愛人、トム・ハーディ

 ゴツい!可愛い!顔は優しく柔和な童顔で、体はガッチリムッチリしたゴリマッチョ。現在の映画界で最高のゴツカワ男タフで強靭だけど、純情で不器用に紳士的なところがチャーミングでした。ハードなアクションもカッコよかったけど、おんな子どもに超甘いシーンが、ほんと可愛かったです。タック、やたらと英国人であることを揶揄されるのですが、あれってアメリカ人のイギリス人へのコンプレックスがらみの皮肉なのでしょうか。

 FDR役のクリス・パインは、イケメンなのかそうでないのか分からない顔ですが、長身でスタイルは抜群!モデルみたいでカッコよかったです。彼と並ぶと、トム・ハーディがすごく小柄に見えました。
 ローレン役は、キューティブロンドことリース・ウィザースプーン。シャクレおばさんの彼女が、若い男前を二股!?ありえねー!納得できん!な方も多いと思いますがただ若くてキレイで可愛いだけの女より、キューティブロンドみたいな愉快で頭が良くて経験豊富なおばさんのほうが、楽しい恋愛ができそう。事実、私生活でもモテモテですもんね、彼女。見る目がある男には解かる魅力の持ち主なのでしょう。
 もちろん、女優としても素晴らしいキューテュブロンドさん。ハリウッドきっての人気コメディエンヌにしてオスカー女優でもある彼女が、日本の女芸人でもやらないような顔芸や動きをしまくって、今回も大いに笑わせてくれました。いい男ふたりにガンガン迫られてウハウハ、でもどっちかなんて選べない~困っちゃうな~♪山本リンダも殺意を抱きそうな超おいしすぎる役も、キューティブロンドだと笑って許せます。なかなか真実に気づかない彼女のボケっぷりも見事です。さすがスターの威光というか貫禄というか、男二人が完全に位負けしてました。男二人が年下にしか見えない!と思ったら、やっぱ実際にもトム・ハーディより1つ、クリス・パインより4つ年上でした。ところで…一緒にDVDを観たピーターは、彼女の顔が前田あっちゃんに似てる、と言ってました。うーん、言われてみれば何となく…?

 悪役で、独逸男前ティル・シュヴァイガーが登場したのには驚喜。彼もゴツくてカッコいいですね。どんな役でも悪人顔なのが素敵。彼ひとりだけ大真面目な演技で、気の毒なほど浮いてました。
 あと、ローレンの親友が笑えた。何でもセックスがらみにする下ネタおばさん。よく次から次へ、あんなオゲレツなこと思いつくなあと感嘆。あんな友だちほしいかも。

 ↑ゴツいゴリマッチョになる前のトムも、超可愛い

 
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