消えたパスポート。明日は日本大使館じゃ~。もうどうにでもなれ!と投げやりな気持ちになってベッドに倒れ込んだ瞬間、ハタと思い出す。そーいやパスポート、この宿に着いてすぐにフロントに預けんかったっけ?!はっと身を起こすと部屋を飛び出し、転がるように階下のフロントへ。怪訝そうに微笑みかけるボーイさんに、パスポート預けてませんでしたっけ?と切迫した声で尋ねてみると、はい、ありますよ、とあっさりパスポートを私に差し出すではないか。ああ良かった!と大安堵し、何度もボーイさんにお礼を言って部屋に戻りました。でも、だんだん落ち着いて冷静になって考えてみると、何で私がチャイティーヨーへ行くと知った時点で、パスポートを返してくれなかったのだろう?いやいや、それ以前に、海外でホテルに滞在する際に、パスポートって預けるもんだったっけ?疑問と不安がグルグルしましたが、とりあえずパスポートは手元に戻った。もう二度と離さないから、と思わずパスポートを抱きしめる私なのでした。
翌早朝5時。バスターミナルに行くためのタクシーが、宿まで迎えに来てるはず。身支度してロビーに下りると、真っ暗な中ソファであのボーイさんが寝てた!ビツクリ!ボーイさんは私に気づくとおもむろに起きて、行ってらっしゃいと笑顔で挨拶。宿の前に出ると、ちょうど一台のタクシーがやってきました。運ちゃんはこれまた愛想のいいおじさん。まだ夜が明けきれぬ車道を、かなりのスピードでタクシーは走行。運ちゃんはカタコトの英語で、イスラム国やスーチーさんの話を機嫌よくしておりました。
ヤンゴンのダウンタウンからかなり離れ、タクシーはやがて真っ暗な広い木立の中へ。あまりの暗さ、ひと気のなさに、何ここ怖い…と口に出した私に、運ちゃんはココはミャンマーの軍用地ダヨ!とにこやかに返答。暗い木立を抜けると、やがてバスターミナルに到着。たくさんの人やバス、タクシーで朝早くから混雑した空気。運ちゃんは、私が乗るバスまで連れていってくれました。バスはまだ誰も乗客がおらず、私が一番乗り。出発までちょっと時間があったので、にぎやかなターミナルを軽く散策。出発前の慌ただしく活気に満ちた光景。まだ年端のゆかぬ少年たちが、バスの窓拭きをしてたり。いい匂いを漂わせる屋台を発見し、座ってミャンマーの国民食であるモヒンガーを注文。一杯500Kの安さ。さっぱり風味のあったかい素麺?みたいな感じ。美味しかったです。
6時過ぎに再びバスに乗ると、何人か他の乗客も乗ってました。私の前の席に座った女性が、いきなり紙袋にゲーゲー嘔吐。まさかもうバス酔い?!まだ動いてもないのに。6時半になると、ようやくバスが発車。バスの中は冷房ガンガンで寒い!上着もってきて正解でした。
ヤンゴン中心地を離れ、バスは一路チャイティーヨーの玄関口であるキンプン・ベース・キャンプへと向かいます。バスの中では、ミャンマーの歌謡曲?が延々と大音量で流れてました。のどかな田園風景が続いたかと思うと、人や車が行き交うにぎやかな場所になったりと、窓外の風景も日本では見られない異国情緒いっぱい。バスが停まると、品物が入った笠を頭上に掲げた売り子さんたちが、すかさず近寄ってきたり。
11時頃、バスはキンプンに到着。ここですぐに帰りのバスチケットを買いました。そしてまたすぐに、チャイティーヨー行きのトラックに乗り換え。このトラックこそ、ミャンマー旅行のハイライトのひとつ。いろんなミャンマー旅行記を読んで、心くすぐられずにはいられませんでした。
トラックが、これまた味わい深くて。屋根がなく、荷台にギュウギュウ詰めに座らされた乗客は、まるで家畜な気分に。映画でよく見る、強制収容所に連行されるシーンに近い、とでも言いましょうか。でも乗客たちはみんなワクワクと明るく浮かれていて、楽しい雰囲気。見たところ、ミャンマー人がほとんどだったような。
トラックは、信じられないような猛スピードで、ゴーっと山道を上って行きます。急カーブでもスピード緩めず、お、落ちる!なスリル。小さい子どももお年寄りも乗客はキャッキャと大喜び。山道は凸凹でアップダウンが激しく、まさにジェットコースタートラック!スピード違反?乗員オーバー?そんなの関係ねぇ!(死語)なワイルドさ。でも、これも日本では決して味わえない異国ならではの楽しみ。私もスリルを満喫しました。ジェットコースターが苦手な人、車酔いする人は、かなりキツいかも…
30分ほどして、トラックは山頂に到着。チャイティーヨー、通称ゴールデンロック、はミャンマーでも1、2を争う人気観光地。ミャンマー人にとっては、生涯に一度は巡礼すべきとされている聖地なんだとか。
トラックを降りて、屋台や土産物店が並ぶ道をてくてく歩き続けると、階段にたどり着きました。ここで靴を脱ぎ、裸足で進まねばなりません。階段を昇ると、外国人は関所?みたいな部屋に入り、入場料を払って通行証みたいなものをもらいます。ゴールデンロックがある場所まで、真っ白な大理石みたいな地面。太陽の光を受けて、まるで鉄板状態。あ、熱っ!あちち!足の裏が焦げそうな熱さを我慢しながら歩くと、いよいよ目前にゴールデンロックが現れました。
ああ、何て大きな金タマ…もちろん卑猥さなど微塵もなく、神々しく光り輝いております。落ちそうで落ちないその不思議な姿に、神秘の力を感じます。聞けば、岩の上にある小さな仏塔に、仏陀の髪の毛が収められているとか。
このゴールデンロック、女人禁制!女性は近くに行って触れないのです。警備員が厳重に金タマを守っています。男性は金粉をもらって、金タマに擦りつけて御利益を授かることができます。田島ヨーコ先生とかなら激怒しそうな時代錯誤、男尊女卑なしきたりですが、私は別に何とも思いません。むしろ、古式ゆかしい伝統として守り続けてほしい。相撲の土俵とか神の島とか、何でもかんでも女も女も!と騒ぎ立ててズカズカ入り込もうとするのが、正しい男女同権とは思えないので…
閑話休題。陽光にきらめくゴールデンロックを心ゆくまで礼拝。広場では参拝客が、木陰でのんびりと憩っています。にぎやかな舞踊のショーとかもやってました。面白いグッズや衣服が売っているお土産店もたくさんありました。私も美味しそうなアイスクリーム(300K)を買って、木陰でひと休み。
キンプンに戻るため、トラック乗り場に戻ると、男女が大声で大げんかをしてるではありませんが。何を言ってるのかはもちろん分かりませんが、ものすごい形相で罵り合ってる。今にも刃傷沙汰になりそうな不穏さ。おじさんのほうは、奥さんと子どもと一緒。おばさんのほうは、小さな男の子連れ。かなり長い間、しつこく言い争ってました。概して穏やかでにこやかなミャンマー人も、やっぱ仏心を失うこともあるのですね。
再びジェットコースタートラックでキンプンに戻り、バスの発車まで時間があったので、お土産店が並ぶ通りをブラブラ。狭い道を、大型バスが無理やり入ってきて、ありえない方法で方向転換!店にぶつかる~!のに、ギリでセーフ。すげ~。
バスが来るまで、近くの食堂で入って待つことに。ミャンマービールを注文して、乾いた喉を潤します。目の前のテーブルでは、店員の男の子がテーブルに足をのっけて煙草吸いながらTVを観てます。これも日本ではありえない光景ですね。目の前をハエがブンブン、てのも日本ではなかなか体験できなません。
ヤンゴンに戻るバスの中では、爆睡!途中、バスがトイレ休憩?で停車。そのまま寝てようと思ったら、運転手が降りて何か食べてきたら!と降車を半強制。仕方ないので、食堂内のトイレへ。き、汚な!すぎて使用せず。食堂では、若い男の子の店員が超親切で、お腹減ってませんか?何か飲み物もってきましょうか?と優しく尋ねてきます。注文したミルクティは、甘くて美味しかったです。私が日本人だと知ると、アリガト!と笑顔。
19時過ぎに、バスはヤンゴンに到着。客引きのタクシー運ちゃんが、すわ!と群がってきます。15000Kふっかけてくる運ちゃんに、9000Kまで値引きさせて、交渉成立。この運ちゃんもめっちゃフレンドリーなおじさんで、安全なミネラルウォーターの宣伝や、日本やアウンサンスーチーさんの話をしてました。ダウンタウンでタクシーを降りると、ミネラルウォーターのペットボトルをくれました。
夕食は、にぎやかなバーベキューストリートにある、日本人がオーナーだと地球の歩き方に書いてあったコーサンというお店に入りました。ここの店員も若い男の子で、結構イケメンでしたが、日本語どころか英語も全然ダメで困った。メニューにあった美味しそうな料理を注文。牛肉のチャーハン?美味しかったけど、量が多く臭みが強かった。
宿へ戻る途中にあったユニクロみたいな服屋さんに入って、寝間着用に安いけど可愛いミャンマーっぽい柄のTシャツを2枚買って、宿に戻ってシャワーを浴びて、ベッドに転がって日誌ノートを広げたりしてるうちにウトウト、いつしか眠りについていたのでした。
to be continued
翌早朝5時。バスターミナルに行くためのタクシーが、宿まで迎えに来てるはず。身支度してロビーに下りると、真っ暗な中ソファであのボーイさんが寝てた!ビツクリ!ボーイさんは私に気づくとおもむろに起きて、行ってらっしゃいと笑顔で挨拶。宿の前に出ると、ちょうど一台のタクシーがやってきました。運ちゃんはこれまた愛想のいいおじさん。まだ夜が明けきれぬ車道を、かなりのスピードでタクシーは走行。運ちゃんはカタコトの英語で、イスラム国やスーチーさんの話を機嫌よくしておりました。
ヤンゴンのダウンタウンからかなり離れ、タクシーはやがて真っ暗な広い木立の中へ。あまりの暗さ、ひと気のなさに、何ここ怖い…と口に出した私に、運ちゃんはココはミャンマーの軍用地ダヨ!とにこやかに返答。暗い木立を抜けると、やがてバスターミナルに到着。たくさんの人やバス、タクシーで朝早くから混雑した空気。運ちゃんは、私が乗るバスまで連れていってくれました。バスはまだ誰も乗客がおらず、私が一番乗り。出発までちょっと時間があったので、にぎやかなターミナルを軽く散策。出発前の慌ただしく活気に満ちた光景。まだ年端のゆかぬ少年たちが、バスの窓拭きをしてたり。いい匂いを漂わせる屋台を発見し、座ってミャンマーの国民食であるモヒンガーを注文。一杯500Kの安さ。さっぱり風味のあったかい素麺?みたいな感じ。美味しかったです。
6時過ぎに再びバスに乗ると、何人か他の乗客も乗ってました。私の前の席に座った女性が、いきなり紙袋にゲーゲー嘔吐。まさかもうバス酔い?!まだ動いてもないのに。6時半になると、ようやくバスが発車。バスの中は冷房ガンガンで寒い!上着もってきて正解でした。
ヤンゴン中心地を離れ、バスは一路チャイティーヨーの玄関口であるキンプン・ベース・キャンプへと向かいます。バスの中では、ミャンマーの歌謡曲?が延々と大音量で流れてました。のどかな田園風景が続いたかと思うと、人や車が行き交うにぎやかな場所になったりと、窓外の風景も日本では見られない異国情緒いっぱい。バスが停まると、品物が入った笠を頭上に掲げた売り子さんたちが、すかさず近寄ってきたり。
11時頃、バスはキンプンに到着。ここですぐに帰りのバスチケットを買いました。そしてまたすぐに、チャイティーヨー行きのトラックに乗り換え。このトラックこそ、ミャンマー旅行のハイライトのひとつ。いろんなミャンマー旅行記を読んで、心くすぐられずにはいられませんでした。
トラックが、これまた味わい深くて。屋根がなく、荷台にギュウギュウ詰めに座らされた乗客は、まるで家畜な気分に。映画でよく見る、強制収容所に連行されるシーンに近い、とでも言いましょうか。でも乗客たちはみんなワクワクと明るく浮かれていて、楽しい雰囲気。見たところ、ミャンマー人がほとんどだったような。
トラックは、信じられないような猛スピードで、ゴーっと山道を上って行きます。急カーブでもスピード緩めず、お、落ちる!なスリル。小さい子どももお年寄りも乗客はキャッキャと大喜び。山道は凸凹でアップダウンが激しく、まさにジェットコースタートラック!スピード違反?乗員オーバー?そんなの関係ねぇ!(死語)なワイルドさ。でも、これも日本では決して味わえない異国ならではの楽しみ。私もスリルを満喫しました。ジェットコースターが苦手な人、車酔いする人は、かなりキツいかも…
30分ほどして、トラックは山頂に到着。チャイティーヨー、通称ゴールデンロック、はミャンマーでも1、2を争う人気観光地。ミャンマー人にとっては、生涯に一度は巡礼すべきとされている聖地なんだとか。
トラックを降りて、屋台や土産物店が並ぶ道をてくてく歩き続けると、階段にたどり着きました。ここで靴を脱ぎ、裸足で進まねばなりません。階段を昇ると、外国人は関所?みたいな部屋に入り、入場料を払って通行証みたいなものをもらいます。ゴールデンロックがある場所まで、真っ白な大理石みたいな地面。太陽の光を受けて、まるで鉄板状態。あ、熱っ!あちち!足の裏が焦げそうな熱さを我慢しながら歩くと、いよいよ目前にゴールデンロックが現れました。
ああ、何て大きな金タマ…もちろん卑猥さなど微塵もなく、神々しく光り輝いております。落ちそうで落ちないその不思議な姿に、神秘の力を感じます。聞けば、岩の上にある小さな仏塔に、仏陀の髪の毛が収められているとか。
このゴールデンロック、女人禁制!女性は近くに行って触れないのです。警備員が厳重に金タマを守っています。男性は金粉をもらって、金タマに擦りつけて御利益を授かることができます。田島ヨーコ先生とかなら激怒しそうな時代錯誤、男尊女卑なしきたりですが、私は別に何とも思いません。むしろ、古式ゆかしい伝統として守り続けてほしい。相撲の土俵とか神の島とか、何でもかんでも女も女も!と騒ぎ立ててズカズカ入り込もうとするのが、正しい男女同権とは思えないので…
閑話休題。陽光にきらめくゴールデンロックを心ゆくまで礼拝。広場では参拝客が、木陰でのんびりと憩っています。にぎやかな舞踊のショーとかもやってました。面白いグッズや衣服が売っているお土産店もたくさんありました。私も美味しそうなアイスクリーム(300K)を買って、木陰でひと休み。
キンプンに戻るため、トラック乗り場に戻ると、男女が大声で大げんかをしてるではありませんが。何を言ってるのかはもちろん分かりませんが、ものすごい形相で罵り合ってる。今にも刃傷沙汰になりそうな不穏さ。おじさんのほうは、奥さんと子どもと一緒。おばさんのほうは、小さな男の子連れ。かなり長い間、しつこく言い争ってました。概して穏やかでにこやかなミャンマー人も、やっぱ仏心を失うこともあるのですね。
再びジェットコースタートラックでキンプンに戻り、バスの発車まで時間があったので、お土産店が並ぶ通りをブラブラ。狭い道を、大型バスが無理やり入ってきて、ありえない方法で方向転換!店にぶつかる~!のに、ギリでセーフ。すげ~。
バスが来るまで、近くの食堂で入って待つことに。ミャンマービールを注文して、乾いた喉を潤します。目の前のテーブルでは、店員の男の子がテーブルに足をのっけて煙草吸いながらTVを観てます。これも日本ではありえない光景ですね。目の前をハエがブンブン、てのも日本ではなかなか体験できなません。
ヤンゴンに戻るバスの中では、爆睡!途中、バスがトイレ休憩?で停車。そのまま寝てようと思ったら、運転手が降りて何か食べてきたら!と降車を半強制。仕方ないので、食堂内のトイレへ。き、汚な!すぎて使用せず。食堂では、若い男の子の店員が超親切で、お腹減ってませんか?何か飲み物もってきましょうか?と優しく尋ねてきます。注文したミルクティは、甘くて美味しかったです。私が日本人だと知ると、アリガト!と笑顔。
19時過ぎに、バスはヤンゴンに到着。客引きのタクシー運ちゃんが、すわ!と群がってきます。15000Kふっかけてくる運ちゃんに、9000Kまで値引きさせて、交渉成立。この運ちゃんもめっちゃフレンドリーなおじさんで、安全なミネラルウォーターの宣伝や、日本やアウンサンスーチーさんの話をしてました。ダウンタウンでタクシーを降りると、ミネラルウォーターのペットボトルをくれました。
夕食は、にぎやかなバーベキューストリートにある、日本人がオーナーだと地球の歩き方に書いてあったコーサンというお店に入りました。ここの店員も若い男の子で、結構イケメンでしたが、日本語どころか英語も全然ダメで困った。メニューにあった美味しそうな料理を注文。牛肉のチャーハン?美味しかったけど、量が多く臭みが強かった。
宿へ戻る途中にあったユニクロみたいな服屋さんに入って、寝間着用に安いけど可愛いミャンマーっぽい柄のTシャツを2枚買って、宿に戻ってシャワーを浴びて、ベッドに転がって日誌ノートを広げたりしてるうちにウトウト、いつしか眠りについていたのでした。
to be continued