まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

狂王と姦臣

2016-10-30 | 韓国映画
 お松の第6回独り韓国映画祭③
 「背徳の王宮」
 狂気の暴君、燕山君が支配する朝鮮王朝。野望に燃える廷臣イム・スンジェは、王に取り入るため1万人の美女を王宮に強制的連行し、王の色欲を満足させるための性の秘技を習得させようとするが…
 「霜花店」や「後宮の秘密」など、韓国で定期的?に製作されるエログロ時代劇、私けっこう好きなんですよね~韓流のエログロって、ほんとハンパないですからね~。おこちゃまスウィーツ向け、ジジババ向けな毒にも薬にもならん映画ばかりの今の邦画では、絶対にありえないトンデモシーンのてんこ盛り。頻繁には無理だけど、たまに食べると美味しいゲテモノ料理みたいです。
 この映画も、史実に基づいてるらしいけど、99.9%は創作でしょう。とにかくあんな王さま、あんな宮廷、いや、あんな国イヤすぎます。王さまも貴族も誰ひとり、国を良くしたいとか国民の暮らしのことなど一顧だにせず、ただもう権力と色欲を求めて酒池肉林と殺戮。ほんと、国民はいい迷惑!最高の名器とヤりたい!という王さまの思し召しをかなえるため、国中の見目麗しい女を集めて大々的に性戯レッスン&トレーニング。その華やかに卑猥な内容が笑えます。く、くっだらねー!しょーもなさずぎる!なことを、大真面目に命がけでやってる女たちが、悲壮かつ滑稽。特に笑えたのは、股ぐらにスイカやカボチャを挟んで割る特訓。あんなんやったら、ほんとに締まりが良くなるのかな若いギャルたちがおっぱいもお尻も丸だしで、ハレンチに目指せ名器。先にイかされたほうが負け!なレズプレイ対決とか、そーいうのが好きな人にはたまんないかもしれませんが、苦手な人にはグロテスクなだけかも。

 エロに関してはおバカコメディのノリですが、ヴァイオレンスはホラー。目を覆いたくなるほど残虐でエグいです。処刑や拷問シーンは、ほんと容赦なしの残忍さ、激しさと汚さ。心臓の弱い人は絶対に観ないで!韓国って、ほんと野蛮だよな~。とにかく、このエログロは今や韓流でしか味わえません。
 好色な王の慰め者になる女たち。生娘だけでなく、人妻まで。無残に拉致されたり夫と引き離されたりする女がいる反面、自ら志願する女もいる。ちょっと従軍慰安婦問題について考えさせられました。
 主演は、日本でもTVドラマ「宮」や「魔王」などで人気のチュ・ジフンと、「台風太陽」や「蜜の味」などでの好演も忘れがたいキム・ガンウ。

 イム・スンジェ役のチュ・ジフン。野村萬斎+長谷川博己、みたいな爬虫類系顔の彼、正直ちょっと苦手な俳優なのですが、この映画の彼は今まで観た出演作の中では一番いい男に見えた。冷たいお公家顔が、時代劇に合いますね。貴族の衣装が似合うスラっとした長身、美声もカッコよかった。冷酷で狡猾な役もハマってましたが、だんだんいい人になっていって、せっかくの悪の魅力が!と惜しかった。徹底的に悪い役のほうが良かったのに。韓流男優には通過点?である、すっぽんぽん濡れ場もあり。頑張って脱いで激しく濡れてましたが、ひょっとしたらジフン本人じゃなくて替え玉?と疑ってしまう撮り方だった。あっという間に終わるし、ジフンのファンにはちょっと物足りないかもしれません。
 燕山君役のキム・ガンウ、よくこんな役を引き受けたな~。制作者側に、何か弱みでも握られてたのかしらん。人気俳優にとっては、かなりリスキーな汚れ役です。もうずっとイカレポンチで、ズコバコか人殺ししかしてません。でも、突き抜けたき○がい演技は、何だか楽しそうでもあって、ゲロゲロな鬼畜なのに可愛く見えたり。ヴァラエティに富んだ変態ご乱行シーンが笑えます。特に、女たちといろんな体位を試す閨房シーンが傑作。ありえねー!な体位にも挑戦してますまぐわい中の顔芸も強烈!ラストに受けるお仕置き、豚の刑がトンデモすぎる!おいっハングマン(懐かし!)かよ!完全にお笑いに走ってました。
 あられもない姿になって、アンなことコンなこと。ヒロインから端役に至るまで、女優たちが何か可哀そうだった。女優魂を燃やすような内容じゃないもん。AVもどきな猥褻で変態的なことをやらされて、演技とはいえ辛かっただろうな~。親が見たら泣くよ。あと、ナレーションが北朝鮮の女性アナウンサー調で怖笑!
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米びつ王子の悲劇

2016-10-26 | 韓国映画
 お松の第6回独り韓国映画祭②
 「王の運命 歴史を変えた八日間」
 18世紀の朝鮮王朝。王の英祖は、後継者である息子の世子に期待をかけるが、政治や権力よりも芸術や武芸を愛でる世子は、父王を怒らせ失望させる。しだいに父子間の亀裂は深まり、それは恐ろしい破滅へと世子を追いつめることに…
 TVドラマ「秘密の扉」でも描かれた、英祖王と思悼王子の悲劇。あまりにも悲惨な父と子の断絶と愛憎には、見てるほうも疲れます。とにかく激しいのなんのって。王室だろうが庶民だろうが、感情ムキ出しで平和でいられない気質は、いかにも韓国って感じです。私なんか、家族と争っても得るものなんか何もないから、いたって平和で淡泊なもんですよ。波風立てるのもめんどくさいですし。

 王さまも世子も、どっちもどっちなんですよね~。どっちかが平凡で気性の穏やかな人だったら、あそこまでこじれなかったでしょう。プレッシャーやストレス、疑心暗鬼でブッコワレちゃう世子が、もうちょっと我慢強くてズルい王子だったら、きっと次の王として君臨できたでしょうに。魑魅魍魎な王宮でサバイバルするには、あまりにも繊細で弱かったのが残念。王子に生まれなかったら、立派な人物として一生をまっとうできただろうに。生まれた場所が悪かった、間違ってた。

 王さまもな~。あんなお父ちゃん、絶対イヤだわ~。不寛容で無慈悲すぎるよ。いくら息子が期待はずれで、ちょっとばかし反抗的になったからといって、あんなに非情に追いつめなくても。大人げない態度とかも、料簡が狭すぎる。精神的虐待が、見ていて怖く不快だった。暴力的な支配欲、恣意的な振る舞いは、韓流ドラマとかでもおなじみの父親像です。

 王さまがガッカリするほど、世子はダメ息子じゃなかったけどな~。むしろ、英邁な資質がある王子さまだったのに。ひょっとしたら、それが気に食わなかったから、あんなに冷たく当たったのでしょうか。自分の思い通りにならない、自分にはもうないキラキラした若さと才能を妬み、排除することで権力にしがみつく老害…自分を脅かす存在と見なし、王は王子をツブしたのでしょうか。今の社会でも見受けられる関係ですね。王さまがあまりにも冷酷で強権的だったので、仕方なくやったんだよ~と言わんばかりの慟哭も、そらぞらしく寒々しかったです。父子ケンカに巻き込まれる世子の生母と妃、そして誰よりも世子の幼い息子イ・サンが哀れだった。英祖も世子にとっては非道い父親でしたが、世子もイ・サンにとってはろくでもない父親だったな~。それでも父を愛し、助けようとするけなげなイ・サンに涙。
 それにしても。有名な米びつの刑…ひえーです。何かにつけて野蛮な韓国ですが、これはいくらなんでも。いっそ斬首、絞首のほうが、はるかに人道的です。あんな死に方だけはしたくない!と、怖気をふるいました。「秘密の扉」と違い、米びつの中での世子の酸鼻を極めた生き地獄が描かれているので、閉所恐怖症の人は絶対観ないでください。
 世子役は、TVドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」などで日本でも人気のユ・アイン。

 アインくん、やっぱ可愛いですね~。今でも高校生役やれそうなほどの童顔、若々しさ。可愛いけど、日本の某事務所のタレントとは違い、スラっとした超スタイルのいい長身、男らしい雰囲気。あまり高貴な役や狂気的な役は似合わないとは思うけど、従順で純真な息子が追いつめられて積み木崩し、イカレてコワレていく過程を激情的かつナイーブに熱演してました。あまりにも少年っぽいので、息子のイ・サンが年の離れた弟にしか見えなかった。同じ世子役でも、高潔な優等生だった「秘密の扉」のイ・ジェフンと比較するのも一興かもしれません。

 英祖王役は、韓国きっての名優ソン・ガンホ。鬼父をこれまた熱演してましたが、ガンホおじさんもどちらかと言えば、ひどい目に遭う役のほうが似合う俳優。人がよさそうな情味ある魅力が強いので、冷酷な役はちょっと違和感が。「秘密の扉」のハン・ソッキュの、人が悪そうで歪んでそうなところは鬼王役にはドンピシャでしたが。
 世子妃役のムン・グニョンも、アインくんに負けず劣らずな童顔。ラストの老けメイクになった彼女、こんなおばあちゃんいるいる!な、可愛らしい婆っぷりでした。婆メイクが似合うという稀有な若手女優かも。英祖王の母后役を、「冬のソナタ」など韓流母ちゃん女優の大御所、キム・ヘスクが好演してます。
 そしてそして。英祖亡き後、王座に就く世子の息子、TVドラマや映画でもおなじみ(「王の涙」ではヒョンビンが演じてましたね~)の賢王イ・サンとして、ソ・ジソブが登場!

 成均館のコロ先輩(ヒゲ生やしたアインくん)、初めて見た時ちょっとジソブに似てる?と思ったので(実際には全然似てませんが)、父子役(年上のジソブのほうが息子!)は驚喜なキャスティングでした。久々に見たジソブ、いや~やっぱいい男ですね~。冷たい能面顔が、時代劇に合ってる。静かに威風堂々な雰囲気、ぬお~とデカい筋骨たくましい体躯も、王者の貫禄と威厳に満ちていて、カッコよかった!カメオ出演のチョイ役なのかなと思ってたら、意外と出演シーンは長かった。宴で舞うシーン、優雅で勇壮で、悲しそうな瞳が美しくて、うっとり見とれちゃいました。ジソブ主演でぜひイ・サンの半生を映画化してほしいかも!

 アインくんといえば、やっぱ成均館のコロ先輩!コロ先輩には萌えたわ~。アインくん、早くコロ先輩超えを!とは思うものの、しばらくは無茶な背伸びはせず、カッコカワいいイケメンのままでいてもいいよ
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吠えヅラかかせたる!

2016-10-23 | 韓国映画
 お松の第6回独り韓国映画祭①
 「インサイダーズ 内部者たち」
  政治家や財閥一家のための汚い裏仕事にウンザリしたヤクザのサングは、彼らの癒着の証拠となるファイルを手に入れ、そのコピーを兄と慕う高名な評論家イ・ガンヒに差し出す。しかしガンヒの裏切りにより、サングは制裁として片手首を切断されてしまう。復讐に燃えるサングに、野心家の検事ジャンフンが接近するが…
 愛しのイ・ビョンホン主演作です(^^♪
 ただ見た目が飛びぬけて男前、ただ演技がズバ抜けて巧い、な役者では出せないオーラ、できない役ってのがあるんだよな~と、ビョン吉さんを見るたびに思ってしまいます。そんな特別さゆえにビョン吉さんもまた、フツーの一般人役ができない俳優。それって、役者として得でもあり損でもありますね。
 
 政治家や財閥の手先となり、汚い仕事を請け負うヤクザ役のビョン吉…いや~やっぱ彼には、ヤーさん役がいちばん似合いますよ。髪もスーツもパリっとキメた極道っぷりも、ガラが悪いゴロツキどチンピラっぷりも、どっちも板についててカッコいいのなんの。狂犬の凄みと悲しみといい、任侠、仁義とかいった言葉が最も似合う俳優が、日本ではなく韓国にいるのが何だか惜しい。かつて多くの人を魅了した、ヤクザ映画の野性的で荒ぶる男たちは、邦画から消滅しちゃってますよね~…

 突き落とされた地獄の底から這いあがり、執念の逆襲に身を投じるサングを熱演してるビョン吉。相変わらず悲運と暴力に愛されてる男です。幸せな時よりも、不幸な時のほうが輝いていて、優しい時よりも、荒々しい時のほうが色っぽい。壮絶に半殺しにするされるな、ドSとドMの両方のビョン吉を楽しめます。
 サングって粗野で凶暴な、触るな危険!な狂犬なんだけど、どこかひょうひょうとお気楽な言動が、人を食ってて笑えます。のらりくらりした喋り方が何か可愛かった。かなりコミカルな味わいもあって、おバカコメディも実は得意なビョン吉の面目躍如な役。クスっと笑えるシーンは多いのですが、特に好きなのは、潜伏中のラブホのトイレでの排便シーン。ウンコシーンなんて、日本の織田裕二やキムタクは絶対やりませんよね~。音がリアルすぎる!「王になった男」でもビョン吉、ウンコしてましたよね~。

 ビョン吉といえばの肉体美は、今回もチョコっとだけでしたが、どんな役でも彼の色気はハンパないです。40半ば、年齢的にも男盛りですからね~。でもビョン吉、本国の映画ではほとんど脱がなくなりましたね~。でもでも、その代わり美しい瞳と声は、この映画でもマジカル!裏社会でしか生きられない男の性(さが)、その悲しみにウルウル潤んだ瞳に吸い込まれそうになります。下品で乱暴な台詞も、あの美声で言われると美しいポエムより胸に沁みる…
 ハリウッドでも活躍中のビョン吉、本国でもコンスタントに映画出演してますが、最近はビョン吉一枚看板な主演作じゃないのが、ちょっと気になる。今回も、チョ・スンウとのW主演だったし。本国では、スター力がビミョーに弱まってきてるのかな?ヘンなスキャンダルもあったしね~…スターの華、実力は今でも韓国随一だと思うので、俺が主役だ!俺だけ見てろ!な映画に出てほしいものです。

 検事ジャンフン役のチョ・スンウは、演技派として名高い若き名優。ちょっとミスチルの桜井に似てる?いい役者なんだけど、やっぱビョン吉に比べると地味~。野心が正義感に変わっていく過程を、きっちり手堅く演じてました。演技に隙がないですね~。すべてを影から操る評論家イ・ガンヒ役は、TVドラマ「根の深い木」の怖い先王役や、「蜜の味」の不気味な役も強烈だったペク・ユンシク。今回も上品だけど禍々しい毒おやじっぷりでした。

 それにしても…韓国の政治、社会、マスコミも腐ってますね~。でも、悪人たちの悪行や言動、成敗のされ方も、何か時代劇みたいだった。ほとんど水戸黄門の悪代官、悪商人なノリ。いくら何でも日本の政治家や大企業トップには、あんな人たちいないですよね~。国会前で、大物政治家をズラっと並んだ子分たちが深々とお辞儀してお見送りするなんて光景、日本ではありえませんし。何もかもが大っぴらに下劣で下品すぎる。韓国のモラル、民度の低さは深刻。時代劇と大して変わらぬ価値観、言動など、韓国が発展はしても先進国にはなれないのが、何となく理解できます。
 暴力描写の容赦なきエグさも、相変わらず韓流映画。韓国の暴力団抗争での武器は、銃ではなく刀とカナヅチ、またはバット。必要以上のメッタ刺し、メッタ打ちが怖すぎます。手首をノコギリで切断シーンとか、うげげげ!でした。でも最も気持ち悪かったのは、政治家の性接待シーン。おっさんたちが、あんなこと…グロテスクすぎ!性接待といえば、もはや韓国って感じですが…信じられない、信じたくない醜悪さです。
 この映画、邦画でリメイクするとしたら、理想妄想イルボン版は…
 サング … 内野聖陽
 ジャンフン … 向井理
 イ・ガンヒ … 草刈正雄
 財閥主 … 國村準
 大物政治家 … 吉田鋼太郎
 が、いいかも~♪

 ハリウッドでも活躍中のビョン吉さん、「マグニフィセント・セブン」が来春日本公開!待ち遠しい!本国では、今度はカン・ドンウォン!共演の新作が近日公開だとか。楽しみだけど、まさかカンちゃんのほうがクレジットが上ってことはないでしょうね?!ここ、ファンにとっては重要!
 


 
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友だちのままでいられたら…

2016-10-21 | 北米映画 08~14
 「THOSE PEOPLE」
 ニューヨークの美大生チャールズは、幼なじみの親友セバスチャンへの愛を胸に秘めていた。そんな中、チャールズはピアニストのティムと出会い、恋人関係になる。それに嫉妬するセバスチャンに、チャールズは困惑しながらも想いを抑えきれなくなり…
 なかなか良質のBL映画でした~。深刻すぎず、ライトすぎない、BLにありがちなファンタジーに近い非現実的な設定でもなく、打ちのめされちゃうほどシビアに現実的でもない。何もかもが丁度いい塩梅。男同士じゃなくフツーの男女にしてもおかしくない、ごく普遍的でもあるラブストーリーでした。二人の男の間で揺れるヒロインが、単に男になってるだけ。BLじゃなかったら、ありがち、陳腐な設定とも言えるかもしれません。

 チャールズはゲイであることを全然隠しておらず、周囲も当たり前のように受け入れてる。時代はほんと変わりましたね~。私が小さい頃なんて、ゲイは秘してこそ花、みたいな扱いでしたし。ひと昔前と違って、ゲイだからっていつも十字架のように罪悪感や自己嫌悪を背負ってたり、差別偏見に苦しむ姿ばかりの映画じゃない。むしろ、ゲイだからこんなに魅力的、男女の愛にはない優しさや感受性にあふれてる、と言わんばかりの作風の映画も、どんどん作られてほしいものです。

 チャールズとセバスチャンの、友だち以上恋人未満なもどかしく危うい関係が、腐には萌え~です。チャールズは恋人になりたいけど、セバスチャンにはその気がないと思い込んで、それを尊重してる。セバスチャンは、チャールズの気持ちに気づいてないフリをして、親友のままでいようとする。恋心は拒絶するけど、誰よりもチャールズを大切にして決して離そうとしないセバスチャン、ズルいな~。三島由紀夫の「禁色」にあった台詞、『愛する者はいつも寛大で、愛される者はいつも残酷』…まさにチャールズとセバスチャンの関係に当てはまります。
 好きだけど失いたくないので、友だちのままで我慢、なチャールズは解かりやすいキャラなのですが、セバスチャンは複雑で屈折していて、そこが面白かったです。単に素直じゃなくてガキっぽいだけ?かとも思ったが。自分のものだと信じ切って安心してたら、それが他人にものになった途端に動揺して、俺のもんなのにー!とダダこねる男、よくいますが。セバスチャンがそんなありがちの男に見えたのが、ちょっと残念。もっと何だろう、魔性に近い美貌や性的魅力とか、ワガママだけど放っておけない、守ってやりたくなる母性本能をくすぐる魅力があったら、チャールズがふっきれないのも理解できたでしょう。でもラストの、チャールズをティムに奪われ失おうとしていることへの嫉妬と不安で、取り乱し激情的になるセバスチャンは、情けなくも哀れで切なかったです。結局、セバスチャンの苦しみのほうが重かったのかもしれない。友情を壊したくない気持ちや努力は、むしろセバスチャンのほうが切実。受け入れられない想いを受け入れないと、大切な人は自分から離れていく…チャールズの恋はセバスチャンにとって、すごいプレッシャーだったことでしょう。

 セバスチャンとのめんどくさい腐れ縁的愛も腐には興味深いものでしたが、ティムとのロマンティックで優しい恋愛も萌え度が高かったです。ティムが、めっちゃいい男なんですよ~。優しくて包容力がある大人の男、しかもピアニストときたもんだ。私なら迷わずにティムを選びますよ。優しいけど、セバスチャンのことですごく嫉妬してくれるところも、愛される醍醐味だわ~と、チャールズが羨ましくなった。チャールズって、愛されるよりも愛したい~♪by 近畿キッズ なドMゲイですよ。男たちの三角関係修羅場!もありつつ、セバスチャンもティムも超いい奴!チャールズは幸せな男だな~と、爽やかなハッピーエンドにホっとしました。

 チャールズ役のジョナサン・ゴードンは、ちょっと濃いめの優しそうな男子。仕草や表情が、自然にゲイゲイしくて可愛かった。セバスチャン役のジェイソン・ラルフは、ちょっと若い頃のマット・デーモン似で、わりと好きなタイプかも。でも、セバスチャンはナイーブな美青年、もしくは退廃的な男が演じるべき役なんですよね~。ティム役のハーズ・スレイマンは、エキゾティックな男前でした。男同士のラブシーンも、大胆だけど生々しくなく、優しく甘美で腐向けです。

 BLだけでなく、チャールズとセバスチャンを見守る仲間たちとの友情も、サラっとしつつ厚くて好感。ちょっと名作「セント・エルモス・ファイヤー」を彷彿とさせました。仲間のひとりであるノンケの男の子が、ほとんど台詞もなくただいるだけに近い存在なのに、いちばんイケメンだった。セバスチャンがワケアリ大金持ちの息子、という設定なので、ニューヨークの富裕層が暮らすマンションやパーティなど、ハイソな雰囲気も楽しめました。
 この映画、日本でリメイクするとしたら、セバスチャン→池松壮亮、チャールズ→岡田将生 、ティム→小澤征悦、 がいいかも♪
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運命に、似た恋①~④ キミは天然色

2016-10-18 | 日本のドラマ(連続)
 今季は連ドラ、結構がんばって観てます♪まずは、NHKの「運命に、似た恋」第1話から4話まで観ました~。

☆見知らぬ男の部屋に…
 セレブ御用達のクリーニング店で働くシングルマザーの香澄。配達のため訪れた高級マンションで、若い男性客にいきなり部屋に連れ込まれます。いくらイケメンだからって、抵抗もせずホイホイ入っちゃう香澄、強姦されて殺されてバラバラにされて山に遺棄されても仕方がない不用心さ。
 で、男は香澄を殴って押し倒す代わりに、ここに座って♪と自作の椅子に香澄を座らせてご機嫌、香澄も座り心地いい♪なんてノーテンキな様子…
 しょっぱなから、恐れてた以上の寒イボなシチュエーション&台詞で、さすが北川悦吏子先生です。早くもリタイア危険信号チカチカ点滅!
 香澄役の原田知世、今でも可愛らしいですね~。少女っぽいふわふわ感、透明感は他の女優にはない魅力です。雰囲気は若いけど、体型は結構おばさんなのでちょっと安心
 有名デザイナー、勇凛(ユーリ)役は働き者な斎藤工。彼、いい俳優だとは思うのですが、乙女脳おばさんの気持ち悪い妄想の産物的な役しかやらせてもらえないのが可哀想。
☆貧乏なのに
 バツイチ、受験生である高校生の息子がいて、別れた亭主が金せびりに来る…そんな香澄ですが、行きつけのおしゃれカフェで、昼は高そうなランチ、夜は優雅に独りで飲んでたりするのが、ちょっと違和感…
☆工のお約束
 香澄に壁ドンしたり、愛人の社長夫人との情事シーンで上半身裸になったり。とりあえずルーティーンはこなしてる斎藤くんでした。ちょっとセルフパロディ的というか、自虐ネタっぽくて笑えた。
☆息子
 香澄のひとり息子つぐみ。内容だけでなく、役名までみんな少女漫画ちっくです。つぐみが何か見た目もキャラも気持ち悪い…もうちょっと爽やかな体育会系っぽいイケメンにしてほしかったかも。つぐみがドラマの冒頭、カメラに向かって前回までは、と語りかける演出も、何かアメドラのパクリみたいでイタいサムい。

☆コスプレパーティ
 社長夫人に騙されて、セレブなパーティにセーラームーンみたいなコスプレでやって来て大恥をかく香澄。これって、使い古されたイヤガラセですよね~。
☆あなた私のもとから突然消えたりしないでね~♪
 タクシーの中で、何か歌ってよと香澄にリクエストするユーリ。ここで「時をかける少女」を歌ってくれてたら、神シーンになってたのに。
☆悪女というより…
 ユーリの愛人である社長夫人が、これまた絵に描いたような性悪で笑えます。あんな品性下劣で卑しい女、今どき韓流ドラマでしかお見かけしませんよ。元ヤンか元水商売ですよね、彼女ぜったい。悪趣味な成金ファッションも、生まれの悪さを物語ってます。性悪なだけでなく、すごい虚言癖とストーカー気質で、病院連れていきたくなります。よくあんなんで上流社会(笑)の奥様できますね~。
☆キミ
 ユーリや息子つぐみのことを、キミと呼ぶ香澄。うう~ん。原田知世が言うと可愛いけど…世の中のフツーのおばさんがマネしませんように!

☆LINEやめて~
 すっかり恋人気分で、ウキウキと浮かれたラインのやりとりをする香澄とユーリ。内容がキモい!おばさん&おじさんが、あんな臆面もなくラブラブ文面。流出させて恥かかせたいレベル。
☆私なら警察に通報する
 金せびり前夫、今度はつぐみの学費のために貯めていた香澄の通帳を盗む。うわ~最低最悪ですね~。私が香澄、もしくはつぐみなら、一生許せませんよ。あんな父親、ほんと死んでほしいと思う。でも香澄は怒るどころか、仕事を増やして借金の返済を助けようとするんですよ。ありえねー!どこまで人がいいんだ香澄。でも香澄みたいな、人につけこまれて損ばかりする女、いますよね~。
★総括
 乙女すぎるスウィーツさは、古い少女漫画、もしくは韓流ドラマみたいです。北川センセイ、20年前から作風も感性も不変!ある意味スゴいです。毎日、脳みその中であんなシチュエーションや台詞を考えてるんですね~。怖いわ~。ホラーです。私はホラーよりも、大人の恋愛ドラマが観たいんだけどな~…
 原田知世は可愛い。他の女優がやったら、ブリっこおばさんになって気持ち悪くなってたでしょう。でもたまにあざとい瞬間もあって、キモくなりそうなギリギリきわどいふわふわ演技です。実際に香澄みたいなおばさんいたら、ちょっとイラっとするかも…
 斎藤工は、可哀想なまでにいつもの斎藤工です。声と喋り方が、やっぱキムタクに似てる。キムタクといえば、このドラマも何かちょっとキムタクの「眠れる森」と、設定やキャラが似てるような…
 
 「逃げるは恥だが役に立つ」「忠臣蔵の恋」「砂の塔」を、今のところ継続鑑賞予定(^^♪
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ホロウ・クラウン2 薔薇戦争

2016-10-14 | 欧米のドラマ
 「ホロウ・クラウン 嘆きの王冠」シーズン2を観ました~。ヘンリー5世亡き後に勃発し、数十年にわたって繰り広げられた内乱“薔薇戦争”を描いています。全8話。
 前半は、ヘンリー6世編。父王ヘンリー5世が他界し、生後間もなく即位したヘンリー6世ですが…彼がシーズン1・2通して最も悲惨、可哀想な王さまだったかも。地獄の鬼嫁や佞臣奸臣たちに散々振り回され利用されまくり、挙句の果てにはゴミのように見捨てられ、荒野を彷徨う裸の原人となり果てて…リチャード2世も悲惨でしたが、ヘンリー6世はさらに無残。気が狂うのも当然な目に遭うヘンリー6世を、デリケートに悲しく演じたトム・スタージェスは、イケメンではないけど若いのになかなか魅せる役者っぷり。
 それにしても…薔薇戦争、もうハチャメチャすぎて笑えます。ちょっとは仲良くしようよ~信じ合おうよ~分け合おうよ~と言いたくなるほど、王族も貴族もおのれの権勢欲、野望にとり憑かれてて、ほぼ10分ごとに殺し合いしてますもん。罠や裏切り、陰謀や奸計のオンパレードで油断すると一寸先は闇、一瞬も安心して暮らせない百鬼夜行の王宮は、東京都庁どころじゃない伏魔殿。そこに愛や信頼など微塵もありません。

 ↑可哀想なヘンリー6世。荒野の原人姿がとにかく強烈!
 権力の移り変わりが目まぐるしすぎて、さっきまで天下獲ったでぇ~!!と意気揚々だった人が、5分後にはさらし首になってたり。もうその繰り返しなんですよ。諸行無常な急転直下の展開は、ジェットコースタードラマみたいで飽きさせません。権力って手に入れたら必ず滅びると分かっていながら、みんな血眼になって争奪し合わずにはいられぬ甘い毒リンゴみたいなものなのでしょうか。でもほんと、当時の英国の権力争いって、荒っぽいですよね~。敵の陥れ方が、強引すぎで短絡的すぎ。日本の戦国時代のほうがまだ、公明正大さとか様式美を大事にしてたような。英国の王族貴族、権力のためには手段選ばず、情けも無用、ですもん。卑劣な鬼畜が多すぎ。国民のことなんて、これっぽっちも考えてないし。当時の平民、ほんといい迷惑だっただろうな~。
 シーズン2で最も強烈なキャラだったのは、ヘンリー6世の王妃マーガレット。こいつ、ほんと非道いんですよ!見た目も性格も言動も、野蛮で峻烈。権力掌握のために、猛然と屍を重ねていくマーガレットを激演してるのは、「ホテル・ルワンダ」などでの好演も忘れがたい黒人女優のソフィー・オコネドー。黒人女性がフランス王室出身の英国王妃?!と、意表を突きすぎ。どこかの蛮族の女酋長にしか見えません。周囲が次々と非業な死を遂げて消えていくのに、ボロボロになってもしぶとく生き延びて最後まで毒を撒き散らすマーガレットは、そのあまりの猛烈キャラっぷりゆえにだんだん笑えてくるキャラに。リチャード3世の時代になっても、どこからともなく現れて狂態を見せるマーガレットは、見せ場も多く最初から最後まで出てくる唯一の人物で、いちばん美味しい役だったかも。女優なら一度はやってみたい役なのでは。
 後半は、悪名高いリチャード3世編。この時代が、いちばん陰惨な地獄絵図かも。邪悪な野望のために、肉親や近臣を次々と容赦なく葬り王位に就くリチャード3世は、その極悪非道なモンスターキャラ同様、見た目も怪異な化け物となってます。

 昔でいう、せむし?身体障害が不気味で、これいいのかな~日本では絶対ムリだよな~な役。演じてるのが、今や日本で最も人気がある英国スター、ベネディクト・カンバーバッチ。渾身の大熱演です。彼もまた、舞台俳優としての実力を遺憾なく発揮してます。
 動きが大変そうな身体障害演技も壮絶ですが、こんな卑劣でズルくて冷酷な人間いるのか~とゾっとするような、世の中や人を不幸にするために生まれてきたような、善いところなど一切ない非情無情な悪鬼野郎を、唾がこっちにまで飛んできそうなほど圧巻の大熱演をしつつ、非道すぎて何だか笑えてくる、ちょっとドぎついユーモアをこめて楽しそうにも演じてるバッチさんに、役者やのお~と感嘆することしきりでした。

 劇中、もう非道いことズルいことしかしないバッチさん。カメラ目線になって邪悪な本音を視聴者に告白したり、邪悪なことを考えたりしたりしてる時の顔芸が、ヤバすぎて笑えます。どんどんエスカレートしていく邪悪さが、何だかワクワク感にあふれていたり。

 最低最悪な役をチャーミングに見せなければならないリチャード3世役は、生半可な俳優には演じられない難役でしょう。極悪凶悪な役でも、大真面目だけどどこか浮世離れしててヘンなところが可愛い、というバッチさんならではの魅力も十分に活かされてました。

 ↑可憐で可哀想なリトル・プリンスふたり
 権力争いに敗れて非業な死を遂げる人たちは、因果応報というか自業自得なのですが、巻き込まれただけの無垢な人たち、ヘンリー6世とか、特にリチャード3世に始末されてしまう幼い兄弟ふたり、エドワード5世とその弟が哀れすぎて涙。あの子たち、リチャード3世のコンプレックスを刺激するほど可愛くて賢すぎたのが仇になっちゃいました。ブサイクで頭が悪いガキんちょだったら、死なずにすんだはず…演じてる二人の男の子が、ほんと賢そうで可愛かったから、その悲運に胸が痛くなりました…
 リチャード3世の母役、泣く子も黙る大女優ジュディ・デンチが、貫禄と哀感たっぷりの存在感。その他も、「ダウントン・アビー」など人気英国ドラマに出てる、どっかで見たことあるな~な俳優も、たくさん出演してます。

 上質の舞台を観てるような演技と演出、美しいロケ地の映像や建築物、衣装も、時代劇の素晴らしさを堪能させてくれます。台詞が詩的で格調高く、日常生活でも使いたいほど(笑)。こんな大人が楽しめる日本の時代劇も観たいな~。
 リチャード3世を斃して即位するヘンリー7世は、The Tudorsのヘンリー8世の父。薔薇戦争は終わったけど、王室の内紛はどんどん複雑に血生臭くなっていくんですね~…

 ↑どんな役してもイヤミがなく、ユニークで可愛いバッチさん。彼主演のコテコテおばかコメディが観たい!そんなバッチさんの最新作は、話題のアメコミ映画「ドクター・ストレンジ」です。楽しみ♪
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僕の彼氏はスパイだった

2016-10-11 | 欧米のドラマ
 前から観たくて観たくて仕方がなかった英国のドラマ「ロンドン・スパイ」を、ようやく観ることができました~(^^♪全5話。
 ロンドンで暮らすゲイの青年ダニーは、アレクッスという若い男と出会い、恋に落ちる。ダニーは寡黙で謎めいたアレックスを本気で愛するようになるが、突然アレックスは失踪してしまう。アレックスの変死体を彼の部屋で発見したダニーは、すでに恐るべき陰謀に巻き込まれていた…
 イギリスといえば、スパイとBLですが。このドラマ、その二つが合体した美味しすぎる内容なんですよ。スパイもBLも私には無縁な世界なので、まさにファンタジー感覚で楽しむことができました。
 まず、スパイの部分…

 ほとんど姿や実態を現さず、邪魔者や不要な者たちを抹殺したり、証拠隠滅したり、罠にハメたり、警察や郵便など公的機関も操作するのが、不気味で怖かったです。特に、ダニーをHIVに感染させるとか、ひ、非道い!アレックスの死も、非道すぎる。なぜアレックスがあんな非業の死を遂げなければならなかったのか、ラストに判明するのですが。いくら何でも、末路が無残すぎ。もっと他に方法なかったのかな~。アレックスの死は、彼らにとってもすごい損失だったでしょうに。現実にもあんな風に、国家権力って非力な市民を虫けら同然に踏み潰すのでしょうか。いきなり事故で死んだあの人も、政府の陰謀だー!と騒いでイタい人扱いされてるあの人も、ひょっとしたら…?

 007でおなじみのMI6が、非情で気味の悪い組織として描かれてました。ほんとにあんなことやってるのなら、恐るべき犯罪集団ですよ。ジェームズ・ボンドを見る目も変わるわ~。
 そして、BLの部分は…

 男同士の愛は、やっぱ切ない悲劇が似合います。ダニーとアレックス、悲しい運命の恋でした。出会ってしまったせいで、お互いに不幸になってしまったけど、短くも激しく深い愛に生きることができた二人が、すごく羨ましかったです。二人が共有する、痛みをともなった幸福。彼らの傷つきやすくも静かで優しい時間が、胸にしみました。
 主人公のダニー役は、今やゲイ役を演じたら世界一のベン・ウィショー。

 ベン子さん、今回もリアルでナイーブなゲイゲイしさでした。少女のようなガラス細工の繊細さだけど、不屈で毅然とした強い男でもあって。男でも女でもない、男と女どっちの強さ弱さを持ってる複雑さや多面性は、他の俳優にはないベン子の魅力です。小柄で華奢な彼、ほとんど少年の風貌と雰囲気。裸もBL漫画の男の子みたい。美しく力のある瞳も、彼の武器ですよね~。役者は瞳が大事。
 ラブシーンは、これをTVで!?お茶の間レベルをかなり超えてます。「怒り」のブッキーには、これぐらい頑張ってほしかったかも男ふたりが、ケツ丸だしの全裸になってガッツリネットリ絡んでます。そういうのが苦手な方には、かなりキツいかも。

 濡れ場は第1話に1回あるだけですが、かなり濃密でインパクトあり。私が衝撃を受けたのは、ベン子が上になってたこと!ベン子がタチ!ってのが意外でしたLGBTに対する差別や偏見が、今もかなり厳しいイギリスの現実も興味深かったです。

 007でMI6職員のQ役を演じてるベンがダニー役、というのがなかなか小粋なキャスティグです。ベンのファッションが、フツーっぽく庶民的ながらもトラッドなところが、さすが英国。

 アレックス役は、「キングスマン」ではスパイ候補生役だったエドワード・ホルクロフト。マティアス・スーナールツを優しくした感じの顔?天才は孤独で不幸、他人とうまく付き合えないコミュ障さを、静かに悲痛に演じてました。スーツが似合う彼も、さすが英国人です。

 ダニーの親友で元スパイのスコッティ役は、「アイリス」でオスカーを受賞した名優、ジム・ブロードベント。スコッティの、年の離れたダニーへの父親のような愛とせめぎあう、ダニーへの男としての恋心が切なかった。老いたゲイの悲哀をにじませながら、開ききった丸い大きな眼球が何だか狂気じみていて怖かったです。
 アレックスの母役は、「さざなみ」での名演も記憶に新しい大女優シャーロット・ランプリング。

 冷徹で謎めいた上流階級のマダムを、いぶし銀のシブさでクールに演じてるランプリングおばさま。出演シーンは多くはないのですが、さすがの存在感です。彼女のエレガントにマニッシュなファッションも、やはりハリウッドの女優とは違うハイセンスさで素敵でした。
 あと、ダニーの前に現れる謎の男役で、イタリアの人気スターであるリッカルド・スカマルチョも出演してます。久々に見たリッカルド、めっちゃ濃ゆくなった巨人の高橋由伸監督に見えた…ダニーとかつて爛れた関係だったらしいゲイの男役、シャーロックの兄マイクロフト役で有名なマーク・ゲイティスが、危ないキモい怪演。

 ロンドンの街並み、テムズ川や公園、郊外にある貴族の屋敷など、イギリスだ~と感嘆。ロンドン、また行きたいな~。いや、ちょっとだけ住んでみたいな~…

 ベン子さんの出演作は、日本では早春に「未来を花束にして」が公開されます。主演のキャリー・マリガンの夫役みたいです。ゲイ役じゃないのか~。ちょっとガッカリ
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姉妹どんぶり殺人事件!

2016-10-09 | 日本映画
 「事件」
 スナックの経営者ハツ子が刺殺死体で発見され、ハツ子の妹ヨシ子の恋人、宏が逮捕される。やがて始まった裁判で、事件は思わぬ展開となるが…
 ワタシ的には、同じ野村芳太郎監督の「疑惑」と並ぶ邦画の傑作法廷劇です。この映画の事件そのものは、よくある男女の痴情のもつれなのですが、当人たちにとってはまさに命がけな、ドロドロした情念と愛怨にはただもう圧倒されるばかりです。淡泊な自分だけの世界で完了してる私にとっては、何だか羨ましいほどの情熱です。誰かを本気で愛したら、あんな風に物狂おしくタフに冷酷になれるものなんですね~。愛のためだけに生き、愛のために死ぬなんて、愚かだけど崇高でもあります。巻き込まれてとばっちりに遭う関係者にとっては、いい迷惑ですが…
 この映画、とにかくキャストが素晴らしいです!今の邦画ではもう味わえない、強烈な個性と名演の激突を堪能できます。中でも最強、いや、最恐なのが、ヨシ子役の大竹しのぶ。

 当時21歳の大竹しのぶ、ヘタすりゃ中学生に見えてしまうほど、おぼこい!純朴で愛らしい、けど、中身は業の深い生々しい女。いろんな映画やドラマで怖い女、ヤバい女を演じてる彼女ですが、この映画のヨシ子が最もゾっとする女かもしれません。美しい悪女などより、ヨシ子みたいな一見平凡で無害で鈍重そうな女のほうが油断できない、闘いにくい強敵になるんですよね~。気が付けば男も、がっつりどっぷりくわえこまれて、支配されてしまう。ピュアそうだけど、実はネットリしたたかなヨシ子のような女にこそ、男も女も用心しなければなりません。
 この頃の大竹しのぶは、まさに生ける北島マヤ。傍聴席での不安げな、少女のような可憐さ。虫も殺さないおとなしそうな、あどけない顔で、平然と昂然と嘘をついたり、姉を貶めたりするトゲのあるふてぶてしさ。検事の攻撃に感情を高ぶらせて顔をみるみる紅潮させ、ポロポロこぼす涙とか、法廷での演技はまさに、舞台で独り芝居する北島マヤみたいで圧巻。ラブシーンでは可愛らしいおっぱいぽろんも。

 21歳で、スゴすぎますわ~。今の女優には、望むべくもない役者魂、高い演技力。「怒り」も宮崎あおいではなく当時の大竹しのぶだったら、生々しく激烈な映画になってたかも。愛の闘いに勝利し、愛する男を自分のものにしきったヨシ子が見せる、ラストの愛らしい満ち足りた笑顔…女って怖いな~と、戦慄せずにはいられません。ゆえにヨシ子の未来が、すごく気がかり。きっと彼女、幸せにななれないと思う。宏の弱さと罪悪感が愛を壊す、いや、はじめっから宏は姉妹両方とも愛してなかったのでは…そんな男を激烈に愛してしまった姉妹の悲劇。もがいてあがいて傷だらけになっても、結局は…な愛の虚しさに、暗澹となってしまいます。

 ハツ子役の松坂慶子も、全出演作品中最高の演技、そして美しさ。今はふっくら優しそうなオバさん女優になってるけど、70・80年代の美女といえば、夏目雅子と並ぶ代名詞だったのが松坂慶子。こぎれいな親しみやすい系がほとんどの今の女優にはない、妖艶で華やかでアダっぽい美貌。場末感もよく出てました。一見勝気なビッチだけど、善良で純粋で一途なトシ子の不幸な人生が、哀れすぎて泣けます。美人なのに器用に生きられないって、もったいない。ラブシーンでは、松坂慶子もきれいなおっぱいぽろん。昔は有名な大物女優でも、必然性があればフツーに脱いでましたよね~。

 宏役の永島敏行が、びっくりするぐらい棒読みな大根演技。でもあの素人っぽさが、素朴で頭からっぽな宏のキャラに合ってたかも。それにしても宏、まさに魔性の男です。姉妹を二またとか、ゲス鬼畜すぎる。悪気や邪気なんかまったくないところが、返って性質が悪い男です。超棒読み大根演技な永島さんですが、女優二人とのラヴシーンだけは自然で上手でした
 ハツ子の元情夫であるチンピラの宮内役、渡瀬恒彦のチャーミングな名演も賞賛に値します。

 この頃のつねぴーは、役者としても男としても脂ののった最盛期。めっちゃカッコいいです!どチンピラを演じさせたら、まさに日本一です。ほんと、どーしようもないクズ野郎なんだけど、愛嬌たっぷりで憎めないんですよね~。煮ても焼いても食えない、ふてぶてしいノラリクラリさが、すごく可愛かったり。ドスのきいた表情や声は迫力と凄気があって、モノホンのヤーさんも真っ青。外道だけど男の色気と不思議な優しさがある宮内を、ちょっとトボけた軽やかさで、かつ暗部も抱えた繊細さで演じてるつねぴーです。電車の中でハツ子との愛の日々を回想してる極道つねぴーの、男の哀愁漂う風情に胸キュン。あんな雰囲気を出せる30・40代の俳優、今いませんよ。

 法廷ドラマだけでなく、大竹しのぶVS渡瀬恒彦の演技合戦も見応えがあり。どっちも食えない者同士、嫌悪と共感がないまぜになてるような関係。『おまえ、おぼこい顔して大したタマだな』『あんたほど嘘つきじゃないわ』…ラストに二人が交わす会話と笑顔には、事件の明かされなかった真実が隠されているようでもあって、かなり意味深です。
 弁護士役の丹波哲郎、検事役の芦田伸介、裁判長役の佐分利信、名優3人の法廷トライアングル対決も味わい深かったです。証人役で、西村晃、北林谷栄、森繁久弥という大物が登場。小市民キャラがコミカルで笑えます。弁護活動を手伝う教師役、山本圭もカッコよくて好きな俳優。声がいいですよね~。
 昭和40年代のムードも濃厚で濃密です。当然ネットも携帯もありません。横浜駅のホームが、木造だった。連れ込み宿とか、昭和~って感じでいいですね~。今でもあんな連れ込み宿、あるのかしらん?
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親が子どもの重荷になる時

2016-10-07 | 北米映画 80s~90s
 「恋のじゃま者」
 仕事も順調、セックスライフも気ままに楽しんでいた敏腕広告マンのデヴィッドは、両親の突然の離婚に困惑する。彼らに生活を乱されながらも、デヴィッドは距離ができていた家族の絆を見つめ直すが…
 最新作「ハドソン川の奇跡」も好評のトム・ハンクス、当時30歳、1986年の主演作です。トム・ハンクスの出演作の感想をUPするたびに、同じこと言ってますが…大傑作「ビッグ」を頂点とした、80年代のトム・ハンクスのカッコカワイさは、まさに神ってる!この映画のトムも、可愛い!カッコいい!そして当然ながら、若い!今はデップリした貫禄たっぷりなハリウッドの大御所ハンクス氏ですが、80年代のトムはスマート&スウィートなイケメン

 トム・ハンクスの明るいけどノーテンキとは違う、ちょっとヒネったユーモア、キャラなところが好き。あの大真面目な顔で面白いこと言ったりしたりするのが、オチャメで独特なんですよね~。ひどい目に遭いまくって困惑したり、プッツンして怒鳴りまくるトムの表情や声が笑えます。トボけた顔、演技だけど頭脳明晰なトムは、仕事がデキる都会的で有能な役が似合います。女にモテモテな役も当然。H大好きなヤリチン男役でも、トムだとゲスにならないです。

 デヴィッドが仕切るCM製作の過程や現場、80年代の広告業界の様子も興味深く楽しかったです。あと、80年代といえばの懐かしいファッションも、今あらためて見るとなかなか衝撃的(笑)。キャリアウーマンのバブリーな衣装やアクセサリー、メイクが時代を感じさせます。
 デヴィッドの職場がすごく楽しそう。トム・ハンクスみたいな愉快でカッコいい上司がいたら、仕事も楽しいだろうな~。デヴィッドの部下たちも、みんな味だしてました。何とかハゲを隠そうと必死なヅラ社長が、特に笑えた。顔じたいは男前で、ヅラなんかかぶらなくても全然イケてましたけど。
 
 仕事や恋愛はコミカルに描かれていたのですが、デヴィッドと家族の話は結構シリアス。邦題と内容が一致してません。デヴィッドの恋を邪魔する人なんて出てきませんし。恋じゃなくて、人生の邪魔者ならピッタリ。老いた親が子どもの人生を不安定にする、という怖い映画なんです。両親の離婚の原因とか、かなり救いようがなく陰惨で笑えません。熟年離婚って、怖いわ~。飛び出した妻は自由を取り戻して、元気いっぱいに第2の人生をエンジョイしてるのに、出て行かれた夫のみじめさときたら。世の中の旦那さんたち、あんまり横暴で自分勝手だと、いつか捨てられちゃうのでご用心。まだ若いうちだといいけど、老いてからだとほんと悲惨…
 デヴィッドと親父の葛藤や溝も、じっくり描けばかなり暗く悲しい話になってたでしょう。いちおうコメディなので、そこのところがサラっと避けられてました。でもデヴィッド、いい息子すぎ。ナンダカンダで両親に優しく献身的だったし。私なら、両親を責めるだろうし、ヘタすりゃ絶縁ですよ。ソレハサテオキ。高齢化社会、老いた親が子どもの負担、重荷になる厳しい悲しい現実は、決して他人事ではありません。老いた両親との関係、という重いテーマはコメディ向きではないような。無理やりコメディにしたような違和感が拭えませんでした。親父と知り合いたいと、デヴィッドが休職して老父の車いすを押すラストシーンは、心温まるどころかデヴィッドを待ってる辛い介護生活の始まりとして、暗澹となってしまいました…
 後に大ヒット作「プリティ・ウーマン」を撮ったゲイリー・マーシャル監督作品。トムの代表作「ビッグ」のペニー・マーシャル監督とは兄妹だったんですね~。
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イケメンすぎるモンハン!

2016-10-02 | 北米映画 08~14
 「セブンス・サン 魔使いの弟子」
 邪悪な魔女である闇の女王マルキンは、魔使いのマスター・グレゴリーによって檻に閉じ込められるが、脱出して再び人間に災いをもたらそうとする。マスター・グレゴリーの弟子となった農夫の息子トムは、アリスという美しい娘と出会うが…
 妖精さんとか魔法使いさんとかが出てくるファンタジーが苦手な私ですが、この映画は楽しめました!子どもの頃に好きだった妖怪アニメや戦隊ものに、ちょっとカブってたのがツボでした。内容や魔物の変身とか、ヒュー・ジャックマンの「ヴァン・ヘルシング」にちょっと似てました。ヴァン・ヘルシングも好きな映画なんですよね~。出てくる悪い魔物たちが、ラスボスの魔女マルキンを筆頭に、手下たちも見た目も妖力もキャラ立ちしていて面白かったです。残念だったのは、1時間半弱のコンパクトな映画なため、魔物たちはみんなあっけなく正義のモンスターハンターたちに退治されちゃうこと。見せ場もほとんどなく、みんな早々と消え去るのが物足りなかった。あんな大して強くない人間の若造にやられるなんて、とんだ見掛け倒しですよ。弱すぎる~とトホホ。もっとバトルしてほしかったです。でも、CG、特殊効果も凝っててキレイで目に楽しかったです。魔物たちが人の姿の時の衣装も、ユニークでカッコよかった。
 トムの出生の秘密とか、トムの魔使い修行とか、七番目の息子(セブンス・サン)とは?など、いろいろ説明不足、はしょりすぎな部分も多々あり、LOTRとかハリポタが好きな本格的なファンタジーマニアが観ると、かなり中途半端な映画かもしれません。私は妙にマニアックな色が強い映画よりも、子どもでも解かるお手軽さのほうが好きです。この映画、全米ではコケたらしいけど。LOTRはパート1しか観てない私でも、この映画ならシリーズ化されたらずっと観続けるかも。

 この映画、キャストがムダに豪華です。アカデミー賞受賞者が3人も出てます。私が好きな名優、名女優、旬な女優、男前、そして好みのイケメンが出演してるのが、高得点の理由かも。どんなに名作の誉れ高い映画でも、好きなスター、イケメンが出てないと、ワタシ的にはかなりのマイナスになります
 まず、マスター・グレゴリー役は、大好きな名優ジェフ・ブリッジス。今も若いもんには負けん!なカクシャクさ、屈強さ。いま人気の若いイケメン俳優なんか、ケンカしたら瞬殺されそうなほどパワフルです。おおらかで豪快、典型的なオールアメリカンな魅力は今でも褪せてません。でも彼ってほんと、頭のてっぺんから爪先までオールアメリカンって感じですよね~。ぜったいイギリス人の役なんかできませんよ。中世の衣装を着ていても、カウボーイに見えてしまうブリッジスおじさんが好きです。お金に汚く女にだらしない、ちょっとダーティ爺なマスター・グレゴリーのキャラも、人間的で好感。
 主人公トム役のイギリス俳優、ベン・バーンズがイケメン~♡

 めっちゃカッコカワイかったです!顔がちょっと、ガエル・ガルシア・ベルナルに似てるところも好き!GGBを薄口にして、スラっとスレンダーな長身にした感じ?こういう映画の主人公は、やっぱイケメンにしないとね。イケメン!と褒める以外、特筆するところがなかったのが、まあ惜しいといえば惜しいベンくんでした。
 トムと恋に落ちるアリス役は、「リリーのすべて」でオスカーを受賞したアリシア・ヴィキャンデル。

 素朴な可憐さがアリシアの魅力でしょうか。周囲が派手なので、余計彼女の地味子ちゃんぶりが際立ちました。ベンとはお似合いな可愛らしいカップリングでした。人間と魔女のハーフであるアリス、特殊能力とかはなさそうでしたが、あの神出鬼没っぷりは立派な妖力かも。
 闇の女王マルキン役は、名女優のジュリアン・ムーア。彼女も、あまり出る映画を選ばない女優ですよね~。大物オスカー女優なのに、お高くとまってないところが好きです。

 いっときハリウッドの大物オスカー女優たちが、ファンタジー映画で悪役を演じるのが流行ったことがありましたが、ジュリアン・ムーアもそのブームに乗っかかったのでしょうか。彼女も楽しそうに、小林幸子もぶっ飛ぶラスボスをド派手に演じてました。邪悪な魔女ですが、実はゲス不倫の被害者、という設定が何か笑えた。ベッキーが川谷に復讐してるみたいな、壮大な闘いしてるわりには実に原因は小っさい話なんですよ。
 トムの前のマスター・グレゴリーの弟子役で、人気TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」の英国イケメン、キット・ハリントンも出てきます。彼も可愛いイケメン!だけど、超チョイ役ですぐ消えます。アリシアとキットは、「戦場からのラブレター」でも共演してましたね~。あの映画のキットは、あまりイケてなかったけど…

 マルキンの手下の魔物たちを演じた俳優たちが、チャーミングなメンツ。ドラゴンに変身する騎士役は、レオの「ブラッド・ダイヤモンド」でオスカー候補になったジャイモン・フンスー。悪い魔物には見えないほど、威風堂々と強靭で凛々しく、カッコいい!彼もあっけなく退治されて、もったいない!アリスの母でマルキンの侍女の魔女役は、「黄金のアデーレ」で美女アデーレ役だったドイツ人女優のアンチュ・トラウェ。地味子なアリスを産んだとは思えぬほどの華やかな美魔女。熊に変身する山伏は、後で知ってビツクリ。懐かしい!ジェイソン・スコット・リー。誰だか全然わかんなかった。

 ベン・バーンズ&キット・ハリントン、ブリティッシュイケメン二人のBL映画が観たい♡ キットは、何と!グザヴィエ・ドラン監督の最新作で初英語映画“The Death and Life of John F. Donovan”に主演!これは楽しみですよね~♪
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