「趣味の問題」
レストランで働くニコラは、美食家で有名な実業家フレデリックにスカウトされ、破格の報酬で彼専属の味見係となる。フレデリックは料理だけでなく、味覚やファッションのセンスまでもニコラが自分と同じになるよう仕向け、要求はしだいにエスカレートしていく。ニコラは戸惑いながらも、フレデリックとの危険なゲームにのめり込み…
このフランス映画、すごく好きなんです。エレガントな変態映画というか。金持ちの熟年と若いイケメンが主役という設定からしてソソられますが、二人が繰り広げるイビツな主従関係、愛憎が異常でスリリング。性的な関係にはならないけど、どんな手段を使ってでもすべてを共有、果ては同化しようとする男ふたりの言動は、じゅうぶんに濃密で耽美的な同性愛のぬめりが。フレデリックとニコラ、人生と命を賭けて二人だけのゲームにのめり込んでいくのですが、何やってんの?!はあ?ウソやろ?!と、目がテンもしくはドン引きするようなことばかり大真面目にするのでプっと吹いちゃう、これってコメディなのかなと思えるほど笑える、私にとってはそんな珍作です。
フレデリックのニコラとの同化作戦が、かなり手が込んでて怖い、けど笑えます。自分と同じ味覚にするために過酷なダイエットをニコラに強要し、腹をすかせたニコラに彼の大好物だけど自分の嫌いなカキを病気になるほど食わせ、もうカキを見るのもイヤにしてしまうとか。ニコラに抱かせた女を自分も抱いたりとか。はじめは困惑したり怒ったりしてたニコラも、だんだん異常さにハマっていってしまい、フレデリックが足を骨折すると自分も…みたいな行為に走った挙句、おいおい~(笑)な末路に。攻めのフレデリックと受けのニコラ、どっちも負けず劣らずな変態。出会った瞬間ニコラにロックオンしたフレデリック、同じ変態のにおいを嗅ぎつけたのでしょうか。甘美で危険な変態ゲームを心ゆくまで味わい尽くして破滅した二人は、ある意味幸せ者だったと言えるのではないでしょうか。親密だけど対等ではない関係も、二人の心理戦を面白くしていました。
ニコラ役は、名作「トリコロール 赤の愛」で私のイケメンレーダーをビビビとさせたジャン・ピエール・ロリ。この作品でもイケメン!端正で優しいマスク、知的で品がある雰囲気が好き。貧乏な若者が贅沢な生活とブルジョアの退廃に磨かれ毒されていく過程を、まるでマイフェアレディの青年版のように魅力的に演じてます。高級スーツの着こなしに惚れ惚れ!あてがわれた女とのセックスシーンでは、全裸も披露してます。フレデリック役は、オゾン監督の「焼け石に水」やルコント監督の「リディキュール」など、フランス映画ファンにはおなじみのおじさま俳優だった故ベルナール・ジロドー。この作品でもねっとりと倦んでて隠微、イカレてるけどエレガント、どこかシレっとした感でクスっと笑わせてもくれる好演。フレデリックの大富豪っぷりも、韓国の財閥とかと違って優雅で洗練されています。
レストランで働くニコラは、美食家で有名な実業家フレデリックにスカウトされ、破格の報酬で彼専属の味見係となる。フレデリックは料理だけでなく、味覚やファッションのセンスまでもニコラが自分と同じになるよう仕向け、要求はしだいにエスカレートしていく。ニコラは戸惑いながらも、フレデリックとの危険なゲームにのめり込み…
このフランス映画、すごく好きなんです。エレガントな変態映画というか。金持ちの熟年と若いイケメンが主役という設定からしてソソられますが、二人が繰り広げるイビツな主従関係、愛憎が異常でスリリング。性的な関係にはならないけど、どんな手段を使ってでもすべてを共有、果ては同化しようとする男ふたりの言動は、じゅうぶんに濃密で耽美的な同性愛のぬめりが。フレデリックとニコラ、人生と命を賭けて二人だけのゲームにのめり込んでいくのですが、何やってんの?!はあ?ウソやろ?!と、目がテンもしくはドン引きするようなことばかり大真面目にするのでプっと吹いちゃう、これってコメディなのかなと思えるほど笑える、私にとってはそんな珍作です。
フレデリックのニコラとの同化作戦が、かなり手が込んでて怖い、けど笑えます。自分と同じ味覚にするために過酷なダイエットをニコラに強要し、腹をすかせたニコラに彼の大好物だけど自分の嫌いなカキを病気になるほど食わせ、もうカキを見るのもイヤにしてしまうとか。ニコラに抱かせた女を自分も抱いたりとか。はじめは困惑したり怒ったりしてたニコラも、だんだん異常さにハマっていってしまい、フレデリックが足を骨折すると自分も…みたいな行為に走った挙句、おいおい~(笑)な末路に。攻めのフレデリックと受けのニコラ、どっちも負けず劣らずな変態。出会った瞬間ニコラにロックオンしたフレデリック、同じ変態のにおいを嗅ぎつけたのでしょうか。甘美で危険な変態ゲームを心ゆくまで味わい尽くして破滅した二人は、ある意味幸せ者だったと言えるのではないでしょうか。親密だけど対等ではない関係も、二人の心理戦を面白くしていました。
ニコラ役は、名作「トリコロール 赤の愛」で私のイケメンレーダーをビビビとさせたジャン・ピエール・ロリ。この作品でもイケメン!端正で優しいマスク、知的で品がある雰囲気が好き。貧乏な若者が贅沢な生活とブルジョアの退廃に磨かれ毒されていく過程を、まるでマイフェアレディの青年版のように魅力的に演じてます。高級スーツの着こなしに惚れ惚れ!あてがわれた女とのセックスシーンでは、全裸も披露してます。フレデリック役は、オゾン監督の「焼け石に水」やルコント監督の「リディキュール」など、フランス映画ファンにはおなじみのおじさま俳優だった故ベルナール・ジロドー。この作品でもねっとりと倦んでて隠微、イカレてるけどエレガント、どこかシレっとした感でクスっと笑わせてもくれる好演。フレデリックの大富豪っぷりも、韓国の財閥とかと違って優雅で洗練されています。