まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

猟奇的なパン屋さん

2022-05-31 | 日本映画
 「死刑にいたる病」 
 鬱屈を抱える大学生の雅也に、24人を殺害し死刑判決を受けた榛村から手紙が届く。中学生の頃、パン屋を経営する榛村と親しかった雅也は、拘置所で面会した榛村から一件だけ自分が犯してない殺人の真相を探るよう頼まれるが…
 「孤狼の血」シリーズの白石和彌監督作。幼稚で無害な最近の邦画界では、その過激で非ポリコレな血なまぐさい作風が異色かつ希少な存在である白石監督、今回もゲロゲロ(死語)な暴力描写が冴えてました。誘拐した少年少女たちを小屋で拷問、虐殺するシーンでの生きたまま爪剥ぎ、眼球えぐり出し。山中で女性が手首足首を裂かれムキ出しになってる骨、などなど。もはや楽しんでやってるとしか思えない、悪趣味な遊び心さえ感じられる白石監督のエグいヴァイオレンスには、何だかもう珍奇で滑稽で笑えるんですよね~。それこそ白石監督独自の持ち味でしょうか。

 それにしても。最近は映画もドラマもサイコサスペンスだらけで、そのほとんどがイージーでチープな凡作。よほどの独特な設定や切り口がないと、目の肥えた映画&ドラマファンを満足させることはできません。この作品も、どこかで見たことがあるような既視感が否めなかった。猟奇大量殺人とか、アメリカならいざ知らず日本だとちょっと無理がある。孤狼シリーズも、韓流ヴァイオレンスの影響がかなり濃厚でしたが、韓流のおどろおどろしさ野蛮さに比べると、どこか軽い薄い。それは日韓の俳優の風貌・個性の違いによるところも大きい。やくざ役やサイコ役の韓国俳優って、ほんと怖いですし。日本俳優はやっぱ、どこか優しげで貧弱なので怖くないんだよな~。榛村役の阿部サダヲも、気持ち悪かったけど怖くはなかったです。

 サダヲさん、苦手な俳優なのですが、俺って演技うまいだろ?的なところが今回は希薄で、いかにも狂気を秘めてますっぽさも抑え気味に、終始明るく穏やかな好人物っぽく演じてたのが良かったです。若い時代のシーンの風貌がキモくて笑えた。あんな髪型のお笑い芸人、いましたよね~。檻の中から人を操る殺人鬼って、ほとんどレクター博士のパロディでした。
 私のお目当ては、もちろんサダヲではなくW主演の岡田健史

 雅也役の岡田くん。大画面では初めてお目にかかったけど、いや~やっぱイケメンじゃの~顔だけだと、わし的には今の日本芸能界最高かもしれんのお。この人イケメンなの?な、イケメン扱いや人気が理解できない俳優やアイドルが多い中、岡田くんはまごうことなき真のイケメンです。美男子だけどオシャレ系とか女みたいにキレイ系ではなく、非イマドキな古風な端正さ、男らしさが魅力。暗くて薄幸そうな、明るい役より悲しい役のほうが似合うところも好き。どよよ~んとした役、演技も可愛かった。長い台詞もあったり、女と激しいディープキスシーンもあったり、彼のデビュー作であるクソドラマ「中学聖日記」に比べて俳優としての成長も、ちょっとだけ垣間見ることができました。

 根暗くんな役ですが、大学でスカッシュをしてるシーンとか、爽やかなスポーツマンでカッコよかった。長身も素敵なのですが、細すぎて色気がないのが惜しい。ちょっとだけ脱いでますが、肉体美とはいいがたかった。まあ、あの役で肉体美なのもおかしいけど、エロさも加われば無敵の男前になれると思う!それと。演技に成長があったとはいえ、基本的にはまだ大根ですでもでも、演技派気どりの非イケメンより、大根イケメンの岡田くんのほうが断然いい!彼の成長を、今後も期待し見守っていきたいです。仕事を選び過ぎるのもよくないけど、くだらない作品に出まくるのもやめてほしいかも。キム・スヒョンが「ある日」で演じた役とか岡田くんにぴったりだと思うので、彼主演で日本でもドラマ化してほしい!

 雅也の母役の中山美穂が…わしにとって80年代最高のアイドルのひとりだったミポリンが、すっかり年をとって落ちぶれて😢主役に固執せず、脇役でも息の長い活躍ができる女優の道を選んだミポリンを応援したいけど、かつての彼女を知ってる者からするとあまりにも凋落しすぎに見えて、痛ましく悲しいんです。ミポリン、すっかりおばさんになったのはまあ仕方ないとしても、いつも同じ表情、顔が何だか固まってる感じが気になった。榛村と過去に深い関わりがありながらも、平然としてる鈍さ神経の図太さが返って怖いママでしたが、あれって単にミポリンの演技が下手なのが功を奏してそう見えただけ?謎の長髪男役の岩田剛典は、何だかコント番組に出演したイケメン俳優、みたいな感じだった。不審さとか怪しさが全然ない!山林で雅也を追っかけてるシーンで、長髪カツラがすぽっと取れちゃうのではと期待してしまいました(笑)。
 死刑囚が収監されている東京拘置所が興味深かったです。すごい立派できれいな建物!あんな風に面会するんですね~。死刑囚にもあんなに簡単に会えるんですね。世間を騒がせた死刑囚と面識があるとか、なかなかないことですよね。もし会いに来てと手紙が来たら、私だったら…

 ↑ 韓流俳優とかBTSとか人気みたいですが、顔だけだとはるかに勝ってる日本人俳優は多い。岡田くんはその代表格。事務所トラブルとかあったみたいで心配。芸能界の汚い大人の事情に潰されることなく、いい役者になってほしいのだけど…
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ロリコンだと思ってた…

2022-05-27 | 日本映画
 「流浪の月」
 親戚の家での暮らしを厭う小学生の少女更紗は、公園で出会った青年文の部屋に招き入れられる。そこで文と共に幸せな日々を送る更紗だったが、やがて未成年誘拐の罪で逮捕された文とは引き離されてしまう。大人になった更紗は恋人の亮と同棲していたが、カフェを営む文と再会し…
 人気BL作家、凪良ゆうの非BL小説の映画化。原作を読んだ時以上に、映画の中の文と更紗を見ていてつくづく思いました。誰かと深い関係や感情を抱きあうことって、本当にしんどいことなんだな~と。その辛苦の中にも確かに歓びや希望はあるのだけど、苦痛や絶望のほうがはるかに強大。そんな愛の経験もなく、この先も無縁に違いない私は寂しい虚しい人間なんだろうな~と自己憐憫すると同時に、文や更紗みたいに身も心もボロボロになることもなく、平穏に無傷に生きていける我が人生に安堵もしてしまいます。

 まさに運命の人、この人に出会うために生まれたかのような文と更紗でしたが、ちっとも羨ましくない運命ですね~。とにかく二人とも不幸すぎます。あんな形、あんな関係の運命だなんて、神さまって残酷。でも、運命の愛は不幸や逆境のほうが、ドラマティックで美しい。映画のラブストーリーは断然、問題だらけ傷だらけのアンハッピーなほうが面白い。文と更紗の愛は、不幸を通り越してほとんどホラーでしたが。そして、ほとんどおとぎ話でもあった。セックスできない男とセックスしたくない女が出会って、セックスを必要としない愛で結ばれる、なんてファンタジーに近い。
 お化けとかサイコ殺人鬼とか、非現実的なホラーよりも怖い、現代社会や人間の狭隘さイヤらしさに戦慄。この映画、悪人はひとりも登場しません。でも悪人よりも怖い、悪意のない鈍感で無神経な人々、他人の不幸を面白がる卑しい人々、自分本位すぎる人々ばかり出てきて、心底ゾっとしました。更紗の職場のパートおばさんたちとか、亮くんの姪とか、善意ぶって嬉々として余計なことを言ったりしたりする人たち。正義の名のもとに文の生活をネットにさらす人々とか、表面的には善行なのが悪質で卑劣。咎められない形で、自分より弱い立場の人たちを貶めることで安心したり、ストレスを解消してる人々のほうが、悪いことだと責めることができる亮くんのDVより怖かったです。

 それにしても更紗の不幸っぷり、一歩間違えればギャグの域なほど壮絶。あんな災厄まみれな人生、私だったらきっと耐えられなくて自殺か発狂してます。いつも薄ら笑いを浮かべてスルーしてる更紗、そのメンタルの強さに驚嘆。単にモテるのとは違う、薄幸が甘い蜜になっておかしな男たちを引き寄せる美人って、ほんと大変ですね。更紗の曖昧すぎるスキがありすぎるユルい部分も、男の執着や狂気を誘引する不幸の要因。同僚の幼い娘を預かり、文と二人っきりにするとか、ありえんでしょ。更紗も文のことロリコンだと思い込んでたのに。世間から異常者扱いされる文と更紗ですが、二人の事情や関係を知らない他人からすると当然の反応かも。文の不幸も悲痛すぎ、重すぎ。でも、美男子に成長できたのは不幸中の幸い。美男なおかげで有利なことも多々あったし。同じ障害をもつ人たち、文みたいなイケメンばかりじゃないと思うので。
 メインキャストは、想定外の好演でした。広瀬すずは、あまたいる苦手女優のひとりだったのですが、大いに見直しました!まずやっぱ、可愛いですね。大人っぽくなってきれいになった。ふっくらむっちりした顔や体型が肉感的で、細すぎて色気のない女優よりも魅力的。亮くんにボコボコにされて血とアザだらけになったり、亮くんとのセックスシーンでは舌もからめるディープキスや乳もまれ、ク〇ニなど、脱ぎはしなかったけど他の人気若手女優がやらない頑張りに、評価爆上げです。甘えたような声はやっぱ苦手。台詞が少な目だったおかげで、それもあまり気にならなかったです。

 文役の松坂桃李、やっぱ他の人気若手俳優とは一線を画す存在ですね。イケメンなだけ俳優じゃない!とう気概が、今回も感じられました。痛々しくも不気味なトーリ、大きな瞳がギョロギョロ怖く、そして美しい!ラストの全裸が衝撃的。素晴らしい演技、存在感でしたが、原作の文とは風貌がかなり違うような気がして。岡田将生とか山崎賢人みたいな中性的な俳優のほうが、見た目的には文に適してたと思うけど。文は男でも女でもない、性のない無色透明なイメージだったのですが、トーリは十分に男。濃ゆい髭剃りあととか太い喉ぼとけとか、文じゃないな~と違和感を覚えてしまいました。19歳の文の時も、かなり無理があった。肌が10代じゃないし。でも、少女にも大人の女性にも性的な欲望のない雰囲気は、すごくよく出してました。既婚者のトーリですが、いまだに私、疑ってます

 すずちゃんとトーリよりもインパクトがあったのは、亮くん役の横浜流星です。原作の亮くんは表面的には朴訥な感じ、私のイメージだと仲野太賀とか岸優太とかだったので、映画を観る前は横浜流星!?ないわ~と思ってしまったのですが、どうしてどうして。流星くん、いい役者じゃん!脱イケメンな怪演!気のいいフツーの青年風で登場しますが、冷酷そうな顔と目つきははじめっから何かヤバさを匂わせてる。その不穏さが秀逸でした。ぷっつん寸前の表情も胸ザワ。ブッコワレてDVストーカー男と化した姿、言動もホラーでしたが、私が感嘆したのは性愛演技の巧さ。キスや愛撫、服の脱ぎ方もリアルに猥雑で素敵でした。機会を与えたら、すごいエロ演技できそう。すね毛の濃さもエロかったです。

 文と交際する大人の女性役の多部未華子はゲスト出演的。ラストにチョコっと出てくる文の母役は、樹木希林の娘(もっくん嫁)でママそっくり。でも女優さんだったの?更紗の働くレストランの店長役の俳優、ぽっちゃりした男前。誰?かと思ったら、三浦貴大だった。少女時代の更紗役の女の子が、可愛くて演技上手。どっかで見たことあるなと思ったら、ドラマ「テセウスの船」に出てた子!彼女の更紗は声も喋り方もドライな感じだったのに、すずちゃんの更紗は甘えたような舌ったらずだったので、ほとんど別人格みたいでした。
 「悪人」「怒り」も非ポリコレな秀作だった李相日監督、撮影監督は「哭声 コクソン」や「パラサイト 半地下の家族」と同じ、だからかもしれませんが、最近の邦画らしからぬシビアさイタさは、どことなく韓流映画を彷彿とさせます。韓流映画っぽい邦画を喜ぶなんて、よく考えたら情けない事態ですね。悲しいメルヘン的で透明感ある映像も美しかったです。
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華麗なる一族⑥~⑫ 兄と弟が…

2022-05-25 | 日本のドラマ(連続)
 WOWWOWの連ドラ「華麗なる一族」第6話から最終話まで観ました。
☆名探偵経験者3人
 大介役の中井貴一、大蔵大臣役の石坂浩二、鉄平の妻の父役の小野寺昭。金田一耕助を演じたことがある俳優が出演してますね。
☆ペットと同じ
 マキコの妊娠に不快感をあらわにし、子どもはいらない、欲しいなら犬でも猫でも飼えばいい、と冷たく言い放つ銀平。ニヒルでかったるそうな藤ヶ谷くんの表情がいいですね~。

☆元カノ
 いきなり登場するモデル風の美女アキコさん。銀平の元カノ!身分の差ゆえに身を引いたみたいですが、こんな陳腐なエピソード要らんわ!棒読みアキコさん、でも以後まったく出てこず完全な使い捨てキャラだったので安堵。
☆キツい性格が隠せない
 トラブルが起きてアメリカの取引先会社に電話する鉄平、英語でも高圧的で感じ悪い。阪神製鉄の重役たちへの詰問も圭角があって、御曹司っぽくないんですよね~。向井理はエリート役とかは似合うけど、生粋のお坊ちゃま役は無理ってことがよくわかった。
☆キスマイブサイク?!
 次女ツギコの婚約者役で、キスマイの宮田が登場!藤ヶ谷くんのバーター?まるでキスマイブサイクのコントが始まりそうな登場と風貌で笑えた。
☆鉄平も脱いだ
 行きつけの料亭でひと風呂浴びる鉄平。藤ヶ谷くんに負けじと、向井理も脱ぎました。色白で肌きれいだけど、細すぎて色気はゼロです。抱かれるなら韓流男優みたいなモムチャンがいいけど、自分がなるなら向井理とか岡田将生みたいなスラっとほっそり体型が理想です。

☆北くんと山さんagain
 大同銀行の専務綿貫役で、六角精児登場。六角さん大好き。相変わらず強烈な個性と見た目!演技の巧さも鼻につかないのが不思議。狡猾だけど人間味がある綿貫、高潔ぶってるけど高飛車な鉄平よりも好感が持てます。それはそうと。向井理と六角氏といえば、懐かしの「傍聴マニア」!もう13年も前のドラマなんですね~。二人ともそんなに見た目は変わってないのが驚異です。このドラマでは二人は顔を合わせず残念。

☆イケズな銀平が好き
 流産し嘆き悲しむマキコに、ますます冷たい銀平。マキコがこれまたキャラも見た目もいけ好かない女なので、銀平に苦しめられてる傷つけられてる感じが全然しない。むしろ銀平にギャフンと言わされてるようで溜飲がさがります。藤ヶ谷くん、煙草を吸う姿がサマになってる。実際にも喫煙者なのかな?

☆変態お坊ちゃま?
 婚約者である総理大臣の甥っ子を毛嫌いするツギコ。他に好きな男がいるから、という理由だけではなさそうな嫌悪っぷりが笑える。キスマイの宮田、ほとんど台詞はなくただニコニコ笑ってるだけなのですが、その笑顔が何だか気持ち悪いんですよ。実は変態かも、と疑わせるような感じ。

☆ぜったい悪いと思ってなさそう
 高炉建設現場で爆発事故が起き、多数の死傷者が。謝罪会見を開く鉄平ですが、記者に詰め寄られてちょっと逆ギレっぽい表情や口調に。上級国民の冷たい傲慢さはよく出してるムカイリーです。それにしても鉄平の無能さ、トラブルメーカーっぷりにはみんな大迷惑ですよね~。才能も実力もないのに自信だけはある、という困った人の典型です。
☆シスターズ
 これまた深層の令嬢には見えない妹たち。普段は大した用もないのに鉄平に会いに来てた妹たちが、鉄平一家の引っ越しには手伝いに来てない。鉄平が本家に挨拶にいくと、妹たちも銀平もいたので笑ってしまった。手伝えよ!まあ、上流社会の人たちはそんなことはしないんでしょうね。

 あまり一緒のシーンがなかったムカイリーとガヤ、最後のお別れシーンでの抱擁が切ない。もうちょっとBLっぽい兄弟関係にしてもよかったのでは(^^♪
☆さよなら鉄平
 雪山で靴下を脱ぐ鉄平。足が白くて細くてきれい~!女より美しいムカイリーの足に瞠目!悲劇的なシーンなのに、演技よりもそっちのほうが気になってしまった

★総括
 キムタク版よりははるかにましなキャストでした。でも今の俳優さんたちでは、昭和のブルジョアの重厚さとか退廃を表すのは無理みたいですね。すべてにおいて軽い薄いです。
 上流階級の子息に見えたか否かはさておき。向井理&藤ヶ谷太輔の共演が、二人のファンとしては嬉しかったです。思ってたより一緒のシーンがなかったのが残念。藤ヶ谷くんは最後のほうになるとチョコっとしか出てこなくなったような。
 
 最優秀賞 六角精児
 優秀賞 中井貴一 
 悪くなかったで賞 向井理 藤ヶ谷太輔 内田有紀
 ???賞 キスマイの宮田
 いかがなものかで賞 吉岡里帆 鉄平の妹たち 工藤監督の息子

 ↑六角氏&ムカイリーの「傍聴マニア」また観たくなってきた!この頃のムカイリーのカッコカワイさは神ってた!今でも傍聴マニアがムカイリーのベスト作品、ベスト演技だと思う!

 ムカイリーは「ハリー・ポッターと呪いの子」ガヤはイプセンの「野鴨」、秋からは舞台に!どっちも観に行きたい~!


 
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男前チャンバラ イッツ翔タイム②

2022-05-23 | 演劇
 三十郎にスターの座を奪われる坂東春之介役の近藤公園も、なかなか男前で美声。三十郎の親友で助監督の岡村役の入野自由は、有名な声優さんだとか。岡村役、男らしい青柳くんとお似合いの可愛いイケメンだったら、二人のブロマンスはもっと香しくなっただろうな。トホホだったのは、三十郎と恋に落ちる芸者役の人。元AKBと聞いて納得。演技といい風貌といい、志村けんのバカ殿の腰元レベルなんですよ。大人の事情な起用なんだろうけど、無名でもいいのでちゃんとした女優さんにしてほしかったです。スカッとジャパンなどイヤなおばさん役で人気の宍戸美和公も、芸者の一人で出演してました。演出がラサール石井だからかもしれませんが、全体的に演劇というよりコントみたいな舞台でした。ドタバタとギャグシーン満載なのですが、残念なことに私はあんまし笑えなかった。むしろ、もうちょっと真面目にやってほしいかも…とか思ってしまいました。

 明るく純粋な三十郎、背徳の悪漢である高円寺龍之介を二役のように演じる青柳くん。高円寺龍之介の十八番芸、舌を出して卑猥に腰を振る、が可愛かった!もうちょっとエロくやってほしかったけど。カッコカワイさは存分に発揮してたけど、色気のほうは希薄だったのが惜しまれます。役にのめりこむあまり、現実生活に支障が出てしまったり、自分自身を見失ってしまう三十郎ですが。役者の業の深さ、狂気とか破滅的な感じもほとんどなかった。いい子すぎ?

 書生みたいな普段着、高円寺龍之介の時の衣装、着物姿もカッコカワイいかったけど、海外ロケに出かける旅の船上での洋装もイケてた青柳くん。何を着ても似合いますね~。危険な戦場を利用して撮影を敢行する三十郎たちですが、映画に命を賭けてる心意気に感嘆というより、無謀すぎる!と呆れてしまった。もし今ハリウッドの映画人が、リアルな戦争シーン撮りたい!とウクライナでロケなんかしたら、大問題になるでしょうね。映画を愛する人たちのために、というよりもひたすらスクリーンの中で高円寺龍之介として生きたいだけの三十郎、そのためには自分だけでなく他人の犠牲をもいとわぬ狂気。コメディコント調でなければ、かなり怖い話になってたことでしょう。

 手に手をとって永遠にスクリーンの中で生きることになる三十郎と親友の岡村、というファンタジーなラスト。最近の演劇は映像も駆使することが多いんですね。三十郎と岡村の運命はBL的で、腐にはときめき度が高いものなのですが。二人にもうちょっと同性愛的な親密さがあれば、もっと切なく幸せな余韻が残ったはず。その点も惜しい。
 カーテンコール。三十郎じゃない青柳くんは、ドン・ジュアンのアイドルな藤ヶ谷太輔や、ガラ動のキャマカワいかった岡田将生と違い、すごく落ち着いた、ひょうひょうとしたところもある大人の男性って感じでした。キャスト・スタッフを代表して、観客に挨拶とお礼を述べる青柳くん。かんだ時に見せた苦笑いが可愛かったです。

 好きなイケメンを堪能した後は、おいしい夕食🍚大阪第四ビルにある洋食屋さん、ぶどう亭でステーキ&ハンバーグ定食をいただきマンモス(^^♪ひとりでも入りやすい店。ハラペコだけど小食な人にはちょうどいい量で美味しかったです。時どき大都会に出て演劇を楽しんで軽く美味しいもの食べて帰る。これが私のささやかな楽しみのひとつにすっかりなってしまってます。次はお江戸まで遠征して、大好きな俳優が主演の、あの人気魔法少年が大人になった設定の舞台劇を観に行きたいです(^^♪

↑ イケオジに進化中の青柳さん。大人の作品、演技での本格的主演作を熱望!

↑ 若い頃の青柳くん、可愛い!
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男前チャンバラ イッツ翔タイム①

2022-05-01 | 演劇
 またまた行ってしまいました!大阪へ!大好きな青柳翔主演の舞台「三十郎大活劇」を観に!
 世の中だいぶコロナへの恐怖も警戒も緩んできてますね。コロナで死んだほうがはるかにまし!と、連日報道されるよその国の非道い戦争に暗澹となる毎日です。塗炭の苦しみに苛まれることもなく、慎ましいながらもいろんなことを楽しめてる幸せを嚙みしめながら、今回も大阪に向かいました。
 到着した梅田の喧噪は相変わらず、疫病も戦争もどこ吹く風な活気に満ちていました。今回は梅芸ではなく、大阪城公園にあるCOOL JAPAN PARK OSAKA での上演。久々の大阪城、背景はどんより曇り空で落城寸前のような風情でしたが、公園ではたくさんの人たちが平和に憩っていました。

 ちょうど植木市をやっていて、ゆっくり見て回りました。広くて緑深くて、いいですね~大阪城公園。ジョーテラスとか知らなかった。美味しそうなお店もあったので、次回はランチしたいです。COOL JAPAN PARK OSAKAは森の中にあるような立地の、シンプルさがおしゃれな感じな劇場。それはそうと、気のせいかしらん?男性ひとり客がやたらと多かったような。劇場前の青柳翔のポスターを撮影するおじさんたち。私の両隣の席や前のほうの席にも、独りで来てると思しきおじさんたちが目立つ。99%女性客だった藤ヶ谷太輔のドン・ジュアンでは見られなかった光景。このおじさん率の高さは、いったい?青柳翔には男性ファンが多いのかな。確かに男(ていうか、その筋の方々)にもモテそうだもんね。私もまあ似たようなおっさんなので、妙なシンパシーと安心感。客席はガラガラではないけど、空席もそこそこありました。梅芸でのドン・ジュアンとガラスの動物園は、ほぼ満席でしたが…そうこうしてるうちに開園!

 暗い舞台中央に、うつ伏せになってる男が。青柳くん?にしては小さいなと思ったら、小倉久寛だった。すぐに青柳翔登場!大正時代の書生みたいな風体で、めっちゃ元気いっぱいで明るい好青年役!どちらかといえば若い頃から暗くて寡黙な役が多く、最近は胡乱な役を得意にしてる感じの青柳くんなので、アホみたいな陽キャラが新鮮かつ可愛い!最近はいい感じにおじさんになってきてた彼ですが、舞台の上ではめっちゃ若く見える!ちょっと痩せたのかな?さらに驚かされたのは、彼の美声。すごくハキハキと明朗で美しく響くんですよ。けだるく低い声で喋るイメージだったので、まるで別人みたいだった。俳優になる前は歌手を目指していて、数年前には念願の歌手デビューも果たした青柳くんなので、声がきれいなのは道理。今までそれを活かす役があまりなかっただけなんですね。マイクしてたおかげでもあったんだろうけど。つけてるマイクが目立って気になった。

 それと青柳くん、やっぱ背が高い!大きい!他の出演者とは身長差があって、彼と一緒にいると小倉氏や女優さんたちは子どもに見える。ガラ動の岡田将生も長身でしたが、スラっとほっそりしてる岡マと違い、青柳くんはガッチリと強靭そうな体躯なので、すごく男らしくて舞台映えします。明るい性格、デカい図体だけどヘタレで、頭ちょっとアレなのかなと思ってしまうほど純真な三十郎を、舞台狭しとダイナミックに演じる青柳くん、アラフォーとは思えぬほど若々しくて俊敏な動きと声!今回の席は前方のど真ん中だったおかげで、オペラグラスなくても演者がよく見える!青柳くんをガン見してたら、たまに目が合った?!な錯覚に襲われたりしてドキ!
 冴えない大部屋俳優の三十郎、実は北島マヤも真っ青の天才役者で、スイッチが入ってカリスマ悪人キャラにアドリブで変身!その鮮やかさ華麗さは、観客をも瞠目させ魅了する!自ら花吹雪を舞い散らせ、悪のヒーロー高円寺龍之介を爆誕させるシーンの、青柳くんのカッコよさときたら!声音も三十郎の時とは全然違ってて、ひょっとしたら青柳くんも三十郎同様、実はスゴい役者だったのかも…と、ちょっと彼への認識があらたまってしまった。高円寺龍之介が大当たりし、栄光の映画スターになる三十郎ですが…
 to be continued
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