まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

帰ってきた怪獣王

2014-07-31 | 北米映画 08~14
 「GODZILLA ゴジラ」
 初めてハリウッドでリメイクされたゴジラは、こんなのゴジラじゃない~!国辱もの!と日本のゴジラファンを激怒させ、ゴジラ詐欺映画として悪名をとどろかせました。忘れもしない、私は当時まだ小学生だったダミアンを連れて観に行き、噂通りのゴジラじゃない怪獣に呆気にとられたものです。どんな内容だったかなど、まったく記憶にありません。たぶん観た翌日には忘れてたはずダミアンは結構気に入ったみたいでしたが。再びゴジラはハリウッドでリメイクされ、奇しくもダミアンとまた観に行ったのでした。月日が流れるのは、本当に早い。あの可愛いチビっこだったダミアンも、すっかりスーツが似合う大人の男に…私も年を取るわけだよ…
 閑話休題。で、新ゴジラはどうだったかというと…すごく面白かったです!前のと比べると、ちゃんとゴジラだったし。しかも、ゴジラがかなり男前キャラなんですよ。ゴジラは自然界のバランスと平和を守るため、神様が地球に送った使者なのでしょうか?敵の怪獣ムートーとの死闘は、思わずゴジラ頑張って~!と応援してしまうカッコよさなのです。人間どもはぜんぜん使えないし、俺がやらなきゃ誰がやる!と、孤軍奮闘、満身創痍なゴジラに、闘う男の男気を感じてしまいました。って、ゴジラが♂か♀かも知らないのですが
 破壊の限りを尽くす夫婦怪獣ムートー、その暴虐の夫婦愛が笑えました。はるばる海を渡り、やっとアメリカで出会えた二匹、キスしたのが微笑ましかった。繁殖のため、夫婦力を合わせて暴れ狂う姿は、なかなか迫力満点。♀のほうがデカくて強いのが面白かった。せっかく産んだタマゴを人間どもにメチャクチャにされた上、愛する旦那も殺られてしまい大激怒、ゴジラをも圧倒するパワーを発揮するムートー嫁、げに恐ろしきは女の怒り、怨み! 

 それにしても。最新のハリウッドのCG技術って、ほんとスゴいですよね~。ちょっと前までは、ほとんどアニメじゃん!な露骨CGだらけに辟易させられたものですが、このゴジラ映画のCGはリアルでCGのはずなのにCGに見えないところに感嘆。大がかりなセットといい、邦画のガッチャマンとかが、いかにショボいか思い知った。金のかけ方が違います。
 こういう映画にツッコミを入れるのはヤボってものですが…アメリカがあんなことになってるというのに、他の国は何してんの?!もっと笑えたのは、ハワイがムートーに壊滅させられたのに、ラスベガスではフツーに人々がカジノで遊んでるって…まあ、ウルトラマンとかも、怪獣や侵略宇宙人が来るのは日本だけだしね
 「インディペンデンス・デイ」とか「ディープ・インパクト」とかパニックSF映画って、ベタベタしい人間ドラマが何か鬱陶しいけど、このゴジラはそういうのが希薄。そういう点においても、ワタシ的には高評価。ただ、やはり日本人としてすごく考えさせられる設定でもあります。原発事故、地震、津波。日本を襲った災厄を映像化したような、恐ろしいデジャヴのようなシーンがテンコモリで、被災地の方々にはかなり悲痛で苦々しい映画かもしれません。おもしろおかしく観ていた私も、後で自己嫌悪に陥ってしまいました。エンターテイメントにしてはいけない要素な気がして…やはりアメリカ人と日本人の震災の捉え方には、かなりの隔たりがあるのでしょうか。
 ゴジラとムートーが主役な映画なので、人間側は別に誰が演じても同じなのですが、意外と必要以上にシブくてユニークなキャストでした。
 
 主人公(いちおう)の若い軍人フォード役は、「キック・アス」などで人気のアーロン・テイラー・ジョンソン。癖のないフツーっぽいイケメンですね。日本人の科学者役は、すっかりハリウッドスターなケン・ワタナベこと渡辺謙。この映画のケンさん、何かいつも口ポカンと開けてるシーンが多くて、知的な科学者には見えなかったのがちょっと…
 フォードの母役が、何とジュリエット・ビノシュ。ミヒャエル・ハネケとかヨーロッパの作家主義名匠の映画だけでなく、ハリウッドのド派手なブロックバスター映画にも出演。どこにでも顔を出す貪欲ぶりは、相変わらず衰え知らずなJBさんです。この映画ではすぐに退場しますが。こんな小さな役ぐらい、仕事が欲しい下っ端女優にやらせてあげればいいのに、と思った。ケン・ワタナベの助手役は、今年「ブルージャスミン」でオスカーにノミネートされたサリー・ホーキンス。彼女にしろJBさんにしろ、彼女たちじゃなくても全然OKな役でしたが…私らだって、こーいう映画にたまには出たいのよ~!ってノリなのでしょうか。
 帰りの車中で…
私『そーいや、ミニラ出てこなかったですね!』
ダミアン『ミニラ、死んどるし』
私『え!ミニラが死んだ?!そ、それはどういうことですか?!』
ダミアン『前に悪い怪獣に捕まって、空から放り投げられて墜落死した』
私『ひ、非道い!!』
 と、しばらくショックとミニラ哀悼で、私は言葉を失ってしまったのでした…
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不倫妻は見た!

2014-07-23 | 北米映画 80s~90s
 お松の独りイザベル・ユペール映画祭③
 「窓 ベッドルームの女」
 社長夫人シルヴィアは、夫の部下であるテリーとの情事の最中、寝室の窓から婦女暴行を目撃する。シルヴィアの代わりに目撃者として警察や法廷で証言するテリーだったが、いつしか容疑は彼に向けられるようになり…
 後年「ゆりかごを揺らす手」や「L.A.コンフィデンシャル」など秀作を撮った、カーティス・ハンソン監督の1986年の作品です。事件に巻き込まれた主人公が、追いつめられ絶体絶命に陥るサスペンスフルな内容と展開は、どこかヒッチコック監督の作品を彷彿とさせます。殺人事件を描きながらも、殺伐さや悲壮なところがほとんどなく、テリーと暴行事件の被害者であるデニースが、手を組んで犯人に罠を仕掛け事件を解決しようとする姿が、ロマンティックコメディっぽさで描かれているところも、ユーモアを常に漂わせていたヒッチコック監督っぽかったです。

 あ、マズい!あ、バレる!と、軽くハラハラさせられる演出が、なかなか冴えてました。デニーズが犯人に自分を襲わせようとバーで彼を挑発するのですが、外で待機してるテリーにいろいろ邪魔が入ってデニーズに危険が、な展開がスリリングでした。あと、シルヴィアが犯人に殺されるバレエの劇場シーンとか、なかなか洒落た演出。驚くべきトリッキーなところは全然なく、お話的には火サスか土ワイとそんなに変わらないのですが、軽妙にさりげなく才気を感じさせる演出が秀逸でした。あと、80年代のムードたっぷりで、時代を感じさせます。ファッションとか車とか音楽とか、懐かしい古さ。でも、不思議とダサいとか思わなかった。携帯やパソコンなど、もちろん出てきません。でも、そんなものなくてもフツーに不自由なく暮らせてたんだよな~。
 のっぴきならない事態にアタフタする主人公テリー役は、「ポリスアカデミー」シリーズで人気だったスティーヴ・グッテンバーグ。

 動けば動くほど悪いほうへとドツボにハマる、頭も運も両方悪いテリーにピッタリなトンマで優しそうな顔、可愛いです。すごいお人よし顔。善人顔すぎて、シリアスものやサスペンスが似合わないんですよね~。ちょっとブラッドリー・クーパーとカブります。やたら脱がされてたのも印象的(ケツも披露)。胸毛が濃いけど、いいカラダしてます。当時まだ20代だったのでしょうか?お肌がツルツル。背中の肌がピチピチしてたし。首の張りとかで、年齢って分かりますよね~。最近見ないけど、今も活躍してるのでしょうか?
 夫の部下である年下の男と不倫する人妻シルヴィア役が、イザベル・ユペールです。

 「天国の門」以来のハリウッド映画出演?当時30代半ば、美しいさかりのユペりん。ブロンドのクールビューティという、これもヒッチコック監督が好んでいた美女役を好演してます。キャラも超クールでドライなところが、ユペりんらしかった。やっぱハリウッド女優にはない、独特の美しさと雰囲気。年下男とノリノリで浮気しながら、事件の証言は彼に押し付け、ヤバくなってきたら躊躇なく男を切り捨てる。薄情で身勝手なビッチ。けど、そんな女に好んで振り回される男って、いますよね~。男をオモチャにするのも、ユペりんだとカッコいい。だいたい、スティーヴ・グッテンバーグとイザベル・ユペールとじゃあ、見るからに釣り合わなさすぎというか、格が違いすぎる。こんな男に本気になんか絶対ならんだろう、な高嶺の女の魅力。映画の中盤で殺されてしまい、退場しちゃうのが残念。イザベル・ユペールの80年代マダムファッションも、エレガントかつ華やかで目に楽しいです。ベッドシーンでは、当然のようにオールヌードになってましたが、セックスした後にシーツを胸に巻いてたり、ベッドから出たらもう下着はいてるとかのほうが不自然ですよね。

 ↑イザベル・ユペールの華麗なるファッションショーも、この映画の見どころのひとつ。やっぱハリウッドや韓流の金持ちマダムと違い、着こなし方もセンスも優雅で洗練されてます
 テリーに協力するデニーズ役は、「普通の人々」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」などが忘れがたいエリザベス・マクガヴァン。誰が泣き寝入りなんかすっか!倍返しだ!(死語?)なデニーズの男前キャラに好感。最近は人気英国ドラマ「ダウントン・アビー」で好演している彼女ですが、若かりし頃の勇ましいヴァイタリティあふれた姿もチャーミングです。すごい下ぶくれ童顔。しかも超強そう。彼女なら、襲ってくる男など返り討ちのボコボコにしそうだったけど。犯人に罠を仕掛けるためセクシーギャルに変装するのですが、どう見てもニューハーフ
 お人よしでマヌケな男の情けなさに比べ、クールな悪女とタフなヒロインが魅力的。女のほうが強い!カッコいい!なフェミニスト映画でもあります。
 「LAコンフィデンシャル」がまた観たくなってきた~。まだ若い頃のラッシーとガイPが超イケてるんですよね、あの映画
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清らかな牢獄

2014-07-22 | フランス、ベルギー映画
 お松の独りイザベル・ユペール映画祭②
 「La Religieuse」
 18世紀のフランス。ブルジョア家庭に育った16歳のシュザンヌは、両親の意向により修道院に入れられる。尼僧としての生活になじめず、いったんは家に戻ったシュザンヌだったが、彼女の母は不義によって娘を産んだことを告白。母の罪を贖うことを強いられ、再び修道院に送り戻されるシュザンヌを待ち受けていたのは、屈辱的で残酷な日々であった…
 日本未公開の2013年の作品。1961年のジャック・リヴェット監督、アンナ・カリーナ主演の問題作「修道女」のリメイクだそうです。英語字幕、今回は宗教的な専門用語とか表現が多かったので、難しかったでも、映画の内容はいたってシンプル、決して難解ではありません。おおざっぱにまとめれば、非人間的な因習に苦しみながらも、人間らしい生き方を求め続ける女性の物語、です。結婚とか男社会の職場で、いわれない理不尽、不公平に悩み抗う現代女性にも通じるテーマと言えましょう。
 洋画も邦画も、尼さんものと女囚ものって似てますよね~。扇情的に毒々しく描かれる、陰湿で残酷な女だけの世界。いじめとレズは、もはや欠かせない要素。この映画でも、ばっちり描かれてます
 心も体も清らかに、静かに暮らしているはずの尼さんたちなのに…その精神にも肉体にも、醜い悲しい煩悩がトグロを巻いてます。俗世と隔てを置き、厳しいライフスタイルを貫いてる彼女たちの抑圧された感情や欲望は、かなり狂気的で悲痛です。どれだけ神さまにすがっても、救われることがない業深き女たち。そのはけ口のように、はみだし者を寄ってたかって攻撃する姿が、おどろおどろしい。彼女たちにとっては、いじめでも虐待でもなく、すべて神の名のもとに行われている聖なる行為。ほんと宗教って怖いなあ~と戦慄を禁じえません。

 尼さんなんかになりたくない!帰りたい!とダダをこね、言うことを聞かないシュザンヌへの罰地獄!地下牢に閉じ込められ、食事もろくに与えられず、糞尿まみれ。ボディチェックで素っ裸にひん剥かれたり、裸足で引きずられていく階段にガラス瓶を巻き散らかされてたり、ツバひっかけ、掃除してるところを故意に汚されたりetc.犯罪レベルから小学生のいじめレベルまで、女の陰険さや冷酷さがコレデモカ!と。信仰の果てが、あれなのか~。思いやりのかけらもない、冷たく悪意に満ちた修道院は、俗世よりも病んだ醜悪世界に映りました。天使にラブソングなんか歌ってない、抑圧された行き場のない閉塞感、狂気に蝕まれてる尼さんたちの、声にならない断末魔の叫びが聞こえてきます。ほんとはこんなことない!と、尼さん協会(そんなんあるのか知らんが)からクレームとかこないのかしらん?
 それにしても…自分の意志でならいざ知らず、シュザンヌのように無理やり尼僧にさせられるなんて、そんなことがまかり通ってしまう社会って、怖すぎます。刑務所なら、まだ仕方がないなという諦めとか、刑期をまっとうすりゃシャバに出られるしという希望が抱けるけど…シュザンヌを見てたら、懐かしの戸塚ヨットスクールを思い出してしまった私なら確実に発狂するか、謎の不審死だわ。狂いもせず死にもせず、非道い目に遭っても耐えぬいて自由を手にすることを諦めないシュザンヌの強さが驚異的でした。シュザンヌの静かでしぶとい受け身な抵抗は、ただ暴れて反逆すればいいってもんじゃないのかも、と考えさせられるものでした。
 おぞましい狂った話なのですが、冷ややかで美しい映像のおかげで、不思議と気持ち悪さとかおどろおどろしさを感じません。清らかで気品ある僧衣とか、着てみたい~とコスプレ心をくすぐります。修道院の厳しくも静かな清貧生活も、2、3日なら経験してみたいと思った。新人シスターたちの出家の儀式?も、厳かに壮麗です。
 シュザンヌ役は、ベルギー人女優のポーリーヌ・エティエンヌ。若い頃のヘレナ・ボナム・カーター似?清楚で可憐だけど、世の悲運を一身にまとってるかのような不幸顔。大胆なオールヌードも強烈でした。ショートカットがよく似合ってて可愛かった。
 映画の後半、何とか恐怖の体罰修道院を出て、アットホームな明るい修道院へ移るシュザンヌですが…そこで次に彼女を待っていたのは、これまた悪夢のレズ地獄シュザンヌを見初め、モーションをかけてくるビアン修道院長役が、イザベル・ユペールです。

 今回のユペりんも、かなりヤバいです。はじめは、気さくで慈愛に満ちた徳のある女性だったのに、だんだんシュザンヌに対してストーカーちっくな言動を始め、どんどん物狂おしくなってく危険なおばさんに変貌。夜中、シュザンヌの寝室に来てベッドにもぐりこみ、わけのわからないことを言いながらハアハアな姿は、もう醜悪すぎて滑稽でもあった。迫られてる時のシュザンヌの表情が、心底ウザそうで笑えます。しまいにゃ人前で乱心する、困ったちゃんな院長。抑圧された中年女の崩壊って怖いわ~と、怖気をふるいました。

 表面的には誰よりもクールでエレガントな女性、実は猛毒と狂気を秘めたヤバい女の役、というのはユペりんのオハコです。ビアン院長のユペりん、まとも→狂気スイッチ入る、の繰り返しが、何かルナティック雑技団のマダムゆり子みたいで笑えた。彼女の冷厳な雰囲気は、尼僧役に合ってました。インパクトはありますが、出番はそんなに多くないです。
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愛は眠らない

2014-07-21 | イタリア映画
 暑中お見舞い申し上げます
 ここ広島でも、梅雨が明けました~いよいよ夏本番です今年こそ、何だか乗り越えられそうにない悪寒、じゃない、予感がします。と毎年言いつつ、生き恥さらしながら長生きをしている私です♪
 世間では夏休みという楽しそうなものが始まってるみたいですが、あっしにはかかわりのないことでござんす。今日は海の日だったとか。ウミはウミでも、私はeveryday 膿のような日々です。
 夏といえば、夜に怖いホラー映画を見るのも一興ですね。でも私、ホラー怖くないんですよねえ。私にとって、ホラー映画の殺人鬼やモンスターよりも怖いのは、ヤバい女イタい女。その頂点に君臨する激ヤバ女王さまといえば、やはりイザベル・ユペールをおいて他にありません。彼女の冷徹さ酷薄さには、いつもゾゾっとさせらっぱなし。クールダウンにはもってこい。そこで、熱帯夜を涼しく過ごすため、イザベル・ユペール映画祭とシャレこむことにしました~♪日本未公開作品も含めた、新作旧作をピックアップおつきあいいただければ、マンモスうれPのりPです♪

 お松の独りイザベル・ユペール映画祭①
 「眠れる美女」
 17年間植物人間状態の女性エリアーナの安楽死をめぐり、イタリアでは激しい論争と抗議の嵐が渦巻いていた。そんな中、妻の生命維持装置をはずした政治家、愛娘が植物状態の大女優、患者が昏睡したまま目覚めない医師の3人も、エリアーナの運命を固唾をのんで見守っていたが…
 イタリアの名匠、マルコ・ベロッキオの作品。イタリアで実際に起きた社会問題にインスパイアされて作られた映画だそうです。
 安楽死、人間の尊厳…難しい問題ですよね~。私なんかからすると…植物人間になってまで生き永らえたくないし、植物人間じゃなくても、ボケて寝たきりとか、耐えがたい治らない肉体的苦痛とか、生きることに絶望的な状態だったら、安楽死がどれほど自分にも家族にも救いになるだろう、と思ってしまうのですが…愛する人が植物人間になったら、もちろんどんなことをしても回復させたい、死なせたくないとは願うでしょうけど、起きるあてのない奇跡を待つ苦しみと疲れに、耐えられそうにありません。醒めることのない眠りについた人も、いっそ死んだほうが楽で幸せ、なんて考えは、自分本位すぎるのでしょうか?私も今のうちに、脳死になった場合のこともちゃんと家族と話し合って、もしもの時は誰も身勝手な判断を下したと謗られたり自責することがないようにしておかねば♪
 この映画は、どちらかといえば安楽死を、人間の尊厳ある死として肯定的にとらえてる?反対している人たちをかなり異常に描いてるから、そう感じられたのでしょうか。安楽死への反対抗議デモと、夫や息子を無視して眠れる娘に執着する大女優の、常軌を逸した狂気的とも冷酷とも身勝手とも言える姿には、それでいいのか?!それが正しいのか?!と疑問を抱かされました。エリアーナや娘を思いやりることよりも、自分の信念を強硬に貫こうとしているように見えたから。これって、死刑の存置廃止問題にも似てる。死刑反対の人権派の方々って、特に光市の母子殺人事件の裁判なんか、被告人の人生を守るということよりも、国家に逆らうために躍起になってる風だったから…

 安楽死反対の民衆と大女優が敬虔なキリスト教徒だったことも、いろいろ考えさせてくれました。宗教、やっぱ怖いな~と。無宗教な私なんかから見たら、何でそこまで!?と戦慄してしまうほど。敬虔なのは悪いことではなく、むしろ美しいなあ、立派だなあ、と尊敬しますが、狂信的なのはいけません。デモとか、暴力じゃん。大女優の言動も、夫や息子にとっては精神的暴力。自分の信仰心のためには、人を傷つけてもいいの?まったく優しさや救いを感じさせない、宗教き○がいを非難・批判している映画のようにも思えました。
 安楽死や人間の尊厳について、深く考えさせられたい方には、おすすめな映画ですが。内容も暗くて救いがないし、政治家、大女優、医師の3組の物語が同時進行される構成も、意外な形で3つはつながっていた!なんて斬新でトリッキーな面白さもありません。イタリア、アナーキーな国だな!とか、ベルルスコーニ氏が真面目な顔してる!とか、ヘンな感心はしてしまいましたが。
 苦悩する政治家役は、イタリアきっての名優トニ・セルヴィッオ。シブくて濃ゆい熟年おじさま。タダモノじゃないオーラびんびん放ってます。フツーのおじさん役とか、できないのでは?今年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「追憶のローマ」にも主演してますね。
 大女優役は、フランスから招かれたイザベル・ユペール。

 キャリアを捨て、娘につきっきりな母親を、ユペりんが冷ややかに演じてます。まさに冷酷な聖女。ほんとなら、優しく哀しい慈母、岩崎宏美の歌が聞こえてくるはずの聖母なのに…その表情、態度は、彼女を愛する者を傷つけ、絶望へと追いやる。夫などまったく眼中になし。大女優の母を崇拝し、自分も俳優になりたいと願ってる息子に対する、あの無関心さ冷淡さ!非道い!宗教にすがる姿も、静かに狂ってる怖さが。

 娘に献身的に自己犠牲的に尽くし、篤い信仰心で自分を律しているようですが…どうも彼女、そんな“哀しみの聖女”を、憑かれたように演じてるみたいなんですよね。憑依型の女優の自己催眠っぽさ、というか。寝たきりの娘のケアは、ぜんぶ使用人がやってくれてるので、介護地獄な日々ではない。彼女自身は、ただもう身も世もなく、そして優雅に祈ってるだけ。お金とヒマがあるんだなあと、介護してる方々からしたら羨ましいやら呆れるやら、なのでは。鏡の前を通るたびに自分の顔を一瞬見るところや、息子が眠っている娘を罵倒するのこっそり聞いてる時の、何だか熱狂的なファンの賞賛を浴びてるような満足げな表情とか、マクベス夫人の台詞を口にする寝言とか…やっぱ根っからの女優というか、娘を愛してるのでも、息子を愛してないのでもなく、ひょっとしたら愛憎の対象は演技だけ、骨の髄まで女優な女なのかな。女優とそうじゃない時の境界線がなくなってしまったのでしょうか。女優の狂気、業の深さが興味深かったです。
 大げさな動きや表情はいっさいしないけど、怖い!非道い!とゾっとしてしまうところが、さすがイザベル・ユペール。あの冷たく虚ろな瞳だけでも、フツーの女優には不可能な神技。彼女のエレガントな身のこなしやファッションも、まさに大女優の気高さと貫禄です。息子が母の若い頃の映画をTVで観ているシーンがあるのですが、そこで使われてる若かりし頃のユペりんの映像が印象的。可愛い!けど、牛を殺して血を飲む時代劇の令嬢役?!いったいどんな映画なんだよ!と気になった。イタリア語で演技してるユペりん、旦那さまが確かイタリア人なので、イタリア語も堪能なのでしょうか。
 大女優の息子役、ブレンノ・プラシドが、なかなかのイケメン!

 ちょっと若い頃のジョニー・デップ+ジェームズ・フランコっぽい?少年役なのに、男の色気が。母への憧れと、振り返ってもらえない悲しさ、痛みに満ちた瞳と表情に、胸キュンです。あんなイケメン息子、私ならほっとかないけどなあ。ママには棄てられた子犬状態でしたが、パパには別人のように超キツいのが笑えた。母と同じ俳優である父に向って、パパは演技ヘタだから!とか、大根役者!とか、だらしない男!とか、バカにしまくり。妻はあんなだし、息子はキツいし、娘は寝たきりだし、あのパパがいちばん可哀想だった。医師役の、ベロッキオ監督の実の息子であるピエール・ジョルジョ・ベロッキオも、なかなか男前でした。
 
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屋根プリ⑦~⑫ 身のほどをわきまえよ☆

2014-07-18 | 韓国のドラマ
 ユチョン主演の「屋根部屋のプリンス」第7話から12話まで観ました~。

☆髪は男の命
 イ・ガクと3人の従者、散髪屋で髪をバッサリ切られて、ののちゃんもビツクリな号泣。髪切ったら、フツーの青年になりました。
☆韓国女って、怖い
 カフェでパク・ハにコップの水ぶっかけるセナ。こんなシーン、今の日本のドラマじゃ見られませんよね~。韓国ではフツーな光景なのかなあ。
☆韓国人のファッションセンスって、ほんと…
 テヨンの大叔母さん、毎回スゴい服着てますよね~。ほとんどシャンソン歌手か漫才師のステージ衣裳ですよ。どっからどー見ても、セナはキャバ嬢だし。あんなカッコで勤務が許される会社って…
☆子どもの頃は、私もよくやったけど…
 ピンポンダッシュするイ・ガクとパク・ハ。いい年して何やってんの、と呆れた。はしゃぐユチョンは超可愛かったが。

☆元のほうがいい
 屋根部屋を改築するイ・ガク。豪華になったけど、これまた悪趣味なんですよ。住み心地悪そう。前のボロのほうがよかった。
☆韓国、怖い国
 ドアが勝手に閉まり、コンセントがショートして、火事になる倉庫!ひえー!こ、怖い~!韓国人の安全意識の低さは、ドラマでもよく解かる。
☆鬼婆
 火事になった倉庫に閉じ込められ、あわや焼け死ぬところだったパク・ハ。イ・ガクが彼女を救うために大事な商談を壊した、とテヨンの祖母である会長は激怒、パク・ハにビンタ!おいおい~。それはないだろ~。自分の会社の社員が、会社のせいで死ぬところだったんだよ。ビンタじゃなくて、逆に謝罪だろ。韓国の人権意識の低さも、ドラマでよく解かります。

☆仕事しない韓国人
 イ・ガクへの恋をあきらめるため、会社をやめるパク・ハ。届を出したらすぐ辞めるって…周りの迷惑とか、ぜんぜん考えてないみたいですね。韓ドラって、こーいうの多いですよね。労働意識も低すぎる。
 だいたい、このドラマの登場人物がまともに働いてる姿、見たことないし。イ・ガクもパク・ハも3人の従者も、楽しそうに遊んでばっか。
☆思わせぶりな女は嫌い!
 パク・ハが残した別れの手紙。携帯もつながらず、気が気でなくなるイ・ガク、初めて自分も彼女を愛してると気づく。悩み苦しむ彼の前に、シレっと何ごともなかったかのように戻ってくるパク・ハ。はあ~!?と愕然、そして大いにムカつきました。あの手紙は何だったの?!何で携帯に出ないの?!作戦?!あーいうことする女、ほんと苦手です!
★総括
 ユチョンは毎回感動的なまでに可愛いのですが、内容がバカバカしすぎてキツいです。

 ↑ユチョンの最新ドラマ「Three Days」は、シリアスな犯罪ドラマみたいで楽しみ♪初出演映画「海霧」の日本公開はいつ?
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恍惚の吸血

2014-07-14 | イタリア映画
 夏のせいにしたい…でも、悪いのは私の脳みそ♪
 こないだ、市営バスに携帯を置き忘れてしまいました。バス会社に問い合わせたら、幸い見つかって自宅近くのバス停を通るバスの運転手さんに言づけてくれて、すぐに返ってはきたのですが。ヘンな人に拾われてめんどくさいことにならず、ホっと安堵はしましたが。精神的な疲労感は、ハンパなかったです。
 昨夜は、部屋でお茶をこぼしてしまいました。しかも、お茶の直後には花瓶もひっくり返してしまった。しかも、よりによって描いたばかりの似顔絵の上に!!他にもこぼすスペースは、いっぱいあるのに!何で何で何で~!ちょっと前は、カバンの小ポケットの中に入れてた詰め替え用ファブリーズがこぼれて、普段持ち歩かないのに何でかポケットに入れてたノートパソコンのワイファイがファブリーズの海に浮かび、壊れてしまった!
 ひとに話すと笑ってくれますが、私は全然笑えないんですよ~。怖いです。ドヂなんて可愛いレベルじゃないですよね。物忘れも非道いし、もう痴呆の域ですわ。配偶者よりも、介護者求ム☆

 「ダリオ・アルジェントのドラキュラ」
 19世紀末のルーマニア、ペンシルバニア。パスブルグという小さな村に、村の名士ドラキュラ伯爵に司書として雇われた青年ジョナサンがやって来る。遅れて村に到着したジョナサンの妻ミナは、不可解な村の雰囲気と夫の失踪に動揺する。すべてはミナを狙うドラキュラ伯爵の罠だった…
 「サスペリア」などイタリアンホラーの巨匠、ダリオ・アルジェント監督の最新作。え~?!何これ?!と、観てる最中も観終わった後も、ぽか~んとなってしまった。まあ、珍品と言えなくもないけど…怖い怪奇ものではなく、ヘンテコなおバカ映画です。大真面目に作ったのか、それとも確信犯的に珍妙にしたのか。ダリオ先生にしか分からない、その不思議なノリはすごく印象的でした。
 何だか、キャラの動きとか立場とか、展開もまとまりがなくバラバラ、いうか、かなりいい加減な感じなんですよ。ジョナサンとかルーシーとか、メインキャラがほとんど使い捨て扱いだし。編集と脚本に問題あり。でも、そんなことはダリオ先生にはどうでもよかったのかも。とにかく、大好きな要素をこれでもか!と投入して満足♪なダリオ先生の、悦に入った顔が目に浮かびます。

 ダリオ先生の大好きなもの、それは鮮血と虫。吸血鬼ものなので、流血シーンは当然避けられません。しかし、必要以上に血まみれなんですよ。血を吸うシーン以外にも、ドバドバ血が飛びまくり。ドラキュラものというより、人間が残酷に殺されまくるホラースプラッターものみたいです。血も、真紅すぎてペンキみたい。全然リアルじゃないのが笑えます。フツーに殺されず、いちいち凝った殺害シーンには、ダリオ先生の鮮血の美学を感じます。鮮血と並び、虫も人間以上にフューチャーされてます。蛆虫とかハエとかゴキブリとか、小さい不快虫がウジャウジャってのが、ほんと好きなんですねダリオ先生。これは笑いを狙ってるんですよね?!な形で、ある虫が現れます。巨大化して、人間に襲いかかってきます。何であの虫なの?!まったくもってイミフですが、あのシーンは確実にプっと笑えますよ!
 その巨大化した虫もそうでしたが、CGの異様なまでのチープさも、この映画の特徴です。ハリウッドの最先端CGを見慣れてる目には、驚異的なまでの稚拙さ。わざとなのかなあ。あんなチープなCGって、なかなか見られませんよ。特殊効果系は安っぽいけど、ロケとかセットには結構金かけてます。コスチュームも美しかったです。
 昔、子どもの頃に夜中TVで放送してたドラキュラものは、怖いけどどこかクラシカルで格調高い雰囲気だったけど、このホラードラキュラはケバケバしくて、かなりオゲレツです。冒頭のエロシーンなど、バカな若者がエッチしてる最中にジェイソンに惨殺される13日の金曜日なノリだし。若い男のほうは、なかなかイケメンで、いいカラダしてました。
 国際的なキャストの顔ぶれは、なかなか興味深く魅力的です。
 ドラキュラ伯爵役は、ドイツからトーマス・クレッチマン

 トーマスも老けたけど、やっぱカッコいいですね。クールだけど優しそうなところが素敵。血まみれで目も歯もムキまくりな形相が多かったけど、あまり怖くも不気味にも見えなかった。ヒロインのミナに対する紳士的な態度とか、悲しい過去語りしている表情とか、枯れた大人の男の魅力が。ドラキュラ伯爵の衣装が、トーマスのオハコ役であるナチの将校っぽく見えたのは私だけ?トーマスって、ちょっとだけ井浦新に似てる?ARATAをゴツく爽やかにした感じ? 
 ドラキュラ城にやってくる若い司書ジョナサン役は、スペインからウナクス・ウガルデ。久々に彼を見ましたが、やっぱちょっとだけガエルに似てますね。ヴァンパイヤハンター、ヴァン・ヘルシング役は、オランダからルドガー・ハウアー。彼も久々に見ましたが、すっかり爺さんになりましたね。終わり近くになって登場して、サクサクと悪者をブっ殺す展開は、あっさりすぎるというか、かなり強引。町長の娘ルーシー役は、ダリオ先生の愛娘アーシア・アルジェント。トーマスより、彼女のほうが怖いです。まったく必然性のない完熟ヌードも披露。トーマスとアーシアさんは、ダリオ先生の怪作「スタンダール・シンドローム」でも共演してましたね。変態強姦魔役だったあの映画のトーマスは、めっちゃセクシーだったなあ。ミナ役のイタリア女優マルタ・ガスティーニが、清楚で可憐で美しかったです。

 ↑リーアム・ニーソンとはガチで兄弟役ができるトーマスですが、井浦新にも最近似て見えるんですよね~
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おかしくなり荘

2014-07-11 | フランス、ベルギー映画
 「テナント 恐怖を借りた男」
 パリで部屋を探していたトレルコフスキーは、古いアパルトマンを見つけ入居を希望するが、そこでは住人であるシモーヌという若い女性が、窓から飛び降り自殺を図ったばかりだと知る。やがてシモーヌは死に、トレルコフスキーは彼女の部屋に引っ越してくるが…
 名匠ロマン・ポランスキー監督の隠れた名作として、カルト的な人気を誇るサイコサスペンス、ていうか、ニューロティックなブラックコメディ?異様だけど珍奇で笑えるシーンが多く、狂った人の異常言動にゾっとしつつ、笑っちゃいけないと思いつつ笑ってしまう、ちょっと号泣議員の記者会見とカブるところもある悲喜劇です。
 誰かが俺の悪口を言っている!とか、あいつは私を嫌っている!とか、あの人のせいでこんなことになった!とか、人間誰でも生きてれば猜疑心とか強迫観念に多少は襲われたりするものですが…それが度を過ぎると、トレルコフスキーみたいなことになってしまう。はじめはフツーの真面目で善良な、ちょっと小心で神経質な男だったトレルコフスキーが、だんだんと些細なことの積み重ねで神経過敏となり、妄想にとり憑かれて幻覚幻聴に悶絶・錯乱、とうとうトンデモ暴走で破滅…という展開が、静かに丁寧に不気味に描かれています。覚せい剤でも脱法ドラッグでもないのに、あんな風にイカレてしまうなんて。早く病院に行けよ~と呆れてしまいました。でも…トレルコフスキーの猜疑心と脅迫観念は確かに異常でしたが、病んだ現代社会、特に無関心や悪意に満ちた都会で暮らしてると、性格が優しすぎて弱い人ならストレスのせいでヘンになっても不思議ではないよな~と、常にオドオドしてて、必要以上に他人に気をつかうトレルコフスキーとちょっと相通じる性格の私は、あながち他人事じゃないかも?と怖くなってしまいました。

 トレルコフスキーを狂気へと追いつめていく“些細なこと”が、映画を観てる者の神経をも逆なでします。口うるさい大家のじじい、無愛想で意地悪な管理人のおばはん、キモい住人の、理不尽で不快な言動に逆らったり怒ったりせず、ぐっとガマンするトレルコフスキーにもイラっとさせられる。まるで自分を見ているようでトレルコフスキーと彼らのやりとりは、イライラさせられるけど何かトンチンカンで笑えます。
 じわじわとコワレはじめ、狂気スイッチが入って正常のラインを踏み外してしまうトレルコフスキーのトンデモ暴走が、これまたアブノーマルすぎてもうギャグの域なんですよ。みんなが寄ってたかって僕をシモーヌにしようとしている!それならこっちだって…と、なぜか自分からシモーヌになろうとして女装なんでやねん!なんてツッコミは、まとも人の常識でコワレ人には通じません。独り悦に入った女装も、ヤバすぎて笑えます。ほとんどミイラな入院中のシモーヌとか(声にならない絶叫が怖い!)、トレルコフスキーが公園で泣いてる子どもを突然ビンタしたり(これ、かなりの問題シーンですよ。非道い!可哀想!)、ラストの窓からダイブ(2回も!)とか、黒い笑いを狙ってるとしか思えなかった。壁の穴から出てくる歯とか、キモい住人の悪質なイタズラなど、現実?妄想?観客を惑わせ不安に陥れる演出は、さすが「反撥」や「ローズマリーの赤ちゃん」など傑作を放ったポランスキー監督です。
 主人公トレルコフスキーを、ポランスキー監督が自ら演じています。

 俳優としても高く評価されてるポランスキー監督。小柄で優しそうで知的で、根暗というより内気な感じが結構可愛い。サッカーのスーパースター、メッシにチョイ似?それと、稲垣吾郎にも似て見てた。ぶっコワレ演技はかなり迫真、かつ楽しそう。女装とかノリノリだったし。未成年の少女とエッチした罪で、アメリカにいられなくなった直後に撮った作品とのことですが、当時の監督の心理を反映した内容なのでしょうか。淫行なんかしなくても、あれだけの才能と名声、見た目も可愛いし、いくらでも美女が寄ってきただろうに。暗い生い立ちや病的な嗜好があっても、映画界から抹殺されることなく名匠として崇拝され続けてるポランスキー監督、スキャンダル直後にもかかわらず、この映画のキャストはなかなか豪華です。
 シモーヌの友人で、トレルコフスキーと親密になるステラ役は、何と!私の永遠のシネマ女神、イザベル・アジャーニ!

 世界中の映画ファンや映画関係者を驚嘆させた「アデルの恋の物語」の次回作に、イザベルが選んだのがこの作品。トンボめがね、ボサボサにしか見えないパーマ、悪趣味な服、ブルース・リーの映画を観ながら欲情したり。何か得体の知れない怪しさを漂わせてるイザベル。チョイブス娘に化けてはいますが、やっぱそんじょそこらの美人とは比べものにならない美貌は隠せません。まだ二十歳そこそこなので、ほんと可愛いです。

 怪しくもトボけたイザベルの演技も、なかなか印象的で笑えます。出番はそんなに多くないのが残念ですが。ポランスキー監督とは、再度組む企画が何度もあったみたいなのに、なぜか全て頓挫してしまったのも残念。
 大家のじじい役はメルヴィン・ダグラス、管理人のおばはん役はシェリー・ウィンタース。どちらも2度のオスカーに輝いたハリウッドの大物俳優。彼らの神経逆なでキャラも秀逸です。あと、冷たく陰鬱に撮られたパリの街並みも、不安感や不吉さを醸しています。
 好条件なのに異様に安い、いわゆる“ワケアリ物件”には、くれぐれも気をつけましょう、という教訓にもなっている映画です。でもま、私はそんなに気にしないかも…超高級マンションがタダ同然だったら、そこで一家心中や一家皆殺し事件があったとしても…
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哀しみの性生活不一致!

2014-07-10 | イギリス、アイルランド映画
 ちょっと今さらな話題ですが…日本中を震撼?とさせた、あの号泣議員ののちゃんこと野々村竜太郎氏について…
 あの号泣会見、近年稀に見る衝撃的な映像でしたよね~。はじめ、私も多くの視聴者同様に、お笑いタレントのコントかと勘違いして、すげー何これ?!誰これ?めっちゃ笑える~!と、その狂態にショック&爆笑だったのですが、え?!これリアルなの?!しかも、本物の県会議員?!と判明した瞬間、爆笑は戦慄に代わったのでした…

 50前のおっさんが、恥も外聞もなく半狂乱で泣きわめいている姿は、醜悪を通り越してホラーですよ。精神を病んでるのかな、としか思えなかった。言い訳にも主張にもなってない、わけのわからない狂った発言なんか、いま流行りの脱法ドラッグの影響?!かと疑ってしまった。兵庫県民の方々にとっては、狂人キャラといい不正疑惑といい、こんな人を議員に選んでしまったという後悔と憤懣で、笑うに笑えないトンデモ人物ですよねえ。型破りで破天荒な人は大好きですが、ののちゃんみたいに他人にとって迷惑で不愉快で恐怖な人は、単なる異常者。私も気を付けたいです

 「ライアンの娘」
 20世紀初頭、独立運動の気運が高まるアイルランドの寒村。パブ経営者ライアンの娘ロージーは、年の離れた教師チャールズと結婚するが、彼女の若い肉体は満たされることはなかった。そんな中、村にドリアンというイギリス人青年将校がやって来る。ロージーとドリアンは強く惹かれ合い、やがて人目をしのぶ関係となるが…
 「アラビアのロレンス」や「ドクトル・ジバゴ」などの巨匠、デヴィッド・リーン監督の作品。美しくもシビアな不倫メロドラマです。壮大なスケールと格調の高さで、数々の名作を世に送り出したリーン監督。この作品も、3時間近い超大作です。集中力のない私でも、1回休憩だけで完観することができたほど、ドラマティックで流麗な展開にグイグイ惹きこまれました。
 お話じたいは…夫との夜の夫婦生活に満足できず悶々としてた若妻が、若い男とのセックスに溺れて…という、日本の昼ドラでやっても陳腐さを否めないもの。ハリウッド映画の凡百な監督なら、エロシーン満載のチープな映画になってただろうところを、さすが巨匠デヴィッド・リーン監督、悲痛で哀切なメロドラマに仕立てあげているのです。欲求不満の若妻、寝取られ夫、間男の、はたから見れば滑稽で、本人たち以外からするとどーでもいいような下半身スキャンダルも、演出しだいではこんな美しく哀しいラブストーリーに化けるものなんだなあ~と感嘆。

 この映画の素晴らしすぎる点は、やはり何と言ってもアイルランドの厳しくも美しい風景を、ドラマを盛り上げるために巧みに活かしているところでしょう。どのシーンも、ほんと絵画のような美しさです。蒼く荒涼とした海や、激しい波に打たれる岩、目も眩むような断崖、森の緑etc.特に、ロージーとドリアンが初めて結ばれる森のラブシーンは、こんなとこで青カンしたら気持ちいいだろーな!と思わせる夢幻的な美しさでした。自然の脅威でさえ、圧巻の壮麗さ。逆巻く嵐のシーンなど、どうやって撮影したのでしょうか。CGを見慣れた目には、驚異的な映像でした。いろんな映画の舞台になってるアイルランドですが、この映画ほど美しく撮られてる作品はないのではないでしょうか。アイルランド、ますます行ってみたくなりました。
 自然は美しいけど、住んでる人々の狭量さ、卑小さはドン引きものの醜悪さです。はっきり言って、八つ墓村より怖い村です。イギリスへの反発と抵抗感で心がささくれだって鬱屈してるだけでなく、仕事がなく貧乏で、教養もなく無知、ヒマと体力と偏狭なモラルを持て余している村人が、障害者のマイケルをいじめたり、レジスタンス活動に大興奮して総出で協力したり、不倫がバレたロージーをハブったりなぶったりする姿は、集団ヒステリーっぽい狂態で戦慄ものでした。あんな村、ぜったい住みたくない~!冷たく荒ぶる出口のない海に囲まれてると、あんな風に心が閉塞感と絶望で充満してしまうものなのでしょうか。

 ロージー、はじめは高慢で身勝手な欲求不満娘にしか見えず、チャールズが可哀想!とか思ってたのですが、性生活の不一致なんて、やっぱ深刻だよなあ、ガマンなんてできないよなあ、と同情も。いいタイミングで、若いイケメンが現れてよかったね!ヤるのが速攻すぎて笑えたが。セックスの相性がピッタリな相手って、ひと目見た瞬間でビビビ!ときちゃうものなのでしょうか?そんな経験、一度はしてみたいものです高すぎる不倫の代償を払うロージーですが、ニヒルなまでに毅然としてるところはカッコよかったです。時代と場所が違えば、自由奔放なトンでる女(死語)として、モテモテでブイブイなバラ色の青春を送ってたかもしれないロージーでした。演じてるサラ・マイルズの、強く理知的な、簡単には泣いたり弱さを見せたりしないヒロイン像は、いかにもイギリス女優って感じです。もうちょっと初々しい可憐さがあっても、とは思ったが。
 チャールズが可哀想すぎて…みじめだよなあ。迫ってきたのはロージーなのに、いざ結婚してみると、セックスがアレだからと絶望失望されるなんて。男のプライド、ズタズタじゃん。彼のセックスのどこがダメなのか、はっきりとした描写はなかったのが気になる。裏切られても非道い目に遭っても、ロージーを許し愛する彼の高潔さ、優しさが悲しかったです。愛する者は寛容で、愛される者は残酷、より愛したほうが負け、ということなのですねチャールズ役のロバート・ミッチャムは、見た目がたくましく男らしいし、精力も強そうだったので、もうちょっと文系優男の俳優のほうがよかったのでは。心と体に傷を負ったドリアンの刹那的なキャラも、悲劇のメロドラマによく合ってました。演じてるクリストファー・ジョーンズの、翳りのある悲しげな美男子ぶりも印象的です。
 キャストの中で最も強烈なのは、知的にも身体にも障害のあるマイケル役のジョン・ミルズです。

 え?!ちょっとヤバいのでは?!と怖くなるほど、リアルな見た目と演技です。ピュアで哀れな天使ではなく、どことなく不吉な疫病神っぽいキャラ。チョコマカと動き回って余計なことをして、悪意のかけらもなく不幸や悲劇を運んでくるマイケルに、無邪気も時には罪深いものなのだなあ、と暗澹となってしまいます。マイケルを台詞なしで怪演したジョン・ミルズは、アカデミー賞助演男優賞を受賞しています。
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仕分けされた近未来!異端娘とイケメン戦士

2014-07-04 | 北米映画 08~14
 「ダイバージェント」
 最終戦争後、人類は<無欲><高潔><博学><勇敢><平和>という5つの共同体に分かれて暮らすことを義務づけられていた。<高潔>出身の少女ベアトリスは、選別のテストでどの共同体にも属さない、危険分子として迫害される運命にある<異端者>と判断されるが…
 なかなか面白かったです。表向きは近未来アクション映画なのですが、スポ根やラブストーリーの要素が濃厚で、少女漫画が好きな人にはすごく楽しめるかも。仕分けされた世界というのも、ユニークな設定で発想力に感服です。いろいろツッコミたくなる“???”なところも多々あるのですが(仕分けテストが結構アバウトで、試験官の思惑ひとつで何とでもなりそうなところとか、仕分け世界はアメリカのシカゴだけなの?他の州は?他の国は?とか、近未来なのに武器やメカがあまり進化してないところとか、いろいろ気になった)細かいことは気にせず、楽しんだもん勝ちな映画です。

 5つに仕分けされた世界も、基本的には今の現実の社会とそんなに違わないな~と、権力闘争や陰謀に血道をあげる人々や、クーデター、独裁、拷問、いじめ、虐待etc.人間って、いつまで経っても不変な生き物なのですね。
 <勇敢>を選んだベアトリスが、ド根性でサバイバルなトレーニングに打ち克っていくスポ根と、イケメン教官フォーとの恋愛がメインなせいか、奇想天外で壮大なSFを期待するとガクっとなるかもしれません。ベアトリスとフォーは、ほとんどエースを狙えとかスチュワーデス物語なノリです。平凡そうな少女が、ツンデレな男前教官にシゴかれて、才能を見出され成長する、そんなヒロインを愛するようになる教官…いいですね~。よくあるパターンながら、永遠の萌え設定ではあります。異端者(ダイバージェント)の特殊性とか、巨悪の陰謀とかにももっと焦点を当てて、綿密に面白く描いてほしかったけど。
 強制仕分けされても、家族と二度と会えないとかシビアすぎるシステムではなく、子どもが大学に入るため実家を出る、程度のユルさだったのも、そんなに怖い近未来じゃないな~と肩透かし。それぞれの能力や資質、性格に合った共同体で生きるってのも、返っていい考えなのでは、とさえ思ってしまった。私なら?<勇敢>と<博学>はまず無理だし、<高潔>は不適切だし、アーミッシュみたいな<無欲>の生活や価値観はしんどいから、楽しそうに仲良く農業する<平和>がいいかな♪

 愛と正義のためには、武器をもち戦うことも大事!という、ちょっと戦争肯定っぽいテイストが、なきにしもあらず?集団的自衛権が問題になってる日本の国民としては、カッコよく敵を倒していくベアトリスやフォーの戦いは、勇敢なのか蛮行なのか考えさせられもします。
 ベアトリス役のシャイリーン・ウッドリー、なかなかの男前女子でした。とにかく、たくましい!可愛いけど、ぶりっこじゃないところに好感。彼女の顔、ナタリー・ポートマン+ケイト・ウィンスレット+ハリセンボンの近藤春菜、みたいな。すごいハードな生活と特訓でも、長い美しい髪形や、バッチリつけまつげの崩れがないのには笑えた。
 この映画、最大の魅力(わし個人的にですが)といえば、もちろんフォー役のテオ・ジェームズの、クールでワイルドでスウィートなイケメンぶりじゃ~!

 テオ、ぶちカッちょええ~!!イケメン慣れした目が、久々に熱いときめきで潤いました。鋭い眼光の精悍な面構え、ブロンドの短髪、セクシーな厚い唇、低いけど甘い声、屈強で引き締まった肉体美、もう若い♂の魅力であふれてて、文句のつけようがないわ。男濃度が高いけど、特濃ではなく濃さが適度なのがいいんです。

 見た目以上に、フォーのキャラがこれまた萌えるんですわ。最強なカリスマ戦士で、寡黙でミステリアス。余計なことをしたり言ったり絶対しない。好きな女に冷たくしつつ、さりげなく助けたり励ましたり。ワケアリなトラウマを抱えてたりもする。まさに少女漫画の典型的なツンデレ王子さま。

 いったん愛したら、ツンデレからデレデレになって、ベアトリスを全身全霊で守り抜くフォーの単純さも可愛かったわ~。ベアトリス、タトゥーを見たいわなんて上手にフォーを脱がせてナイス!脱がせておきながら、急ぎたくないのなんておあずけ食らっても、わかった待つよなんてガマンするフォーの優しさにも萌え~でした。
 超絶美男!ってわけでないけど、テオが異様にカッコよく見えたのは、たぶん他の男キャラがみな非イケメンだったからかも。なぜ?!故意に?!と疑問に思ってしまうほど、テオ以外イケメンがいなかった!ベアトリスの兄ちゃん役の男優は、「キャリー」リメイク版で学園の王子さま的な役やってた子ですよね?お笑いタレント顔なんだけど…アメリカではあーいう顔がイケメンに仕分けされるのかな。どうせなら、隅々までイケメンでそろえて欲しかったです。
 <博学>の最高幹部で、政権掌握を目論むジャニーン役は、英国の横綱女優ケイト・ウィンスレット。

 おケイさんがこの手の映画に出演、しかも悪役、というのも珍しい。最近、大物女優がヒールを演じるのが流行ってるみたいですが…ものわかりのいいインテリエリート女、の時のおケイさんは、素敵な大人の女性って感じでカッコよく、冷酷非情な正体をあわらにした時は、ユダヤ人を迫害虐殺するナチスドイツの高官みたいで怖かったです。同じような役だった「エリジウム」のジョディ・フォスターは、シワクチャ梅干ばあさんみたいだったけど、それに比べたらまだまだ美しいおケイさん。ますますどすこいな体格も素敵だった。<勇敢>の戦士たちなど、完全に貫禄負けしてましたし。
 「トワイライト」や「ハンガーゲーム」シリーズは、1作でリタイアした私ですが…この映画は、パート2も楽しみにしています♪

 ↑テオ・ジェームズ、1984年英国オックスフォード生まれの現在30歳。ホラードラマ「ベッドラム」の時から、イケてるな~と思ってたテオ。日本では大ブレイクはしそうにないけど、ワタシ的にはダントツにイチオシなう、な男子です
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イケメン作家の盗作疑惑!

2014-07-03 | 北米映画 08~14
 先日行った美容院での、微笑ましいお話…
 髪を切ってもらいながら、太るのいやとか肌荒れ怖いとか、見た目の劣化を心配する話を美容師さんとしてたら、図ったかのようなタイミングで、有線から“ありの~ままで~いいの~♪”と、松たか子の歌声が。そうよ!ありのままでいいのよ~!と、みんなで爆笑し合いました。でも…私のダメなポイントをあげてみると…ありのままでいいわけねーだろ!と、テキトーなこと言ってんじゃねえよアナ雪!なんて怒りがこみあげてきました♪ありのままでいいと思える人なんて、ほとんどいないのでは。思ってはいけないと思うし。悪い点に目を塞いだり、臭いものに蓋を閉じるようなことをして現状維持、は決して“ありのまま”ではない、ということを肝に銘じる私なのでした…

 お松の第2回独りブラパ映画祭③
 「ザ・ワーズ 盗まれた人生」
 作家を目指すローリーは、新婚旅行先のパリで買った古い鞄の中から、小説の原稿を発見する。それを自分の作品と偽って出版社に持ち込んだローリーは、瞬く間に人気作家となるが…
 愛しのブラッドリー・クーパーが、珍しく?シリアスな役を演じてたのが新鮮でした。なかなか認めてもらえない、作家になれない焦りや、盗作で得た名声への罪悪感に苦しむ姿など、繊細な演技もなかなかイケてたブラパです。でも、基本明るくアホっぽいので、どんなに思いつめても、そんなに深刻にも暗くもならないところがブラパらしくもありました。カッコいいけど、ナルシーなカッコつけ感が皆無なところが好き。それはそうと。ブラパって、「リミットレス」でも芽の出ない作家の役やってなかったっけ?作家っぽさは全然ないけど、実際にブラパみたいな作家がいたら、作品以上に見た目で人気になりそう。

 悩める姿よりも、奥さんに優しく甘いラブモードなブラパが素敵すぎて、キュンキュンしちゃいました。執筆中に奥さんに誘われて、辛抱たまらん!になっちゃうところとか、パリで奥さんの肩を抱いて歩いてるところとか、so sweet!ああ~こんな優しそうでカッコいいアメリカ男と私も~と、桃色な夢を抱いてしまいました。顔といい体つきといい雰囲気といい、頭のてっぺんからつま先までオールアメリカンなところがブラパの魅力です。アメリカ人以外の役なんか、絶対できないでしょうね。今回も、バキバキマッチョじゃない、ガッチリムッチリしたブラパのガタイが、温かく柔らかな包容力を感じさせて、ほんと抱かれ心地よさそうでした。
 お話は…現実の有名作家が、盗作をした男(ローリー)の苦悩と、盗作された小説を書いた老人の若い頃の悲劇を物語る、という設定。ちょっと「めぐりあう時間たち」を思い出させる内容でしたが、冷たく重くシビアで、大女優たちの演技と存在感が強烈だった「めぐりあう~」に比べると、こっちはストーリーもムードも演技も、韓流っぽい甘さと軽さです。戦後のパリの話とか、悲劇がありきたりというか。作家の業とかも、もっと残酷に壮絶に描けてたらと残念。

 それにしても…ブラパが演じてるから余計に、ローリーが善良すぎに思えた。私がローリーだったら、罪悪感よりもバレたらどうしよう!バレないようにせねば!という焦燥感に悶えるでしょうし。真実を公表する!と老人に許しを請うローリーには、好感どころかイラっとした。私なら、老人の口を封じるかも老人も、命を削るように書き上げた小説を盗まれたというのに、泥棒を返って励ましたり慰めたりする始末。いい人すぎるだろ~。私なら、脅迫するよ確実に骨までシャブリつくすかも。ま、ローリーと老人が私みたいな卑しい人間だったら、もっとチープなサスペンスドラマになってたでしょうね
 老人役は、イギリスの名優ジェレミー・アイアンズ。かつては英国を代表する美紳士だったアイアンズ氏も、すっかり爺さんになりましたねえ。でも、美老人です。みすぼらしいホームレス風でも、気高さや知性、奥深い風格が滲み出てるところは、やはりハリウッドのスターとは違います。ブラパも、アイアンズ氏を脇に従えるようになったなんて、ずいぶん出世したものですね。

 老人の若い頃を演じたベン・バーンズが、なかなかの美男子でイケてました。ちょっとメルヴィル・プポー似?メルヴィルを優しくした感じ?現実の作家役は、何だか久々に見たデニス・クエイド。私、若い頃の彼、すごく好きだったんですよ。まさにアメリカン・タフガイって感じで。彼もすっかり年取ったなあ~。隔世だわ。今でもイケてますけど。三浦はるまと今のデニス・クエイドどっちかと寝ろと言われたら、躊躇なく後者を選びます(笑)。

 ↑ブラパの新作は、クリント・イーストウッド監督やキャメロン・クロウ監督の作品。過去の作品と比べると、彼がいかに大物になったかよく解かりますよね~
 第2回ブラパ映画祭、これにて終了(早っ!)♪お目汚しありがとうございました~

 By the way 先日、某映画の試写会に行ってきたのですが…久々に電撃的な超ビビビ!イケメンが前からカッコいいとは思ってたのですが、これほどまでとは~ブラパも吹っ飛んじゃいましたわ誰かって?それは…to be continuer☆ 
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