「ウォーリアー」
元アル中の孤独な老人コンロンのもとに、絶縁状態だった元軍人の次男トミーが戻ってくる。格闘技のリングに立つために、葛藤を抱えたまま父と子はトレーニングを始める。一方、やはりコンロンと疎遠になっていた高校教師の長男ブライアンは、娘の医療費で生活苦に陥り、仕方なく格闘技で金を稼いでいたが…
映画界最旬の男、トム・ハーディ主演作。秀作との評判にもかかわらず、長らく日本では未公開だったのですが、ようやくDVDスルー。
最近人気の英国俳優たちの中にあって、一線も二線も画す独特なポジションにいるトムハ。そのアウトローぶり、そしてゴリマッチョぶり、ここに極まり!な映画でした。
いや~いいですね~。このゴリゴリしさ、たまりまへんわ日本のイケメン俳優とか、みんなオカマに見えてしまう。精悍を通し越して、獰猛なトムハ。ちょっとでも気分や機嫌を損ねたら、問答無用にボコボコにされてしまうのでkeep out!なヤバさ素敵です。元々ゴリマッチョな彼が、格闘技に身を投じる元軍人役ということでさらにビルドアップ、北斗の拳実写版にそのまま出てほしいほどの肉体が、とにかく圧巻です。
格闘シーンも、大迫力でリアル!本物の格闘技が行われているかのような臨場感は、格闘技ファンも楽しめるのではないでしょうか。トムハも、俳優が演技でやってるとは思えぬほどのファイターぶりで、あれは生半可な役者では絶対できないよな~と、拳や足の動き、表情に見入ってしまいます。戦闘モードに入ってる彼は、とにかく殺気と怪気炎が蒸気のようにシューシュー出てて怖いです。まさに殺す気?!な戦いぶり。対戦相手をボッコボコ半殺しにして、勝利しても大歓声を無視して速攻でリングを立ち去るところが、すごくカッコよかった。
とっても怖くてヤバい、けど何か可愛い、というのがトムハの個性で魅力。この映画の彼も、かなり母性本能をくすぐるんですよ。彼が演じてるトミーが、かなり子供っぽいからでしょうか。めっちゃくちゃスネ男くんなんですよ。小さい頃、アル中の暴力親父から母ちゃんと一緒に逃げ、極貧生活の中で母ちゃん死亡、軍隊でもいろいろあって、すっかり心を閉ざしたヒネクレ男となって、憎っくき親父のもとへ戻ってくるのですが。トミーの親父に対する態度や感情が、すごく切なくて可愛いんです。おまえなんか!と表面的には父ちゃんを拒絶してるのですが、ナニゲに構ってちゃんなところがあったり。残酷に突き放してみても、結局は父ちゃんを見捨てられなかったり。冷たい態度も辛辣な言葉も、愛情の裏返しなのがバレバレで、素直になりなよ!と言いたくなるガキっぽさが、悲しくも微笑ましいトミー。自分と母親を捨てて父の元に残った兄ブライアンへの恨みも、痛ましい反面、子供っぽくて可愛い。父と息子、兄と弟の確執って、あまりベタベタお涙ちょうだい、ドロドロ陰湿にならないですよね。母と娘、姉妹だと無残で醜悪になりがちですが…
獰猛で凶暴なトムハ、その肉体にも演技にも畏怖せずにはいられませんが、顔じたいは可愛いんですよね~。独特すぎる役が多いけど、鬱陶しくなるようなキツい灰汁、濃ゆさがなく、あっさり薄口イケメンなので、いつも見やすいというか。笑顔とか、ほんと子供みたいな無垢さ、純真さでキュンときてしまいます。男くさい映画のトムハも好きですが、たまにはラブコメディとかにも出てほしいな。「ブラック&ホワイト」のトムハ、可愛かったもんね。
元アル中の親父役のニック・ノルティ、そのうらぶれた悲哀も強烈。いったい息子たちにどんな仕打ちしたんだよ?な恨まれっぷりでしたが…息子たちに拒絶されても罵倒されても、しょんぼり我慢してる姿が痛々しくて可哀想。過去に何があったか知らないけど、悔悟してる老人をそんなイヂめないで~と庇いたくなる哀れさ。愛されているからこそ憎まれているダメ親父を好演したノルティ氏は、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。
妻子との生活のためにリングに立つ兄ブライアン役は、「エクソダス」のエジプト王役も記憶に新しいオーストラリア俳優のジョエル・エガートン。彼の鍛え上げた肉体、格闘シーンも驚嘆ものです。日本の男優には、ぜったい不可能だよな~。ひねくれスネ男なトミーと違い、まっとうなマイホームパパのブライアン。母と弟より恋人を選んだことや、父が自分よりも天才児の弟ばかり可愛がっていた、という彼の悩みや嫉妬が、もうちょっと掘り下げられてたらな~。ジョエル・エガートンはイケメンではないけど、ちょっと露口茂をワイルドにした感じの顔は、味わいがあって悪くないです。ワケアリ兄弟がリングで激突!なんて、まるでヤラセのような出来すぎた話ですが、もし日本のK1とかで同じようなことが起これば、さしずめブライアンは“闘う高校教師”、トミーは“ロンリーソルジャー”なんて呼ばれちゃうんでしょうね私、昔は日本の格闘技が大好きだったんですよね~。魔裟斗や所英男のファンでした。最近TVでやらないので、寂しいです。
愛憎をぶつけ合うかのような兄弟の壮絶な死闘、そして勝敗は…なかなか感動的なラストでしたが…あの後が気になるわ~。父と息子たち、兄と弟は、わだかまりを解消、愛を取り戻せたのかな~…
↑トムハといえば、犬キチで有名。美女よりも犬が大好きなトムハが可愛い
元アル中の孤独な老人コンロンのもとに、絶縁状態だった元軍人の次男トミーが戻ってくる。格闘技のリングに立つために、葛藤を抱えたまま父と子はトレーニングを始める。一方、やはりコンロンと疎遠になっていた高校教師の長男ブライアンは、娘の医療費で生活苦に陥り、仕方なく格闘技で金を稼いでいたが…
映画界最旬の男、トム・ハーディ主演作。秀作との評判にもかかわらず、長らく日本では未公開だったのですが、ようやくDVDスルー。
最近人気の英国俳優たちの中にあって、一線も二線も画す独特なポジションにいるトムハ。そのアウトローぶり、そしてゴリマッチョぶり、ここに極まり!な映画でした。
いや~いいですね~。このゴリゴリしさ、たまりまへんわ日本のイケメン俳優とか、みんなオカマに見えてしまう。精悍を通し越して、獰猛なトムハ。ちょっとでも気分や機嫌を損ねたら、問答無用にボコボコにされてしまうのでkeep out!なヤバさ素敵です。元々ゴリマッチョな彼が、格闘技に身を投じる元軍人役ということでさらにビルドアップ、北斗の拳実写版にそのまま出てほしいほどの肉体が、とにかく圧巻です。
格闘シーンも、大迫力でリアル!本物の格闘技が行われているかのような臨場感は、格闘技ファンも楽しめるのではないでしょうか。トムハも、俳優が演技でやってるとは思えぬほどのファイターぶりで、あれは生半可な役者では絶対できないよな~と、拳や足の動き、表情に見入ってしまいます。戦闘モードに入ってる彼は、とにかく殺気と怪気炎が蒸気のようにシューシュー出てて怖いです。まさに殺す気?!な戦いぶり。対戦相手をボッコボコ半殺しにして、勝利しても大歓声を無視して速攻でリングを立ち去るところが、すごくカッコよかった。
とっても怖くてヤバい、けど何か可愛い、というのがトムハの個性で魅力。この映画の彼も、かなり母性本能をくすぐるんですよ。彼が演じてるトミーが、かなり子供っぽいからでしょうか。めっちゃくちゃスネ男くんなんですよ。小さい頃、アル中の暴力親父から母ちゃんと一緒に逃げ、極貧生活の中で母ちゃん死亡、軍隊でもいろいろあって、すっかり心を閉ざしたヒネクレ男となって、憎っくき親父のもとへ戻ってくるのですが。トミーの親父に対する態度や感情が、すごく切なくて可愛いんです。おまえなんか!と表面的には父ちゃんを拒絶してるのですが、ナニゲに構ってちゃんなところがあったり。残酷に突き放してみても、結局は父ちゃんを見捨てられなかったり。冷たい態度も辛辣な言葉も、愛情の裏返しなのがバレバレで、素直になりなよ!と言いたくなるガキっぽさが、悲しくも微笑ましいトミー。自分と母親を捨てて父の元に残った兄ブライアンへの恨みも、痛ましい反面、子供っぽくて可愛い。父と息子、兄と弟の確執って、あまりベタベタお涙ちょうだい、ドロドロ陰湿にならないですよね。母と娘、姉妹だと無残で醜悪になりがちですが…
獰猛で凶暴なトムハ、その肉体にも演技にも畏怖せずにはいられませんが、顔じたいは可愛いんですよね~。独特すぎる役が多いけど、鬱陶しくなるようなキツい灰汁、濃ゆさがなく、あっさり薄口イケメンなので、いつも見やすいというか。笑顔とか、ほんと子供みたいな無垢さ、純真さでキュンときてしまいます。男くさい映画のトムハも好きですが、たまにはラブコメディとかにも出てほしいな。「ブラック&ホワイト」のトムハ、可愛かったもんね。
元アル中の親父役のニック・ノルティ、そのうらぶれた悲哀も強烈。いったい息子たちにどんな仕打ちしたんだよ?な恨まれっぷりでしたが…息子たちに拒絶されても罵倒されても、しょんぼり我慢してる姿が痛々しくて可哀想。過去に何があったか知らないけど、悔悟してる老人をそんなイヂめないで~と庇いたくなる哀れさ。愛されているからこそ憎まれているダメ親父を好演したノルティ氏は、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。
妻子との生活のためにリングに立つ兄ブライアン役は、「エクソダス」のエジプト王役も記憶に新しいオーストラリア俳優のジョエル・エガートン。彼の鍛え上げた肉体、格闘シーンも驚嘆ものです。日本の男優には、ぜったい不可能だよな~。ひねくれスネ男なトミーと違い、まっとうなマイホームパパのブライアン。母と弟より恋人を選んだことや、父が自分よりも天才児の弟ばかり可愛がっていた、という彼の悩みや嫉妬が、もうちょっと掘り下げられてたらな~。ジョエル・エガートンはイケメンではないけど、ちょっと露口茂をワイルドにした感じの顔は、味わいがあって悪くないです。ワケアリ兄弟がリングで激突!なんて、まるでヤラセのような出来すぎた話ですが、もし日本のK1とかで同じようなことが起これば、さしずめブライアンは“闘う高校教師”、トミーは“ロンリーソルジャー”なんて呼ばれちゃうんでしょうね私、昔は日本の格闘技が大好きだったんですよね~。魔裟斗や所英男のファンでした。最近TVでやらないので、寂しいです。
愛憎をぶつけ合うかのような兄弟の壮絶な死闘、そして勝敗は…なかなか感動的なラストでしたが…あの後が気になるわ~。父と息子たち、兄と弟は、わだかまりを解消、愛を取り戻せたのかな~…
↑トムハといえば、犬キチで有名。美女よりも犬が大好きなトムハが可愛い