まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

お江戸!② 有楽町で逢いませう

2016-07-31 | 旅行、トレッキング
 朝は、話題の都庁へ行きました。
 展望台へと昇るエレベーター前には、早くも大勢の人が列を作っていました。ここでも、いるわいるわの某ニーハオ大国の人々。日本人より多かったのでは。
 無料展望台でも、ここはホントに日本?日本語が聞こえてこない異様な状態。見渡せるはずの朝の東京のパノラマは、ゲス都知事問題で揺れる都庁に相応しく、どんより曇った憂色に沈んでいました。
 エレベーターで下へ降りると、北海道展みたいなイベントやってて、夕張のゆるキャラ?がパフォーマンスしてました。

 キモ怖い異色のゆるキャラ、その名もメロン熊。小さい子どもにはちょっとキツいかも。ガオーっと襲ってくる芸も、最近日本各地で凶暴な野生の熊が問題化してる中、シャレにならないものが。某ニーハオ大国人と思しき青年に、英語でメロン熊とのツーショットを撮ってと声をかけられました。ちょっと斉藤佑樹似のイケメンでした♪体操服みたいな服を着てましたが、腕時計とバッグはあの超高級ブランドものだった。やっぱ金もってるんだな某国の人!
 お昼に有楽町へと移動。イザベル・ユペールの「愛と死の谷」鑑賞。
 夕方、前から行きたかった増上寺へ。
 
 ↑東京タワーと増上寺、昭和と江戸の不思議なコントラスト
 何で増上寺?それは、私が時代劇のファンだから!増上寺は、大奥マニアにとっては聖地なのです。このお寺には、徳川幕府の歴代将軍と、その正室側室の墓があるのです。でも、ガーン徳川家のお墓は、16時まで!そんな~家光や和宮に会いたかった…
 本殿にいた御坊様の一人が、なぜかポロシャツ姿で、しかも超マッチョの男前!ジミーへのお土産に、ランドセルの形をした小さい可愛い学業お守りを買いました。本殿の前では七夕飾りやってて、私も短冊に願い事を書きました。もちろん、カープ優勝!でもでも、あわわ。後で気づいたのですが…

 優賞って!小学生レベルの誤字!どうしよう、誤字だと願い事って無効になっちゃうのかしらん?書き直しに行きたい。
 夕方、再び有楽町へ。銀座をブラブラ。やっぱ広島とは違うな~と、人々の洪水や華やかな雰囲気が、花の都大東京にいることを実感させてくれます。
 ブラブラ歩いてると、地方のアンテナショップを何店も発見。広島のTAU(たう、とは、広島弁で届く、という意味。最も非広島県人に通じない方言のひとつですね)。これまでのイメージキャラは、広島出身のPerfumeや奥田民生、有吉弘行だったのに、今年はなぜか斎藤工。

 なぜ斎藤工?!ガイドブックは大好評で、入手が難しいらしい。そのガイドブック、無料にしてはなかなか豪華で驚かされます。でも、まるで斎藤工の写真集私にも馴染深い場所でポーズをキメまくってる斎藤くんです。ファンはぜひゲットしてみんさい。最近は、カープやオバマ大統領、厳島神社など、国内外で注目・人気が高まってるらしい広島。TAUも大盛況でした。何軒か入った他県のアンテナショップは、ぶっちゃけどこも閑古鳥でしたのに。
 有楽町駅周辺では、参議院選挙立候補者たちが、熱い演説合戦を繰り広げていました。

 東大卒の弁護士で、バラエティ番組で人気だった横粂勝仁さん。小柄で優しそうな人でした。横粂さん、一生懸命通行人に近づいていって声をかけましたが、立ち止まって関心を示す人はほとんどおらず。すぐ近くでは、竹谷とし子氏という女性が選挙カーの上から有権者に訴えてました。美人!だからか、周りはすごい人だかり。横粂さんは気の毒なほどスルーされてたのに、この差はいったい。後日談ですが、参院選。横粂さんはあえなく落選、政界を引退するとか。金に汚ない守銭奴や権力にしがみつく老害ではなく、彼みたいに若くて清廉で志が高そうな人こそ、政治の世界で活躍してほしいんだけどな~。残念ですね。
 フランス映画祭の「アスファルト」を鑑賞後、新宿へ戻ってゴールデン街でラーメン食って、ホテルに帰って爆睡しました。
 to be continuedt…
 
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バチ当たり色狂い寺

2016-07-28 | 日本映画
 カープ、今夜は巨人に快勝!
 貯金20、2位巨人とのゲーム差が9あるとはいえ、一敗しただけでヤキモキし不安やネガティブ思考に陥ってしまう私。なので、勝利は歓喜よりも安堵のほうが強いんですよね~。不調だった福井優也の復活も嬉しい。ふっくん、もう2軍でくすぶったりしないでね!ふっくんといえば、早稲田の盟友である日本ハムの斎藤佑樹も先発に登板、でもふっくんと違ってダメダメだったみたいですね。今やハンカチ王子ではなく、雑巾王子、おねだり王子とかいった蔑称で呼ばれてる佑ちゃんの今後が心配…
 今夜のジャイアンツ先発は、にっくき菅野。敵ながら素晴らしいピッチングで、やっぱスゴい選手だな~と感嘆。今日の彼も、いつもと変わらぬフテブテしさだったけど、何だろう?前ほど不快感を感じない…目の錯覚でしょうか、ちょっと可愛く見えたり…そんな菅野さんのイケてる画像、集めてみました♪

 きゃ(^^♪やっぱブサイクですね

 ↑くわ~!腹たつ顔~!相手に死球を与えてもこんな顔してる菅野くんが素敵すぎます
 好きの反対は嫌いではなく、無関心だとか。ジャニーズとかにはとんと無関心な私ですが、菅野はスルーできない私って、ひょっとして彼のことが…?!思わぬ気持ちに気づき、揺れる想い~♪ bY ZARD な私です。
 
 懐かしの70・80年代邦画映画祭②
 「白蛇抄」
 若狭にある華蔵寺に引き取られた少女まつのは、老住職と後妻うたとの夜の痴態に衝撃を受ける。住職の息子昌夫は、哀しい過去を秘めた美しい継母に、狂おしい恋情を抱いていたが…
 1983年(昭和58年)の作品。小柳ルミ子が脱いだ!ことが話題に。当時31歳ぐらいのルミ子(今の綾瀬はるかとかと同じ年頃?!竹内U子とか仲間ユキエより年下?!信じられん!)、まさに女ざかりの色香、妖艶さで、熟女マニアにはたまらん映画かもしれません。とにかくこの映画、ルミ子のエロ美熟女ワンウーマンショーです。劇中ずっと快楽と苦悩に身悶えしてるルミ子に、オナカイッパイになります。
 それにしてもルミ子、よく引き受けたな~と驚嘆、感嘆してしまうほどの大胆すぎる痴態、そして脱ぎっぷり。落ち目の女優や歌手が、起死回生を狙ってロマンポルノとかヘアヌード、というのは珍しい話ではないけど、当時のルミ子はそこまで落ちぶれてはなかったはず。出演に至った経緯や理由など知る由もありませんが、ルミ子が並々ならぬ意欲や覚悟を抱き、女優魂を燃やして挑んだことは間違いなさそう。

 まさに狂い咲き、アンなことコンなことされまくりしまくってるルミ子。ぜったい子どもと一緒には観られない、誰かと観たら必ず気まずい思いをするシーンてんこもりです。ロマンポルノやAVと違い、いちおう文芸大作と銘打ってる作品なので、卑猥さや生々しさはなく、濡れ場も叙情的な演出、雰囲気。今の邦画にはない昭和の重い暗い情念が、返って新鮮です。
 今の邦画にはない、といえば、ヒロインの美しさ、濡れ場もそう。ルミ子みたいな女優も、今いないですよね~。今の人気女優って、みんなキレイだけど淡泊、薄い、軽い、CM重視のため無難な役しかしないので退屈。エロさとか情念とか気概がないですよね~。30過ぎてキャピキャピクニャクニャぶりっこしてる女優とか、ほんと不気味だわ。80年代に女優たちが妍を競った東映文芸ものみたいな映画は、もう望むべくもないのが残念。
 この映画のルミ子は、まさにコテコテの昭和美女。今の女優を見慣れた目には、かなり濃ゆい。その濃さが私は好きです。男を拒めない悲しい性の女を大熱演してるのですが、演技はかなりオーバーで、喘ぎ声も何だか歌ってるみたい。あの喘ぎ声、すごかったわ~。老住職にク○ニされまくり、義理の息子の上に乗って腰をガンガン動かしまくり、寺じゅうにエクスタシーを響かせる淫らなルミ子。どいつもこいつも、ケダモノ!色ボケすぎる!理性を保てなくなる性愛の強さ、激しさって怖いわ~。うたみたいに、ヤバい男ばかり惹き寄せてしまうカルマの女って、気の毒。あんなモテモテ、イヤだ~。

 濡れ場や入浴シーン、滝に入水シーンなどで、いっぱい脱いでるルミ子。ルミ子のセクシープロモーションビデオみたいです。白い柔肌が、いかにも男を吸い寄せそうな妖しい光を放ってます。裸もエロかったけど、服を着ていても分かるあのツンと上に向いてる、いわゆるロケット乳もインパクトあり。ウブな童貞くんは観ないほうがいいです(笑)。この年ルミ子は女優として高く評価されただけでなく、「お久しぶりね」も大ヒットし、歌手としても絶好調でした。そんなルミ子も、あの結婚離婚でスキャンダラスなイロモノ熟女になってしまい、すっかりお見かけしなくなってる今日この頃です…

 昌夫役は、若き日の杉本哲太。知らなかったのですが彼、横浜銀蝿の弟分?だったんですね!横浜銀蝿もチラっとカメオ出演してます。彼らのツッパリ(死語)っぷりからも、ルミ子同様に昭和臭がプンプンしてます。今は素敵な熟年俳優の杉本さんですが、若い頃は昌夫のキャラも手伝って、超キモいです!もっと美男やイケメンの若手俳優だったらな~。同じ昭和のツッパリ系なら、松村雄基にしてほしかったかも。あんな見た目も言動もヤバい男に、何で女たちがと納得できなかった。演技も粗削りすぎで、ほとんど素人。抑えきれぬ性欲に狂乱、わめきながらお寺の障子を屹立したアレでブスブス刺し破っていくシーン、キモすぎて笑えた。
 変態ドすけべ住職役、若山富三郎の怪演も強烈!ほとんど寝たきりなんだけど、不自由な体でルミ子をハアハア物狂おしく求める姿がヤバすぎ!爺になっても性欲に狂うなんて、悲惨な老醜だわ~。
 まつの役の仙道敦子と、うたにつきまとう刑事役の夏八木勲の好演も忘れがたいです。

 仙道敦子は当時、「鬼龍院花子の生涯」や「細雪」など文芸映画で重宝されてた少女女優。ほんと可憐!でも、凛とした聡明そうなところが、今の若いだけ可愛いだけのブリッコ小娘とは一線を画してます。演技力は、はっきり言ってルミ子や哲太より断然上。思春期の少女の潔癖さや残酷さを、初々しく繊細に清冽に演じてました。まぶしすぎる下着姿も披露。それにしても。まつのちゃん、とんでもない寺にもらわれちゃいましたね~。あんな狂った痴態を見せつけられて、私ならトラウマになるわ。
 夏八木勲、男ざかりの頃でカッコいい!声がシブい!ほとんどストーカーな役なのですが、私がうたならキモい住職父子なんかより夏八木刑事になびくわ~。爺やキモ男とより、夏八木さんとの濡れ場が見たかった。夏八木さんは他界、仙道敦子はほぼ引退状態。彼らの演技をもう見られないのが残念。
 情緒がありながらもどこか沈鬱、陰々とした若狭の風景や、お寺、滝なども日本独特のワビ、サビがあって印象的でした。
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泣き寝入りはしない!

2016-07-26 | 日本映画
 ショッキングすぎる、信じられない信じたくない悪夢のような事件が起きてしまいましたね…
 どうしてこんなことが…何の罪もない、弱い立場の人たちが犠牲になってしまう事件は後を絶ちませんが、今回の悲劇はかつてない甚大さ、残虐さ、冷酷非情さ、卑劣さです。事件には関係ないから!と平然とスルーすることなど、人間ならできません。事件が前代未聞すぎるし、事件の全容がまだ見えてこないので、まだ衝撃で麻痺したまま恐怖や怒りはまだ湧いてこない。犯人の男のことよりも、今は被害者の方々のご冥福を祈るばかりです…ああ、つらい、悲しいことばかり起こる世の中ですね…

 懐かしの70・80年代邦画映画祭①
 「衝動殺人 息子よ」
 工場を営む川瀬夫妻は、跡継ぎである一人息子の武志の結婚を楽しみにしていた。しかし、武志は通り魔に刺されて命を落としてしまい…
 名匠、木下惠介監督の1979年(昭和54年)の作品。
 通り魔…この世で私が最も恐れているもの。私が小さい頃、日本中を震撼とさせた残虐な通り魔事件が起きたのですが、TVで流れる忌まわしい犯人の姿と、ショッキングすぎる事件現場の映像は、私の幼心に大きなダメージを与えました。高熱を出し、2日ほどプチ外出拒否をしたほど。今も時どき通り魔に襲われる悪夢を見るなど、消えないトラウマになってます。残念ながら、凄惨で理不尽すぎる通り魔事件は後を絶たず、もはやこの世に安全な場所などどこにもない、という恐怖と絶望に暗澹となってしまいます。白昼、フツーに道を歩いてただけで、スーパーで買い物してただけで、駅のホームに立ってただけで、無残に殺されちゃうのだから…
 通り魔に殺されてしまうなんて、犬死以外のナニモノでもありません。覚せい剤で錯乱とか、死刑になりたかったからだとか、ムシャクシャしてたから誰でもよかったとか、理由にもならない加害者の身勝手さに、どれだけ救いのない虚しさを抱かされてきたでしょうか。まさに殺したもん勝ち、殺され損、ですよ。

 この映画の被害者、遺族も、何の落ち度もない、社会や家族のために頑張って生きてた善良な人たちなのに、なぜあんな目に遭わねばならないのか。ほんと、神も仏もない無情さです。彼らの無念や怒り、苦しみは、決して他人事ではありません。なので、観ていてすごく辛かったです。犯罪被害者遺族の救済のための闘いを描いた作品なのですが、あらためて日本って加害者天国だな~と思い知らされました。被害者は殺され損、遺族のことはほぼ無視で、手厚く加害者を守る法の非情さ、不公平さ、矛盾は、実際に起きた数々の凶悪事件でも痛感させられ続けてますよね。神戸の少年Aとか、その最たるもの。幼い私を打ちのめしたあの通り魔も、赤ん坊や子どもを含む4人も惨殺しておきながら、死刑にならず無期懲役。もうとっくに出所してるはず。どんな気持ちで生きてるんだろう…
 敵討ちができないのなら、せめて被害者遺族の心情や生活のための救済を、と主人公夫妻は苦闘、奮闘するのですが。ある日突然、愛する人を奪われ幸せを破壊された二人の、怒りと悲しみはホント胸が痛みました。こんなこと、私なら耐えられない、発狂するか自殺…と安易に楽になろうとしてしまうことでしょう。夫妻の強さは超人的なまでに驚異的でした。時おり挿入される、幸せだった頃の家族の姿、それにカブる音楽とかが、ちょっとお涙ちょうだい的で、冷血人間な私にはちょっとシラけてしまいましたが、昭和の日本人の生活風景や人情が、温かくノスタルジックに描かれていました。
 主人公の老夫婦役は、若山富三郎と高峰秀子。今は亡き名優と名女優が、感動的な名演。

 若山富三郎の、悲壮かつエネルギッシュな熱演が圧巻。裁判や社会運動で戦うよりも、日本刀もって法廷に殴り込みするほうが似合ってそうな若山さんですが、繊細で情愛深い役も素晴らしかったです。大きな体を縮こませて弱ったり悲しんだりしてる姿が、何だか愛おしかったです。この映画を最後に引退した高峰秀子の、庶民的で気丈な演技も好感度が高かったです。悲劇や不幸にもメソメソせず夫を支える姿に、やっぱ男より女のほうが強いよな~と感嘆。
 息子役の田中健がイケメン!その婚約者役の大竹しのぶも可愛い。飾り気のない素朴な感じがいいですね。夫妻を支える甥っ子役、尾藤イサオの好演も忘れがたいです。あと、別の通り魔事件の犯人役、若き日の大地康雄が怖い!大地さんといえば、私を恐怖のドン底に叩き落としたあの通り魔役を、実写ドラマで演じてましたよね~。あれは再放送不可能だろうな~。

 この映画、被害者の遺族や関係者を演じてる脇役が、なかなか豪華です。藤田まこと、加藤剛、近藤正臣(昭和の都会的な色男って感じで素敵!)、そして何と、吉永小百合!小百合さまが助演って、珍しくて新鮮でした。フツーの主婦役、しかもすごいチョイ役で、正味5分も出てなかったけど、やっぱフツーの女優とは違う美しさ、オーラがありますね。あと、若山富三郎の義妹、中村玉緒も出てます。
 
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誘惑のアンドローラ

2016-07-20 | イギリス、アイルランド映画
 「エクス・マキナ」
 世界最大のインターネット会社で働くプログラマーのケイレブは、めったに人前には姿を現さない社長ネイサンの山荘に招かれるという幸運を掴む。山荘はネイサンの研究施設で、そこで彼は高度な人工知能を作り出すことに成功していた。女性型ロボットのエヴァに、ケイレブは魅了されていくが…
 「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞を受賞、マット・デーモンの「ジェイソン・ボーン」のヒロイン役に抜擢されるなど、今や映画界最旬の女優アリシア・ヴィキャンデルが、美しき人工知能ロボットを演じて話題になった作品。
 日本で観られるアリシアの出演作はほとんど観ている私ですが、この映画の彼女が今までで最も美しく可愛いかったかも!アリシアって、可憐だけど基本は地味子ちゃんじゃないですか。なので、華やかなヒロインとかセクシー美女役なんかされると、ちょっと違うのでは…という違和感が否めないのですが、今回のアンドロイド役は、彼女のシンプルで純朴な美しさが活かされていたように思われます。
 少女のようなあどけなさ、危うさ、はかなさで、俺が守ってやらねば!と男の父性本能を掻き立てたかと思うと、何を考えているのか分からない謎めいた微笑や、意味深な沈黙で男を不安にさせたり、挑発とも誘惑ともとれる言動や風情で男の欲望をもそそるエヴァを、寡黙で無表情ながらも蠱惑的に演じてるアリシアです。男たちを翻弄し破滅へと導くエヴァは、ロボットながら立派なファムファタールでした。映画史上に残るユニークかつ魅惑的なヒロインといっても過言ではないのでは。

 いかにもロボット、な演技ではなく、限りなく人間だけど、ちょっとした仕草などで表す機械仕掛けっぽいニュアンスも、なかなか見事なアリシアでした。ロボットなコスチュームは、マシン的でありながらどことなくエロくもあって。人間の服を着るシーンのアリシアも、すごく可愛らしかった。彼女にはやはり、ゴージャス系よりもシンプルで清楚な衣装が似合いますね。オールヌードシーンも大胆かつ可憐でした。相当の女優魂が必要な難役を演じのけたアリシアは、やはりあまたいる同世代の女優たちとは十把ひとからげにはできない存在です。エヴァ役を綾瀬はるかや石原さとみにやれといっても、演技力的にも事務所的にも絶対ムリでしょうし。
 神をもおそれぬ科学の進歩は、人間の思い上がりなのでしょうか。そのしっぺ返しのようなラストの惨劇に戦慄。人工知能なんて、ほんとに必要なのかな~。いつか人間を亡ぼすことになる本末転倒な未来が訪れそう。それにしても。世界のどこかには、人知れず高度な人工知能を作り出した秘密の研究施設って、あるのでしょうか。もしあるのなら、夢のようでいて、空恐ろしい…
 エヴァやロボットたちのヴィジュアルや、研究施設内の設備など、視覚効果やセット、メイクがユニークかつ驚異的。安易でチープなCGだらけの映画を見慣れた目には、すごく斬新に映りました。
 実質の主人公ケイレブ役は、「FRANK フランク」でウザい男を好演し、「レヴェナント」にも出演してたドーセル・グリーソン。いい俳優なのですが、ちょっと地味すぎる、ていうか、私好みのイケメンじゃないのが、残念ポイントな映画でした。ふかわりょうに似て見てたのは私だけ?

 ネイサン役のオスカー・アイザックが男前!男の色気、フェロモンが濃ゆい!なぜかいつも半裸で、艶っぽく浅黒い肌とムチムチしたマッチョボディがセクシーでした。一見ひょうひょうと陽気だけど、実はかなりヤバいコワレ人っぽさも薄々と醸してる演技が秀逸でした。あの社長、かなりの狂人、変質者ですよね~。まさに天才とアレは紙一重、頭が良すぎるのも不幸だわ。彼が美女メイド?のキョウコとディスコティックに踊るシーンが、シュールでカッコよかった!ダンス上手だな~。
 あと、美しい自然に囲まれた山荘が、リッチかつオサレで素敵だった!あんな別荘で休日を過ごしてみたいな~。
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お江戸!① 不夜城に消えた…

2016-07-18 | 旅行、トレッキング
 花のお江戸は八百八町~♪
 先日、急に思い立って、衝動的にフラリとお江戸に行ってきました!🗼
 突然休めることになった金曜日。やった!うれP!けど、ぼっちを極め中の私は、連休ってヘタすりゃ哀しいほど持て余しちゃうんですよね~。どうせまた、部屋で引きこもってゴロゴロするんだろうな…いやいや、せっかくの休み、無為に潰しちゃうのはもったいない。どっか行こう!と、私にしては珍しくアクティヴなスイッチが入りました。どこに行こうかしらん?チンタラ考えながらTV観てたら、バラエティ番組で芸人が楽しそうに風光明美な山でロープウェイに乗ったり、美味しそうなもの食べてたりしてる。ここどこ?がぜん興味がわいて、TVをガン観。そこは、東京都心から1時間で行けるということで、最近外国人の間でも人気だという高尾山。東京か!しばらく行ってないし、いいかも!東京といえば、ちょうどフランス映画祭が始まるんだっけ。映画祭にも行けるじゃん!と、すっかりその気になった私は、気づけばバッグひとつで東京へと向かっていたのだった…
 昼前に、無事新宿に到着(^^♪何か恐れてた以上に、人人人!田舎者の私は、洪水のような人の流れに恐怖さえ感じるのでした。どっからどー見ても、おのぼりさんな私。もしくは、歌手になることを夢見て家出し上京してきた乙女。でも、オドオドもキョロキョロもしちゃダメ!と自分自身を叱咤。弱気になったら、悪い人に連れて行かれてマワされてシャブ漬けにされて、風俗に沈められちゃう!お江戸は怖いところ!
 新宿駅では、さっそく有名人に遭遇!さすが東京!有名人っつても、芸能人ではありません。ちょうど参議院選挙戦の火蓋が切られたばかり。朝から熱弁してたのは、社民党の党首である福島みずほ氏でした。福島さん、すごく小柄なんですね。気さくで明るく元気いっぱいで、感じのいい女性でした。

 京王線で、さっそく高尾山を目指します。1時間くらいで高尾山に到着しました。思ってたより人は少なく、静かでした。ケーブルカーのある清滝口までトコトコ歩き、待ち人の列がなかったリフトのほうに乗りました。

 関東は雨不足と聞いてましたが、この日も曇りで雨は降ってませんでした。カンカン照りでもなく、土砂降りでもなく、旅行者にはありがたい天気でした。ぐんぐん山へ昇ってゆくリフトも、スリルと開放感があり、なおかつ緑の涼気が気持ちよかったです。

 10分ほどで到着。ここまで来ると、人がたくさんいました。外国人も。でもそのほとんどは噂通り、某ニーハオ大国の人たちでした。ロープウェイ降乗口近くで、高尾山名物という天狗焼きを一つ買って食べました。焼きたてはサクサク甘くて美味しかったです。

 薬王院にお参り。30分ほど歩くと山頂と聞いて、行くべきか行かざるべきか…迷ってると、母娘と思しき女性二人が、言い争いをしている。70歳前後のママのほうは、山頂に向かう気まんまん。娘さんは何とかそれを止めようとしてる。結局、根負けした娘さんを従え、ママは意気揚々と山頂を目指しました。私も負けられん!と、二人の後を追ったのでした。

 そんなに山道はキツくないので、30分は気楽な散策になりました。森林浴みたいで気持ちよかったし。山頂には、やはりたくさんの人がいました。遠足の小学生たちもいました。曇ってたので、残念ながら山頂からの景色はイマイチでした。
 下山はケーブルカーを利用しました。乗車口の職員がイケメンでした♪傾斜は日本一なんだとか。確かにかなり傾いてました。

 再び京王線で、新宿へ戻る。お腹減ったので、ランチにしよう。代々木にあるBistroひつじやという店へ。人気店らしく、お客さんも多かったけど、すぐには入れてました。おひとりさまでも入りやすかったです。

 地中海、アフリカの料理店?エキゾティックな内装、黒人の店員さんたちで異国情緒あり。ランチが670円!安い!私はBランチ(スペアリブとシシカバブ、ライス、サラダ、スープ、パン一個)を注文しました。羊料理が好きな人ならおすすめ。美味しかったです!デザートも安いのでついでに。焼きバナナとチコリのコーヒー。チコリコーヒーは初めて飲んだけど、特にクセはなくフツーに飲めました。

 食後、トコトコ歩いて原宿へ。人多い~。頭痛がしてきたので、フラフラと明治神宮へと逃げました。本殿へと続く鬱蒼とした森は、大都会にいることを忘れさせてくれるほど、静かでひんやりと厳かでした。東京って、広島よりもこういった広い静かな緑の場所が多いような。
 本殿にはたくさんの人が。やはり多いのがニーハオの国の人たち。お参り後、パワースポットとして知られる清正井へ。ここも大勢の人がいたのですが、もう薄暗く幽寂な雰囲気。ふと一人きりになると、ちょっと怖かったです。

 ↑清正井の近くの道。昼下がりなのに薄暗く、ふとひと気が消えると怖い…A子さんはここで変わり果てた姿で発見されたのです…なんて、東海林のり子の事件現場レポートっぽい雰囲気というか…
 清正井は、静かに湧いてる小さな泉。そこの水に触れると、運気が上がるのだとか。さっそく私も列に並ぶ。ひんやりとした泉に、今年こそいい年になりますやうにと祈願。後で聞いたのですが、最近はネガティヴなパワーが出ていて、運気が下がる人もいるらしいです
 原宿駅から、映画祭が開催される有楽町へ山手線で向かう。電車内も、スゴい人…さすが東京…広島ではほとんど遭遇しないお寿司づめ状態に、大げさだけど窒息しそうに。身も心も疲弊するばかりでした…
 有楽町。さすが東京、映画館も広島とは空気が違う。上品そうなマダムや、きれいなOLさんがいっぱい。華やいだ雰囲気。小汚い田舎者の私は、ちょっと気おくれ。
 オープニングセレモニー。その輝かしいキャリアをダイジェストに振り返る短編フィルム上映後、団長であるイザベル・ユペールが舞台に登場!

 ↑浅野さん、ユペりんと服の色がカブってる
 スカーレットのシャツに黒いパンツで、すごくシック&カッコいい!映画と同じで、小柄で華奢。あの大女優イザベル・ユペールを生で見られて感動。是枝監督や浅野忠信がゲストとして現れ、ユペりんを讃えます。来日した映画関係者も登壇し、ちょっとグダグダな写真撮影会が。その後、ようやくオープニング作「太陽の目覚め」上映。
 映画の後は、ホテルのある新宿へ戻り、歌舞伎町の猥雑で危険な不夜城っぷりを堪能し、楽しくもクタクタな上京一日目を終えたのだった。
 to be continued…
 
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鯉の季節なの!

2016-07-12 | カープ
 12日のカープジャイアンツ戦、ズムスタにて観戦してまいりました~
 首位攻防戦!つっても、貯金19!2位の巨人とは10ゲームも差をつけての。とはいえ、油断大敵。カープファンにとっては、忘れることのできないあのメークドラマという悪夢…最近、巨人がまた調子を上げてきてるためか、マスコミもリメークドラマあるか?なんて囃し立て始め、カープファンが浮かれることができない状態は変わらず。メークドラマ再現なんて、あってはならないこと!そんなこと、カープは絶対に許さない!同じ轍は踏まない!でも、でも…ああ~やっぱポジティヴになれない~。弱かった時代が長すぎたせいか沁みついた、カープファンの悪い性癖!弱虫毛虫な意気地のなさ!
 オールスター前の巨人との決戦にも勝てば、かなり自信が持てるようになるはず!大きな期待と、ちょっぴりの不安を胸に、いざズムスタへ!前回のヤクルト戦同様、今回もダミアンが一緒です。

 ↑田中広輔プロデュースのパフェあんみつ。ヘルメットの容器が可愛い
 プレイボール直前に到着。もうすごい人!スタンドは真っ赤!いつ見ても圧巻の光景です。ズムスタのお楽しみのひとつである、球場グルメ。鶏皮餃子はマスト!ダミアンは大好きなナチョスも。

 ↑鶏皮餃子、大好き!ダミアンはナチョス、おかわりしてました~。よう食うのお!
 今回はパフォーマンス席。席に座ったとたん、カキーン!坂本がタイムリーヒットを打ち、巨人が先制おいおい~早いのお~でも、先発はハーラートップ10勝のノムスケ。去年と違い、信頼度は桁外れに高くなってる。それに、1点や2点のビハインドなど、今のカープには何でもない。すぐに逆転よ♪
 そんな信頼と期待に、カープは即座に応えてくれました。新井さんがバッターボックスに立つと、キャー新井さーんと盛大な黄色い声が。若い選手よりも、今やカープ女子に大人気の新井さんです。そんな新井さんが、やってくれました!豪快なホームラン!!

 あっという間に同点に追いつきましたこれじゃけえ、今年のカープは面白いのお!その後も、再び新井さんがタイムリーをキメて逆転!そして鈴木誠也と下水流がタイムリーを連発、あれよあれよと巨人を突き放します。巨人の先発の内海は、見ていて気の毒なほどの悲惨なフルボッコにされっぷりで、マウンドから早々と引きずり降ろされてしまいました…

 ↑今やカープの看板選手となったセイヤくん。神ってる、今年の流行語大賞になるかのお?
 私が座ってた席からは、ライトを守ってる選手がわりとよく見えて、セイヤもバッチリガッツリ観察(^^♪いや~セイヤ、生で見たらガチでカッコいいですよ~。背が高くて、ユニフォーム着ててもよく分かるバキバキの筋肉質ボディ!ええケツしとるのお、なんてセイヤのカラダにうっとり見とれてしまってた私、まるでセクハラおやぢ…巨人の長野も、初めてじっくり観察できました。長野、なかなかイケメンですね。デカいお尻も素敵でした。
 4回に、小林がタイムリーを打って巨人が追加点。2点差に。うう。ちょっとマズかも?イヤな流れが…なんて、杞憂に終わりました♪去年までならいざ知らず、今のカープはそう易々と逆転なんか許さないのです。5回、すごいことが起きました。新井さんが!2ランホームラン!!マジか~!!やったー!!すげー!!と、スタジアムは大興奮の坩堝に。ああ新井さん、あなたは…あなたという人は。

 歓喜の興奮冷めやらぬ中、再びの衝撃!今度は下水流も2ランホームラン!カープはほんまに神ってましたよ…
 7回のジェット風船飛ばす頃にはもう、誰も勝利を疑わぬ雰囲気がスタジアム中に充満してました。完全崩壊状態のズタボロ巨人。長野のケツが、すごく重そうに見えて可哀想だった…
 後半、ルーキーのドラ4、船越涼太がプロ初の1軍出場。

 なかなかのイケメンで、早くから目ざといカープ女子には人気だった船越くん、記念すべきデビュー戦です。勝ち試合だから、お試しで機会を得たのでしょう。予想に反して、鮮やかなヒット!おおっとどよめきが起きました。またまた新たなる頼もしい若鯉誕生の予感!
 コースケもキクマルもルナも、勝利につながる仕事してました。ノムスケ、イマムー、いっちー(先発が大瀬良くんだったら、夢のカピバラリレー!)、九里の投手リレーもキッチリバッチリ!カープがジャイアンツを完膚なきまでに叩き潰し、13対3の圧勝!首位攻防戦第1戦は幕を閉じたのでした。ジャイアンツとのゲーム差11!カープは貯金20!ノムスケは11勝目!最高で~す!!!
 ほんと、楽しい気持ちいい一戦でした次回は黒田さんの200勝がかかった大事なゲーム!これにも勝てば、あの夢の二文字が現実のものとして見られそう…その希望を糧に私、今年も生きられそう頑張れカープ

 ↑新井さん、いい笑顔!そして、ほんとデカい!躍動する若鯉以上に、39歳のベテラン新井さんがキラキラ輝いてるのが、カープファンの感涙を誘います。苦労人の下水流くん、嫁さんもさぞや誇らしいことでしょうね~
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バッチさんのイッテQ航海日誌

2016-07-10 | 欧米のドラマ
 ベネディクト・カンバーバッチ主演のTVドラマ「新世界 航海の果てに」全3話を観ました~。
 19世紀初頭。英国貴族の青年エドマンドは、要職に就くためにオーストラリアへと向かう旅客船に乗る。そこには、さまざまな身分の人々がいた。世間知らずなエドマンドは、あることで船長と衝突してしまうが…
 今をときめくバッチ主演。当時30歳ぐらい?若い!まだお肌つやつや。シワひとつないです。若い頃のバッチさんも、イケメンとか男前とかいった感じではなく、良く言えば個性的、悪く言えばヘンな顔、なのですが、抵抗感を覚えるほどの灰汁の強さとか、演技派気取りのイヤミがまったくなくて、どんな役でもユニークかつ可愛い。なんでこんな男が人気あるの?と出演作を観る前までは不思議に思ってたけど、今ではその世界的人気は当然だと思ってるし、すっかりファンにもなってしまってる私です。

 このドラマのバッチも、いつものバッチらしさ全開でファンは楽しめます。ちょっと傲慢不遜だけどホントは優しく、悪気はないけどかなりKYで、頭脳明晰だけどコミュ障、いつも大真面目だけど何かズレてる…出世作の「シャーロック」やオスカー候補になった「イミテーション・ゲーム」と同じですね。バッチ扮する貴族のエドマンドが、船上でも特権を当然のように甘受し、気取ってエラソーにしてる姿も、全然イヤミがなくて笑えます。威張ってるのではなく、あれが貴族としてフツーだったんですよね。エドマンドより身分が低い人たちも、別に反発や反感を抱くことなく当たり前みたいにエドマンドに従う様子も、当時のイギリス社会の縮図みたいで興味深かったです。

 イギリス正統派男優と見なされてるみたいなバッチですが、ワタシ的にはバッチって、どっちかっつーたらコメディ向けなのかな?と思ってしまったり。どの出演作でも、何か笑えることが多いし、そういう演技が巧い。このドラマでも、クスっと笑えるシーンがいっぱいあります。基本的に、このドラマじたいが喜劇調でしたし。船内で勃発するトラブルや人間関係のもつれ、海上での非常事態に、バッチたちがドタバタ、アタフタ大騒ぎする姿が笑いを誘います。第一話で、神父さんが無残に狂死するエピソードは、でもヤバかったです。むくつけき船乗りの男たちに輪姦されて…?おぞましい疑惑を臭わすだけで、そういうシーンはありませんでしたが。

 長い船旅、若いエドマンドなので性欲を抑えきれず、乗客の中にいたヤリマンっぽい娘と狭い船室でせわしなくズコバコシーンは、かなり滑稽です。一発ヤってスッキリしたら、もうヤリマン娘は用なしとばかりにガン無視(可哀想!)するくせに、一目惚れした清純な令嬢には超紳士的でウブなアプローチ。落差ありすぎで笑えます。別の俳優だとゲス男になってしまうところ、バッチマジックなのか笑える天然キャラになってて不快感ゼロ。船室ファックシーンと行水シーンでは、すっぽんぽんになってファンサービス。TVドラマであそこまで脱げるって、スゴいわ~。

 全体的にコメディ仕立てでしたが、当時の船旅の大変さは笑いごとではなかった。まさに命がけ。相当な覚悟、高いモチベーションがないと、あの旅はできないです。特に女性。すごい勇気、捨て身だわ。安全面もですが、衛生面でもう私はダメです。あんな生活、1日でも無理。艱難辛苦の中でも、態度や服装は取り澄ましててキチンとしてるエドマンドたち、さすが誇り高いイギリス人!

 バッチさん、貴族の衣装もよく似合ってて素敵でした。結構とっかえひっかえでしたが、どんだけ衣装を船に持ち込んだんだよ(笑)。船内のセットとか、TVドラマにしては予算かけてるな~と感嘆。
 
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団地の美少年

2016-07-08 | フランス、ベルギー映画
 フランス映画祭③
 「アスファルト」
 郊外にある寂れた団地。車いす生活をするハメになった独居中年男は、真夜中の病院で夜勤の看護師と知り合う。鍵っ子の高校生は、隣室に越してきた落ち目の女優に興味を抱く。アルジェリア系の老婦人の部屋には、不時着したNASAの宇宙飛行士が現れて…
 面白かった!クスっと笑えて、かつほのぼのしてて、でもかなりヘン、という珍妙ハートウォーミング群像劇でした。
 パリ郊外?のボロ団地を舞台に、住人たちが遭遇したり引き起こしたりする珍事が、淡々と静かに、それでいてまさかのファンタジー?!なシーンや展開に驚かされたりと、ユーモラスに描かれています。あの独特の空気感が好き。住人たちのやりとり、会話も、ユル~く皮肉が効いてたり、ベタベタもドタバタもしておらずドライな感じは、さすがフランス。ああいう笑い、好きなんですよね~。日本のクドカン先生とか三谷コーキ先生は、面白いでしょ!笑えるでしょ!才能あふれてるでしょ!みたいな押し付けがましさが強くて、ついていけなかったり鼻についたりするけど、この映画はそんなヘンに才気走った、笑える奴だけ笑えばいいとう上から目線的な構えもなくて好感を抱けました、

 フランスって、ボケだけでツッコミがいないのが基本なのでしょうか?みんなボケてて笑えます。3つのエピソード(独居おじさんと夜勤ナース、高校生の男の子と落ちぶれた女優、アラブ系の老婦人とNASAの宇宙飛行士)が、それぞれ独立して展開するという構成。同じ団地で暮らしていることと、たまに聞こえてくる謎の不気味音以外は、3つは何の共通点もなく繋がることもありません。3つのお話の団地住民はみんな惨めで孤独な底辺生活、いろいろ問題を抱え、人生に行き詰まり疲れてるのですが、深刻な現実にもどこかひょうひょうと、なるようになる、みたいな軽やかさがあって、でもそこには希望はある!とか諦めない!とかいったポジティヴさはなく、どうでもいいわ…みたいな投げやりっぽさも、何かフランス的。苦境にあるのにジタバタせず、ヌルい絶望や孤独に甘んじている、みたいな生き方は、ちょっと私にもカブるところがあって苦笑いも誘われました。

 3つのお話、登場人物たちはみんな、大真面目に投げやりでトボけてて笑えます。ポツっとナニゲなく言う台詞には、結構シビアでもある皮肉や毒もあったりして、私にはツボでした。ぜんぜん接点がない、性別も年齢も国籍も言葉も違う人たちが、ユル~く優しく心を通い合わせる姿に、ほっこりさせられます。社会も世界もどんどん殺伐とバラバラになっていってる今日この頃ですが、それはやはり誰に対しても何に対しても優しさや寛容さが欠け、無関心すぎるからかもしれないな~と、この映画を観てあらためて思いました。

 出演者の好演も忘れがたいです。団地に越してくる落ちぶれた女優役、イザベル・ユペールの冷ややかでトボけた演技、今回も冴えてました。クールだけど、かなりダメ女なユペりん。隣室の男子高校生との友情が、ほのぼのしてていい感じでした。男の子の説教やアドバイスに、ツンツンしつつ従うユペりんが笑えた。男子高生が兄、女優が妹、みたいな逆転関係も微笑ましかった。
 二人が仲良く古い映画のビデオを観るシーンが好き。若かりし頃のユペりんの映像が使われていましたが、あれは「La Dentellière」の彼女ですよね?

 その男子高校生役、ジュール・ベンシェトリが可愛いイケメン!初登場シーンは、女の子かと思った。でもクールな男っぽい雰囲気とキャラで、カッコいい。ダメ熟女の女優にぶっきらぼうだけど親身に、無邪気にフレンドリーに接する姿に萌え~。あんなカッコカワいい高校生に、私も親切にされたい~。女優に対して、まったく下心がないところも笑えた。女として、あれはちょっとガッカリ&屈辱かも(笑)。ブリーフ一丁姿もキュート。部屋ではいつも独りの鍵っ子?な彼が泥酔して寝てる女優に向ける、優しく寂しそうな瞳が印象的でした。ジュールくん、この映画のサミュエル・ベンシュトリ監督の息子で、母親は故マリー・トランティニャン…てことは、ジャン・ルイ・トランティニャンの孫!アップになったら、やっぱ祖父ちゃんに似てるかなと思った。いい作品にこれからも出て、人気俳優になってほしいものですね。

 夜勤看護婦役のヴァレリア・ブルーニ・テデスキも好きな女優。彼女も相当ボケた演技で笑えます。ほとんどニューハーフな見た目の彼女ですが、少女みたいなか細い声が可愛い。そして、ファッションセンスがいい女優、といえばまず彼女が頭に浮かぶ私。今回はほとんどナース姿でしたが、夜勤明けで着てたワンピースが、やっぱ素敵。
 宇宙飛行士役は、アメリカ人のマイケル・ピット。オデッセイのパロディ?!地味に素朴になったトム・ハーディ、みたいな顔に見えました。彼はフランス語が、老婦人は英語が全然解からない、けど、だんだん何となく意思疎通できるようになるのが微笑ましかった。老婦人がめっちゃ善い人で、そしてやっぱボケまくってて可愛いです。彼女が作るクスクスが美味しそうでした。ラストに明かされる、謎の怪音の正体にもニヤリとさせられます。

 ユペりんの最新作は、ミヒャエル・ハネケ監督の“Happy End”で、共演は↑のジュールくんのお祖父ちゃんであるジャン・ルイ・トランティニャン、「愛、アムール」チーム再結成が楽しみですね
コメント (4)
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デスバレー幽遊白書

2016-07-05 | フランス、ベルギー映画
 フランス映画祭②
 「愛と死の谷」
 イザベルは、俳優の元夫ジェラールとカリフォルニアのデスバレーで再会。会いたければ指定した時間と場所に二人で来るように、という自殺した息子の遺書に従う元夫婦だったが…
 不思議な映画でした。でも面白かったです。
 ほとんど主役の元夫婦しか出てこない、彼らの会話劇。謎の遺書を遺して自殺した息子のことで、言い争ったり反省し合ったり、慰め合って優しい気持ちになった次の瞬間には、刺々しく辛辣になったり。様々な複雑な感情をぶつけ合う元夫婦。ユニークだったのは、死と愛の喪失というテーマだから重く暗い映画になりそうなのに、何かそこはかとなく笑えるところ。厳密には喜劇ではないのですが、二人の激しくも噛み合わないやりとりは、悲痛さよりも滑稽さのほうが濃厚だったような。これはもう、35年ぶりの共演だというイザベル・ユペールとジェラール・ドパルデュ-の、絶妙すぎる演技と個性の成せるワザ。二人の珍妙な掛け合いは、まるでツッコミなしの両者ボケ夫婦漫才みたいです。

 イザベル・ユペールは、他の作品に比べると多弁でエモーショナル。相変わらず嵐の前の静けさのような不穏さを常に湛えてるのですが、最近の彼女の持ち味である“ニヒルにトボけてる”が、今回も絶品でした。前夫のやることなすことにケチをつけ、何でも悪いほうにとる歪み、攻撃的なネガティヴさが、ネチネチ陰湿じゃなく、ホントはどーでもいいのよみたいな投げやりな感じで笑えた。コワレる?コワレない?な、理性がギリギリ状態演技も、ヤバさ満点です。

 クールで狂気的だけど、すっとぼけてもいるユペりんは、今や世界随一の独特女優として敵なし状態。灼熱の砂漠にいても、汗くささなど微塵も感じさせない冷ややかさ、フランス女優らしいシックさが素敵でした。シンプルなワンピースとかシャツが、ほんとセンス抜群!小柄で華奢なので、すごく可愛らしくも見えます。英語の台詞も多く、フランス語同様フツーにペラペラ喋ってたのもカッコよかったです。
 そしてジェラドパ…反則的な、ほとんど出オチな見た目!太りすぎ~!メタボなんてレベルじゃない。どこの相撲部屋の親方だよ?!みたいな。トランクス一丁姿は、おそ松くんに出てくるデカパンおじさんみたいで、醜悪を通り越したマンガみたいな滑稽さ。鈍重な動き、喋るとハーハー息苦しそうで、大丈夫なの?!と心配になりました。そりゃあ、あんだけ太ればしんどいわ。

 ユペりんが小ボケなら、ドパ氏は大ボケ。元妻にどんだけ罵られ責められイヤミを言われても、逆らわず逃げず真面目に受け止めながらも、あの風貌のせいか深刻に悩んでるようには見えず、ふてぶてしいまでに鷹揚とボケ~っとしてて可笑しかったです。一般人にサインを求められ、某大スターの名前を書くのが笑えた。
 残酷なまでの強い日差し、カラカラに乾いた不毛で荒涼としたデスバレーの風景も印象的です。ラストは、スピリチュアルな奇跡なのか、それとも…観客に判断は委ねられます。

 ↑これで還暦!ハリウッドにも日本にも、こんなカッコいいアラ還女優いないですよね~
 
 
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ギザギザハートの美少年

2016-07-03 | フランス、ベルギー映画
 フランス映画祭①
 「太陽のめざめ」
 幼少期に育児放棄され、暴力や窃盗など荒んだ生活を送る16歳の少年マロニー。判事のフローランスや、かつて自分と同じような境遇にあったヤンが差し伸べる手を拒絶しながらも、しだいにマロニーは彼らに心を開くようになるが… 
 マロニーちゃん…ちっちゃな頃から悪ガキで~16で不良と呼ばれたよ~ナイフみたいに尖っては~触るものみな傷つけた~♪まさにチェッカーズの「ギザギザハートの子守歌」を地でいく子でした。凄まじいグレっぷり、荒れっぷり。目をひんむいて凶荒状態となる姿は、矯正施設や少年院よりも病院のほうが適切なのでは、とさえ思ってしまいました。かなり病んでます。いや、いたいけな子どもをあんな風にしてしまう大人、社会のほうが病んでいるのかもしれません。

 育児放棄されたせいで、大人への不信と不安が拭えないマロニー。発作のような激情、すぐキレる攻撃性が怖い。暴れ狂いながらも、『どうせダメだ』とか『俺は無能』とか、常に自暴自棄、自己軽視、自己評価が低く卑屈な自信のなさが痛ましい。傷つけられる前に傷つける自己防衛も、育った環境のせいなんだろうな~と哀れになりました。

 でもマロニーって、すごく愛されてるし、人間関係に恵まれてもいました。フローランス判事も、教育係のヤンも赤の他人なのに、そこまでする!と驚くほど真摯に誠実にマロニーと向き合ってくれてたし。育児放棄ママも、ほんとどーしようもないダメバカ母なんだけど、マロニーのことすごく愛して頼っていたし。マロニーも、ダメ母がちょっとでも判事に責められるとムキになって庇ったり、けなげに面倒みたり、泣いて恋慕ったり、すごいマザコン。息子にとって母親は、どんなことがあっても唯一無二の大切な人なんですね。幼い弟を可愛がって、家族が離れ離れにならないために暴走するマロニーが、愚かだけどいじましくて。あんなに家族を大事にしてる少年、なかなかいないですよ。まともになろうと努力しようとするマロニーの意志を挫く、社会の冷たい偏見や狭量さ、無関心さにも暗澹とさせられます。
 あと、矯正施設の職員さんも偉いよな~。頭が下がるわ、と感嘆。お金のためだけじゃできない仕事です。
 マロニー役のロッド・パラドは、この映画がデビュー作なんだとか。

 キツい目つきが荒廃した心をよく表してました。ちょっとダルビッシュ似?私好みのイケメンではないけど、きれいな子だな、可愛いかもと思う瞬間もありました。見た目はほんと少年なので、恋人とのセックスシーンで丸だしのケツをガンガン激動させる姿は、これっていいの?ちょっとヤバいのでは、と心がザワついてしまいました。
 熟女判事フローランス役は、泣く子も黙る大女優カトリーヌ・ドヌーヴ。

 太っ!ふくよかすぎ!すごい貫禄と威厳。マロニーも、彼女にだけは気圧されて口答えできないんですよ。見た目もキャラも、押し付けがましい人情や愛情でベタベタしくなく、毅然と冷厳な男前熟女でカッコいい。今なお精力的なマダム・ドヌーヴ、若い世代のサポート的な役にも積極的なスタンスは、まさに大女優の鑑ですね。
 ヤン役は、大好きなブノワ・マジメル。彼はこの映画での好演で、セザール賞の助演男優賞を受賞しました

 可愛い美青年だったブノワも、すっかり熟年男性に。最近の彼は、ちょっとメタボ、じゃない、恰幅がよくなってたけど、この映画では痩せて枯れた感じになってて、苦み走ったシブさが。マロニーを救えないと悩む姿に胸キュン。マロニーとの仲良しシーンや、マロニーに『好きだよ』と言われてテレる表情とか、ちょっと腐心をそそられました。ブノワがもうちょっと若かったらBL風味も出たはず、と相変わらず腐的思考回路な私そーいやブノワ、カトリーヌ・ドヌーヴとはアンドレ・テシネ監督の「夜の子供たち」でも共演してましたね。まだ20代前半だったあの映画のブノワ、細マッチョのクールなイケメンだったよな~。
 マロニーのダメバカ母役、サラ・フォレスティエも、いい味だしてました。こんな母ちゃん絶対イヤ!とイラッムカっとさせつつ、何か憎めないトボけた感じでコミカルに演じてた彼女の存在こそ、映画が暗くならなかった要因かもしれません。
 世界中には、マロニーよりも悲惨な境遇にある児童がいる…という現実に心が痛みます。すべての子どもたちが幸せに、健康に成長できる社会を切に望まずにはいられません…
コメント (3)
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