まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

キムタクに忖度

2017-11-30 | 日本映画
 「無限の住人」
 両親を天津影久率いる剣客集団に殺された凛は、100人斬りの異名をとる万次に仇討ちの助太刀を依頼する。謎の老婆によって不死身となった万次は、殺された妹に瓜二つな凛を守ろうとするが…
 スマップ解散後、ますます凋落の一途をたどっている木村拓哉さん。ついにキムタク終了?!酷評の嵐で大コケした主演映画を、おそるおそる観てみました。ん?言われてるほど、酷い映画じゃなかったような?フツーに面白かったし、キムタクもカッコよかったです。私は楽しめましたが、悪評や冷笑も理解はできる映画でもありました。時代劇だけど、高校生ヤンキーのケンカ漫画みたいなノリと内容。大人の時代劇ファンには、かなりキツい映画かもしれません。でもまあ映画会社や某事務所にとっては、そんなことどーでもいいんだろうな。人気漫画の映画化でキムタク主演なのだから、筋金入りの時代劇ファンなど対象外なんでしょうけど…

 で、キムタクさん。いい意味でも悪い意味でも、いつものキムタクさんでした。もう何やっても酷評と嘲笑しか浴びない彼が気の毒。みんなケチョンケチョンに言ってますが、世間はキムタクに厳しすぎるのでは。でもそれは、誰も無視できない無関心でいられないということ。スターの宿命。毀誉褒貶の中、老けようが人気が下がろうが己の道を進むキムタクを、私はリスペクト&サポートしてます(^^♪

 でもね~。やっぱ気づかないふりはできないんですよね~。キムタク独自の“カッコいい俺”キャラも、もう限界というか、見た目の劣化老化とそぐわなくなってる。それがファンには悲しい。何だか痛ましくて、見てるほうが辛くなるんですよ。今回のキムタクも、時代劇なのに『あ?』とか『ちょ待てよ』とか、相変わらずのキムタク口調。これってもはや、モノマネのホリ以上にウケ狙いなのかな~とさえ思ってしまいます。侍なのに、なぜかべらんめえ口調というか、下品なチンピラみたいな喋り方だったのも、超ぼんぼん役なのに元ヤンみたいだった「華麗なる一族」と同じ。せめて台詞まわしぐらいは、キムタクのまんまじゃなくて侍に化けてほしかったです。

 剣道が得意で、殺陣に自信があるらしいキムタク。バッサバッサと敵を斬る刀さばきは、なかなか鮮やかでカッコよかったけど、こういうアクションシーンになるとどうしても目立ってしまうのが、キムタクの残念な身体的短所。チビで貧相なので、迫力がないんですよね~。戦ってない時は、小汚い浮浪者に見えてしまったし。このままだと、どんどんイタいおじさんになってしまう。年齢に相応しい、中年男の魅力やリアリティを出せる役に挑戦してほしいです。ゲス不倫でも犯罪者でも、キムタクなら今までのカッコいいヒーロー以上に実力を発揮できるはず!そろそろ貴方を嗤ってる連中を、あっとギャフンと言わせてやろう!

 怪我の手当をするシーンで、ちょこっとだけ脱いでるキムタクですが、痩せてるけど引き締まった、浅黒い肌が艶っぽい色気があって、そういうのを活かした大人の演技にも今後は期待したいです。
 共演者がみんな学芸会で、ハロウィーンの仮装みたいな衣装&メイクで失笑。相手役の杉咲花が、私の苦手系女優。声がもう神経を逆なでする。私かわいいでショ!!な可愛いアピールも、押し付けがましくて辟易。いったい彼女いくつなの?中学生ぐらい?キムタクとは父娘にしか見えませんでした。ずっと野良生活なのに、髪型も着物もこぎれいなままなのが変でした。

 市川海老蔵は、見た目も演技もまるで志村けんのバカ殿に出てきそうなお笑いコントだった。敵である天津影久役の福士蒼汰が、ぜんぜん強そうに見えなかったのも残念。市原隼人も、いつもと同じヤンキー演技で成長がまったくない。長身の福士くんとはほとんどツーショットがなくて、チビの隼人くんとはガッツリ絡んでたのは、キムタクへの忖度でしょうか
 気になったのは、万次って全然強くなくて、不死身じゃなかったら誰にも勝ててなかったこと…
コメント (3)
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雷神と愉快な仲間たち

2017-11-28 | 北米映画 15~21
 「マイティー・ソー バトルロイヤル」
 アベンジャーズから離れて、インフィニティ・ストーンの調査をしていたソーが故郷アスガルドに戻ると、死んだはずの弟ロキが父オーディンに成りすましていた。地球に追放されたオーディンに会うため、ロキを連れニューヨークに来たソーの前に、行方不明の父の居場所を知るドクター・ストレンジが現れるが…
 アベンジャーズの一人である雷神ソーの単独主演シリーズ第3弾。大好きなアベンジャースですが、劇場での鑑賞がこれが初!こういう映画はやっぱ、DVDでよりも大きな劇場で観るほうがいいですね。もともとコメディ色が強いアベンジャーズシリーズですが、このマイティー・ソー最新作はコメディっぽいどころか、コッテコテのコメディになってました!惑星や宇宙空間で、うる星やつらちっくにおバカで愉快な大騒ぎ!ポップなノリとか出てくる宇宙人とか、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に近い感じになってました。

 ソーも、どんどんおバカなキャラに進化?しちゃってますよね~。かつてないほどのアホな言動やボケかましまくるソー。笑えるシーンはたくさんありましたが、特に私が好きなのはバトルロイヤル前に無理やり自慢の長髪を切られそうになり、やめてー!!と半泣き絶叫するソーが、アホ可愛くて胸キュンでした。何だかもう懐かしの筋肉マンみたいなギャグ男になってしまったソーですが、最強っぷりは不変。電撃ビビビ!で大暴れする勇姿は、もう痺れるほどカッコいいです。

 ソーといえば、弟のロキも人気キャラ。屈折したダークプリンスのはずだったロキも、今回はソーと共に完全にお笑い芸人になってました。宿敵だったソーとの仲良し共闘も、この映画の見どころです。仲良くケンカするソーとの関係は、まるでトムとジェリーみたいで微笑ましかったです。憎みきれない、裏切りきれない兄弟愛は、ここまでコメディじゃなかったら、結構オイシいBL映画になってたかも。

 そして、アベンジャーズからはハルクが友情出演。キャプテン・アメリカの「シビル・ウォー」にソーとハルクが不在だったのは、宇宙に飛ばされていたからだったのね。なぜハルクがあの惑星にいたのかが謎。そして、ハルクがフツーに喋ってたり、フルチン姿になったりな掟破り!いろいろ???な部分がありましたが、細かいことを気にさせないワヤクチャさが楽しかったです。

 米倉涼子がもうドクターXにしか見えないように、クリス・ヘムズワースももう何やってもソーにしか見えなくなってしまってる、というのは役者としてはどうなんでしょう?一世一代の当たり役に恵まれ、しばらくは食いっぱぐれない安定感を得たとも言えるし、別の役だと不満不足がられて仕事が狭まってマンネリの危険性がある、とも言えるし。クリヘムはでも、おバカだけどカッコいい、というフィールドで無敵になれそう。いま最高の“おバカッコいい俳優”ではないでしょうか。ヘンにシリアスな役者を目指してヘタこくよりも、しばらくはコメディ街道を邁進してほしいかも。

 アホっぷりに加えて、いい男っぷりもアゲアゲなクリヘムでした。脳筋イケメンとしても、いま無双かもしれないクリヘムです。短髪になると男らしさが際立って、ゲイからの人気もますます上昇したのでは。クリヘムといえばの見事すぎる肉体美も、もちろんバッチリ見せてくれてます。ただ、すごい小顔とムッキムキなゴツいマッチョボディとは、ちょっとアンバランスな感じも。

 ロキ役のトム・ヒドルストンも、おちゃっぴーな好演でした。彼のコミカル演技もなかなか堂に入ってましたが、ちょっとキャラが違う方向へ向かってしまってるため、ロキファンにはちょっと不満かも?他の作品や素のトムヒは好きなのですが、メイクと髪型のせいか、個人的にはロキのトムヒはちょっと苦手。クリヘムとの兄弟漫才も息ぴったり。ソー&ロキの地球人ファッションでのツーショットもイケてました。

 サブキャラや敵役、そしてカメオ出演者も超豪華!ハルク/ブルース・バナー役のマーク・ラファロも、え!?バナーってこんなキャラだったっけ?!なコメディアンぶりでした。精神不安定気味で、ぼ~っとしてたりオロオロしてたりなマークが、めっちゃ可愛かった!

 ソーの姉で最強の敵ヘラ役は、2度のオスカーに輝く大女優ケイト・ブランシェット。彼女も、一見大真面目に演じてるようで、何か笑える珍妙さ。ベテラン悪役女子プロレスラーみたいな風貌のせい?ブランシェット姐さんほどの大女優が、よく引き受けたな~。何でもやっちゃうノリのよさに感嘆。ソー&ロキの父役の名優アンソニー・ホプキンスまでも、アホ爺さんになってました。
 そして、何といっても最大のサプライズは…

 アスガルドで偽オーディンが見物してる芝居で、ロキの役を演じてる俳優。ロキとは似ても似つかぬゴリラみたいな男。何と!マット・デーモン!黒い長髪が異常なまでに似合わない!マットも大スターなのに、ノリがよすぎ!そういう気取らないところが好き!同じアメコミ映画で、大親友ベン・アフレック主演のジャスティ・リーグのほうではなく、アベンジャーズ系のほうにマットが出演したはWHY?ちなみにソー役は、クリヘムの実兄ルーク・ヘムズワースでした。オーディン役は、クリヘムと同じオーストラリア出身のサム・ニールでした。
 あと、サカール星の支配者グランドマスター役のジェフ・ゴールドブラムが、そこはなとなくオネエっぽくて笑えた。ベネディクト・カンバーバッチasドクター・ストレンジもゲスト出演。ソー&ロキ兄弟とミニコントを披露してます。

 ↑ アベンジャーズの最新作、楽しみですね
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ワイルド検事とイケメン詐欺師

2017-11-26 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭⑤
 「華麗なるリベンジ」
 破天荒な検事ジェウクは、殺人の濡れ衣を着せられ投獄されてしまう。復讐と真相解明のため、ジェウクは詐欺師のチュオンと手を組むが…
 ファン・ジョンミンとカン・ドンウォン、韓国2大トップスター競演作です。なかなか愉快痛快なコンゲーム+相棒映画でした。刑務所の中から指令、外で実行する復讐計画に、そんなにうまくいくわけない~と苦笑しつつ、ユニークな手法や鮮やかな手口に感心感嘆。小道具の使い方や伏線の張り方など、脚本がよくできてました。コメディとシリアスのバランスも良く、韓流らしい下品な笑いと非道いバイオレンスが、いい塩梅にミックスされていました。バランスの良さといえば、ファン・ジョンミンとカン・ドンウォンも、どっちかが役得!とか出番、見せ場が多い!な偏りがないW主演となってました。

 検事ジェウク役のファン・ジョンミンは、ハードボイルド担当。いい人そうだけど荒ぶる魂を秘めた男、がオハコの俳優。そこに男の愛嬌が加わるのがいつものファン・ジョンミンですが、今回は愛嬌より哀愁、ちょっと抑え気味でシリアス色が強かったです。大げさな熱演ではなく、静かなる怒りと不屈がカッコよかったです。彼も日本にはいないタイプの俳優ですよね~。人一倍荒々しいけど、人一倍優しいところも好き。法律の知識を活用して、囚人や刑務官を手なずけて思い通りに動かしたり、法廷で被告人なのに自分を弁護する演技には、シャープな知性も感じさせて魅力的でした。

 詐欺師チュオン役のカン・ドンウォンは、コメディ担当。おちゃめな軽妙さで、お笑いもイケてることを実証。調子がよすぎる口丁手八丁が笑えた。アメリカ育ちのお坊ちゃまに成りすましてる時の、インチキくさすぎる英語も笑えた。ホスト風やヤクザ風、エリート風など、カンちゃんの七変化も目に楽しいです。選挙のボランティアで踊るシーンが、特におちゃっぴーで可愛かった。女は老いも若きもみんなイチコロ、女の子を誘惑するシーンで珍しくディープキスしてたカンちゃん。でも絶対脱がないのもカンちゃんらしかったです。裸をそんなに見たいと思わない数少ない韓流男優なので、そんなに惜しくはないのだけど。

 主に刑務所内のジェウク、外のチュオン、だったので、ジョンミンとカンちゃんの絡みは、そんなに多くありません。チュオンがイヤイヤながらも言われるままに計画を実行するのが、ちょっとなぜ?と思ってしまった。ジェウクに対して、命を賭けるほどの義理や恩はなかったはず。ジェウクの人柄に惚れて?それならそこのところ、男が男に惚れる絆や情をもっと描いてほしかったかも。いい男ふたりの映画に、まったくBLのかほりがしないのって、すごく惜しい。でも、カンちゃんがジョンミンに甘えたりジャレたりするシーンは、BL感はないけど可愛い弟分と男らしい兄貴って感じで微笑ましかったです。
 復讐のターゲットであるウ氏が、いかにも韓流の悪役。卑劣で残虐!あんな立候補者、絶対イヤです。韓国ではでも当たり前みたいにいそうだけど。ウ氏役は、ヒットドラマ「未生 ミセン」などで知られるベテラン俳優のイ・ソンミン。表は立派な候補者、裏はガラ悪すぎる外道を濃ゆ~く演じてました。検事役で、売れっ子名脇役のパク・ソンウンも出演してます。カッコよくなったミヤネ屋の中山レポーター、みたいで好きなんですよね~。それにしても。政治家→検察→警察→やくざ→チンピラ→小市民、という韓国の薄汚い裏社会のヒエラルキー、自分より下の者はゴミ扱い、も相変わらずでした。人品が下劣すぎる。韓国人の気品とか優雅といった言葉の似合わなさは、アメリカ人以上かも。メッタ刺しにされても死なない、ヤクザの武器はバット、という韓流あるあるがこの映画でも。

 ↑ファン・ジョンミンは、笑顔も素敵カンちゃんのファッションセンスが、ちょっと…

 ↑最近になって大好きになってしまったファン・ジョンミン彼の旧作、もっと観るつもり(^^♪

 韓流イケメン映画祭、これにて終了🈡お目汚し、カムサハムニダ~
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黒の祓魔師

2017-11-24 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭④
 「プリースト 悪魔を葬る者」
 悪魔にとり憑かれた女子高生ヨンシクを救うため、キム神父は教会の反対を押し切って悪魔祓いの儀式を決行しようとする。キム神父の補助係に選ばれた神学生のアガトは、教会からキム神父の見張り役を命じられたが…
 韓流版エクソシスト、みたいな映画です。いたいけな少女に悪魔がとり憑いて、見るもおぞましい姿に変貌し、聞くに耐えない罵詈雑言を吐き散らし、悪魔祓いの神父たちと死闘を繰り広げる、といった設定と内容は、ほぼエクソシストと同じ。エクソシストの悪魔憑き少女みたいに、首がグルグル回ったり、ブリッジしながら階段おりてきたりな怪奇すぎて笑える動きはせず、おどろおどろしく息苦しくなるような重い空気もなく、どちらかといえばダークファンタジー系漫画やアニメの実写化っぽいノリでした。以前、年がいもなくハマったことがあるアニメ「青の祓魔師」を思い出しました。青エクが好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。

 悪魔がちょっと低級で、大したことないショボさだったが、ぜんぜん怖くなかった要因でしょうか。まあ、韓国くんだりにまで流されるような悪魔なので、よほどの小物だったのでしょう。最後は子豚に乗り移るとか、とても世界に災いをもたらす悪魔とは思えない小ささでした。
 悪魔祓いの儀式や呪文が面白かったけど、あんなんで退治されちゃう悪魔って、弱っ!儀式のために用意しなきゃいけないグッズも、何かそのへんのものばかりで笑えた。韓国はキリスト教の国なので、神学校や神学生もごくフツーな存在なのでしょうか。日本ではあまり制服姿の神父さん、見かけないですよね。それにしても。神父さんでもお坊さんでもいいから、お祓いしてほしい人が最近、ほんと多いですよね~。座間の猟奇殺人鬼とか、悪魔より忌まわしい恐ろしい犯罪者に狎れてしまってるので、この映画の悪魔憑き少女なんて鼻で笑えるレベルです。
 神学生のアガト(洗礼名?)役は、人気イケメン俳優のカン・ドンウォン。

 TVドラマ時代から数えると、カンちゃんももう結構なベテラン俳優なのですが、ほとんど変わってないのが驚異。老けないですね~。1981年生まれだから、もう36歳のカンちゃんですが、大学生役でも全然イケますよ。イケメンだけど、ちょっとヘンな顔でもあるところが、彼の個性でもあります。小顔で背が高くてほっそりしてるので、神父の制服姿もカッコいい!あんな神父さん実際に歩いてたら、さぞや目を惹くだろうな~。カンちゃんのコスプレみたいな神父姿もファン必見です。子豚を連れ歩くカンちゃんが可愛かったです。

 キム神父役は、「チェイサー」や「海にかかる霧」など売れっ子の熟年俳優キム・ユンソク。口と態度は悪いけど、実は人情に厚いおっさん、でもちょっとイカレ気味、という定番の役でした。見た目はフツーのおっさんですが、よく見るといい男です。カンちゃんとユンソクおじさんとだったら、後者に抱かれたいです。

 ↑「1%の奇跡」のカンちゃんが好き。あのドラマからもう8年が経ったのか~。私はすっかり年老いてしまいましたが、カンちゃんはあの頃とあんまし変わってないですね。すっかり映画俳優なカンちゃんですが、またドラマにも出てほしいものです。そーいえば。先日映画の宣伝で来日したカンちゃん、ギャル男みたいなファッションで笑えた。いくら若く見えてももう36歳なので、イタい若作りより年相応の大人な役や演技を期待してます
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反日の英雄たち!

2017-11-21 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭③
 「暗殺」
 日本統治下の朝鮮半島。韓国臨時政府の指令を受けた警務隊長ヨム・ソクチンは、狙撃手のアン・オギュンら3人を日本の要人暗殺のため招集する。日本側の密偵でもあったヨムは、計画を阻止するため凄腕の殺し屋であるハワイ・ピストルを雇い、オギュンたちを抹殺しようとするが…
 チョン・ジヒョン、イ・ジョンジェ、ハン・ジョンウ、3大スターが競演した戦争映画。内容が反日、ということでも日本公開前から話題に。噂通り、日本人は残虐で卑劣な斃すべき悪人、仇敵として描かれていました。朝鮮の人って、本当に心の底から日本人が憎いんですね~。いつまで経っても赦し合えない、わかり合えないことが悲しい…のを通り越して、あまりにも頑なで後ろ向きな彼らには、この人たち大丈夫なのかな~と心配になってしまいます。朝鮮半島を占領し、やりたい放題の暴虐を尽くす日本人ですが、何だか水戸黄門の悪代官、悪商人レベルというか、スケールの小さいセコい悪人だったせいで、壮大なレジスタンス物語になり損ねていたような気がします。日本人への狭量な悪意から、あえて日本人を闇の深い巨悪として描かなかったのでしょうか。そこまで深謀的な意図があったとは思えませんが…

 豪華スターの競演、セットや衣装にお金かけた大作なのですが、何だろう、なんか惜しい!感が拭えないんですよね~。戦隊ものの悪を倒すに近いノリではなく、もっと反日感情を複雑に痛烈に描けていたら、日本人の胸をも衝く、心揺さぶる映画になってたでしょうに。最大の敗因は、悪い日本人をなぜか韓国人の俳優が、めっちゃ下手くそな日本語で演じてたこと。これで日本人のつもり?!な、何かの冗談としか思えないレベルなんですよ。ヘンな日本語に失笑しまくりで、シリアスなシーンもとんだお笑い化。

 あと、今も昔も朝鮮の人たちってまとまりがないな~と、てんでバラバラ、団結できないレジスタンスたちの戦いぶりを見ていて思いました。あまりのまとまりのなさ、感情的な行動のせいで、崇高なはずの愛国心が感じられず、カッコいい英雄に見えなかった。日本人との戦い以上に身内同士で争って血で血を洗うレジスタンスたちに、南北半島の現在がカブりました。あと、無駄に多いアクションシーン、銃撃戦シーンにも辟易。派手すぎると、返ってチープになってしまう悪例です。

 裏切者ヨム・ソクチン役のイ・ジョンジェは、相変わらずいい男彼、老けないですね~。清潔感があって優しそうだけど、男らしくどこかミステリアスなところが好きです。当時の衣装も似合ってて、韓国スターにしては珍しくファッションセンスがいいジョンジェらしかったです。スラッとした長身なので、まるでモデルのように中国服とかも素敵に着こなしてました。祖国を裏切って日本人の走狗となる悪役だけど、ぜんぜん悪人に見えませんでした。ジョンジェならもっと、何を考えてるのか分からない、不気味に謎めきながらカリスマを備えた悪役を演じられたはずなのに。彼の末路も、安易すぎてトホホでした。

 ほぼ紅一点、ヒロインであるアン・オギュン役のチョン・ジヒョンも、もうずいぶんなベテラン女優なはずなのに、あまり老化劣化しない女優ですね~。「猟奇的な彼女」の頃と、そんなに変わってないのが驚異。清楚で透明感があって薄幸そうだけど、決して折れないしなやかさが彼女の魅力です。私の苦手な可愛い子ぶりっこ女優じゃないところも高得点。けだるげでニヒルなところが好きかも。たまに井上真央に似て見えたのは私だけ?チョン・ジヒョンとイ・ジョンジェといえば、あの名作「イルマーレ」が懐かしい。「10人の泥棒たち」でも共演してましたね。次に顔を合わせる時は、フランス映画みたいな大人のドラマでお願いしたいものです。

 さすらいの暗殺者ハワイ・ピストル役のハ・ジョンウは、今や韓国トップクラスの映画俳優ですが、私はあまり惹かれないんですよね~。大鶴義丹に見えて仕方ないから?ハ・ジョンウよりも、彼の部下役のオ・ダルスのほうが目立ってたかも。風貌から、どうしてもコミカルになってしまう彼ですが、たまにはシリアス真っ向勝負な彼も見たいものです。

 ↑タフでストイック、かつスマートな男ジョンジェには、韓国版007みたいな役が似合いそう!スーツも裸も任せとけ!だもんね
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全員、外道。

2017-11-19 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭②
 「アシュラ」
  悪徳市長ソンベに命じられるまま、カネのために刑事のドギョンは弟分のソンモとともに汚い仕事を請け負っていた。ソンベを失墜させたい検察は、ドギョンを脅してソンベを検挙するための罠を仕掛けるよう強制するが…
 韓流版「アウトレイジ」?本家アウトレイジよりも、こっちのほうがより凶暴で野蛮で血なまぐさくて狂ってるかも。アウトレイジの非道さは明らかに笑いを狙ったものが多く、日本の極道らしい任侠とか仁義もあったけど、この韓流映画にはそんな人間味はほとんどありません。とにかく残虐!非情!卑劣!醜悪!

 今回も思ったけど、韓流のヴァイオレンスってほんと容赦がないですよね~。殺し方や死に方、いたぶり方が異常。おなじみの刀やナタでメッタ刺しメッタ打ちには、毎度ながら正視できないものが。殴る蹴るも、激しすぎリアルすぎて怖い。血しぶき、血まみれの暴力シーンが、これでもか!と襲いかかってきて、うげげ~っと眉をひそめたり、もうやめてー!と目を塞ぎたくなるシーンのつるべ打ち。ラストは阿鼻叫喚の地獄絵図。そういうのが苦手な方は、ぜったい観ないでください。でも、血泥臭く激烈な暴力描写は、生ぬるい邦画やハリウッド映画では味わえない、まさに激辛キムチな韓流の特産品でもあります。

 汚れた刑事や汚れた政治家の話はありふれてますが、さすがにこの映画のソンベみたいな市長さんはいねーだろ?!なんでこんな見るからに怪しくて品性下劣すぎる(人前でもあまりそれを隠してない)人が市長になれたの?!警察も検察も同様。世の中は清いだけではダメ、多少の汚さは必要悪、だとは思うけど。この映画の悪は、私利私欲まみれで汚らしいだけ。質的には、暴力を抜いた舛添要一、みたいな浅ましさ醜さ。

 それにしても…暴力の内容もですが、韓国人の国民性というか気質というか…ヤバすぎるほど民度が低い。こんな市長、こんな警察、こんな検察ありえない!けど、韓国ならひょっとしたらありえるかも…と、これまで観てきた韓流映画やドラマ、そして実際の事故や事件、元大統領など思い返しながら思ってしまいました。先進国になれんはずだよ。韓国の腐敗や歪みは、日本どころではない深刻さです。

 激情的すぎる男たち。韓国人の血の気の多さは、もはや病的。ニュースとか観てもわかるけど、怒るにつけ悲しむにつけ、発狂じみた身も世もない取り乱し方に唖然。そして、他人を貶め辱める罵詈雑言が、下劣で野卑すぎる!でも、よく思いつくな~と感心してしまうほどのボキャブラリーの特異さと豊富さ。私も一度は嫌いな人に、このウジムシ野郎!とか、便所虫の分際で!とか言ってみたい。北朝鮮の挑発コメントもだけど、日本人にはマネのできない品性ゼロな口汚さです。

 この映画、キャストが豪華!主演級スターの競演が、韓流ファンには嬉しい。最近の韓流映画は一枚看板よりも、数枚看板映画が増えてる?よほどのスターじゃないかぎり、一人では集客が難しくなってるのかしらん?
 まずは、刑事ドギョン役のチョン・ウソン。

 汚いことしても言っても、暴力の血泥にまみれても、いい男!ズタボロの満身創痍になっても、カッコよさは隠せません。粗野に振る舞っても凄んでも、顔が優しいのであんまし怖くないです。長身でガタイがいいので、格闘シーンには迫力が。格闘家みたいな動きや力強さも、さすが兵役がある韓国男って感じ。いつも不幸で不運なウソンなので、たまにはハッピーで明るい彼も見たいです。

 こんな市長ぜったいイヤ!な悪徳市長ソンベ役のファン・ジョンミンの怪演が、この映画の白眉かもしれません。いちばん美味しい役でした。目つきがヤバすぎる。まさに狂人の目。卑劣で凶暴、やることなすことエゲツなさすぎる極悪人なのですが、何か笑える愛嬌もいっぱいで、可愛く思えるシーンも多々あります。水をこぼして濡れたスーツのズボンとパンツを脱いで、ずっとケツ出したまままウロウロしてる姿が、滑稽(アソコが見えそで見えない)かつ可愛かったです。すごい感情の起伏が激しい役で、さぞや演じてて疲れたことでしょう。見てるほうも疲れましたし。ファン・ジョンミンって、お人よし役でも何かちょっとヤバい人?と思わせますよね。そういうところが面白くて好き。韓流トップクラスの性格俳優なのでは。彼にはぜひ、緒形拳の「復讐するは我にあり」韓国版リメイクに挑戦してほしい!あの殺人鬼役は、今の日本の俳優では無理!演技力、ルックス、年齢的にもファン・ジョンミンならピッタリかも!

 ソンモ役は、「宮」や「魔王」などで日本でも人気だったチュ・ジフン。爬虫類顔はちょっと苦手だけど、彼もいい感じにイケメン俳優から脱却し、性格俳優に成長しつつあるのではないでしょうか。冷酷な顔なので、情にもろく悪人になりきれないソンモのような役よりも、骨の髄まで悪人な役のほうが似合いそう。ウソンとの愛憎関係、愛憎がぶつかり合うシーンに、腐が萌えるものがなかったのが残念。せっかくの男だらけ、男祭りな映画なので、ほのかでもBLのかほりが欲しかったです。
 あと、韓国の貧乏人の居住区の、暗く寒々しく荒廃した家や、狭くて入りくんだ小道にも、毎度目を驚かされます。日本でもまだ、あんな場所あるのかしらん?

 ↑チョ・インソンとW主演の「ザ・キング」が来春日本公開決定!したウソン、最新作ではカン・ドンウォンと共演だとか。スター共演が続きますね~

 ↑最近すごくチョアチョアなファン・ジョンミンの新作は、ソ・ジソブやソン・ジュンギと共演した「軍艦島」。内容が反日的な問題作だとか…
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雪に濡れたふたり

2017-11-17 | 韓国映画
 韓流イケメン映画祭①
 「男と女」
 知的障害をもつ息子とフィンランドのヘルシンキに滞在していたサンミンは、同じ韓国人の建築家ギボンと出会い、互いに名乗ることもなく一度だけ肌を交わして別れる。韓国に帰国したサンミンは、突然自分を訪ねてきたギボンに戸惑いながらも再び…
 日本では最近、政界でも芸能界でもスポーツ界でも、ゲス不倫が盛んですが。どれも生臭くて薄汚くて、うんざりさせるものばかり。でも不倫なんて、現実にはそんなものなんですよね~。不倫といえば、古くから様々な映画やテレビドラマ、小説などの題材となり、甘い罪悪感と悲壮感に満ちた恋愛、美しいイメージで描かれたものが多いので、実際にまったく縁のない私などからしたら、ファンタジーに近い世界でしたが。一連のゲス不倫の流行で、汚らしい醜悪な迷惑行為としか思えなくなりました。

 この韓流不倫劇は、いちおう昔ながらの甘美で哀切な道ならぬ恋物語となっていますが、現実のゲス不倫のおかげですっかり冷めてしまった目には、それってアリなの?!とか、調子いいなあ~とか、ズルい!とか、ナンダカンダと難癖をつけずにはいられぬ映画となってしまっていました。
 主人公の男女の不倫よりも、彼らの夫や妻、子どもたちの扱い、描写の端折りっぷり、都合のよさが気になって仕方がありませんでした。特にサンミンの夫なんか、影が薄すぎていてもいなくてもいい存在だった。子どもの障害や妻の鬱病を不倫の免罪符にしてた内容にも、何か引っかかるものを感じました。本当に相手を愛して、というより、互いのストレスや寂しさ解消、性欲処理のための関係、としか思えなかったです。実はゲス不倫なのに、甘く切ない恋愛に見せようといろいろオブラートに包んでた、みたいな印象。

 普通の恋愛よりも不倫のほうが、男女の温度差がイヤな形で現れるものなのでしょうか。サンミンとギボンを見ていて思った。女はしたたかだけど愚か、男は弱いけどズルい、と。サンミンの表面的には冷静で狡猾な不倫ごまかし言動は、アッパレの一言。でもいったんタガが外れると、盲目的で破滅的な衝動に突き進んでしまうのも女の怖さ。ギボンの無邪気というより幼稚な言動には、イライラさせられっぱなしでした。女の都合や心情などお構いなしで、ガンガン攻めてくるアプローチは、ほとんどストーカーだったし。夢中になってる間は情熱的だけど、ハタと我に返って現実的な選択ができるところも、男の身勝手さ。ラストシーンとか、甘く哀しい演出なんだろうけど、私には不気味なほどみじめな終幕としか思えなかったです。それと。サンミンとギボンの比較的裕福な生活を見ていて、やっぱ不倫は貧乏人より金持ちのやることだな~と苦笑。生きてくだけでイッパイイッパイな私のような者には、不倫するチャンスも気力体力もありません(笑)。
 ギボン役は、私の韓流3王子の一人であるコン・ユ❤

 彼が本格的な濡れ場に初挑戦したということで、絶対に観ねばならない映画だったんです(笑)。ちゃんと脱いで濡れてたコンたんでしたが、期待してたほどのものではなく、ちょっと肩すかし。コンたんにはあれが精いっぱいだったのかな。コンたんにしては頑張ってたと思うけど、チュ・ジンモやチョ・インソン、チョン・ウソン、ソン・スンホンやコ・ス、チュ・ジフンなど、これまで数々の人気韓流イケメン男優が挑んだ驚愕の全裸ズコバコに比べると、良く言えばソフト、悪く言えば大したことなし、でした。あれぐらいなら、日本の若い男優でもできそう。コンたん、ケツぐらい出さなきゃ!でも相変わらず肉体美でした。

 コーヒープリンスの頃に比べると、さすがに顔は老けたコンたん。でも、成熟した大人の男の域には、まだ達していません。まだ青年っぽい。イケメンだけどアホ顔なので(大沢たかおに似てるとよく言われてるけど、私には安田大サーカスの団長に見えることがままあり)、シリアスな演技しても深刻に見えないんですよね~。やっぱ彼はコメディ向きです。年下のイケメンがヒロインにガンガン迫ったり甘えたりする描写や台詞は、韓流の十八番ですよね。もしキモいブサイクが同じことやったら、ただのストーカーで即通報です。
 サンミン役は、「シークレット・サンシャイン」でカンヌ映画祭女優賞に輝いた、韓国随一の女優で濡れ場女王でもあるチョン・ドヨン。傑作「ハッピーエンド」とちょっと通じるところがある、虚無的かつ激情的なヒロインを巧演してました。いつも思うのですが、彼女ってすごく絶妙な表情をするんですよね~。特に印象的だったのは、いなくなった息子を探す車内での彼女。焦燥感の中にも、いっそ見つからないほうが…とでも考えてそうな闇を感じさせる表情が怖かったです。ラブシーンでは終始コンたんをリードしてましたが、完脱ぎなしで彼女にしてはフツー。下着姿が煽情的でした。
 フィンランドロケも売りとなってますが、なぜフィンランド?あまり必然性を感じなかったです。ほとんど韓国で話は進んでたし。それはそうと。日本でも、大人のメロドラマ映画作ってほしいなあ。漫画映画ばかりでトホホです。

 ↑今年は日本で「新感染」「密偵」も公開と、コンたんファンには嬉しい年でした
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髪を切った私に

2017-11-15 | 日本映画
 「だれかの木琴」
 美容師の海斗は、小夜子という新しい客を担当する。夫と娘と越して来たばかりだという主婦の小夜子から、海斗は頻繁にメールや電話を受けるようになるが…
 引き続き池松壮亮出演作(^^♪壮亮くんが、人妻にストーカーされる美容師役。最近はどよよ~んな虚無青年役ばかりな壮亮くんですが、この作品ではいつもほどどんよりしておらず、接客業者の役なので愛想のいい笑顔や、人当たりのいい口調が新鮮でした。でもやっぱ、すごく翳りがあって暗いです接客中でも、倦怠感ハンパないです。そして、相変わらず退廃的で色っぽい。あんな美容師さんがいる美容院、私でも通うわ。あの低くけだるい声で、かゆいとこありませんか~と囁かれてみたい♪雰囲気はすでに熟年男ですが、見た目はまだ少年っぽい壮亮くん。顔とかまだ子どもに見えることも。

 この映画では、壮亮くんといえばの濡れ場や大胆な脱ぎシーンはなし。少年時代の壮亮くんは、健康的で引き締まった体をしてましたが、最近は荒んだ生活を送る闇を抱えた若者役が多いせいか、不健康そうな痩身になってますね。けだるげ~に煙草をくゆらす姿が、あんなに絵になる20代の男、なかなかいないですよ。
 仕事も社交も恋愛もソツなくこなしつつ、どこか他人とは距離を感じさせ、何を考えてるのか読ませないミステリアスさとか、ひょっとしたらヤバい子なのかも?と不安にさせる危うさを、何げない表情とか目つきとかで表していた壮亮くんの静かな演技は、やはりタレントやCM俳優の熱演もどき演技とは違います。壮亮くんご自身は、私生活ではオサレな男子として有名、人気なのですが、出演作ではそれを活かすことは滅多になく、たいてい貧乏、シンプル、小汚いのどれかなので、今作の美容師ファッションはかなりレアで可愛かったです。

 それにしても。ストーカーまがいなことをされても、ほとんど動じず、勝手にやってろ的にほぼ放置してた海斗の冷淡さ、無関心さが、小夜子より不気味でした。何もしなくても、そんなつもりはなくても、誰かを惑わせ狂わせてしまう魔性の男!壮亮くんは、そういう役を演じられる数少ない若手俳優です。

 ストーカー主婦役の常盤貴子は、今でもきれいですが、体型はすっかりおばさんになりましたね~。松坂慶子化してます。ストーカーというより、ふわふわした不思議ちゃんおばさんみたいで、怖くもヤバくもなかったのが物足りなかったです。ストーカー行動よりも、ぶりっこ口調がキモかった。実際、あの程度のことなら常盤貴子みたいな美熟女にされたら、若い男なら嬉しいのでは。泰葉とか松居一代みたいなマジキチ熟女にされたら、速攻で110番通報でしょうけど常盤貴子ってTV女優って感じで、すごく軽い。もうちょっとコワレた女の怖さ、痛ましさが出せる女優にしてほしかったかも。とにかく、狂気的なシーンやショッキングな展開など皆無なので、サイコなサスペンス映画を期待して観たらズッコケますので注意!

 ↑今度は壮亮くんにストーカー役を演じてほしい!
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DKトーク 友だち以上、BL未満

2017-11-12 | 日本映画
 「セトウツミ」
 放課後、いつも二人で他愛もない会話を交わして過ごす、高校生の瀬戸と内海。二人にはそれぞれ悩みや問題もあったが…
 大好きな池松壮亮と、今をときめく菅田将暉がW主演した話題作。とりあえず壮亮の出演作には食いつく私ですが、この映画にはちょっと躊躇するものがあったんです。まず、漫画原作ということへの抵抗感、拒否反応。そして、男子高校生がグダグダ喋ってるだけという内容。どうしても食指を動かされず、しばらく二の足を踏んでいたのですが。いざ観てみると、想定外に面白かったです。意外と笑えました。ほっこり、ほのぼのもしたし。

 恋やスポーツ、友情にキラキラ✨ドキドキ💓な青春はもちろん素敵ですが、この映画のセトウツミみたいに何をするわけでもなく、でも楽しそうにまったり過ごす青春も悪くない、ていうか、実際に私も、友情ではないけど数少ない男関係ではセトウツミでした他人には奇異、つまらない、非生産的に見えるかもしれないけど、二人にとってはかけがえのない時間、実りのある世界なのです。独りの時、集団の中の時にはのしかかる問題や悩みも、二人の時だけはその重さ苦しさを忘れられる。心も体も軽くなって安らげる、そんな空気感がよく出てました。すごくくだらない、無意味な会話を交わしているようでいて、その実すごく相手を励ましたり慰めたりしてる優しさが滲んでいて、思いやりあるな~優しいな~と感心。瀬戸の飼ってた猫の話が、ちょっと切なかった。前向きすぎる明るすぎる温度の高い派手な友情よりも、ひっそりとした生ぬるい地味な友情のほうが、居心地が良くて持続できそうです。他愛のなさがくれる大きな幸せが、微笑ましく描かれていました。

 セトウツミのユル~いヌル~いやりとりは、まるで売れない若手上方漫才師みたいでした。クスっとはなるけど、爆笑はできない。会話劇がこの映画の売りみたいだけど、私は二人の関係性に魅力を感じました。いつもいつも飽きもせず一緒にいられる、寒空の下や炎天下でも、二人だけの場所で相手が来るのを待ってるセトウツミは、どう見てもフツーのDKフレンズではありません。けど、今にも告白とかキスとかしそうな危ういBLムードもない。友だち以上、BL未満な親密さに萌え~。実際にも、電車の中とか街中で仲良そうにしてる二人組のDKがいると、ひょっとして♡と楽しいBL妄想に走ってしまう私、骨の髄まで腐ですね二人の邪魔しないで、そっと二人だけにしてあげて、と願ってしまう可愛いセトウツミでした。
 池松くんが、根暗なインテリの内海役。池松くん、最近観た出演作の中では、いちばん可愛かったかも!

 どよよ~んは相変わらずだけど、それが今回は可愛く活用されてました。髪型とメガネ、学生服が超似合う!高校生にしては色気ありすぎる。けだるげ~な雰囲気が大人っぽい。援交してる女子高生のモノマネする壮亮くんが、何かすごい色っぽかった!クールでドライ、学校では一匹狼で、他人を完全シャットアウトしてるのに、瀬戸にだけは優しく明るい内海。瀬戸へのからかい、おちょくりには愛があった。自分に想いを寄せるJKから、ゲイなの?!と疑われるのも無理はない。女って自分が相手にされないとすぐそれだよな、とJKに冷たく言い放つ壮亮くん、超カッコよかった!女にイケズなところも、壮亮くんの魅力です。瀬戸に対する壮亮くんの静かなまなざし、ちょっと悲しそうな微笑みが意味深でした。

 菅田くんは、おバカでハイテンションな不思議くん瀬戸役。彼の出演作はほとんど観たことがなかったので、ワタシ的には彼ってCM俳優なのですが、売れっ子なのが納得できました。演技も上手だし、個性的な俳優ですね。イケメンとは思えないけど、表情豊かなアホ可愛い顔に好感。菅田くんは大阪出身らしいので、関西弁もお手の物だったのでしょうか。生粋の関西人が聞いたら、池松&菅田の関西弁ってどうなんでしょう?
4
 ↑池松くんの新作は、岡田准一主演の時代劇「散り椿」です。早く池松くん主演の時代劇が観たい!
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男前の聖剣!

2017-11-09 | イギリス、アイルランド映画
 「キング・アーサー」
 イングランド王ユーサーの弟ヴォーティガンは、謀反を起こし王座に就く。城を逃れたユーサーの息子アーサーは、拾われた娼婦館で逞しく育つ。ヴォーディガンはアーサーを探し出し抹殺しようとするが…
 これまで何度も映画化された、有名なアーサー王のエクスカリバー伝説。恥ずかしながら、どれも未見な私。なので、この最新版アーサー王映画は、予備知識や比較対処なしで観たのですが、すごく面白かったです!史実じゃなくて、ファンタジー冒険劇?日本でいうと、ヤマトタケルの神話と同系列でしょうか。悪い魔術師や魔物、湖中の妖精など、ヴィジュアル的にも目に楽しかったです。基本的にLOTRとかハリポタとかファンタジーは苦手な私が、どうしてこんなにも楽しめたのでしょう。それは恐らく、内容よりもガイ・リッチー監督の演出センスが好きだから。時代劇なのに現代劇風なところが、リッチー監督らしかったです。最近はあまり評価されていないリッチー監督ですが、私はどの作品も好きだな~。荒れくれた粗削りさの中にも、才気あるスタイリッシュさがあるところが好き。野郎どもの小粋な会話もいい感じ。実はこーなっていた的巻き戻し解説とかも、いつものリッチー節。あと、女がほとんど出てこない、男祭り映画なところも。アーサーをはじめ、みんな癖があるけど男気あふれていて(子どもでさえ)、個性的ないい男ぞろい。男くさく軽妙なテイストが、私には美味しかったです。
 アーサー役のチャーリー・ハナムが、いい男!

 初めて彼の出演作を観たのですが、噂通りの男前ですね~。いかつくゴツく見えるけど、すごいスタイルの良さ!足、長っ!そして、すごい肉体美!あれは、脱いで見せるためのカラダですよね~。男らしいけど、胸焼けしそうな濃いフェロモンむんむんではなく、色白でブロンドなため薄口なところとか、ワイルドだけど粗野じゃないところなどは、さすがイギリス男。

 ふんがー!!と上半身裸でシャドーボクシングするシーンが、脳みそまで筋肉男っぽくて好き。強靭な体もですが、アクションもキレがあって迫力あり、格闘家みたいに屈強そう。頑張って鍛えました!肉体改造しました!と日本のイケメン俳優がよく自慢そうに上半身裸になるけど、チャーリー・ハナムとかに比べたら貧相な子猿です。それにしても、あのカラダをキープするのって大変なんだろうな~。演技の稽古よりも鍛えるほうに時間がとられてそう。

 類まれな肉体美と、熱く激しいファイティングシーンで魅せてくれたチャーリー。クールで無骨だけど、笑うと少年のように可愛いところも素敵です。イギリス人で、イカついけど薄い風貌、荒っぽい男らしい役、といえば。ちょっとトム・ハーディとカブるチャーリー。第二のトムハ路線も狙えそうなチャーリーですが、小柄なゴリマッチョなトムハと違って、チャーリーは長身スマートで引き締まったルックスなので、トムハが好むイケメン崩しのイカレた役ではなく、正統派のカッコいいアクションや恋愛ものに出てほしいものです。
 アーサーの仲間役、ジャイモン・フンスーも相変わらずカッコよかった。雄々しくて威厳があります。いつも脇役なのがもったいないほど。アーサーの敵であるヴォーディガン役は、リッチー監督の「シャーロック・ホームズ」シリーズでワトソン役を演じてるジュード・ロウ。美男の名残はあるけど、すっかりおじさんになりましたね~。M字な頭髪が相変わらず寂しかった。英国美男の名をほしいままにし、数々の主演作が作られたジュード・ロウも、最近は脇役が専らみたいですね。隔世。アーサーの父ユーサー役のエリック・バナもいい男でした。でも彼、時代劇で同じような役が多いような?あと、リッチー監督の友人である元人気サッカー選手が、「コードネームU.N.C.L.E」に続いてゲスト出演してます。チョイ役ですが、前作よりも映ってる時間も長く、台詞も多かったです。イケメンだけど、やっぱ俳優のようなスクリーンで輝く魅力やオーラはないですね。

 ↑チャーリー・ハナム、my 英国イケメンのベストテン入り!TVドラマ「サン・オブ・アナーキー」も観よっかな~。チャーリーの新作“'Papillon'”は、スティーヴ・マックウィーン主演の「パピヨン」のリメイクです
コメント (2)
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