まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ガヤガヤ言われたら逃げます

2023-01-26 | 日本映画
 「そして僕は途方に暮れる」
 フリーターの裕一は、同棲中の恋人から浮気を責められると、逃げるように部屋から飛び出す。親友、バイトの先輩、姉のもとを転々とし、やがて行き場を失った祐一は…
 待ちに待った藤ヶ谷太輔主演作、やっと観ることができました(^^♪ガヤくんを大きなスクリーンで見るのは初めて。数年前に出演した舞台の役を、映画で再演したガヤくん。以前からガヤこそが、某事務所タレントの中では最も俳優として資質と魅力があると思ってましたが、今回それを確信するに至りました。ガヤくん、いい役者!キスマイがデビューした頃は全然いいと思えなかったのに、30を過ぎたらどんどん大人っぽくなり、見た目にも演技にも色気が出始めた。このまま某事務所の域を出ない仕事させ続けて、アラフォーアラフィフになってもアイドルが抜けないキムタクや岡田准一みたいになってほしくない。その思いはこの映画を観て強まりました。

 藤ヶ谷くん、大人っぽくなったとはいえ、30過ぎには見えません。20代のフリーター役も違和感なし。でも、若い男子のピチピチキラキラな輝きやフレッシュさは全然なく、肌も表情も雰囲気もどこか爛れた荒廃した感じがして、甘い退廃の匂いが。身を持ち崩した役が似合います。劇中どんどん伸びて濃くなっていく無精ひげも、全然だらしなくも小汚くもなく、むしろ男の色香がいや増してた。声も何かエロくて好き。

 それにしても。クズ男、ダメ男というより、私にはちょっと精神障害?精神病?なのかなと思わせる裕一の言動でした。人の都合や気持ちを慮らない(慮れない)ところや、怒られたり批難されたりすると一瞬キョトンとなる表情など、ちょっとアスペルガーの人?とも。でも、人を見て態度を変えられるズルさはあるので、単に無神経で図々しいだけなのかなとも。相手に強く出られたらキョドって泳ぐ目や、心が痙攣してるような狼狽などのガヤの演技には、静かなる狂気が。大げさな熱演ではなく、細やかな仕草とか表情で性格破綻や心の闇を表せるガヤくんに、役者としてのレベルアップを見ました。印象的なシーンはたくさんあるのですが、特に私が好きなのは親友の部屋で寝転がってTV見てる姿と、真夜中の雨の中をさまよう姿、そして鼻水たらして大泣きする姿、でしょうか。可愛くてみじめでイタいガヤ、そこにはアイドルではなく役者がいました。

 この映画の撮影も、当然のようにアイドル仕事と掛け持ち。身も心も役に入り込んでたガヤを多くのキスマイファンは、やる気がない!とかヒゲやめろ!とかグループに迷惑かけるな!とブーイング、バッシング。そのことの影響からか、今後はアイドル業に支障をきたす俳優活動はしない、とガヤは発言。それ本気?残念すぎること言わないでほしい。それって、役者として成長しませんと宣言してるようなもんでしょ。事務所に言わされただけで本心ではないと思いたい。30半ばでアイドルでいようとすることと、いい俳優になろうとすることと、将来の芸能活動を見据えればどっちが正しいか、本当に彼のファンなら考えるまでもないことなので、ガヤには早くキスマイ脱退、某事務所退所を希望!って、うわ、言ってもうた💦また怒られそう
 
 若く見えるので、まだ青臭い役も違和感ないガヤくんですが、退廃とか虚無とかが似合うので、色気も活かした屈折した大人の男の役も今後は演じてほしいものです。三浦大輔監督といえば、池松壮亮が「愛の渦」で、松坂桃李が「娼年」で。若い人気俳優がセンセーショナルで過激な濡れ場に挑むのが定番(?)なのに、ガヤはそうじゃなかったのは残念。まあ、某事務所にいるかぎり、それは無理なんだろうな~。もったいない。
 他の出演者も、いい味だしてました。特によかったのは、父役の豊川悦司と姉役の香里奈かな。トヨエツ、ヌオオ~っとした魁夷な風貌と強面が怖い、でも独特すぎる哲学で生きてるパパをトボけた感じで珍演してます。デカいトヨエツと一緒だと、小柄なガヤくんはまるで子どもみたいでした。香里奈は、グサグサと刺さる現実と本音を弟にぶつけてくるキツい姉ちゃんをクールに好演。香里奈と藤ヶ谷太輔、なかなか美しい姉弟で絵になります。

 まるで犯罪者のように夜の東京(大都会の夜景も印象的でした)、そして遥か北海道にまで逃げ迷う裕一ですが。ほんと大したことない、どうでもいいような理由で逃げ回ってるので、破滅とか絶望とかいった深刻さはゼロ。そこがこの映画を喜劇にもしています。それにしても。裕一の周囲の人たち、みんな善人すぎる。私が同じようなことされたら…藤ヶ谷くんみたいな弟や彼氏や友だちなら、やっぱちょっと我慢するかも、とも怒ったらスゴスゴ出ていくのも、返っていい子だなと思った。平然と居座られるほうが困るし許せない。裕一がブサイクだったら、もっと簡単に残酷に他者や社会と断絶できたんだろうな。裕一より私のほうがよっぽど、他人との関りを断ってますよ。他人に迷惑をかけなければ、それも悪くないですよね?裕一のように、逃げても逃げても独りで生きれないのも何か辛そう。

 ↑ ドラマ「ハマる男に蹴りたい女」では、珍しくラブコメに挑戦してるガヤくん。可愛い!んだけど、何か物足りなくもあります。男女を優しく残酷に傷つけるような役を演じてほしい!
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

男じらし!冒涜のシナリオ

2023-01-22 | スペイン映画
 「バッド・エデュケーション」
 若手映画監督エンリケの前に、少年時代の親友で初恋の相手でもあったイグナシオが現れる。俳優志願のイグナシオが書いたというシナリオの内容に、エンリケは衝撃を受ける。それは二人が学校の寄宿舎にいた時に起こった、ある忌まわしい事件についての物語だった…
 今や世界的巨匠扱いされてるペドロ・アルモドバル監督ですが、かつてはスタイリッシュにケバケバなゲイテイストで、トンデモぶっとび映画を連発してた天才オキャマ監督として、一部から熱狂的な支持を得ていた御方でした。数あるアルモ姐さんの珍作怪作の中で、最もゲイゲイしさが炸裂しているのが、このBLサスペンス劇場です。マイベストオブアルモ作品でもあります。久々に観ましたが、やっぱおもろいわ~。何もかもが濃密で刺激的。毒にも薬にもならん映画や演技ばかり見てるので、こってり過ぎて胸やけが。現在と過去、虚構と現実が交錯し二転三転しつつ、ああそういうことか!そうつながるのか!と膝を打つ巧みな構成や、エゲツなくも笑えて含蓄のある台詞など、さすがすぐれた脚本家でもあるアルモ姐さんです。

 いい人の、いい話なんかじゃないところが好き。みんな野望と欲望に汚れた悪党!強烈で濃密な毒気は、まるで高級な香水のよう。アルモ姐さんの半自伝的な映画、とのことですが。神父による性的虐待をネタにして、こんな映画を作ってしまう姐さんのメンタルの強さと創造力に感服。半自伝的とはいえ、まあ90%は盛ってるとは思いますが。おぞましい少年姦を描きつつ、ぜんぜん陰鬱な映画になってないところもスゴすぎます。神学校の寄宿舎でのくだりは、なかなか怖いスリラー仕立てになってます。バチ当たりすぎる神父、ほとんどホラーでヤバすぎる!

 アルモ姐さんの映画はどれもゲイテイストが濃厚ですが、強い女性を賛美してる筋金入りのフェミニストでもある姐さんは、どちらかといえば女優を大事にするヒロイン映画をメインにしているので、イケメンたちが身も心も絡み合うBL映画は、この作品が唯一かも?若い男二人が繰り広げる駆け引きは、真面目にやってるようでどこか珍妙でもあり、確実に笑いを狙ってる。笑えるシーンやキャラが多いし。そうそういうところも、アルモ映画の魅力です。わし的にはこの映画、完全にブラックコメディです。ヴァーホーヴェン監督の傑作「エル」に近い黒い笑い。そんな私の好物に、BLという好物も加わってるので、美味しくないわけがない映画なんです(^^♪BL映画といっても、ファンタジーな甘さや切なさ、キレイカワイイな要素は微塵もありません。BL映画ではなくゲイ映画、と言ったほうが正しいかも。エンリケもイグナシオも、相手に愛なんか求めてませんし。エンリケは体、イグナシオはチャンス。二人とも潔いほど打算的でリアルなゲイっぷり。
 この映画はやはり何といっても、ガエル・ガルシア・ベルナル!彼なしでは成立しなかった映画です。ラテンの貴公子、最強のエロカワ男子として絶大な人気を誇っていた当時25、6歳頃のガエルっち、私もハマってました~

 いや~。ガエルっち、ほんま可愛い、そしてエロいわ~。まさに神ってる(死語)!彼に恋していたとしか思えぬほど、アルモ姐さんったらガエルにアンなことコンなことさせちゃってます。ほとんどセクハラな演出。女優なら訴えられるレベル。でもガエルっちはアルモの欲望、じゃない期待に役者魂を燃やして応えています。ファムファタールならぬオムファタール、魔性の美青年!こんな役、演技、日本のイケメン俳優にはまず不可能。おかまのサハラ、偽物イグナシオ、そしてイグナシオの弟フアンの3役を演じてるのですが、それぞれチャーミングに怪しく演じ分けています。女装の美しさには瞠目!

 衝撃的(笑撃的?)なシーンてんこ盛りですが、圧巻な見せ場はやはりエンリケを誘惑するプールのシーンでしょうか。全裸になるよりいやらしい、水に濡れて透けた白いブリーフ一丁姿のガエルっち、そのふくらみは何?!エンリケと観客の視線を奪う巨根見せつけが笑える。エンリケがイグナシオに苦々しく言う『この男じらしが』は、当時ツボった名台詞でした。エンリケにバックから激しく突かれて苦痛に歪むガエルっちの顔もインパクトあり。フツーの俳優なら、こんなのよくやったな~と唖然となるところですが、大胆不敵なエロカワ貴公子ガエルっちには、これぐらい余裕。

 トリッキーな役を見事に演じてるガエルっちですが、薄汚い卑しい役でも全然そんな風に見えないところも彼らしい。賢そうでどこか高貴な雰囲気さえする。そしてとにかく可愛い!小柄で童顔、フアンの時は10代の少年にしか見えなかった。小さいので動きがチョコチョコトコトコしてるもウルトラキュート。笑顔と八重歯も殺人的な可愛さ。脱ぎっぷりのよさも世界一級。チビだけど、がっちりむっちりしてる褐色の肉体が放つ色気きたら。男色家たちがハアハアと群がるのも当然。女だって近寄っただけで妊娠しそう。無味無臭なキレイ系中性的男子が好きな人は要注意な雄♂フェロモンです。
 エンリケ役は、アルモの「トーク・トゥ・ハー」にも出てたフェレ・マルティネス。ちょっと若い頃のクリスチャン・ベールっぽい顔?翻弄されつつ利用もする、決して情には溺れない男をクールに好演してました。サハラの親友、おっさんおかまのパキート役のおじさんは、「トーク・トゥ・ハー」で主役を演じた俳優さん?いい味だしてました。本物イグナシオもグロテスクかつ珍奇で笑えたわ。
 この映画、公開当時に観た時は、日本でリメイクされるなら(絶対ムリだが)、イグナシオは妻夫木聡、エンリケは岡田准一がいいかも~なんて妄想したものです。今の若い人気俳優だと誰がいいか。ぜんぜん思い浮かばない

 ↑ 神ってる(死語)頃のガエルっちの画像、集めてみました~。Guapo!Que bonito!旧作の「アマロ神父の罪」とか「ブエノスアイレスの夜」「ドット・ジ・アイ」とかまた観たくなってきました(^^♪

 ↑ 現在44歳、最近のGGB氏。Me excita !今でも全然イケとるわ~
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チョコレート⑨~⑯ 辛くて甘い

2023-01-18 | 韓国のドラマ
 「チョコレート 忘れかけてた幸せの味」第9話から最終話まで観たニダ!

☆血も涙もない
 デパート崩落事故のニュースを聞き流しながら、平然とステーキを食べてるハルモニとジュンの両親。ガンの母親が巻きまれていて、目の前でガンが大泣きしてるというのに。こんなシーン、日本の映画やドラマではあまり見ないよな~。すごく気持ち悪かったです。
☆玉葱
 大量のタマネギを剥いて涙を流すジュンの前に、ロウソクを持ってきて火をつけるチャヨン。こうすれば涙が出ないんだって!ほんまなん?!

☆最悪!たかり母子
 生活苦から幼い時に金持ちのアメリカ人に里子に出した次男が、末期がんになって韓国に戻りホスピスに。ベタベタ家族愛をアピールしてくる母と兄は見た目も言動も卑しく、明らかに金目当て。よくそんなことできるな~と戦慄。
☆痴呆ストーカー
 認知症が悪化する食堂のおばさん、町へ連れていった仲良しの幼い女の子を忘れて置き去り!自分が認知症ってわかってるんだから、無責任な行動しないでほしい。このおばさん、すごくいい人なんだけど、捨てた夫のもとにのこのこと戻ってきて、要らないと拒絶されても料理を作って悲しげにデリバリーするというストーカー、そして痴呆による迷惑行為をするので、見ていてイライラします。

☆ライダイハン問題
 ホスピス患者の願いをきき、ベトナム料理を作るチャヨン。プンチャー、美味しそう!
☆どこかで見たことある
 ガンに憧れてる若い看護師、ひょっとして「サムバディ」のギウン?
☆クッキングDr.
 故郷の島で、チャヨンに料理をふるまうガン。すごい美味しそうな海鮮料理!医師が何であんなの作れるの?!

☆クッキングDr.2
 隠れ家の竈の前で、チャヨンのアドバイスに従いキムチ焼き飯を作るジュン。こっちも美味しそう!
☆恋するドクター
 チャヨンに愛を告白してから、別人のように甘く優しい表情や発言をするようになるガン。恋って男も変えますね!大型スマートなワンコみたいなユン・ゲサンが可愛い!誕生日にチャヨンを自室に誘うガン、部屋を掃除。使ってる掃除機はダイ〇ン?あれ欲しい!チャヨンのためにまた料理するガン、またすごいごちそう!医者辞めてもシェフとして十分やっていけます。それにしても。30代の大人の恋人同士が、部屋で二人きりなのに何もしないとか、返って気持ち悪いわ~。

☆外道オンマ
 幼いチャヨンを捨て、デパート崩落事故の時も無視して姿をくらましていたチャヨン母が、突然コンタクトしてくる。詐欺師になって他人から金を騙しとってる母へのチャヨンの対応の、怒りと悲しみを必死に抑えた冷ややかさが痛ましかったです。

☆ギリシア
 ラストは、ドラマの冒頭に戻ってギリシアに。ギリシアの美しい風景が、恋の結末より感動的でした。『人生の価値は、どれだけ人を愛したかで決まる』…私の人生は無価値ってことですね😢
★総括
 不治の病と運命の純愛は、韓流の定番。それが好きな人なら楽しめるドラマです。冷血人間の私は、もうそういうのいいから、と思ってばかりでしたでも、韓国ならではの美味しそうな料理の数々には、毎回魅せられました。チャヨンに弟子入りしたいわ。
 ユン・ゲサン、かっこいい!色気のない役はもったいない。ハ・ジウォンは加齢とともに柔和になってしまい、昔のような彼女といえばの鋭いガンとばしとか全然なかったのが物足りませんでした。
 韓流ドラマ完観恒例、my 理想妄想イルボンリメイクはこうぢゃ!

 チャヨン ・・・ 長澤まさみ
 ガン ・・・ 永山瑛太
 ジュン ・・・ 向井理
 ミンソン ・・・ 福士誠治
 チャヨンの弟 ・・・ 金子大地
 ガンの母 ・・・ 上野樹里(特別出演)
        ・
 ジュンの父 ・・・ 田原俊彦
 ジュンの母 ・・・ 若村麻由美
 ジュンの叔母 ・・・ 浅香唯
 食堂のおばさん ・・・ 麻生祐未
 看護師長 ・・・ 伊藤修子
 ホスピスの院長 ・・・ 松重豊
 ジュンとガンの祖母 ・・・ 浅丘ルリ子

 こんなん出ましたけどぉ~?
 ユン・ゲサンは何となく瑛太に似てるので。おバカなおっさんお坊ちゃまであるジュンパパは、トシちゃんにぴったり!
 韓ドラ、次は何を観よっかな~。

 ↑ ユン・ゲサン主演の映画「スピリット・ウォーカー」「ワンナイト・カップル」観たけど、あんまし面白くなかった
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地獄飛行!非情なる着陸拒否

2023-01-11 | 韓国映画
 「非常宣言」
 ソウルからハワイへと向かう韓国の旅客機内で、若い男がウィルステロを起こす。感染した乗客や乗務員が次々と死に、やがて飛行機は操縦不能に陥って…
 今年初の劇場鑑賞映画は、この韓流オールスター大作となりました(^^♪ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワンといった一枚看板スターが競演!新年に相応しい、贅沢なおせち料理みたいな豪華キャストです。オールスター出演のパニック映画、飛行機内の恐怖、といえば名作「大空港」から始まったエアポートシリーズを思い出します。この韓流版は、感染や無差別テロといった現代社会の深刻な病巣がネタになっていて、運が悪かったり油断したりしたら飛行機の乗客みたいな目に遭う!という恐ろしい警告のような内容に、私のユルユルな正月気分も吹っ飛んでしまいました。新年早々、こんな恐怖と絶望に満ち満ちた映画を観てしまうなんて!でも、今年も不安と災厄とは無縁ではいられないという覚悟を、あらためて持たせてくれる映画でもあります。

 感染者を拒む外国(もちろん日本も。拒絶するだけでなく、自衛隊の戦闘機で攻撃!)そして韓国も感染者の入国をめぐって騒然と分断!数年前に横浜の港で、コロナ感染者が船内に足止めされた時のことを思い出しました。結局コロナの侵入と拡大は阻止できなかった。映画の中で飛行機の着陸を拒む諸外国や韓国国民を、非情!鬼!と責めることはできません。大丈夫だという確信もないのに、あの飛行機の着陸に賛成できるのはよほどの偽善者か無責任な人だと思います。血反吐や泡を吹いて悶絶死する感染症も怖かったけど、それ以上に飛行機が墜落するほうが怖い!飛行機って何度乗っても、墜落したらどうしようという不安につきまとわれます。墜落するまでの恐怖と絶望、想像しただけで気絶しそうになります。墜落の危機で地獄と化す機内、すさまじい緊迫感!かなりの気力消耗になるのでご注意を!ハリウッドや邦画と違い、ぜったい大丈夫、スターが死ぬわけない、無事にハッピーエンド、と安心させないところが、さすが韓国映画。え?!まさかほんとに?!でも韓国ならありえる!最後の最後まで悲劇を予感させる展開と演出で、気が休まる瞬間がありませんでした。

 どこからも着陸を拒まれ、葛藤と絶望の果てに悲劇的な決意をする乗客たち。誰も恨まず、理不尽な自己犠牲を受け入れて死を待つなんて崇高なこと、私にできるだろうか。あのまま覚悟した通りの悲劇となれば、鬱すぎる結末としてすごいインパクトになってたことでしょう。そうならないようにするための展開が、すごい強引で都合がよすぎ。後半の尻すぼみ感がかなり惜しいです。
 韓流ファンにはおなじみの名優、人気スターの競演が、この映画最大の見ものでしょう。刑事役のソン・ガンホは、今や韓国ナンバーワンの大物俳優。粗野だけど人情家のおっさん役は彼のオハコ。奔走する刑事をデスパレートにエネルギッシュに熱演してます。my 最愛の韓流男前、イ・ビョンホンが機内で大活躍!

 ガンホおじさんが韓流屈指の名優なら、ビョン吉さんは韓流随一のスター。あの低い美声での第一声で、ビビビとくるスター降臨!フツーのお父さん風で登場するのですが、スターのオーラは隠せません。でもビョン吉さん、フツーの庶民役もすごく上手で自然なんですよね~。今回も平凡なおじさんって感じはよく出してました。そういうところが、ヘンに特別な感じを出したがるキムタクとは違うんですよね~。意外な正体が中盤に判明するビョン吉さんですが、ジャーン!カッコいい俺発動!的な演技なんかしてません。でもカッコいいユルんだタルんだ感じがまったくなく、体つきがすごく硬く引き締まってる感じなので、おじさん臭がまったくない。おじさんではなく熟年!華やかなスターから、最近は味わいある名優へと見た目も演技も円熟しているビョン吉さんです。理想的な役者道ですね。ガンホおじさんとは懐かしの「JSA」そして「グッド・バッド・ウィアード」で競演してますね。今回はほとんど絡みなしでしたが。

 大臣役で、これまた韓流きっての名女優チョン・ドヨンも出演。でも別に彼女じゃなくてもいいような役でした。副機長役のキム・ナムギルもカッコよかったです。パイロットの制服が似合う長身!スマートだけどヒョロっとした感じではなく、すごくガッチリたくましいところがさすが韓流男優。彼もいい感じに年齢を重ねていて、安定感ある中堅俳優に成長しましたね。いちばん目立つ美味しい役だったのは、犯人役のイム・シワン。「ミセン」など、清々しい好青年のイメージだった彼が、ヤバすぎるき〇がいを怪演。一見爽やかで優しそうなんだけど、表情や雰囲気がすごい気持ち悪い!わけのわからない言動など、こういう人にだけは絶対関わりたくない!と心肝寒からしめる狂人ぶりでした。

 観終わるとホッと安堵、そしてドっと疲労感。疫病、そして大勢を巻き込んでの自殺。どちらもいつ自分に降りかかってもおかしくない災厄。新年早々、明るい希望より鬱々しい不安をかきたてられてしまいました。ハラハラドキドキできる、という点ではすぐれた映画でもあります。イルボンリメイクは絶対ムリだと思うけど、妄想なら犯人役は岡田将生か横浜流星だな(^^♪二人ともイケメン役よりキモい役のほうが、その美貌を活かせる役者だと思うので。

 ↑ ビョン吉さんの新作は、ユ・アイン共演のNetflix映画「勝負」です。配信はいつじゃろ~
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

I wish you a magical year 2023!後編

2023-01-08 | 演劇
 どんな役を演じてもにじみ出てしまうムカイリーの、あの人を見下したような冷ややかさが好き。なので、大人ハリー・ポッターはまさに適役!アルバスへの態度はほとんどモラハラな精神的DVなのに、嫌な感じは全然せず。私もムカイリーパパに怒られたい!失笑冷笑されたい!ドSなムカイリーに魅了されっぱなしでした。でも、主役はどちらかといえば息子のアルバスで、ムカイリーは出ずっぱりではなかったのがちょっと物足りなかったです。スコーピオスが変身したハリーの時のムカイリーは、すごく可愛かったです。それはそうと。満席の観客席、上演中に私の周囲では何人かの高齢男性がいびきをかいて寝てた。まあ、おじさんにはキツい内容なのは確か。ハリポタファンの奥さんに強制的に連れてこられたんだろうな。帰宅したら奥さんに怒られそうで心配に

 ハーマイオニーって、ハリーではなくロンと結ばれてたんですね!ハーマイオニーもハリーの妻も、ギャーギャー怒ってばかりのキツい鬼嫁で、女性キャラの好感度はかなり薄かったです。こじらせ少年すぎるアルバスも、見ていてイライラしました。キャラと喋り方、アルバスが炭治郎、スコーピオスが善逸、みたいだった。鬼滅の刃って、ちょっとハリー・ポッターの影響あり?あと、タイムトラベルで過去へ行く設定は、ほとんどバック・トゥ・ザ・フューチャーだった。自分たちの都合で過去をいじくり回して、関係ない人たちの人生や運命はどうなってもいいの?と鼻白んでしまった。

 からくり満載なセット、宙を飛んだりクルクル回転したり、炎やビームが出たり水中シーンがあったり、大がかりなマジックショーみたいな演出は、およそ目を驚かすものばかりでした。でもいちばんビツクリだったのは、まさかのBL!多様性を重視する時代らしいラブストーリーは、なかなか切なく微笑ましかったです。ひと昔前のイギリスでは犯罪だったのに、ラストのカミングアウトが温かく優しく受け入れられたのが現代的でした。旧シリーズは今もあまり観たいとは思わないけどこの舞台の映画版なら観たいかも。映画なら英国美青年、イケメンのラブシーンあるでしょ当然!

 続きはお楽しみに!な終わり方、まだまだ引っ張りそうな商魂たくましさです。カーテンコール、にこやかな共演者たちと違い、ムカイリーだけは笑顔をほとんど見せず、疲れた不機嫌そうな表情。何度も繰り返すカーテンコールにウンザリしてる?そんなところもムカイリーらしくて好きです
 期待以上にマジカルな舞台、そしてムカイリーのカッコよさと役者ぶりでした。美しくも成熟した大人の俳優に相応しい役で、今年こそ面白そうなドラマや映画にも出てほしいとI wish!舞台の上の彼もまた見たい!
 観劇後は、韓流ファンの聖地である新大久保へ。夜のとばりが降りた新大久保は、ごった返しの人!人!人!うう。梨泰院の恐怖アゲイン

 はちみつホットク、トッポギを立ち食い。ソウルで食ったのよりマシッソ!韓国の食材店やコスメ店など見て回ってると、あっという間に広島に戻るバスの時間間近に。今度はもっと余裕をもって楽しみたいコリアンタウンでした。急いで新宿バスタへ。ほとんど駆け込み乗車。バス内で夕食用に買ったプルコギちび海苔巻きを食べました。これもマシッソヨ~。
 素敵な思い出、年の終わりになって作ることができました。2023年も映画や舞台、たくさん観に行けたらいいなあ。旅行もしたいな~。ぼっちライフ、今年も健康で文化的に送りたいたいと思います(^^♪
 
 
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

I wish you a magical year 2023!前編

2023-01-03 | 演劇
 皆さま、明けましておめでとうございます!
 素敵なお正月、お過ごしのことと存じます!わしは例年通り、ゴロゴロまったり寝正月を堪能してます(^^♪お雑煮のおもち、1個食べただけで喉がつかえ胃もたれするのは、加齢の悲しき証でしょうか
 年末、休みに入るとすぐに夜行バスに乗り込み、お江戸へと向かいました。舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」を観劇するためです。6月頃にチケットをゲットして以来、ずっと楽しみにしていました。このために半年生きてた、と言っても過言ではないほどに。ハリー役は大好きな向井理長年ファンやってて、ついに生ムカイリーをこの目にできる!ありがたや~。寿命が延びそう(^^♪

 バスは早朝、新宿バスタに到着。慌ただしい年末ながら、大都会も朝早くだとまだ人はまばら。お昼の公演まで時間があるので、新宿3丁目にある珈琲貴族エジンバラで朝食。のんびり優雅なモーニング、のはずが、年末年始はモーニングやってません!と言われガーン😨仕方なく、カフェオレとスナックセットを注文。カフェオレは1000円!😨ド〇ールか〇リーズに入ればよかったかも、と思わずにはいられなかったドケチな私の前で、店員さんがカフェオレを淹れてくれます。さすが1000円。ポテトグラタンもサラダも、そしてカフェオレもすごく美味しかったです。朝からちょっとした贅沢。食べた後は近くにある花園神社に参拝。100円の賽銭でアレモコレモと祈願しました。


 昼前にTBS赤坂ACTシアターに到着。すでにもうたくさんの人がいて、華やかに飾り付けられたツリーとかハリー・ポッターカフェ、グッズ店などハリポタームード一色。向井理asハリー・ポッターに、もうすぐ会える!ドキドキワクワク(^^♪


 エントランスの前で、大勢の人たちが今か今かと開場を待ちます。梨泰院での将棋倒し圧死事件を思い出してしまい、ワクワク感が恐怖感に無事シアター内に入れて安堵!赤坂ACTシアターもきれいでおしゃれな劇場。すぐにグッズ売り場の列に並びました。でも間違えて、受付前まで来たのにまた列に並んでしまったアホな私プログラムと、ジミーへのお土産にとホグワーツTシャツを購入しました。
 いよいよ開演!実はというと私、映画のハリー・ポッターシリーズはTVで第1作目しか観たことないので、ハリー・ポッターに関してはほとんど無知。そのことに関してはあまり気にしてなかったのですが、舞台が始まってすぐに頭の中はクエスチョンマークでグルグル状態に。この人誰?どういう関係?何言ってんの?どういうこと?と、ハリー・ポッターのファンなら知ってて当然のことがチンプンカンプンで、いかに自分が無謀であったかを痛感。でも、会いたかったのはハリーではなく向井理。舞台の上のムカイリーを見ているうちに、ワケワカメ状態はどうでもよくなっていきました(^^♪いや~向井理、やっぱめちゃくちゃカッチョEですね~本家ハリー・ポッター、ダニエル・ラドクリフの100倍はイケメンです。

 映画やドラマで感じる以上に、顔が極小っ!豆つぶみたい!共演者の女優さんたちが気の毒になるほどの小顔に驚嘆。スラリとしたスマートな長身に、スーツもマントも似合うことといったら。声もきれい。ちょっと早口気味に、長台詞も危なげなくこなします。デビューの頃から応援してきた彼も、いい役者に成長しましたね。しかも風貌が劣化しておらず、美しさを保っているところがスゴいです。あんな大きい息子がいる役には違和感があるほどに若々しい。そして、やはりムカイリーには優しい役よりも冷たい役のほうが似合う。大人になったハリー・ポッター、まさかあんな男になっていたとは。出来の悪い息子に対して高圧的で支配的な、超エリートの毒親!アルバスへの冷徹で厳しい言動、非道い!怖い!第1作目の、あの可愛くていたいけだったハリーはどこへ行ったの。息子の劣等感と孤独を深める鬼父ハリー、演じるムカイリーの地に近い?冷たささ、そして美しさはまさは魔法、魔力だった…
 to be continued
 
 

 

 
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする