まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

満開🌸鯉桜

2018-03-25 | カープ
 鯉しちゃった~たぶん気づいてないでしょ~♪久々のズムスタ観戦に、脳みそがCherry ♫ルンルンラララとソフトバンクとのオープン戦を観に行きました
 最近の異常なカープ人気のせいで、去年はまったくチケットが獲れなかった仕事帰りにフラっと行ってフツーに観れた時代が懐かしい。私のような貧乏コネなしの下民には、カープに距離感を覚えてしまう状況ですが、カープにとっては喜ばしいことなので、ずっとこの人気が続いてほしいと願ってます。今年もズムスタ観戦は絶望視してたのですが、ダメモトでチケット争奪戦に参戦、運よく今回と来月のDeNA戦、そして6月の楽天との交流戦のチケットGETだぜ!いや~何事もやってみるもんですね~。

 ↑初公開!これがダミアンだ!
 約2年ぶりのズムスタは、相変わらず大盛況。ダミアンが寝坊して予定より遅い出立となり、並んで良い席ゲットになるはずだったところ、開戦直前になって到着。今回は外野自由席、もちろんもう満席。仕方ないので立ち見。でも良く見える場所だったので、ぜんぜん苦痛じゃなかったです。
 ズムスタの楽しみといえば、やはりズムスタグルメ。どこの店も長蛇の列!カープうどんなんて、ぶっちゃけどん兵衛のほうが美味しいのだけど、ズムスタに来ると食べずにはおれぬファンが多いみたいですね。カープうどんといえば。お盆にのせたうどんを持って歩きスマホしてる人がいて、めっちゃ怖かった!もしぶつかったら、大参事ですよ。危うく熱いうどんをぶっかけられそうになって、ひえ~!でしたわ。

 私のズムスタグルメmost favoriteである鳥皮餃子、どこの店だったっけ?見つからない…まず飲み物。ダミアンはマンゴースムージー、私は青森りんごスムージーを買いました。大賑わいのコンコース、人の波をかき分け歩き、ジョンソンがプロデュースしてるチキンフィンガーにダミアンが足を止める。容器の赤ヘルが可愛いけど、中身のコレストロールの高さには恐怖。その他にも、肉巻きチーズ入りおにぎり、唐揚げやソースたっぷりかかった焼きたてポテトチップスなど、どんだけ食うの!?目がテンになるほど買うダミアン支払は、もちろんわし見てるだけでオナカイッパイでしたが、どれも美味しかったですよ~。
 今日の先発は、超ラッキー!大瀬良くんだった!コンコースで配られていた、大瀬良くんがイメージキャラに起用された広島県税の広告チラシ、5枚ほどもらいました相変わらず爽やかで可愛い好青年な大瀬良くん、こういうCMのキャラにはピッタリです。


 生の大瀬良くんに会える!けど、よく考えてみたら、これまで何度か大瀬良くんが先発の日にズムスタに来たけど、ことごとく負け投手になってたような縁起の悪い私、大瀬良くんのためにも帰ろうかな…と思いつつも、今回も思っただけ今日こそは大瀬良くん、勝利するキミを見届けるけんね~!
 いよいよ開戦!対戦相手がソフトバンクというのも、嬉しくて怖い。この日負けたら屈辱の3タテを食らうことに。いくら最強ホークスが相手、いくらオープン戦でも、そんなことになったら気持ちが挫かれます。ホークスも決して絶好調ではなく、カープとドベから2番目のブービーを争ってるテイタラク。リーグを制した両雄チームが、トホホなオープン戦です。

 ソフトバンクには、大好きな選手が二人います。ひとりは、言わずもがなの柳田悠岐。広島出身、そしてカープ男子であることでカープファンにも愛されてるギータは、今や球界屈指の人気スター。彼が姿を現すと、思わず声援を上げてしまいそうに。もう一人は、熱男こと松田宣浩。明るくてガッツある彼が好き。前日のゲームでは、大逆転の3ランをブチかまし!うう~ん。敵ながらアッパレ。あのお馴染みのポーズ、カープ戦では見たくない!

 また炎上かも…という心配は、どうやら杞憂に終わりそうでした。大瀬良くん、なかなかの快投!結局1失点だけでマウンドを降り、あとは味方に勝負の行方を託す。危なげな投手と違い、野手陣はみんな大活躍。この日も松山の、丸の、エルドレッドの、安部のバットが快音を響かせ、すぐに逆転!でも!うかうかと安心しちゃいけん!前日だって、あれほど野手が打ったのに、ジャクソンがまさかの大炎上で愕然の逆転負けを喫したのだから!一寸先は闇を、あらためて肝に銘じます。

 ↑鷹の男前、ギータ&熱男。二人ともいい男だけど、かなりのアホの子なところが好き
 大瀬良くんは何とか切り抜けたけど、後続はどうよ?2番手はいっちー(一岡)、3番手はイマムー(今村)。おおっ!まさかのカピバラリレー!驚喜!カピバラ3兄弟はソフトバンクを抑えることに成功しましたが、次は前日やらかしたジャクソン。だ、大丈夫なの?!前日の悪夢アゲインはかんべんして~!と、みんなハラハラしながら見守りますが、げげげ!?不安的中、暴投連発でソフトバンクに点が!マジかよ~!?と、球場がざわつく。雲行きが怪しくなってきた。よもやの同点?!の危機。でも、ここはソフトバンクに勝利の女神が微笑まず、何とかかんとか窮地脱出!あああ~胃が、胃が痛い~ジャクソンよ~ほんましっかりしてえや~…
 トイレは大渋滞!これが最大の深刻な問題点。席に戻る途中、偶然にも鳥皮餃子の店を発見!もうオナカイッパイでしたが、買ってしまいました。やっぱ美味しい(^^♪

 ↑鳥皮餃子、大好き
 ヒヤヒヤ男なジャクソンの次は、守護神の中崎。ザキどんはピシャっとキメて、カープ勝利!!あな嬉しや~。でも、危なっかしさもハンパないゲームでしたわ。やっぱ圧勝、快勝がいいですね。

 大瀬良くんの好投、カピバラリレー、ギータ&熱男と、個人的には見どころのあるオープン戦の最終戦でした。菊池とセイヤは、そこそこの仕事よりもやっぱド派手な活躍のほうが似合うので、ペナントで期待したいです。ゲーム展開もですが、ズムスタに来るとひそかに楽しんでるのが、双眼鏡での選手視姦、じゃない、観察。野球選手のカラダって、ほんと素敵ですよね~。デカくてガッチリしてて。セイヤ、いちだんとバルクアップしてた!ユニフォームがはちきれそうなほどのムチムチのピッチピチ!セクシーすぎる!スタイル抜群かつ筋肉バキバキそうな安部も!田中、下流水、そしてソフトバンクの福田の引き締まったケツも眼福でした。すっかり変態おやぢな私。欲求不満?それとも春せい?

 いや~楽しかったです!こんなにワクワクドキドキできるのは、もうズムスタでだけかも。カープのおかげで、明日からも頑張れそう。大瀬良くんも頑張れ!大瀬良くんと入籍、という妄想は今年も抱かせたままでいさせて!

 ↑みんなに愛されている大瀬良くん。特にカピバラ長男と三男、そしてセイヤと仲良しみたい?
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サムロックの必殺恋愛

2018-03-22 | 北米映画 15~21
 「バッド・バディ!私とカレの暗殺デート」
 男運のないマーサは、謎めいた男フランシスと出会い恋に落ちる。理想的な恋人だと思っていたフランシスの正体は、各方面から狙われている凄腕のヒットマンだった…
 「スリー・ビルボード」でめでたくオスカーに輝いたサム・ロックウェル。知る人ぞ知る通好みの俳優だった彼が、オスカー授賞式で華やかな脚光を浴びる姿を見て、感慨深いものがこみあげてきました。そんなサムロックが3年前に主演したラブコメディ。スリービルボードでは、田舎の粗野で下卑た小男だった彼が、この作品ではこざっぱりとした軽妙なイケメン!破天荒な役や変人な役がほとんどですが、サムロックが基本的にはいい男であることを、あらためて確認できました。

 サムロックといえば、血と暴力とは無縁でいられぬ男。この映画もラブコメなのに、大暴れで殺しまくり。ヤバい男の役しかできない彼ですが、どこか憎めないところが彼の魅力でしょうか。この映画でも、この男凶暴につきなのに、すごくおちゃめで可愛いんですよ。危険で可愛い男って、ある意味理想。一緒にいたら、刺激とスリルでいっぱい。そんな男を、愛嬌たっぷりに演じてるサムロックです。殺しの時に赤いピエロの鼻をつけるのも可愛かった。

 ひょうひょうとしてて、なおかつヒロインにベタ惚れして一途なワンコになる情熱的なサムロックに、胸ムズキュンされます。スウィート&ロマンチックなサムロックが新鮮で素敵でした。キレのあるアクションもカッコよかった。まるで踊るような軽やかな動きが、ミュージカルもイケるんじゃね?と思いました。それにしても。サムロックって、若く見えますよね~。40代後半とは信じがたい。

 サムロックはおちゃめでカッコよかったのですが、お話じたいは面白くなりそうでならないまま終わった感じ。最大の敗因は、ヒロインのマーサがあまり魅力的じゃなかったことでしょうか。もっと爆笑できたり共感できたりするキャラにしてほしかった。実はヒロインにも秘められた殺しの才能があって、フランシスとの出会いによってそれが覚醒し、彼と一緒に大暴れするというのが映画のミソなはずなのに、ラスト近くになるまでマーサはただフランシスのそばで、酔っ払い女みたいにヘラヘラしてるだけなんですよ。悪いのは男運じゃなくて、不思議ちゃんな性格と言動。演じてるアンナ・ケンドリックは、かつて似たような役をよく演じてたキャメロン・ディアスと違って、日本では受けそうにない見た目と演技。フランシスの命を狙う元上司役は、かつてはクセモノ俳優として売れっ子だった懐かしのティム・ロス。同じ英国系で同世代のゲイリー・オールドマンやリーアム・ニーソンとは、すっかり差がついてしまいましたね。

 ↑サムロックの新作は、アダム・マッケイ監督、クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、スティーヴ・カレル共演の“Backseat”で、ブッシュ大統領役!楽しみ😊
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黒豹王

2018-03-16 | 北米映画 15~21
 「ブラックパンサー」
 アフリカの小国ワカンダの新国王ティ・チャラには、正義の超人ブラックパンサーというもうひとつの顔があった。国王の座とワカンダの超文明の源である鉱石ヴィブラニウムを狙い、謎の男キルモンガーが陰謀と攻撃を仕掛けてくる。ティ・チャラとキルモンガーには、ある隠された因縁があった…
 キャプテン・アメリカの「シビル・ウォー」に登場したブラックパンサーの、待望の初単独主役映画。アメリカではアベンジャーズシリーズの中でも1、2を争う大ヒット、そして高い評価を得たことも話題に。それも納得の快作でした!とにかくブラックパンサー/ティ・チャラがカッコよかったです!個性的でいい男ぞろいなアベンジャーズの面々ですが、この映画を観てからはブラックパンサーがmy No.1 of アベンジャースに躍り出ました

 ダークでクールな漆黒の戦闘スーツと、しなやかで躍動感とスピード感あるアクションが、すごくセクシーなんですよ。能力と科学力も、アベンジャーズ屈指なのでは。大金持ちで天才科学者のアイアンマンより、ブラックパンサーの財力とテクノロジーのほうが上ですし。ブラックパンサー(以下、ブラパン)のカッコよさにも瞠目させられましたが、彼が治める超文明国家ワカンダも映画の見どころとなってます。

 途上国を装いながらも、実は宇宙のパワーストーンの力で太古から繁栄を誇っているワカンダの、まるで近未来?!違う惑星?!と見まがう超文明っぷりが目に楽しいです。ティ・チャラと仲間たちも、まるで宇宙船みたいな乗り物に乗ってるし。ワカンダが、まるでハリー・ポッターのホグワーツみたいに、よそ者には見えない侵入できない異空間にあるのも面白かったです。

 超文明国家だけど、アフリカンな民族風土、風習も大切にしているところが、設定的にもビジュアル的にも独特かつ独創的でした。儀式とか伝統とかが、まさに土民(差別用語?)なエキゾティックさ、エスニックさ。独自の文化、政治を貫いてる鎖国ワカンダですが、ティ・チャラとその周辺の人々のキャラや言動や思考回路は、ほとんどアメリカンな黒人なのが笑えました。それにしても。宇宙鉱石ヴィブラニウムが、万能すぎ謎すぎ。あんなスゴい石を秘匿して独占してるなんてズルい!と思いつつ、あんなのがアメリカやロシアや北朝鮮に渡ったら、大変なことになるよな~。まさに諸刃の剣、貴重で強力すぎるものを所持してるのも、危なっかしくてしんどいことですね。でも豆粒程度でいいから、ヴィブラニウムが欲しいです
 この作品、まさに黒人万歳なザ・黒人映画です。「ムーンライト」も黒人オンリーな映画でしたが、ブラパンもほぼ黒人のみ。白人は悪人かマヌケな役。黒人の魅力や能力、苦闘がいかに素晴らしいか見せつけられて、おなかいっぱいになります。ブラックパンサー/ティ・チャラ役のチャドウィック・ボーズマンのいい男ぶりに惚れ惚れ!

 オスカー授賞式でも際立った男前ぶりでしたが、ヒーローなチャドウィックはもっと素敵でした!同じ男前黒人でも、ちょっと屈折してる若き日のデンゼル・ワシントンとか、軽妙でスマートなイケメンのウィル・スミスとかと違って、すご~く真面目で優しそうで篤実誠実そうなところに好感。王さまらしい凛々しさ、品位も備えていて、成金やセレブとは違うやんごとなき雰囲気が。悩んだり思いつめたりする表情には、どこか母性本能をくすぐる少年っぽい可愛さもあったり。

 セクシーな肉体美も眼福。しなやかな黒豹にピッタリな、ムキムキすぎないマッチョすぎない引き締まった筋肉質ボディでした。そして、黒豹スーツのみならず、王さまの衣装もこれまたカッコいいんですよ!アフリカンなアクセントを添えたスーツも、すごくスタイリッシュ!とにもかくにも、チャドウィックにときめきトゥナイト!今まではテレンス・ハワードとデヴィッド・オイェロウォが好きな黒人俳優の双璧でしたが、チャドウィックが俄然トップになりました
 その他のキャストも、旬な黒人若手やシブいベテランで固められていました。敵となるキルモンガー役は、「クリード チャンプを継ぐ者」でロッキーの弟子を演じたマイケル・B・ジョーダン。彼もカッコいいです!ヌオ~っとした威圧感があるのに、ファッション雑誌のモデルみたいなオシャレ感が。彼も肉体美を披露してますが、こちらはかなりのゴリマッチョ。悪役というより、過激な極右思想の人みたいでした。危険で凶暴だけど、ちょっと可哀想で切ない役で、これまた母性本能をくすぐる可愛さが。強い男が、ふと弱い部分、悲しみを見せるのって萌えますよね。

 ティ・チャラの親友役は、大ヒット作「ゲット・アウト」でオスカーにノミネートされたダニエル・カルーヤ。かなり地味~な存在でした。もっと活躍シーンがほしかったです。高僧役は、最近では名バイプレイヤーな立ち位置のホレスト・ウィッテカー。もっとも目立つ美味しい役だったのは、王の親衛隊長オコエ役のダナイ・グリラ。見た目も腕っぷしもキャラも、男より漢(おとこ)らしい最強の女丈夫で、超カッコイイ!この映画、黒人のみならず女性の強さ賢さも賛美していて、女性の権利を訴える今の時流に合わせてるかのような内容でした。ティ・チャラの元カノでスパイのナキア役、「それでも夜は明ける」でオスカーを受賞したルピタ・ニョンゴは、聡明そうで可愛いところが好きです。
 エンディングクレジットの後に、「シビル・ウォー」で冷凍保存されたあのキャラが登場。無事でよかった!彼の復活と活躍も、アベンジャーズ最新作で期待したいです。

 ↑陛下~!抱いて!王妃とはいわん、第5夫人でもいいので!アメリカで初めての黒人最高裁判事となった主人公を演じた「マーシャル 法廷を変えた男」も早く観たい!
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育児狂気

2018-03-13 | イタリア映画
 「ハングリー・ハーツ」
 生まれた赤ん坊を常軌を逸した方法で育てようとする妻ミアに、ジュードは戸惑い不安に苛まれる。やがて事態は、思わぬ方向へ発展し…
 スターウォーズのカイロ・レン役や、高く評価された「パターソン」など、メジャー系大作のみならずアートな独立系の秀作でも人気、いま最も映画ファンに注目されている若手俳優のひとり、アダム・ドライバーの主演作。TVで放送されたSWのカイロ・レンを見て、なかなかかっこいいじゃん!誰?え?「沈黙 サイレンス」の神父?!ぜんぜん気づかんかった!なかなかのイケメンなだけでなく、なかなかの役者じゃないか。流行には乗れない私も、アダム・ドライバー人気には乗っかれそう。彼の出演作がもっと観たいな~と思ってたら、運よくこの作品と出会えました。

 この映画のアダム・ドライバーは、見た目も役もごくフツーの市井の青年で、宇宙の悪人と神父な彼しかまだ知らなかった私の目には、新鮮に映りました。一見ヤボったいけど、よく見るとイケメン。ちょっとキアヌ・リーヴスを思わせるアジアっぽさのある顔と、長身でかなりヌオ~とした巨体が特徴でしょうか。優しくデリケートな役と演技でも、甘っちょろく見えない暗さ、思いつめた張りつめた雰囲気が、何か予期せぬことを引き起こしそうな怖さ、面白さを醸していて、それが魅力となってます。アダム・ドライバーって驚いたことに、俳優になる前は軍人だったとか。赤ちゃんをあやしてる優しいパパぶりとか、ラブシーンで見せるムチムチした上半身裸とか、アダム・ドライバーのファンにとっては必見映画かも。

 心を病んだ妻の異様な言動に当惑したり、時には感情を抑えきれず激怒したりしながらも、懸命に彼女に尽くし寄り添おうとするジュードの姿が、けなげで哀れでした。そこまで狂妻を尊重しなくてもいいのでは、まず赤ちゃんの健康を最優先しようよ!と、見ていてイラっともしたが。そう、この映画、かなりイラっとする神経逆なでな、不快感も高い内容なので、アダム・ドライバー目当てな方はご注意を。育児経験のある方や育児中の方と、私のように子どもがいない者とでは、見方も感想も違ってくることでしょうか。とにかく、育児について考えさせられる映画でした。
 
 これロマンチックコメディ?と思ってしまった始まり方(ジュードとミアの出会い方が最悪だけど笑えた)から、恋愛や結婚に揺れる現実的な物語になって、妊娠・出産あたりからおかしな感じになっていって、育児をめぐってどんどん病んでいく壊れていく夫婦を終始淡々と、ドキュメンタリータッチな感じでカメラが追っています。いかにもサスペンス風なサイコシーンとかはありませんが、赤ちゃんが心配すぎてハラハラ、ミアが妙なことをしそうでハラハラしっぱなしです。
 大きな社会問題である育児放棄や虐待ですが。ミアの場合は、子どもを愛しすぎるあまり、大事にしすぎるあまり、外の世界は汚れてるから!と赤ちゃんを家から出さなかったり。外の食べ物は毒だから!と自家栽培のハーブや野菜しか与えなかったり。見かねたジュードがこっそり栄養のある食べ物を赤ちゃんに与えると、変なオイルを飲ませて摂取した栄養を無くしたり。医者は信用できないから!と赤ちゃんの具合が悪くても診察拒否とか、正常で健康的な赤ちゃんの発育を妨げたりするんですよ。私なんかからすると、立派な虐待としか思えませんでした。

 ヒステリーを起こしたり暴れたりするわけではなく、ジュードにも逆らったりせず従順なのですが、目を離すとすぐに超自己流育児をするミア。常にどよよ~んと暗~い顔と虚ろな目つきからして完全に病んでる。育児放棄ならぬ育児狂気。早くミアを病院に強制入院させて!と思わずにはいられませんでしたが、ひどい!鬼母!と安易に責めると、子どものいないあんたに何が解かる!と、世のお母さん方に怒られるでしょうか。ミアの育児は間違ってない、という意見もあることでしょうか。でもやっぱ、私がジュードや家族だったら、ミアの育児を尊重できそうにありません。

 なぜミアはコワレてしまったのでしょう。産後うつ?それとも、もともと精神に疾患があったでしょうか。虐待者どころか、むしろ被害者みたいな弱弱しい哀れな風情なのが、病んだ者勝ちみたいでイヤ~な感じなんですよ。福祉も警察も、ミアの味方になるのが理不尽で腹ただしかったです。ミアを尊重しすぎて事態を悪化させるジュードにもイライラ。とにかく、ミアがコワレようと、ジュードが苦しもうと、どうでもいい!赤ちゃんを助けて!衰弱させられたりモノみたいに両親の間で奪い合いされたり、赤ちゃんがいちばん可哀想でした。ミア役の、「眠れる美女」にも出ていたイタリア女優アルバ・ロルヴァルケルの、見てるほうも気が滅入りそうになるドヨヨ~ン演技がヤバすぎ。ちなみにアダム・ドライバーとアルバ・ロルヴァルケルは、この映画でそろってヴェネツィア映画祭の男優賞、女優賞を受賞しました。
 ラストは衝撃的な悲劇。もっと他に方法はたくさんあったはずだけど、ある意味手っ取り早くサッパリした決着だったようにも。夫婦にとっては最悪で最善の結末。赤ちゃんが無事だったので、ワタシ的にはハッピーエンドです。

 ↑ アダム・ドライバーの新作は、スパイク・リー監督の“Black Klansman”です。白人至上主義の人種差別集団KKKを扱った問題作みたいです
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明日の君がもっと好き⑤~⑦ あさっての愛

2018-03-12 | 日本のドラマ(連続)
 「明日の君がもっと好き」の第5話から最終話まで観ました~。

☆おっと!CHIKAN
 以前ハルヒに狩られた熟女(釈由美子)が、亮や茜と一緒にいたハルヒにバスの中で痴漢の冤罪を被せる。問答無用にお縄となってしまうハルヒですが、亮と茜がずっと一緒でずっと会話してたのに、どー考えてもあの状況でチカンはできんだろ?!亮も茜もやってません!と何ではっきり言ってあげないの?!
☆男色警官?!
 取調室で尋問、さらに裸にされてしまうハルヒ。脱ぎ率が高いのがいつも嬉しいですね一見ほっそりしてるけど、背中とか肉付きがよく引き締まった肉体美!パンイチになったハルヒの股間に、手を伸ばす中年警察官!

 おやじ警官はニヤニヤしながら『顔に似合わず立派なモノ持ってるじゃないか』と、超セクハラ発言!まるで昔のB級アメリカ映画の女囚ものみたいなシーンが笑えた。屈辱に血相を変えるハルヒが可愛かった昭和ならいざ知らず、今お巡りさんがあんなことしたら大問題になりますよね~。

☆老人虐待テクニック
 熱湯攻撃に飽きたのか、寝たきり(のフリをしている)夫の首を、今度はスカーフで絞める茜の祖母。世の中の旦那さん、奥さんを泣かせたらこんな報復が待ってますのでご注意!でも、いちばん冷酷な報復は、施設に放り込んで無視することかも。かいがいしく介護してる祖母は、まだ愛があってマシ?

☆勘違い
 昔の恋人に会いにいく祖母。前回の予告編で、私てっきり亮の親方(柳葉敏郎)とまさかの老いらくの恋かと思ってしまった。そっちのほうが面白そうだったので、かなり肩すかし。

☆色占い
 怪しい日本語を喋る占い師のおばさん(岡本麗)に、ほとんどセクハラな占いをされて戸惑いながらも奮起する亮。あんな占い、私もやってもらいたいです
☆お仕置き
 釈由美子から告訴取り下げをする代わりに、SMプレイを強要されるハルヒ。

 裸にされ吊られて、ムチでビシビシ打たれるハルヒの悶絶顔、声が可愛い『顔に似合わず立派な腋毛じゃないか』 とハルヒに言葉攻めしたくなった私も、相当なセクハラ変態おやじ釈由美子が、私は裏の世界に通じたワル、みたいなことエラソーに言ってたけど、そんな御大層な姐さんが、若造の熟女狩りなんかに引っかかるかな~。迫力も凄みもゼロな釈由美子のショボい演技のせいもあって、すごい違和感。

☆老人虐待テクニック
 今度は編み物針で夫をチクチク刺す祖母。何か楽しそうなのが笑えます。
☆独特すぎるファッションセンス
 和服っぽい珍奇な柄の上着、スナフキンみたいなハット、金田一耕介みたいなマントで、ガールズバーでもどこでも行く亮のファッションショーも、毎回目に楽しいです。
☆女装じいさん
 今度は亮の仕事仲間であるおじさんが、女装して火の用心の夜回り。亮の周りには、異界人ばかり!

☆渡辺謙の息子が
 茜の妹の梓は、気まぐれでよろめいてみたオナベ娘をポイ捨てし、妻の浮気に興奮した旦那と色っぽい蜜月状態に。風呂上がりの旦那、バスタオルが落ちて妻の目の前で開チン。象の置き物でアソコが隠れてるのが笑えた。渡辺大、裸はかなりブヨブヨ。
☆ポエムすぎる結末
 結局は、期待してたようなトンデモ惨劇も悲劇も起こらず、ユル~く終わってしまいかなり消化不良。
★総括
 ネタだらけで面白かったけど、それらを丁寧に真摯に描くことなく、視聴者を釣るためだけのネタで終わってしまったのが、かなり残念。ハルヒなんて、あんなに根が深そうだった心の闇やトラウマが、あんなに簡単に緩和されるとか、軽い~薄い~。
 白洲迅くんを知ったのが、最大の収穫!可愛かった!彼の次回作が楽しみです。

 最優秀賞 白洲迅
 優秀賞 志田未来
 悪くなかったで賞 市原隼人 伊藤歩 三田佳子 柳葉敏郎 渡辺大
 ???賞 森川葵
 いかがなものかで賞 釈由美子


 ↑スペシャルでいいので、その後の明日君軍団が知りたいです。次のドラマ「おっさんずラブ」も面白そうなので観ます(^^♪
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祭りのbefore after

2018-03-05 | 映画雑記
 今年もアカデミー賞を生放送で観ることができました~(^^♪大雨が降ってるのに母を外出させ、独りまったり朝から居間でTVの前に陣取った親不孝な私
 毎年のことですが、wowwowの司会者やゲスト、レポーターが鬱陶しいんですよね~。ぶっちゃけ、必要ないのでは。やたら張り切ってるけどトンチンカンなこと言うカビラも、映画のことあまり知ってなさそうな菊川怜も、あわやのネタバレしそうになるし。特に酷かったのは、レッドカーペットの現地レポート役の自称女優、本業石田じゅんいちの娘すみれ。甲高い声でキャーキャー言ってるだけで、ただの軽薄な一般人ミーハーなノリ。しかも、まったく大物を捕まえられず、インタビューできずな役立たずぶりでした。ガル・ギャドットに冷たくガン無視されたのが苦笑ものでした。
 みんなセクハラ糾弾運動で黒い衣装を着てたGG賞と違い、オスカーでは華やかな衣装を身にまとっていた女優たち。やっぱこうでなきゃね。去年のトランプ批判もだったけど、ハリウッドセレブの上から目線な独善的、自己満足的言動には、いいかげん辟易。そーいうの、もういいから…と、一抹の不安を抱きながらセレモニーの始まりを待ちます。

 ↑アーミー・ハマーのハンサムぶりも際立ってました

 ↑ 出席者の中でひときわ男前に見えたのが、ブラックパンサーことチャドウィック・ボーズマン。衣装も素敵でした
 司会は、去年と同じ人気司会者のジミー・キンメル。去年のトランプ大統領をディスりまくりネタはちょっとしつこかったけど、今年はわりとあっさりしてたような。スピーチを最も短く終わらせた受賞者には、ジェットスキーをプレゼント!カッコいいジェットスキーのそばでポーズをキメるモデルは、何と!大女優のヘレン・ミレン!
 最初の発表は、助演男優賞。大方の予想通り、「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェル!納得の受賞です!

 こっちまで伝染しそうなサムの喜びぶり。それにも増して、客席のフランシス・マクドーマンドの感極まった表情が感動的でした。

 ↑映画では激突してたマクド姐さん&サムロック。いつか極妻と若頭の極道コメディで再共演してほしいな
 でも、二人より目立ってたのが、プレゼンターである去年の受賞者、ヴィオラ・デイヴィス。蛍光色なショッキングピンクのドレスが、目に痛い~
 
 ↑ヴィオラ姐さんのピンクドレス、これを着こなせる女はそうそういません

 ↑美男美女プレゼンター、アーミー・ハマー&ガル・ギャドット
 毎年日本で最大の話題となるのは、もちろん日本人の受賞が成るかどうか。今年はめでたくメーク賞で辻一弘氏が受賞でも!ああ!大雨のせいか、プレゼンターのアーミー・ハマー&ガル・ギャドットが登場した途端、いきなり画面が乱れて真っ暗に。おいおい~よりによって、今年のハイライトのひとつである日本人受賞のシーンが正常画面に戻った時には、もう次の賞に移ってました

 ↑チャドウィック・ボーズマン&マーゴット・ロビー、こちらも華があるプレゼンターコンビ
 主題歌賞のパフォーマンスで、何と!大好きなガエル・ガルシア・ベルナルが登場!声優出演してる「リメンバー・ミー」の主題歌を歌います。相変わらずカッコカワいいガエルっちですが、歌はいまいち?冒頭だけの歌唱で、残念だったような安心したような

 ガエルの熱唱?のかいあって、めでたく主題歌賞受賞!長編アニメ賞も受賞!壇上に上がるガエルっち、一緒にいた子役と背丈がほぼ同じちびっこいのも可愛いんだよな~。さらに、ギレルモ・デル・トロ監督が監督賞を受賞した瞬間、トロ監督がまっさきに抱擁したのがガエルっち!ほぼ毎年出席してる感じがするガエル、ちっこいのに候補者でもないのに、いつも目立つのがファンには嬉しい。まさにカメラに愛されてる男です。

 主題歌賞のパフォーマンスでは、大好きな映画「君の名前で僕を呼んで」のスフィアン・スティーヴンスが“Mystery of Love”を。サントラが欲しくなるほど素敵な曲ですが、歌うスフィアン・スティーヴンスのステージ衣装がピンクストライプ&ドラゴン?日本のプロ野球ファンなのかな?
 去年同様、一般人の前にセレブが現れて反応を楽しむ、みたいなコーナーが。仕込み感、やらせ感ありありなモニタリング的企画、私はあんまし楽しめないんですよね~…
 私が最も感動したのは、御年89歳、史上最高齢受賞者となった名匠ジェームズ・アイヴォリー監督!

 脚色賞を受賞したアイヴォリー監督、杖をついて歩くなどヨボヨボながら、お元気そうで何より。タキシードの下の、ティモシー・シャラメの絵が描かれたシャツが素敵すぎました。客席のティモたん&アーミーも、抱き合って歓喜!ああ、早く映画館でエリオ&オリヴァーと再会したい!

 助演女優賞も、下馬評通り「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」のアリソン・ジャネイに。クールでおちゃめなスピーチがカッコよかったです。候補者のひとり、「ファントム・スレッド」のレスリー・マンヴィルの上品な美熟女ぶりも魅力的でした。
 いよいよ式は佳境に。去年の主演男優賞受賞者であるケイシー・アフレックは、セクハラ騒動のあおりを受けてプレセンターを辞退。そのせいか、エマ・ストーンは主演男優賞ではなく監督賞のプレゼンターに。主演女優賞はジョディ・フォスター&ジェニファー・ローレンス、主演男優賞はジェーン・フォンダ&ヘレン・ミレン、大物オスカー女優たちが担当。相変わらずマニッシュで、ちょっと若返ってたジョディ兄貴は、なぜか松葉づえをついてます。メリル・ストリープにトーニャ・ハーディグされた!と、ジョークで会場をわかせます。いつもの最前列の特等席?での、メリルおばさまのいじられ慣れしたリアクションは、もはや名人芸。最近評判が悪いジェニファー・ローレンスは、どんどん娼婦っぽくなってきてるのが気になる。

 ↑酒を片手に客席をまたいで移動するジェニファー・ローレンス。セレブになっても、お里が知れる下品さです
 主演男優賞も、これまた順当に「ウィンストン・チャーチル」のゲイリー・オールドマン。かつてはイギリスのクセモノ俳優、悪役専門、私生活でも問題児だったゲイリーおじさんも、すっかり落ち着いた熟年の名優に。過去のDV疑惑を蒸し返されて、受賞危機?!とも囁かれたけど、無事にオスカーを手にしました。姿が確認できず、来てないのかな?と思ってたダニエル・デイ・ルイスとデンゼル・ワシントンも、ちゃんといました。DDLは本当に引退しちゃうのでしょうか…オスカー受賞式で彼を見るのは、これが最後?
 主演女優賞も、当然のようにフランシス・マクドーマンドが獲得。女性出席者に起立をうながし、熱いフェミニストスピーチを行って大喝采を浴びたマクド姐さんが、この夜の主役となりました。

 去年の授賞式といえば、今となっては演出としか思えない、前代未聞の誤発表。今年の作品賞プレゼンターは、何と!去年と同じウォーレン・ビーティ&フェイ・ダナウェイ!今年こそはとリベンジに燃える老人ふたり。二人が読み上げた作品名は、ララランドではなく「シェイプ・オブ・ウォーター」!本命視されてた「スリー・ビルボード」を抑えての快挙です。最短スピーチ賞は、「ファントム・スレッド」で衣装賞を受賞したマーク・ブリッジス。ジェットスキーに乗って登場、うしろにはヘレン・ミレン!大女優なのに、ノリがよすぎるミレンおばさま。日本の大女優、竹内U子とか宮崎あおいとか、こんなこと絶対やってくれませんしね

 あ~楽しかった!今年はこれといった番狂わせも波乱もトラブルもなく、とどこおりなくスムーズに終わった感じ。個人的には…
 
 いい男で賞 ガエル・ガルシア・ベルナル アーミー・ハマー チャドウィック・ボーズマン
 いい女で賞 フランシス・マクドーマンド ヘレン・ミレン アリソン・ジャネイ レスリー・マンヴィル
 インパクトありすぎで賞 ヴィオラ・デイヴィス スフィアン・スティーヴンス メアリー・J・ブライジ クリストファー・ウォーケン
 最も感動で賞 ジェームズ・アイヴォリー 
 
 とにかく映画がますます観たくなりました。「シェイプ・オブ・ウォーター」と「ウィンストン・チャーチル」「ファントム・スレッド」「ブラックパンサー」は、いっそうマスト化。
 毎年のことながら、今は祭りのあとの寂しく虚脱した気分…来年の授賞式まで、生きてるかな私…と、これまた毎年同じことを思う私です
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男子禁制の花園で…

2018-03-01 | 北米映画 15~21
 「ビガイルド 欲望のめざめ」
 南北戦争末期のバージニア州。負傷した脱走兵のジョンは、女性教員と少女たちしかいない女学校で匿われ、手厚い看護を受ける。突然現れた若い男に並々ならぬ関心を抱く女たち。ジョンはそんな状況を楽しんでいたが、彼をめぐって渦巻き始めた女たちの嫉妬や欲望は、やがて恐ろしい破局を招くことに…
 去年のカンヌ映画祭で、ソフィア・コッポラ監督が監督賞に輝いた作品。クリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」のリメイク、というか、同じ原作の再映画化?狂ったサイコ映画だった「白い~」と違って、新版はちょっと怖い少女漫画みたいな映画になってました。上映時間が1時間半ぐらいだったが、長い映画が苦手な私にはありがたかったです。でも…

 せっかくの異常な設定やキャラなのに、ソフトな内容と描写によって怖さやヤバさが薄まってしまってました。怖い映画が苦手な人でも全然大丈夫です。反面、ヤバいき◯がい映画が好きな私には、かなり物足りませんでした。上品で清らかな、でも抑圧された女たちの閉鎖的な集団生活が、魅力的な若い男の闖入によって、無残に残酷に崩壊していく様子を、もっと生々しく狂気炸裂で描いてほしかったです。

 女特有の嫉妬や独占欲、対抗心、自惚れ、自尊心って、イタくて醜悪だから面白いんですよね~。いちおうジョンをめぐって小競り合いはするけど、それも少女漫画レベルで軽い薄い。男を好きというより、私のほうが好かれている、私のほうがあんたより上!な優越感とか、小娘でもやっぱ女だなと思うシーンとかも、もっとイヤらしさを出してほしかったです。
 後半になると、男への愛憎でおかしくなってしまった女たち、ではなく、災難に勇気をもって立ち向かう女たち、みたいな展開になってしまってたのが、つまんなくて残念でした。ラストの惨劇も、悪い男をやっつけるため、ではなく、自分たちをコケにした男への制裁、みたいな感じにしたほうが、怖くて痛快だったのに。ジョン、ぜんぜん悪い男じゃなかったので、ただもう思慮の足りない浅はかなバカ女にしか見えなかったです。狂った女は面白いけど、バカ女はイラっとするだけ。

 結局、狂気や欲情にまみれた女の業や性をリアルに、もしくは面白おかしく描きたくなかったのでしょう。ソフトフォーカスの映像みたいに、女たちも汚れなく美しいまま。ソフィア・コッポラ監督といえば、ガーリー映画のカリスマですもんね。サイコ話も乙女色に染められてました。
 ジョン役は、大好きなコリン・ファレルロブスター」では、でっぷり太ったおっさんになってたコリンが、また痩せてカッコカワいいイケメンに戻ってた!

 ガーリー趣味なコッポラ監督なら、女みたいなキレイ系男優を選びそうなところを、男くさいコリンが起用されたのは意外なキャスティング。でも、上品ぶった女を惑わせる狂わせるフェロモンを放つのは、コリンみたいな濃ゆい♂野郎なのです。痩せると若く見えるコリン、小顔でスタイルもいいんですよね~。ヒゲありヒゲなし、どっちもイケてました。相変わらず瞳が美しい!

 大型犬みたいなコリン、今回はまさに犬みたいな役でした。女たちから珍しがられチヤホヤされ守られて、天国じゃんここ♪とご満悦、嬉しそうなコリンが可愛い。女たちに非道い目に遭い、ぎゃーぎゃー錯乱して大暴れ、めそめそ泣いてる可哀想なコリンも可愛かった。粗野で乱暴そうに見えるけど、コリンって悪役が似合わないほど善人っぽい。今回のジョンも、あんな仕打ちは理不尽なほどいい子だった。ちょっと調子に乗ったかもしれないけど、それは女どもが彼を煽ったから。ジョンは悪くない。愛されてるうちは、愛想がよくてチャーミングな御方。愛が憎しみに転じると、誰にでもいい顔をする女たらし。女の極端な感情に翻弄されるジョンが気の毒で仕方なかった。礼儀正しくて謙虚で優しい男だったのに。実は猫かぶって本性を隠してた、な感じでもなかった。言う通りにならなくなったら殺処分!な末路が、まさに哀れな犬みたいなコリンでした。

 学園長役のニコール・キッドマンは、もう顔だけで怖い!せっかくヤバい匂いプンプンさせてるニコキさんを起用したのに、彼女の冷たい妖気を活かせてなかったのが惜しい。中途半端に男に欲情する女ではなく、いっそガチガチの男嫌い、宗教き◯がい女にしたほうが、ラストの惨劇も理解できただろうし、ニコキさんも実力発揮できたのでは。

 ジョンに誘惑される女教師役は、コッポラ監督お気にの女優であるキルスティン・ダンスト。相変わらずジャガイモみたいな顔でした。でもジョンは、彼女を絶世の美女扱いするんですよ。本気でそう思ってるのか、ブスを騙す女たらしの常套手段なのか、定かでなかったのが気になります。
 ガーリー映画らしく、清らかな白を基調とした衣装や、ちょっとファンシーなインテリアなども、乙女な空気感を醸していました。

 ↑ やっぱ羽生くんよりコリンみたいな男がいいわ~ニコキ姐さんと再共演の「聖なる鹿殺し」も近日日本公開されるコリンには、今年のオスカーでデンゼル・ワシントンが主演男優賞にノミネートされてる“Roman J. Israel, Esq.”や、ティム・バートン監督の“Dumbo”など、楽しみな新作が待機中です
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