

ドラッグ売人の恋人シモンが顧客を死なせてしまい、リザは彼と一緒に逃走しようとする。しかしシモンは失踪、傷心のリザは裕福な実業家レオと結婚する。数年後、レオと滞在中のマダガスカルのリゾートで、リザはシモンと再会するが…

日本では劇場ではなく配信公開となったピエール・ニネ



それにしてもニネっち、ほんと美しいわ~。ちょっとイケメンレベルの俳優やアイドルを見狎れてるので、たまにニネっちを見るとその落差に衝撃さえ覚えてしまいます。瞳と声の美しさといったら。キラキラと澄んだ瞳は、どん詰まりな濁った人生のシモン役には似つかわしくないほど。低くて甘い声、あんなの耳元で囁かれたら逆らえなくなりますよ。クズ男にハマるリザも相当なダメ女なのですが、確かにニネっちみたいな男だと、一緒にいてろくなことにはならないと知りつつ離れられなくなるのも理解できます。自分のものじゃなくなるには、あまりにも惜しい男。


ニネっちの甘く情熱的なラブシーンも見もの。キスや愛撫など、実際のニネっちもセックスが上手なんだろうなと思わせてくれます。脱ぐのが大好きなニネっち、今回も自慢の肉体美をたっぷり披露してます。細いけど筋肉質で美白なカラダ。フランス男には珍しく胸毛とか全然ない、日本の女子にとっては好ましい清潔感のある裸です。シンプルなセーターや革ジャン、ポロシャツなど、何を着てもエレガントなところもニネっちらしいです。

ヒロインのリザ役は、佳作「アマンダと僕」や、タハール・ラヒム主演のTVシリーズ「ザ・サーペント」などのステイシー・マーティン。かわいこぶりっことは対極にあるようなブスっと不機嫌な表情とか、夫も愛人も手放さないけど悪い?!と開き直ってるような図太い感じが魅力的。ニネっちとはモデル同士のようなカッコいいカップルぶりでした。彼女も脱ぎっぷりがよい。
レオ役は、昨年の「愛する人に伝える言葉」に続き新作の“Pacifiction”で2年連続セザール賞の主演男優賞を受賞し、今やフランス映画界の重鎮的な存在となったブノワ・マジメル。

すっかり貫禄がつき恰幅もよくなったブノワ。美青年だった彼が、女房を若い男に寝取られる中年役なんて。隔世の念を禁じ得ませんが、年齢とともに備えたシブさと哀愁は、まさに酸いも甘いも知る大人の男の魅力。すごい頼もしい感じも素敵。レオが妻の不倫を知っても冷静で、間男に対しても大人の対応をするのがちょっと物足りなかった。せっかくのブノワとニネっちの競演なので、もっと火花バチバチ対決してほしかったです。若い美男子へ劣等感とか嫉妬とか抱くほどの老醜の境地には達しておらず、まだバリバリ現役男なブノワなので、レオ役はもっと爺俳優のほうが合ってたかも。可哀想な寝取られ亭主として殺されるのかなと思いきや、若造なんかにやられん!と見事に返り討ちをくらわすブノワでした。

↑ 二人とも、どこの組の若頭?!マフィア映画でも共演してほしい二人ですね


↑ 新作いっぱいある働き者なニネっち。イザベル・アジャーニ共演の“Mascarade”の日本公開が待ち遠しいです。最新作は新たに映画化されるモンテ・クリスト伯!ニネっちの時代劇、楽しみすぎる!
