まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

旺角は地獄の一丁目 ひこ、駆け抜けろ不夜城を

2006-11-29 | 中国・台湾・香港映画
 紅白歌合戦の出場歌手が、発表されました。
 ああ~もう紅白が話題になる季節なんだよなあ。今年も、あっちゅー間に師走...
 今井ミキ&徳永ひであきって、古っ!なぜ今さら、この二人が!?プライドも壊れかけのradioも、懐メロ...
 今年も、あんた誰!?な人が、数人。あや香ってWHO?と思ったら、「輪舞曲」の主題歌を歌ってた人だって。あの曲、ヒットしたの?
 近年は、今年といえばコレ!な大ヒット曲って、ないですよねえ。ルビーの指輪とか、恋に落ちてとか、踊るポンポコリンとか、昔は誰もが知ってるメガヒットがあったものだが...WATとか鮎とか倖田クミとか、姿はよく見るけど、どんな歌を歌ってたかなんて、全く記憶にない...

 お松の独り呉彦祖映画祭③
 「ワンナイト・イン・モンコック」
 香港・旺角(モンコック)で、チンピラ同士の諍いから、暴力団の抗争が勃発。これを機に、警察は暴力団掃討へと動き出す。暴力団に雇われ、大陸からやって来た殺し屋の若者は、その激烈な渦中の真っ只中に...
 やっぱ危険すぎる無法地帯・香港。一般人さえ、いくつ命があっても足りない。
 大学生の時、友人と二人で行った香港。モンコック近くの、怪しげな激安宿に泊まったのですが...いま思えば、かなり無謀軽率だったかも...
 暴力団vs警察。血なまぐさく過激な暴力は相変わらずですが、この映画は、それを美しくスタイリッシュに描いています。闇の中、ランプが点滅するかのような、そして冷たい湿り気のある映像に、目を惹かれます。
 それと、香港という複雑で混沌とした都市の底辺で生きる人々の姿が、哀切に描かれています。大陸から出てきた人々の、苦しく悲しい生活が、胸に迫ります。
 警察も、決して清く正しい正義の味方ではない。言動は、ヤクザ以上に暴力的で怖い。まあ、マル暴刑事は、どこの国でもヤーさんを凌駕する凄みがないと、仕事なんかできないだろう。捜査に失敗して、事件とは関係ない者を誤殺してしまうと、手際よく証拠隠蔽する刑事たちに、びっくり。まさに、香港・水清ければ魚住まず。
 彦ことダニエル・ウーが、大陸から来た殺し屋役。
 殺し屋といっても、冷酷で荒んだ感じは、全然ない。むしろ、とても純粋無垢な青年。殺しよりも、香港へ行ったきり行方不明な恋人を探すのが目的な彼が、偶然助けた娼婦を道案内に、警察に追われながら、猥雑で危険なモンコックをさまよう姿に、ああ~早くこんな所から出て、無事に田舎へ戻ってほしい~!と、祈るような気持ちにさせられます。
 キレたら怖いが、根は超純情で優しい殺し屋を、彦は悲しく可愛く演じています。彼の死ぬ物狂いな彷徨が、まるで観客を、眠らない街モンコックに案内してるようです。地獄のようなシチュエーションに置かれ、悩み怯えながらも闘う彦、ちょっと「パープルストーム」の彼とカブってる?スゴ腕の殺し屋なのに、簡単に他人を信じる人のよさが、何だか愛しい彦です。なので、血みどろの四面楚歌に陥る彼が、悲痛!
 この役には、ちょっと彦は美男&スマートすぎるかも。ダサい服やメガネも、何だか色男が変装してるだけに見えるし。リィウ・イエなら、ドンピシャかも。実際に大陸出身者だし。
 ちなみに彦、今回は見事なまでに脱ぎはナシでした...
 セシリア・チャン扮する娼婦のキャラにも、香港の厳しく辛い底辺社会の現状を垣間見ることができます。セシリア、娼婦役が妙に似合ってます。同じ大陸出身者である殺し屋と娼婦の心のふれあいが、微笑ましく悲しい。
 この映画の真の主役は、捜査を指揮する警部役の、アレックス・フォンかもしれません。
     
 決して清廉潔白ではないけど、暴力団を倒すことより、部下の命のほうを大事に思っているのが、寡黙ながら伝わってきて、その男くさい優しさに胸キュン。ルックスも、トニー・レオンを朴訥にした感じで、イケてます。
 あと、殺しの仲介業をしているガメつい夫婦が、いい味出してます。ガラが悪くなった宮川大介花子みたいです。

 
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Try to Remember ひこ、康橋で逢いましょう

2006-11-28 | 中国・台湾・香港映画
 淑女の雑誌を、つれづれなるままに読みました。
 竹内ゆう子って、そんなにスゴい女優だったのか。知らなかった。NHKの朝ドラと風邪薬のCMぐらいでしか、観たことないからなあ。ワタシ的には、引退しても全然惜しくない、代わりはいくらでもいるって感じの存在だけど。でもまあ、可愛いフリしてあのコわりとワル、じゃない、ヤルもんだねっと~♪なキャラは、なかなかどうして、立派なものです。スキャンダルも、利点に巧く変えようとしているところも、したたかだな、と感心。でも...
 損は絶対しない!傷も絶対つかない!って、偉いとは思うけど、本物の大女優なら、そんな小ざかしさは必要ないとも思う。泥にまみれて汚れたくない!という生き方が、彼女の女優としてのレベルを、如実に表しているようにも思えます。
 そんな彼女の新作映画「いま、会いにゆきます 弁護士が」が公開!って、ウソです♪中村獅子舞も、ショボくれてないで、頑張れ~!
 あと、大竹しのぶが黒木瞳にムカつく!って記事も気になる。こっちのほうが、面白そうだ。

 お松の独り呉彦祖映画祭② 
 「玻璃の城」
 香港が英領から中国に返還される1997年を迎えようとしていた夜、イギリスで事故死する香港人の男女。彼らが辿ってきた愛とは...
 激動の香港の歴史を背景に描かれる、長い年月のメロドラマ。
 恋愛そのものは、甘~い!見てるほうが、ちょっと恥ずかしくなるほど、ロマンチックで乙女ちっく。それに、古き良き時代を懐古するノスタルジク風味まで加えられて、かなりベタです。香港人って、見た目は東洋人だけど、中身は西洋に近いのかな。
 学生時代に恋に落ちて、遠距離恋愛に疲れて別れて、お互い結婚して子供もできて、再会してヨリを戻す。不倫していても、互いの家族はほとんど出てこないので、禁断ムードはない。そもそも、肉体関係があるのかどうかさえ怪しい。性的な色気が全然ないので、恋の緊張感とか狂おしさもゼロ。いい年になっても、ロマンチックな二人が、ちょっとキモいです。
 二人の恋より、この映画の主役は、香港そのものなのでは。
 ロケ地が、まるで香港の観光案内みたい。特に、香港大学周辺あたりが、美しく撮れていて、訪ねてみたくなります。それと、香港返還を祝う新年のお祭り騒ぎシーンも、人々の興奮が伝わって印象的でした。
 主人公たちの学生運動シーンに、ちょっと驚きました。何に怒って抗議してるのかと思ったら、“日本人鬼!”...あらら。中国といい韓国といい、日本人はどこでも憎まれてるんだなあ。
 主役の恋人たちは、レオン・ライ&スー・チー。
 レオン・ライは、地味で素朴で清潔感があって、でもデカくてガタイがいい。華やかで個性的な男が多い香港俳優の中では、異色な感じ(北京出身だから?)。どっちかというと、韓流スターに近い雰囲気?本業は歌手らしく、歌うシーンもあり。
 そーいえば。同じレオン・ライ主演の「ラブソング」も、似たような内容の映画だったような。
 レオン・ライって、私が大学生の時、ちょっと片想いしてた先輩に、そっくりなんだよねえ。優しくて知的な素敵な人だった、が、同時にすげーヤリチンだった。映画とは関係ないノスタルジー、ちょっと感じてしまいました。
 ヒロインの吸う血い、じゃない、スー・チーって...個性的な女優だとは思うけど、何で美女な役ばかりなの?彼女、美人なの!?カエルに見えるのは、私だけ?!
 この映画を観たのは、もちろん彦ことダニエル・ウーに会いたかったから
     
 彦は、レオン・ライの息子役。今は香港随一のセクシー色男な彦ですが、デビュー間もない頃の今作では、さすがに初々しく、まだ少年っぽさが残ってて、可愛い!
 アメリカで生まれ育ったので、英語が母国語で広東語は苦手な青年。これって彦ご本人に、限りなく近い役?そのせいか、香港に戸惑ったりイライラする演技が、とてもナチュラルです。
 でも、レオン・ライと父子って。似てね~!にも程がある。アンディ・ラウなら、似てるんだけどね。
 イギリスのケンブリッジって、広東語で“康橋”っていうんですね。へぇトリビア(死語)!
 レオン・ライは息子の彦に。スーチーは娘に。康橋という同じ中国名を付けられた子供たちが、今度は恋に落ちるって展開が、輪廻転生っぽいです。でもさあ。レオン・ライの妻も、スーチーの夫も、イヤだろうなあ。自分の息子・娘が、自分の夫・妻の不倫相手の子供と愛し合うなんて。映画は、そんな現実的なことまでは、描いていませんが...
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甘美な悪徳 ひこ、染まれ黒い欲望に!

2006-11-27 | 中国・台湾・香港映画
 職場の後輩S美さんから、相談事...
 先日、彼氏を家族に紹介したS美さん。なかなかの好感触、そして特に、大学生の弟と彼氏が意気投合した様子に、ほっと安堵。でも...
 すっかり仲良しになった彼氏と弟。S美さん抜きで遊びに行ったりするだけでなく、弟さんはS美さんもまだ行ったことがない、彼氏の実家に泊めてもらったりしてるらしい。
 今度は二人で(S美さん抜きは、当然のように)海外旅行する計画を立ててるらしい彼氏と弟。これって、変ですよね!?と困惑するS美さん。
 男同士の友情は、たまに女の入る隙がないほど、濃密で閉鎖的になるもんさ!と慰めてはみたものの...私の大好きな匂いがする関係だ。YAOI探偵として、調査に乗り出す予定です。
 
 
 お松の独り呉彦祖映画祭①
 「潜入黒社会」
 彦ことダニエル・ウーが、潜入したマフィアの悪に染まっていく捜査官を熱演。
 おやおや!彦ったら、何やってんの~!?と、驚喜&驚笑なシーンのオンパレード!
 シケた警官の仕事なんか、つまんねえ!貧乏はイヤだ!と、不満タラタラな主人公が、マフィアへの潜入捜査を命じられ、ゴージャスでパワフルな黒社会で、まるで水を得た魚のように、活き活きと頭角を現してゆく...
 ストーリーよりも、彦のセクシイ色男っぷりが楽しい映画。
 香港映画界随一のナイスバディ男である彦が、まさに面目躍如!こ・れ・で・もか~!と言わんばかりに、脱ぎまくってます。エロいカラダじゃ~!
 しかも、ただ脱ぐだけじゃなく、はしたないコトまでやってくれます。
  
 ボスの妻の着替えを偶然のぞいてしまい、ゴクっと固唾を飲み、反応した股間に手を...さらに、姐さんをオカズに、シャワーを浴びながら自分でシコシコ...その恍惚顔ときたら!エロすぎます。そのシャワーシーン、後姿の彦はケツはバッチリ、しかも!よ~く見れば、タ、タマタマのフクロが!?さすがにサオは見えませんが、彦ったら、やってくれるなあ。過剰なサービスは嬉しいけど、何だかゲイビデオでも観てるかのような錯覚に。
 だんだん彼が警官であることさえ忘れてしまうほどの、悪への染まりっぷりも、面白い。
 彦ったら、悪い男のしあがるために、汚い仕事は率先してやるわ、姐さんと寝るわ、警察の仲間や上司を裏切って殺すわ、しまいには、ボスにまで...もうヤリたい放題!とどまることのない野望と欲望!でも、あんまりギラギラした感じはしない。あくまで華やかに男前な彦です。ヤーさんなスーツも、彦が着ると高級ホストみたいです。
          
 天狗になって調子こきすぎた結果、悲惨な末路を迎える彦。あ~あ。そもそも、はじめっから警官なんかにならず、極道になってればよかったのでは?正義より、悪の素質のほうがある、と早く気づいてれば良かったのにね。
 ボス役は、毎度おなじみエリック・ツァンおぢさん。香港マフィアの親分といえば、もう彼って感じです。一見陽気なオッサンだけど実は怖い人、でも義理人情に厚いボスという、いつものオハコです。
 彦が若獅子なら、エリックおぢさんは老狸。彦に騙されているように見えて、やっぱ若造よりも一枚うわてなボスを、飄々と老獪に演じていて、場をさらいます。妻への哀しくも美しい愛が、ちょっと感動的です。
 彦とエリックおぢさん両方に愛される姐御が、何だか地味になった奈美悦子みたいな顔で、ちょっと???
 相変わらず物騒な街・香港。一般市民さえ、命がいくつあっても足りないほど、危険です。
 
 
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WB⑨~最終回 瑛太はsugar baby love生徒会長

2006-11-26 | 日本のドラマ(連続)
 「ウォーターボーイズ」第9話から最終回を観ました...

☆山田の濃顔に、胸焼け
 彼、ホントに日本人?むかし「ドク」っていう、蚊取りシンゴがベトナム人青年役のドラマがあったけど、蚊取りより山田のほうがドンピシャです。
☆よくある全員顔アップのシーン
 イロモノキャラのデブ&マッチョだけでなく、瑛太&未來くんでさえ、ヘンな顔して笑いをとってるのに、いちばん見苦しい顔の山田が、主役だからか、フツーの笑顔。気取ってるのか、それとも単に、演技が下手なのか?ひとりだけ、いまいちアホになりきれてない。
☆町民の理解を求めるシンクロ部員たち
 ゴミや騒音が迷惑!と愚痴る町民たちだけど、それぐらいで文句言ってたら、町興しなんかできません。
☆予備校の瑛太 
 お!またオシャレな服、着てるなあ。どこのブランドやろ。ダミアンに着せたいなあ。
☆安田くん
 進藤(山田の役)と一緒に、仲良くシンクロ部に入った親友だったが、受験があるから...と退部、進藤を捨てた少年。いつも後ろめたそうな、すまなさそうな態度の彼と、それを悲しそうに受ける進藤。二人のやりとり&ムードが、ちょっと怪しいぞ。ぶっちゃけ、別れた恋人同士みたいだ。かなりYAOI色が濃い。マドンナの花村さんとは、全然そんな空気が流れないのに、安田くんとは何だか切ない雰囲気...絶対、何かあっただろ、おまえら!
 その安田くん、なかなか食えないキャラです。親友だった進藤が、シンクロ存続で苦労してるのを目の当たりにしても、頑張ってね、大丈夫?と心配そうに声をかけるだけで、まったくノータッチの非協力ぶり。でも、受験にメドが立つと、復帰させて♪とイケシャアシャアと進藤に申し出る。フツーなら、何を今さら!と不快に思うはずだけど、進藤は嬉々として迎え入れる。その超嬉しそうな顔は、まさに未練があった元カノが、戻ってきてくれたって感じなのだ。
 で、安田くん。トラブルが発生すると、まだ正式の部員じゃなから...と、またトンズラ!おい!で、解決すると、また何食わぬ顔で進藤のそばに。いるよなあ、こんな女。進藤はいいかもしれないけど、瑛太や未來くんは、面白くないだろ。
 とまあ、とんでもない少年の安田くんだけど、責めたり詰ったりできない、そんなことしたら、こっちが悪者になりそうな感じなんだよなあ。この先も、そんな特性を活かして、おいしい人生を歩みそうな安田くん。ドラマの中では、いちばん興味深いキャラでした。
☆玉木宏、再登場
 千秋先輩、じゃない、佐藤先輩。この見事な天然アホ男ぶり、さしずめ“男版のだめ”といえるでしょう。二枚目系より、こんなアホ系の玉木のほうが好き。
 彼もやっぱ、瑛太の耳をいじるのが笑えます。私も瑛太の福耳、触りたい~!
☆教頭先生の過去!
 ついに明かされた、シクラメンのかほりの秘密!そんなコトで妨害してたのか。ベタすぎます。
☆福山雅治
 主題歌を担当してる福山が、ラジオのDJ役で声の特別出演。そろそろ、役者復帰してほしいなあ。それより、飛来ケンとラブラブ関係って、ほんと!?ヤメテー!!
☆シンクロ!
 ついに晴れ舞台。パフォーマンス&ノリは、映画とほぼ同じ。一生懸命練習したんだろうなあ。
 瑛太、観客席の花村さんへ、プールから愛の告白!最後の最後まで、おいしい可愛い瑛太生徒会長さん、ぐっじょぶ!お幸せに~!
☆総括
 瑛太が好きな人なら、最後まで楽しく観られるドラマです。ほんと瑛太、アホで可愛かった毎回、彼の裸が拝めるなんて、この先もうないと思うので、その意味でも貴重&必見ドラマかも。
 お澄まし屋さんのアホ役、がオハコみたいになってる瑛太。それも可愛くて素敵だけど、透明感ある不思議な色気を活かして、オトナの役にも挑戦してほしいなあ。松本清張の「夜光の階段」の主人公なんか、瑛太がやれば面白いんだけど。
 森山未來を好きになったのが、予想外の収穫でした。でも、セカチューは観ないよ♪


 
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ファンジャンシル・ボーイズ

2006-11-24 | 中国・台湾・香港映画
 何かやるにしても、ギリギリにならないと行動できない私。
 仕事関連でも、締め切り前の日にならないと、本腰を上げて机に向かえない。もうすぐ引っ越すのに、まだロクに掃除も準備もしてない。
 余裕をもって何事にも取り組むことができたら、もっと出世するだろうし、幸せにもなれるかもしれないのになあ、と嘆息を漏らしつつ、そーいや原チャリのオイルも入れてもらいに行かなきゃだけど、ま・いっか、来週で...と、こんな調子です。

 「トイレ、どこですか?」
 香港のフルーツ・チャン監督が、アジアのイケメンたちを使って撮った、世にも不思議な便所物語。
 北京の公衆便所で産み落とされた赤ちゃん。青年に成長した主人公は、自分を育ててくれた祖母の病を治すため、奇跡の薬を探して旅に出る。同じように、愛する人のため、香港や韓国からも、青年たちが異国へ...
 私、ビチグソな「まことちゃん」は大好きだけど、ビジュアル系ウンコ&シッコ、ダメなんです。なので、便所(トイレ、なんてキレイなシロモノじゃない!)&糞尿が主役みたいな、この映画...ううう、です。スカトロ趣味な人には、たまんない内容だろうけど...私からしたら、ただ一言。き、きちゃない~!
 いつもなら、DVDはコーヒーを飲みながら観る私ですが...この映画は、飲食しながらは観られません!汚い便所や排泄シーン、飲尿!シーンなど、ゲロゲロ(死語)。もう、耐えられない~!何度か挫折しかけました。
 ストーリーも、あるようで、ないような、かなり風変わりな映画です。
 便所を基点?に、中国・香港・韓国・インド・アメリカと、世界で展開する話は、かなり国際的規模で壮大?各国の便所事情?も、興味深い。それを描きたかった、便所ドキュメンタリー映画なのかなあ。
 
 出演スターが、なかなか豪華で個性的です。
 韓国からは、チャン・ヒョク&チョ・インソン。二人は、親友同士の役。インソンが、不治の病とかで(全然そう見えないけど)、奇跡の薬を求めて出奔。ヒョクは、骨がない謎の軟体生物美女?に恋。
 「火山高」みたいに金髪のヒョク。トボけた感じが、可愛い。これが映画デビューらしいインソンは、俺のこと大事か?俺のことも大切にしろよ、とヒョクに甘え?たり、ちょっとYAOIなムード。韓国の映画やTVドラマとは違う、デジタルな映像の中の二人が、新鮮です。
 中国からは、日本のTVドラマ「花より男子」にも出てた、阿部力。香港からは、フルーツ・チャン監督の秘蔵っ子、サム・リー。
 便器の中に入ると、広い海の中、という「トレインスポッティング」みたいなシーンがあったり、海に落ちた韓国の簡易トイレが、ニューヨークの川に現れたりetc.とにかく、不思議な映画です。
 フルーツ・チャン監督って、オムニバス映画「美しい夜、残酷な朝」香港編も、ウゲゲな話だったし。そーいう趣味の人?!
 
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もののけ美よ永遠に

2006-11-23 | フランス、ベルギー映画
 涙さえしぐれに添へてふるさとはもみぢの色も濃さぞまされる
 今日は一日、冷たい時雨でした。
 晩秋初冬の、わびしい愁いが、そぞろに悲哀をそそります。袖が濡れたのは、しぐれのせい?それとも、涙のせい?それさえも分からないまま、今日が終わろうとしています。
 
 お松の独りフランス映画祭④
 「愛のはじまり」
 私の女神さまイザベル・アジャーニが、長い冬眠?後、沈黙を破って銀幕に復帰した、記念すべき作品。飢餓感を耐え忍んでいたファンにとっては、まさに砂漠にオアシス、な映画になるはずだったのですが...
 刑務所を出たばかりのヒロインが、行く当てもなく辿り着いたニースで、初老の男と出会い...
 うう~ん。ぶっちゃけ、つまんない映画です。話が、ほとんどない。イザベル扮する謎の女が、フラフラさすらう姿を追ってるだけ。ヒロインも、彼女に絡む男たちも、わけがわからない。いったい、何が言いたい映画だったのでしょうか。 
 同じ長い冬眠後のカムバック作&女流監督作でも、「可愛いだけじゃダメかしら」は、とても愉快なコメディだったけど、これは...イザベルのファン以外には、かなりキツいかも。退屈で緩慢なので、眠気をこらえずに最後まで観ることはできません。
 でも。イザベルは、やっぱ驚異の“もののけ女優”です。
    
 当時は46、7歳。とてもじゃないけど、そうは見えません。
 イザベルは、美人というより、可愛い顔だよなあ。可愛いといっても、おキャメやブリ公、上戸アヤとか倖田クミみたいな、親しみやすいチープ系とは違いますが。そのシワひとつない白い肌は、まさに魔物的美しさ。いったい、どーやって美貌と若さを保ってるのでしょうか。その秘訣を知るのは、何だか怖いような...
 いくら若く見えるといっても、さすがに弾けるようなピチピチ感はない。体つきも、ちょっと崩れてはいるけど、翳りと深みのある美しさに魅入ってしまいます。 劇中、ずっと黒ずくめのイザベル。やっぱ彼女には、ミステリアスな黒が似合う。一回だけ、鮮やかな真紅のドレス姿も見せてくれます。
 ウィノナ・ライダーも真っ青な万引きや、いきなり海辺で踊りだすシーンに、唖然。完全に危ない人です。でもまあ、誰からも好感&共感される等身大な役など、彼女に似合わないし、演じてほしくない。なので今回は、ヘンな女の役だけど、従来の彼女に比べたら、かなりおとなしいので、ちょっと拍子抜け。
 70年代に「アデルの恋の物語」80年代に「カミーユ・クローデル」90年代に「王妃マルゴ」と、世代ごとに代表作を放ってきたイザベル。新世紀にも、また大輪の花を咲かせてほしい。花や果物は、散る間際や腐る寸前が、いちばん美しく美味しいといいます。五十路を迎えた、今のイザベルにしかできない役も、きっとあるはず。
 確かに彼女は、その美貌も演技も、かなり特殊なので、使いにくいと思う。どんな役でも演じられる小器用な女優じゃないし。それに、天才特有の気まぐれ&感覚のズレというか、素晴らしい名作に出たい!とか、名演出家と仕事したい!とは全然思ってなさそうで、計算よりもフィーリングで出演作を選んでる、しかもそのフィーリングってのが、かなり???(この「愛のはじまり」や「ポゼッション」など、良い例)。さらに、仕事にも滅多に意欲的にならない怠け者女優なので、ほんとファン泣かせです。
 「ボン・ヴォヤージュ」後、再び習癖?の冬眠に入ってしまっているイザベル。寂しいけど、でも...
 かつて一世を風靡した大女優が、つまんない映画で、つまんない女優の脇役に甘んじている姿って、よく見るけど何だか悲しい。イザベルには、そんなことになってほしくないなあ。年老いた女優だから、仕方ないだろ!なキャリアをミミッチく続けられるよりも、いっそこのまま、ほんとに引退して“幻の女優”“伝説のスター”化してくれたほうが、ファンとしては望ましいかも、なんて思ってしまいます。
 でもホント、若い映画ファンには、イザベルの映画を観てほしいなあ。彼女の美貌と演技力が、いかに類まれで壮絶かを知ってほしい。今の人気女優たちが、さぞやフツーに見えることでしょう。
 そーいえば。イザベルがダニエル・デイ・ルイスとの間に儲けた息子は、さぞや美しい少年に育ってるだろうなあ。イザベル・アジャーニ&ダニエル・デイ・ルイスが両親だなんて、映画界最強のサラブレットなのでは。
 
 
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オリエント急行恋愛事件

2006-11-22 | フランス、ベルギー映画
 みのもんたが、某関西の大物タレントHに、思いっきり怒ってるとか。
 確かに、Hの番組は、私も前から目にあまるものがあるなあ、と眉をひそめていました。とてもじゃないけど、笑えないし。
 彼は全然イジメをしてるつもりはないんでしょうけど...彼のやってることを、面白いと思えるって、かなり危険なのでは?
 自分に逆らえない、力のない弱い立場の者たちは、バカにして痛めつけて笑いものにする。やられてる下っ端芸人は、仕事と割り切ってるんだろうから、構わないのでしょう。でも視聴者が、感覚が麻痺しちゃって、あれはイジメじゃない、と同じことをしたら...
 私の両親も、彼のバラエティ番組が好きで、いつもゲラゲラ笑いながら観てます。あれ、イジメだと思わない?と訊くと、面白いんだからいい!と答える両親。私は、背中に冷たいものを感じてしまいました...そばでは、高校生のダミアンも一緒に、笑いながら観てる...
 
 お松の独りフランス映画祭③
 「バルニーのちょっとした心配事」
 フランス映画らしい、エスプリの効いたオトナのコメディ。
 主人公の中年男が、二人の愛人(ギャル&男!)、そして妻との間で、さらに妻の愛人も加わって、すったもんだの恋愛騒動!
 主人公の三つ股ぶりが、スゴい。よほどの精力がないと、マネできません。
 それにしても。何でこんなオッサンが、女にも男にもモテモテなの!?性格も、わがまま&自己中だし、最悪のオヤヂじゃん!浮気や嘘の言い訳も、スゴい。『卑怯なマネも、勇気の一種だ!』とか。
 トンでもなく不誠実で利己的なオッサンだけど、何か憎めないオチャメさは、確かにある。これが、ニヤけた二枚目だったら、ほんと嫌らしいキャラになってただろうけど、あ~あ、しょーがねえオヤヂだなあ!と、あまり嫌悪なく笑えたのは、ファブリス・ルキーニのトボけた個性と芸達者ぶりのおかげでしょうか。
 妻役のナタリー・バイが、素敵です。円熟したオトナの女なのに、どこか愛らしさがあって、可愛い。目じりのシワさえ、魅力的。不自然なまでに加齢と闘うハリウッドや日本の女優は、見習うべき。こんな風に歳を重ねたいなあ、と思わせるナタリーおばさまです。
 愛人その①のフレンチギャル、マリー・ジランの、ハジけたお色気&元気娘ぶりも、チャーミング。愛人その②のイギリス男ヒューゴ・スピーアの、穏やかで知的な紳士ぶりにも、好感。
 後半、登場人物たちが乗り込んで、入り乱れる修羅場?のオリエント急行。乗ってみたいなあ。
 恋愛に関する台詞は、なかなか含蓄があって教訓になるし、ホントなら刃傷沙汰なドロドロ関係を、サバサバと受け入れるドライさが、いかにもフランス人って感じで面白いです。面白いけど、日本人には解せない感覚だよなあ。そんなんでホントにいいの!?みたいな...
 これって、日本のTVドラマでリメイクしたら、こんな感じだろうなあ。
 主人公 明石家さんま
 妻 風吹ジュン
 愛人①(ギャル) ユンソナ
 愛人②(男) 沢村一樹
 妻の愛人 小澤征悦
 
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子供たちを責めないで

2006-11-20 | フランス、ベルギー映画
 あさっては月一の粗大ゴミの日なので、古いTV台や壊れたビデオデッキなどにsay good-byeの準備。
 前と違って、今は有料なんですよねえ。処理券が、一枚300円もするし。
 アレもコレも捨てるって、ああ、環境破壊だよなあ。ごめんね地球...
 まだ使えるモノは、躊躇なく処分できるのに、もう不要で持っていても仕方がない手紙や写真は、やっぱ手放せない私...
 真夜中、sweet memoriesなフォトグラフを、感傷的に眺めてるなんて、MI・RE・Nでしょうか...永遠に取り戻せない、あの季節~♪by ZARD

 お松の独りフランス映画祭②
 「ある子供」
 ベルギーのダルデンヌ兄弟監督が、「ロゼッタ」に続いて、2度目のカンヌ映画祭パルムドール受賞という快挙を遂げた作品。
 その日暮らしの若者ブリュノは、恋人との間にできたばかりの赤ちゃんを、人買いに売ってしまうが...
 私も決して、裕福な上流生活を送ってるわけではありませんが、一連のダルデンヌ監督作品の主人公たちのような社会底辺生活も、セレブなブルジョア生活同様、私には“あなたの知らない世界”です。
 この映画のブリュノも、引ったくりや物乞いをしながら、まともな仕事に就こうともせず、不安定なドブネズミ生活。
 劣悪で貧しい底辺生活を、目を覆いたくなるほど厳しくリアルに描くのではなく、ドキュメンタリー風に淡々と冷静に追う作風が、ダルデンヌ監督独特の味わい。そして、映画を面白おかしくするための、いかにも作ったようなエピソードやシーン、台詞などないのに、いったいどーなっちゃうの!?と、最後まで気を抜かせず、退屈もさせずに引っ張るところも、ダルデンヌ監督映画の不思議な魅力です。
 今回も、いっさい音楽はなし。絶望の中に、希望と救いの小さな光が見えたところで、ブツっとフィルムが切れたように終わる。この二つは、お約束です。今までの、ビデオ撮影っぽさから、ちょっと映画っぽい感じにはなってたような。 
 子供が子供を作る。日本でも、珍しいことではありません。
 子供を授かったことで、責任感からオトナに成長するか。それとも、自分は親になったんだ、という自覚も持てず、無関心または重荷に感じるか。残念なことに、ブリュノは後者。赤ん坊が疎ましいとか、生活苦のため思いつめてとか、そんな悲壮な感じは全然なく、いともあっさりと赤ちゃんを売ってしまう様子が、怖い。愛とか慈しみとか知らずに育つと、それを自分の子供にさえ感じることも希薄になってしまうのでしょうか。
 ブリュノだけでなく、彼の仲間のガキンチョたちもですが...
 みんな、小さな悪事を犯してはいるけど、根は優しく無邪気な子供たち。何もかも社会のせいにするわけではないけど、やっぱ汚染された川や海に放たれた稚魚が、まともに成長できず、歪んでしまうのは、仕方がないのかなあ...と、ブリュノたちを見てると、暗澹とした気持ちになります。
 赤ちゃんを黙って売り飛ばされて、ショックと怒りでブリュノを拒絶する彼女。そりゃそうだろ。彼女に謝り、すがってくる情けないブリュノですが、口先とは違い、何でそんなに怒るんだよ?わけわかんね!みたいな本音が見えて、まったくもって、救いようのないダメだこりゃ!男。安易に許したら、またケロっとした顔で、同じことやりかねない。
 ほんと、未熟さって怖いと痛感。彼女が愛情ある、しっかり者だから良かったけど(でも何で、ブリュノみたいな男の子供を産んだのかなあ。いくら好きでもなあ。子供がいれば、彼がしっかりてくれるかも、という一種の賭けだったのかな)...これが、どっちも未熟なバカだったら、赤ちゃん遺棄!とか虐待死!な、ニュースなカップルになっちゃうんだろうなあ。
 せっかく生まれてきても、バカな若い両親に虐げられ殺されるぐらいなら、売り飛ばされて、愛してくれる子供のいない赤の他人に育てられたほうが、幸せかもしれないなあ、とも思えてしまいます。
 主人公ブリュノ役は、「イゴールの約束」以来のダルデンヌ監督作品登場となった、ジェレミー・レニエ。イゴール少年が、青年に成長した感じのブリュノを、ナチュラルに演じています。
     
 ジェレミー、さすがにオトナっぽくなったけど、まだまだ少年のあどけなさも残ってて、可愛いです。ほっぺにニキビのある童顔とか、恋人とジャレる無邪気な様子は、ほんとガキって感じです。
 結構ガッチリしてる体は、完全に大人。けど、心は未熟な子供。そんなブリュノを演じるには、まさにピッタリな風貌のジェレミーです。ラスト、泣きじゃくるジェレミーには、とても優しく愛しい気持ちになります。その涙、しょっぱくてあったかい...
 ジェレミーの日本未公開作で、特に観たいのは↓“Un amour a taire (A Love to Hide)”
      
 ジェレミーの役は、何とゲイの男の子相手役は、パトリス・シェロー監督の「愛する者よ、列車に乗れ」や「ソン・フレール 兄との約束」のブリュノ・トデスキーニ。同性愛者ゆえナチスに迫害される、哀しい恋人たちの物語とか。E男E役者になるためには、一度は通らねばならないゲイの道

 
 
コメント (6)
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即興恋愛

2006-11-19 | フランス、ベルギー映画
 突然ですが、引っ越すことになりました。引っ越すっつっても、実家に戻るだけですが♪
 婆さまを屋根裏部屋へ放り込み...じゃない、婆さまの部屋を改築するに当たり、部屋が一つ空くので、そこに私が入ることになりました。やった~!これで、今までの家賃が浮くし(もちろん、幾らか家に納めるけど)、さすがに深夜の帰宅は、怖くなってたし。
 静かな自分だけの時間が失われるのが、ちょっと残念だけど、背に腹は変えられぬ。
 といっても、日常に変化がきたすことを、何よりも嫌う私なので、引越し準備が億劫だなあ。要らないものは、バンバン棄てよう。あの手紙も写真も、ぜんぶ棄てよう。I'm determined to renew my life♪

 お松の独りフランス映画祭①
 「マドモアゼル 24時間の恋人」
 ド派手なハリウッド映画や、現実味のない韓国ドラマを観慣れた目には、何とも小粋でオトナな内容のフランス映画でした。
 人妻でキャリアウーマンのヒロインと、即興劇の俳優との、一日だけのロマンス。
 うう~ん、すべてがオトナな映画!オトナといっても、アダルトなエロなどとは、ぜんぜん違う。ヒロインと俳優の、距離の縮まり方、恋の紡ぎ方&終わらせ方が、ちょっと甘くて、程よく辛い、コクのあるワインみたいな味わいなんです。さりげなくて、軽やかで、それでいて確実に点火された恋心が、なにげないシーンや仕草、表情で描写されていて、ほんと心憎いほど。オーバーな美しすぎる台詞や、劇的な展開など、いかにもラブストーリーを作っている!な人工的なところが、まったくない。まさに、フランス映画ならではの醍醐味です。
 この映画を素晴らしくしているのは、やっぱヒロインのサンドリーヌ・ボネールでしょう。
 彼女ほど、いかにも演技してます!感のない女優は、いないんじゃないかなあ。ほんと、さりげなくてナチュラル。かといって、所帯じみたオバサンっぽさは皆無で、颯爽としたフェミニンさが。いわゆる美人ではないけど、いい女に見える。彼女が演じるヒロインも、オトナの優しさと落ち着きがあって、ほんと素敵な女性。同じいい年をした熟女でも、妙に色気を強調したり、妙に可愛い子ブリッコな、不自然でキモいハリウッドや日本のオバハン女優は、見習うべき。
 サンドリーヌのファッションも、シンプルかつシックで、何かすごくいい感じ!それ、どこで売ってたんですか!?と訊きたくなるほど。今、韓国のファッション業界を舞台にしたTVドラマを観てるんですが、ほんとダサくて悪趣味。サドリーヌとかシャルロットとかナタリー・バイとか、つくづくフランス女優ってオシャレだよなあ、と痛感(JBとか例外もいるけど)。
 相手役のジャック・ガンブランも、いわゆる美男子ではないけど、いい男に見える。ちょっとくたびれた感じが、オトナの男の魅力。
 映画の中の即興劇が、すごく面白い。パーティなどで、あんな小粋な余興をするフランス人って、やっぱ知的だよなあ。
 いわゆる不倫の恋なんだろうけど、ここまで後味の悪くない不倫もの、初めてかも。ベタベタネチネチした愁嘆場ゼロなところが、観ていて気持ち良い。かといって、サバサバしすぎな開き直りって感じも、ない。そこのところのビミョーな機微を描いている脚本も、俳優の演技同様、絶妙です。クスっと笑える、ちょっと喜劇風味だったのが、良かったのかも。
 即興劇グループのリーダー役、どっかで見たことあるなあと思ったら、あ!「猫が行方不明」の、あの大ボケ男じゃん!今回は、マトモなフツーの男だったけど。
 同じ監督&サンドリーヌ・ボネール主演の「灯台守の恋」は、この映画のスピンオフ的な作品だったんですね。これまた粋なことするよなあ、と感嘆!

 
 
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人類に明日はない

2006-11-17 | イギリス、アイルランド映画
 久しぶりに、試写会に行きました。
 ポップコーンと肉マンの匂いに挟まれて、ちょっと胸が気持ち悪くなるのを我慢しながら、上映開始を待つ私。
 テレビ新広島主催だったので、映画が始まる前に、男性アナウンサーの挨拶。
 遅くに到着したため、前から2番目の席に座らざるを得なかった私。映画鑑賞には、かなりキツそうだが、おかげで男子アナは、至近距離でチェックできた。
 今年入社した新人くんとか。背が高い~!わ、若い~!毛穴が見えるほど近くで...って、毛穴なんか見えん。肌ツルツルやんけ。最近の男性アナウンサーって、俳優やタレントも真っ青なイケメン多いよなあ。
 目の前に立ってるので、鼻クソほじって食べるマネでもして笑わせてやろうか、なんてイタズラ心も抱いたが、可哀想なので、やめました。
 ちなみに私は、広島テレビの長嶋くん&森くんが今、お気にです。
 
 「トゥモロー・ワールド」
 現代英国推理小説界の女王、P・J・ジェイムズ。アガサ・クリスティとは違って、奇抜な殺人トリックや意外な犯人で読者を驚かすのではなく、殺人の動機を重点に置いて、人間苦や原罪をミステリーの形で重厚に描く、かなり文学的な作風。どの作品も、読破するのは結構しんどいけど、強い衝撃と深い余韻を与えてくれます。人間って、何て醜くて愚かで悲しい生き物なんだろう、と。
 そんなジェイムズ女史の、今のところ唯一の近未来小説「人類の子供たち」が、映画化。
 舞台は、それほど遠くない未来のイギリス。世界中の女性は不妊症となり、もう何年も子供が誕生しない状態が続いていた...
 怖い設定です。だって、こんなんありえな~い!話じゃないし。少子化が深刻な問題となっている今。この映画のように、明るい未来への希望さえ、だんだん失われているように思えて、ゾっとします。
 子供が生まれなくなったことだけでなく、スモッグで覆いつくされた暗い空、汚物だらけの地上、横行するアナーキーな暴力。この映画の近未来世界は、混沌と汚濁と殺戮に支配されていて、まさに世も末な惨状。車やアンドロイドが空を飛ぶドラえもんの世界の前に、確実にこんな恐ろしい未来が来るだろうなあ、と暗澹となります。
 そんな絶望世界の中、黒人の少女が妊娠するという奇跡が。人類唯一の希望をめぐって、恐ろしくも愚かな死闘が繰り広げられる...
 少女と赤ちゃんを守ったり奪おうとしたりで、おびただしい血が流され、人々が死んでゆく。せっかく授かった希望なのに。ほんと人間って、愚かな生き物だと空恐ろしくなります。
 ラスト近く、不法入国者収容所で勃発するテロリストと政府軍の殺し合いは、目を覆いたくなるほど、残虐で凄絶。その中を、少女と赤ちゃんを守りながら、決死で逃げ惑う主人公。もう、心臓に悪いほどハラハラします。
 でも...人々が生まれたばかりの赤ちゃんを見た途端、激烈な殺し合いが、ピタリと鎮まるシーン。あれほど憎悪と恐怖で塗り固まっていた人々の顔が、優しくほころび、もはや敵も味方もなく、感動で身動きもできなくなる...この、希望と愛の大きな力を描いたシーンには、感激させられました。
 人間にとって、何が最も大事なのか。それを失わないために、どうすればいいのかを、深く考えさせる映画です。
 「天国の口、終わりの楽園。」で注目され、ハリポタ3の監督に抜擢された、メキシコ人のアルフォンソ・キュアロン監督。カメラワークや映像が、なかなか独特で面白いけど...暴力や殺戮シーンが、かなりリアルで怖いので、ハリポタファンの子供には、観せられません。
 それほど大きな変化はないけど、やはりどこか現代とは違う趣の病んだ近未来世界も、不気味かつユニークです。
 主人公役は、最近やたら売れっ子のクライヴ・オーウェン。無気力で虚無的な男が、いつしか命がけで闘うようになる姿を、熱演しています。が、ルックスがワタシ的には、ちょっとイマイチなんだよなあ。ジェラルド・バトラーだったらなあ、なんて思いながら観てしまった。
 ジュリアン・ムーア、マイケル・ケインなど、大物俳優は重要な役だけど、あれ!?もう!?と唖然となるほど、早々と退場してしまいます。
 テロリストのリーダー役、キウェテル・イジョホーが良い!「ラブ・アクチュアリー」「堕天使のパスポート」「キンキーブーツ」など、話題作続きの黒人俳優。近い将来、英国のデンゼル・ワシントンになるかも?
 
 
 
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