まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

2012年my cinema life を総括する

2012-12-31 | 映画雑記
 早いもので、2012年も今日で終わり…
 わしは今、紅白をまったり独りぼっちで観ながら、これを書いています…
 梅ちゃん先生が何か顔色悪くて元気ないですね。嵐は櫻井くん以外苦手。みんな小さいおじさんみたい…浜崎あゆみのブヨブヨな二の腕と脇肉が…ワラワラわいて出てきたジャニーズ軍団が怖い…入江りょうすけちゃん、仕草や喋り方がキャマキャマしくて可愛いですね。同じく審査員の澤兄貴やサオリーナが、めっちゃ男らしく見えてしまう(笑)。
 おっと、ポケ~っと紅白観てないで、指動かさねば。
 今朝は慌ただしく大掃除、これですっきりした気分でお正月を迎えられます。ああ、人生からもゴミや汚れを一掃できたら…来年は、いろんな意味で清潔な一年にしたいです。
 さて。今年もいろんな映画を観ました。劇場に足を運んで観た作品は…

 3月 「ドラゴン・タトゥーの女」
 4月 「アーティスト」
 8月 「ダークナイト ライジング」
12月 「レ・ミゼラブル」

 ガーンた、たった4本!これまでで自己最低記録を更新してしまいました。なんというテイタラクでしょう。これじゃあ、映画ファンだなんて名乗れませんよね。結局007も観に行けなかったし。来年こそ、映画ざんまいな一年にしたいです。最低30本は観るぞ!って、毎年マニフェスト違反な政治家みたいなこと言ってる私です。以前みたいに、独りでフラっと観にいけるようになりたいです。
 ろくに観てもないくせに、おこがましい限りですが…2012年 my best movie & best actor & actress をジャジャンと発表したいと存じます♪劇場、DVDで観た今年日本公開作品が対象です。

まず、my best movie in 2012 は…

1位 「ドラゴン・タトゥーの女
 生まれて初めて吹き替え版を劇場で観ました。デヴィッド・フィンチャー監督の作品は、単に映像重視の才気走ったスタイリッシュ映画ではなく、内容も面白いので好きです。シリーズ化されて欲しいと心から思います。役者魂のある主役二人もチャーミングでした。

2位 「レ・ミゼラブル
 大真面目な正統派ミュージカルなんですが、ツッコミどころも多い楽しい映画でした。DVDになったら再観します♪

3位 「預言者
 ジャック・オディアール監督の作品は、今のところハズレなしですね。いま最も新作が待ち遠しい監督の一人です。


次に、my best actor in 2012は…

1位 トム・ハーディ 「ダークナイト ライジング」「BLACK & WHITE」「裏切りのサーカス」
 今や映画界最高のゴツカワ男、怒涛の快進撃でしたね!迫力あるゴリマッチョとキュートな顔を武器に、アクションもコメディもシリアスドラマも何でもOK!ルックスがルックスなので、ちょっと売れた英国男優がたどりがちな“地味に便利な器用貧乏”道に陥ることなく、ハリウッドでもスターになること必至です。マッドマックスのリメイク版の大ヒットを祈願☆

2位 タハール・ラヒム 「預言者」 
 やっと今年になって「預言者」が公開されて、そのフレッシュな熱演でフランス映画ファンを瞠目させた彼。ほどよく濃ゆいアラブ系のイケメン、数年後には色気もある男前に成長していることでしょう。アメリカ映画「第九軍団の鷲」では敵役を好演。中国のロウ・イエ監督作品“Love and Bruises”や「別離」でオスカーを受賞したイランのアスガル・ファルハーディー監督の新作“The Past”など、クオリティ高く国際的な活躍が期待されます。

3位 アーロン・トヴェイト 「レ・ミゼラブル」
 ジャン・バルジャンでもなくマリウスでもなく、私は断然アンジョルラス萌え~。話題のミュージカル大作で、私のイケメンレーダーをビビビとさせた彼は、舞台でも活躍するかたわら、人気TVドラマ「ゴシップガール」にも出演している要チェキ男子です。ジェームズ・フランコの恋人役!の“Howl”が観たい~!今後は映画にもジャンジャカ出てほしいものです。

 その他には、「ドラゴン・タトゥーの女」のダニエル・クレイグ、「白夜行」のコ・ス、「アーティスト」のジャン・デュジャルダン、「シェイム」のマイケル・ファスベンダーが印象的なgood jobでした。


そして、my best actress in 2012年は…

1位 ルーニー・マーラ「ドラゴン・タトゥーの女」
 ダークヒロイン、リスベットを激烈に、かつ可憐に演じきった彼女が今年のマイベスト女優!シリーズ化されるのかされないのか不明な状態が気になります。またリスベットに会いたい!

 以上!女優は今年も不作でした。素晴らしい女優はたくさんいるんだけど、ガツン!なインパクトがなくて残念。

 皆さまも、充実したcinema lifeを送られたことでしょうか?来年もまた、元気にハッピーに映画をエンジョイできるといいですね♪
 それでは、よいお年を!See you soon☆


 
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懲役太郎 触るものみなブチのめした

2012-12-28 | イギリス、アイルランド映画
 せわしなく寒い年末、いかがお過ごしでしょうか。
 私は先日、忘年会その1に出席するため、久々に夜の広島市内に出ました。
 天満屋がいつの間にかなくなってて、ヤマダ電機になってた。びつくり。浦島太郎な気分で八丁堀をフラフラ歩いてると、待ち合わせ場所の袋町公園がどこにあるか分からないというド田舎出身のOくんから電話がかかってきて、仕方なく彼をパルコの前まで迎えに行き、時間があったので彼と新しくできたドンキホーテへ。カー用品やアダルトグッズを冷やかした後、袋町公園へ。忘年会は、“てまひまや”という店で。かなり若い子向けの店ですが、美味しくて安い良いお店で私もお気にです。
 今回は忘年会の名を借りた、恋の激励会。高学歴で超優秀だけど超ブサイクで性格もアレな男子ケビン(三次出身の日本人です)が、クリスマスにR奈ちゃんに告って玉砕したけど諦められないから何とかならないか、という難題を検討する会なのでした。
 ぜんぜん望みはないのに、面白がって純真な童貞であるケビンを煽るOくんたち男子。おいおい、おまえら~。ただでさえプチストーカーと化してるケビンが、これ以上暴走したらどうするつもりだよ。R奈ちゃんにもしものことがあったらと、私は気が気ではないけど美味しい料理とお酒に夢中で、ほとんど会議に参加してませんでした♪
 胃が壊れそうなほど飲み食いした後は、ばいなら♪とっとと帰ろうとしたのですが、今度は泥酔したOくんがおかしくなってしまい、鬼気迫るハイテンションでボウリング、そしてカラオケボックスへと私を拉致監禁。ああ~終電が~。泣く泣くオールに突入してしまいました。酔いが醒めてテンションが急降下したOくんは、別れたばかりの彼女から受けた理不尽な仕打ちについて語り始め、少しでも私がウトウトすると、寝るなー!!寝たら死ぬ!と雪山遭難者のように私を揺さぶったりドツいたりして、延々と憎悪のラブストーリー傾聴を強制するのでした。
 夜明けになって解散した瞬間は、ハンパない解放感を味わいました。オールなんて、もう私のような年寄りには拷問に近い。しかも若い子らの愚痴の受け皿役なんて、いったい何の罰ゲームなの。夜更かしは肌に超悪いんだよ!若い子のハートブレイクと違って、私の疲れた肌はすぐには回復しないんだよ!!
 無茶な夜遊びは危険な年頃になりました…やっぱ、まったりダラダラ自室で引きこもるのが性に合ってる私です。
 
 「ブロンソン」
 my new 英国愛人、トム・ハーディの日本未公開作品のひとつを、やっと観ることができました♪
 少年の頃から暴力に明け暮れていたマイケルは、投獄された刑務所の中でも傍若無人に暴れ狂う。彼は自らをチャールズ・ブロンソンと名乗り、30年以上も獄中で暴れまわるのだった…
 驚くべきことに、これって実話なんだそうです。私、てっきりトムが男優の故チャールズ・ブロンソンを演じた伝記映画なのかと思いこんでました。とにかく、マイケルことチャールズ・ブロンソンがヤバすぎて唖然となります。見た目からしてヤバい人なのですが、言動も思考回路も狂ってて、とてもまともな人間的コミュニケーション不可能、ぶっちゃけ、き○がいです。何でこんなになっちゃったの?家庭環境は、ごくフツーだったのに。やっぱ持って生まれたもののせい?性悪説、ロンブローゾの生来犯罪者説って今では否定されてる学説ですが、マイケルみたいなトンデモ犯罪者を見てると、環境のせいだけにできない犯罪者もいるよなあと思ってしまいます。
 悪人というより狂人なマイケル。悪いことしてるって自覚がほとんどなく、異常な自分美学、自分ルールで好き勝手に生きてるだけだし。まさに天然と狂気は紙一重。マイケルみたいな人が家族や生活圏内にいたら、ほんと迷惑どころか恐怖です。彼の家族も大変だけど、映画の中で最も可哀想だったのは、監視や征圧しなきゃいけない刑務所の刑務官です。あんな狂犬、いや、狂熊みたいなのを毎日相手にしなきゃいけないなんて、ストレスと怪我で心身ともにボロボロになります。
 刑務所より精神病院だよなあ、なマイケル。精神病院に強制送致されて納得。でもそこでも大暴れ。刑務所に返品(笑)され、またまた大暴れ。の繰り返しで、うんざりしつつも今度は何をどんな方法でやらかすか楽しみになってくる、といった内容になってます。もうマイケル、刑務所より精神病院より、保健所です。マイケル、人間じゃなくなってますし。他人の人権を守れない人に人権はありません。

 迷惑すぎる怖すぎる狂人マイケルですが…顔が可愛いトム・ハーディが演じてるせいか、何か憎めないキャラにはなってます。劇中、バットマンのジョーカーみたいなピエロになって、自らの犯罪人生を語る狂言回し的な役もしてるのですが、全体的にマイケルってピエロ的なキャラに思えた。狂った凶暴なピエロ。怖いけど笑える道化師。 血まみれな暴力に満ちたヴァイオレンスシーン満載で、心臓の弱い人は観ないほうがいい映画なんですが、独特なエキセントリックな笑いも散りばめられていて、ここで笑ってもいいのかな、でも笑える、みたいなスレスレ系の笑いが好きな人は、かなり楽しめるのでは。バックに流れる美しく壮大なクラッシックと、き○がいな内容との奇妙なコントラストも変で面白いです。音楽の使い方とか、凄絶な暴力をどこか滑稽に描いてるところは、「時計じかけのオレンジ」を彷彿とさせます。マイケルが描いた絵がアニメになったり(意味不明な絵だけどキッチュで可愛い)、ミュージカル風なノリになったりと、演出がユニークです。
 トム・ハーディが、マイケルことチャールズ・ブロンソンを激演珍演してます。

 スキンヘッドにプロレスラーみたいな体格。こんな人が向こうから近づいてきたら、ほんと怖いよなあな風貌。プッツン顔も動きも、怖すぎてほとんど漫画みたいで笑えるトム。ほんとヤバい人になりきってるんですが、愛嬌もこぼれんばかりで可愛いんです!笑顔がキュートすぎる。ダミ声も好き。舞台でも活躍してたトムらしく、ピエロに扮してる時の彼の独り芝居は、迫力と魅力があって引き込まれます。食いまくって作りあげたという、凶器な肉体も圧巻。フルチンになって大暴れするシーンでは、堂々とイチモツをさらしてます。トムの役者魂炸裂な作品です。

 ↑マッドマックスのリメイクも超楽しみなトムです
 
 
 
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BLはディナーの後で

2012-12-23 | イギリス、アイルランド映画
 「召使」
 ロンドンに新居を構えたブルジョア青年トニーは、バレットという男を召使として雇う。有能なバレットにトニーは満足するが、しだいにバレットの存在はトニーの生活と恋人との関係を歪め壊し始めるのだった…
 「エヴァの匂い」「恋」などの名匠ジョゼフ・ロージー監督作品。
 ご主人さまと召使が、お互いに独占欲や嫉妬、痛めつけたい痛めつけられたいという精神的SM感情を募らせ、そして主従逆転…という、イビツで妖しい関係に陥っていく展開が、ミステリアスにクールに描かれていて、すごく引き込まれました。主役二人がフツーに男女だったら、陳腐な話になっていたかもしれません。危ない関係に堕ちるのが男同士ってのが、ミソで魅惑なのです。肉体的なラブシーンはないのですが、トニーとバレットの交わす会話や視線からは、曖昧かつドロドロした想いや欲情がにじみ出ていて、腐心を大いに刺激し期待を抱かせます。
 前半は、バレットの攻めがメイン。完璧な仕事ぶりでトニーの信頼を得て、静かに巧妙に自分なしではもう生活できないトニーにしてしまう。バレットのトニーへの尽くしぶりは、まさに人間の自立心を奪ってダメにしてしまう毒のようです。この献身的な召使バレットが、ほんと何を考えてるのか分からないところが、怖くて面白いのです。まず、トニーの恋人との冷ややかで熱いバトルが、腐ったYAOI心をくすぐります。慇懃に振る舞いながらも、彼女を邪魔者扱い&敵視して、さりげなく彼女をトニーから遠ざけようとしたり、彼女に関わるものをトニーの生活から消そうとしたりするバレット。彼女が動かした花瓶を元の場所に戻す、彼女が帰ったら消臭剤をスプレーするなどの行為を、コッソリやるのではなく露骨にやるわけでもなく、遠回しに確実に彼女に自分とトニーとの親密感を誇示し、彼女への反発を表明するバレット、そんな彼にイラっ&ムカっな彼女。いや~男をめぐって女と男がバトる三角関係って、やっぱ楽しいですね(笑)。でもあーいう関係の男女って、けっこういますよね。彼氏とその親友の仲のよさに腹を立てたり嫉妬したりする女とか、親友の彼女をウザがって意図的に男同士の友情を強調する男とか。反撃に出る彼女の、女としてではなく身分が上な者としてバレットを打ち負かす高慢さと冷酷さに、やっぱ女ってキツい!怖い!と、ビクビクタジタジだったバレットを見てて同情を禁じ得ませんでした。でも、そんな女の狭量さや意地悪に白旗を上げるバレットではありません。

 バレットの言動が曖昧で不可解すぎて、いろんな腐的想像妄想を掻き立てるんですよねえ。いったい彼は、何を企んでるのか。何を意図してるのか。トニーをどうしたいのか。トニーに忠実に仕えながらも、自分の情婦を妹と偽ってメイドとしてトニーの家に入れ、トニーを誘惑させたり。トニーを蔑み弄んでるのか?格差社会、階級の怨念も根底にはあったとは思いますが。一人の女を同じ家で男二人が共有してるインモラルなシチュエーションを、トニーが楽しんでる様子が不気味でした。さんざんトニーを傷つけて出て行ったくせに、泣きながら復縁を求めてくるバレットも怖かった。それを拒めないトニーも。ああ、もうこの二人、逃げられない悪縁で結ばれちゃったんだなと戦慄しつつ、二人が堕ちていく甘い暗闇を早く覗き込みたくてドキドキしてきます。
 後半は、トニーのバレットの主従逆転SMゲームがメイン。仕事もやめて引きこもりニートと化したトニーは、バレットなしでは何もできないダメ男に。バレットももう仮面は脱ぎ捨てて、トニーを世話の焼けるぺット扱いし、ドSな本性丸出しで言いたい放題ヤリたい放題。日がな一日、薄汚くなった暗い屋敷内で、二人だけの遊興に耽るバレット&トニーが、隠微で狂ってます。ほんともう生きながらに腐ってしまってる二人ですが…破滅しか待っていないと分かっていても、二人だけの世界でどっぷり溺れられるのは、愚かだけど幸せなのかもしれない、なんて思ってしまいました。

 黒執事バレット役は、ヴィスコンティ監督の「ベニスに死す」や「地獄に堕ちた勇者ども」などの名優ダーク・ボガード。御名前にぴったりなダークすぎる役でした。ほんと何もかもが黒いって感じ。黒髪も黒い瞳も、どこか悪魔の化身のよう。あの高貴な感じのする不吉さ暗さ、謎めいた知的さは、現代の俳優にはない魅力です。ちょっとキャマっぽい仕草や表情は、あながち役だけのせいとは言えないリアルさが。生涯独身だったダーク・ボガードには、ゲイだという噂が根強くあったとか。
 トニー役は、最近ではジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場」で元気な姿を見せたエドワード・フォックス。ブサイクではないのですが、ワタシ好みのイケメンではなかったので、いまいちBL萌えできなかった。そこが残念な映画でした。日本でリメイクするとしたら、誰がええじゃろ。バレットは竹野内豊、トニーは向井理、とかがええのお。
 退廃的な内容なのにクールな印象になっていたのは、モノクロの成せる技でしょうか。雨や夜の冷たさとかは、モノクロだとすごく伝わってきますよね。
 
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歌え!子連れ脱獄囚

2012-12-19 | イギリス、アイルランド映画
 「レ・ミゼラブル」
 久々の試写会♪
 19世紀のフランス。脱獄囚ジャン・バルジャンは、工場主兼市長となり人々から尊敬される人物となっていた。しかし、彼を執拗に追う刑事ジャベールに正体を見破られ、娼婦フォンティーヌの遺児コゼットとともに逃亡生活に。数年後、美しく成長したコゼットは、革命に身を投じる青年マリウスと恋に落ちる。それを知ったバルジャンは…
 「英国王のスピーチ」でオスカーを受賞したトム・フーパー監督作。
 こういう映画は、やっぱ大きなスクリーンで観たほうがいいよなあと、あらためて思いました。恥ずかしながら実は、有名な原作もミュージカルもよく知らなくて、ストーリーに関してはほぼ100%予備知識なしで鑑賞と相成ったのですが…運命、ありえない偶然、悲しい片想い、すれ違い、清純な愛、涙の死別、苦しい貧困etc.何だか韓流ドラマみたいな話と人間関係だったような。分かりやすくドラマチックなのはいいけど、スウィート&お涙ちょうだいすぎるところは、ちょっと私が苦手とする味わいでした。感動を煽る歌や音楽も、エモーショナルすぎるというか、ぶっちゃけオーバーなので、いちいち歌いまくる登場人物たちを見ていると、フツーに喋ろよ~なんて身もフタもない感想を抱いてしまった私です。ミュージカルに対して何て無粋なことを、と我ながら呆れます。
 私、ミュージカルはどちらかと言えば、ちょっと邪道系のほうが好きなんです。「8人の女たち」とか「シカゴ」とか、内容がエグくてブラックな不良系ミュージカル。この映画は、正統派というか真面目すぎる優等生系ミュージカル?だからか、返って意地悪で冷めた目でツッコミを入れてしまいたくなるんです。ご臨終寸前なのに何でそんなに力強く歌えるんだよフォンティーヌ、とか。ジャベール、コワモテな非情刑事きどってる割にはお人よしだなあ、とか。ジャン・バルジャン、怪力すぎる!とか。あと、ほとんどの台詞が歌になってたのがちょっと…無理やり歌にしてる感が拭えなくて。あと、ミュージカルといえば期待してしまう、目に楽しい華やかさやウキウキするハッピー感が皆無だったのも残念でした。貧困にあえぐ人々の悲惨な姿や生活に、暗澹とさせられます。子どもが殺されるシーンとか、もうヤメテー!です。ズタボロな風体、鬼気迫る形相で絶叫、いや歌いながら群なして画面いっぱいに迫ってくる貧民たちは、まるでゾンビみたいで怖いです。

 登場人物たちにあまり共感できなかったのも、感動に至らなかった要因です。ジャン・バルジャンは高潔な聖人すぎる。コゼットを男として愛していると気づいた彼が、もっと嫉妬や苦悩があらわにしてたら、人間的な魅力が出てたはずなんだけど。ジャベールは、ジャン・バルジャンに簡単に何度も騙され逃げられ、刑事として無能すぎる。コゼットはヒロインなのに存在感薄いし。フォンティーヌ、男を殴ったりツバかけたり、カッとなりすぎ。いちばんトホホなのがマリウスです。貧しい人たちのために革命戦士になった彼が。ブルジョアを憎んでたはずの彼が。あのラスト、何なの?!あんた、それでいいのかよ?!と呆れるやら嘆かわしいやら。仲間が草葉の陰で泣いてるよ。
 って、何だか文句ばっか言ってるけど、観るのは時間の無駄な映画では決してありません。メインキャラたちが一斉に畳み掛けるように歌うシーンや、革命へと人々が熱く団結するシーンのダイナミックさは圧巻。私が特に好きなのは、マリウスと仲間たちが決起の誓いの歌を歌うところ。レッド~♪ブラック~♪耳に残ります。あと、華やかさには欠けるものの、当時のパリの街のセットも金がかかってるなあと感嘆。
 有名スターたちが、それぞれ熱演&熱唱!
 ジャン・バルジャン役のヒュー・ジャックマンとフォンティーヌ役のアン・ハサウェイは、数年前のアカデミー賞授賞式でノリノリなパフォーマンスを披露してましたよね。あれはこの映画の予告編?とにもかくにもこの2人、見ろよ聞けよ~!オレらこんなに芸達者なんだよおおお~!!な怪気炎がメラメラと上がってて、敬服感服せずにはいられません。ちょっと力が入りすぎて、暑苦しくもあったけど…おヒューは皺が増えて、ますますクリント・イーストウッド顔になってきてるような。アン子さんは顔が派手なので、あんまし薄幸に見えません。

 セコい悪党夫婦役のサシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム・カーターが、コメディリリーフ的な楽しい珍演でした。この二人、ジョニー・デップの「スウィーニー・トッド」でも共演してましたよね。
 コゼット役は、最近売れっ子なアマンダ・セイフライド。美人ですが、目も口もデカすぎて怖い。ヒュー・ジャックマンの半分ぐらいしか背丈がなくて、意外と小柄だったのには驚きました。マリウス役のエディ・レッドメインは、イケメンなんだけど地味すぎる。イーサン・ホークをさらに地味にした感じ?マリウスよりも、彼の仲間たちのほうがイケメンだったような。特に、アンジョルラス役のアーロン・トヴェイト。

 情熱的な見た目と演技、すごく目立っててイケてました。トヴェイトくん、人気TVドラマ「ゴシップガール」にも出てるみたいですが、それよりもジェームズ・フランコ主演作“Howl”のほうが気になる!だってだって、フランコくんとゲイの恋人同士を演じてて、ラブシーンもあるんだから!
 おっと、忘れてはいけないのが、ジャベール役のラッセル・クロウ。

 ラッシー、久しぶりに見ましたが、かつてはハリウッドをスキャンダルと演技力で震撼させたオーストラリアの野獣ラッシーも、すっかり枯れたおじさんになりましたねえ。ラッシーはどんな心境で、同郷のヒュー・ジャックマンの脇役を引き受けたのか。ちょっとだけ俳優の盛者必衰と諸行無常を感じさせたラッシーですが、ハスキーな歌声はなかなか素敵でした。まだまだ枯れる年ではないと思うので、もうひと暴れしてほしいものです。

 ↑“Howl”のジェームズ・フランコ&アーロン・トヴェイト。こんなオイシイ映画が日本未公開のままだということこそ、ああ無情!です

 
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乙男VS熟女 炎の料理対決!

2012-12-16 | イギリス、アイルランド映画
 皆さま、こんにちは!日曜日、いかがお過ごしでしょうか?
 今日は衆議院投票日ですね♪私はさっき、ダミアンと一緒に清き一票を投じてきました。ダミアンももう選挙権あるのか~と、彼の成長と自分の加齢を引き比べてしまい、寒くもないのに震えてしまいました…昨日はmy sister M子の愛息ジミーの誕生日だったのですが、彼が選挙権を得る年になると私は…ひー!想像しただけで尿漏れしそうになります(汗)。
 今回の選挙、かつてないほど、この人だ!この党だ!な支持も期待もなく悩みました。メタメタ状態な日本を立ち直らせてくれそうな政治家や政党がいないのは、ほんとお寒いかぎりです。老い先の短い私など、ぶっちゃけどうなってもいい。ダミアンやジミーのような若者や子供が幸せな未来を迎えられるようになってほしい、と願いをこめて投票したのでした… 
 
 「トースト 幸せになるためのレシピ」
 料理が好きな少年ナイジェルは、愛する母亡き後に父と親密な関係になった家政婦のポッター夫人を嫌悪する。料理が得意なポッター夫人に対抗して、ナイジェルも料理の腕を磨き始めるが…
 イギリスの高名な料理研究家の自伝の映画化だとか。地味だけど楽しい、拾いもの的な佳作でした。何かに一生懸命になることで成長するストーリーって、好きです。私も何か一つでもいいから、命がけになったり夢中になれるものがあったらなあ、と羨ましいやら妬ましいやら後悔するやら、切ない気持ちになりました。今からでも遅くないでしょうか…
 情熱を傾けて人より抜きんでるよう努力し成功するには、それだけのモチベーションが必要なんだよなあ。そして、人よりちょっと不幸せなことも。芸術やスポーツで成功した偉人たちって、みんなどこか複雑で不幸な生い立ちや環境にあった人ばかりですよね。血のにじむ努力や奮起につながる貪婪さや愛憎は、ヌルいユルい幸せな人間にはないし。
 父親の愛情と関心を得るため、料理で対決するナイジェルとポッター夫人の戦いが愉快です。二人の作る様々な料理やデザートが、美味しそうで目に楽しいです。しかし。作るほうは楽しいけど、毎日毎日あんな豪勢な料理を食べさせらるお父さんが可哀想。おやじを成人病にして殺すつもりかよ!?な、ナイジェルとポッター夫人の必死さが笑えて怖いです。美味しい料理も愛情も、押し付けられる側からしたら苦痛以外のナニモノでもありません。

 ナイジェルの屈折した乙男(オトメン)ぶりが笑えます。ぬいぐるみを抱いていたり、料理が大好きなところ、女子には全然興味がなく冷淡なところなど、中身はほとんど女の子です。意地悪なクラスメートのJKどもを、料理の腕で打ち負かし感服させるところが痛快でした。ポッター夫人への反発やキツい態度など、まさに女の女に対する厳しさと嫉妬そのもの。高校生になったナイジェル、期待通りBL方向にも奔ってくれます(笑)。モデルとなったリアル料理研究家さん、どんな人なのか見てみたいです。イッコーさんとかも自伝だしたら映像化されるでしょうか。
 幼い頃のナイジェルや彼の友だちなど、子役が秀逸でした。可愛いでショ?けなげでショ?な、押し付けがましい可愛らしさが気持ち悪い日本の子役と違って、西洋、特に英仏の子役は可愛いけどクールでニヒルなので好きです。
 高校生になったナイジェル役は、ジョニー・デップの「ネバーランド」や「チャーリーとチョコレート工場」などで名子役としてならしたフレディ・ハイモア。

 おお~。ハイモアくん、大きくなったなあ。イケメンとか男前って感じの成長ではないけど、ちょっと暗めで繊細で優しそうな容姿と雰囲気は、上品な草食系男子役にピッタリ。黒目がちな瞳がきれいです。彼も早々と、英国男優なら一度は通過せねばならないBL演技を披露しています。年上青年との切ないキスシーンあり。
 ポッター夫人役は、すっかりイロモノ的な名バイプレイヤーと化したヘレナ・ボナム・カーター。ケバくて下品な、明るく意地悪なおばちゃんを珍演してます。ナイジェルを女(笑)と見なして敵意むき出しなところが、大人げなくて笑えました。そーいえば、ヘレナ・ボナム・カーターとフレディくん、「チャーリーとチョコレート工場」では母子役でしたね。
 60年代イギリスのファッションや音楽も、目に耳に楽しいです。
 
 
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シークレットガーデン⑥~⑳ 暴かれた禁断の秘園!

2012-12-10 | 韓国のドラマ
 「シークレット・ガーデン」第6話から最終話まで観ただよ…

☆イケメンのおかま演技、好きです
 魂が入れ替わるライムとジェウォン。おねえ化したジェウォンですが、ライムってこんなに女っぽいキャラじゃなかったような?ビニのキャマキャマしい演技、キモ可愛いです。
☆ビニ、病み上がりなの?
 オスカーと一緒に風呂に入るシーンで、ビニがやっと脱いだやっぱE体してますが、顔もだけど昔に比べると細くなりすぎかも。

☆茶母
 時代劇でアクションシーンのライム。おお!チェオクの剣みたい!懐かし!
☆金持ちババアVSハ・ジウォン
 ジェウォンのオモニに屈辱の罵倒攻撃を受けるライム。バリ出来、茶母、ファンジニ。何かもうハ・ジウォン、こんな役ばっかですよねえ。ばばあにビンタされて、キっと睨むハ・ジウォンの鋭い目と勝気な顔が好きです。
☆インポイケメン
 どんなにくっついてても、二人っきりでも、同衾!してても、絶対にエッチには至らない、いや、エッチなんて行為なんか存在しないかのようなライム&ジェウォン。若い男が全然ハアハアにならないなんて、病気としか思えません。って、インポ恋愛こそ韓流ドラマなんですけどね(笑)。
☆ファッションセンスが…
 セレブのクリスマスパーティに、オスカーのプロデュースで出席するライム。うう~ん?娼婦みたい…

 ↑アクションスクールの先輩(名前不明)が気になるイケメン。ぶっちゃけ、ジェウォンよりイケてるかも…

 ↑先輩役のチャン・ソウォンくん、チョンマルかっちょEじゃん!要チェキの韓流男子がまた増えました♪
☆男女入れ替わり演技が、手抜き?
 都合よく(悪く?)入れ替わったり戻ったりするライム&ジェウォン。ずっと男女入れ替わり演技するのではなく、とりあえず今は入れ替わってるってことにしておいて、みたいな感じでフツーに男女演技を通しているシーンが多くて、役者にとっては楽な手法だなあと思いました。
☆女VSゲイ!
 オスカーをめぐって、スルとサンが恋の火花?!な展開になるのかな、と期待したのですが…YOAI的には、オスカーには男に奔ってほしかったなあ。めっちゃ盛り上がってだろうに。せっかくゲイのキャラを登場させたのに、もったいない。韓国じゃTVではやっぱ無理なのかな。って、オスカーとサンじゃ見た目的には萌えないので、ま・いっか。

☆ホテルニュージャパンかよ
 閉所恐怖症のジェウォン、エレベーターの中に閉じ込められる。早朝や真夜中ならともかく、営業中の真昼間なのに、何で誰も気づかないの。前は火事にもなったみたいだし、あんなデパート怖くて買い物できない!
☆女医 
 ジェウォンの精神科医、熟女にしてはミニスカすぎ…
☆ユチョン!ジュンス!ジェジュン!
 ライムの背後に見えるポスター、あ!JYJだ!日本では活動できなくなってる三人ですが、韓国では頑張ってるみたいですね。またイルボンの表舞台に立てる日が来るでしょうか…
☆成金は悪趣味
 ジェウォンのオモニの舞踏会ファッション、もう毎回楽しみになってます。ライムに、セフルプロデュースなブローチを贈るジェウォン。あんなブローチ、貰ったら困惑ものです…
☆怖い病院
 脳死状態なライムを、外に連れ出すジェウォン。誰も気づかず誰も引き止めないなんて、ありえない~。

☆オスカーは日本でも人気の韓流スター
 日本の芸能関係者にコンタクトをとるオスカー。KARAよりたどたどしい日本語が笑えました。それにしても。実際に日本語が一番上手い韓流スターって、誰なんだろ?
☆幸せの庭
 ライムが3人も子ども産んでたのが最大の驚きでした。
★総括
 最後のほうではグダグダ同じようなことを繰り返してただけの恋愛面よりも、韓国の格差社会のエゲツなさ厳しさが面白かったです。ほんと韓国の金持ちって、品もスカもない、ついでに美的センスもないですね。
 ハ・ジウォン&ヒョンビンは、期待以上に好演してました。特にビニ、体を張ったアホ&おかま演技で、役者としての成長を見せてくれたように思えます。

 さあ、韓ドラ完観恒例、理想妄想イルボンリメイク、イってみよ~♪

 ライム…吉田沙保里 
 ジェウォン…向井理
 オスカー…藤木直人
 スル…広末涼子
 イム監督…小澤征悦
 サン…綾野剛
     ・
 キム秘書…吉村崇
 アヨン…渡辺直美
 オスカーの事務所の社長…高知東生
 オスカーのマネージャー…仁科克基
 ライムの先輩…青柳翔
 ライムの後輩…白濱亜嵐
 ジェウォンの弟…上遠野汰光
     ・
 常務…西岡徳馬
 女医…余貴美子
 ジェウォンの祖父…松方弘樹(特別出演)
     ・
 ジェウォンの母…麻生裕未
 オスカーの母…若村麻由美
 ライムの父…仲村トオル

 こんなん出ましたけどぉ~?
 ライムには若い頃の志穂美悦子がいいんだけど、今の日本にアクションができる美人女優なんていませんよねえ。もうサオリーナでいいや!
 ジェウォンは小栗旬とか市原隼人が面白いかも?と思ったけど、おかまになったムカイリーって超可愛いかも!と萌えてきたので♪
 ジェウォンの妹は弟に変更。「幸せの時間」のタイコーくんを無理やりキャスティング♪
 韓ドラ、次は何を観よっかな。とりあえず、年末はスカパーで「トキメキ☆成均館スキャンダル」が一挙放送されるので、どっぷりユチョン漬けになるニダ。ハ・ジウォンの「キング Two Hearts」も気になります。

 ついに兵役を終え、シャバに戻ってきたビニ。おかえり!ガンガン働けよ!
 
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いいなり!ドM少年の純愛物語

2012-12-09 | 日本映画
 「半分の月がのぼる空」
 肝炎で入院中の高校生裕一は、看護師の亜希子から里香という少女と友だちになってやってほしいと頼まれる。勝気な里香に翻弄される裕一だったが、彼女が重い心臓病を患っていると知り…
 お涙ちょうだいな不治の病、虫歯になりそな乙女スウィート純愛、2大私の苦手要素が見事なまでにドッキングされた映画。何度も途中リタイアしかけました。韓流ドラマもそうですが、こういう系統の映画やドラマに涙したりときめいたりするには私、未経験な汚れない年ではないし、何もかも知りつくしてるから返って夢物語として楽しめる年でもない、中途半端すぎる年なのでしょう。こういう作品を観るたびに、どっぷりと甘い世界にハマれず、冷めた意地悪な見方やツッコミしかできない自分がイヤになります。たとえば…こういう話って結局、美少女とイケメンでしか成り立たないんだろ?とか。里香がもし日馬富士みたいな女の子だったり、裕一が金正恩そっくりな男子だったら、お互い絶対恋に落ちたりしないんでしょうし、日馬富士と金正恩のラブストーリーなんて願い下げです(いや、ある意味見てみたいかも?ありきたりな美男美女の恋愛ものより面白そう…)。

 死ぬかもしれない里香が願うことが、山に登りたいだのセーラー服を着て学校に行きたいだの、学園祭の舞台でヒロインを演じることだの、何だかなあ。短い命を燃焼させるような胸に迫る必死さとか痛みとかがなくて、トホホというかイライラというか。私が里香だったら、もっと有意義に限られた時間を使うけどなあ。せっかくイケメンがそばにいるのに、もったいない。
 陳腐な内容に挫折しかけた私を最後まで観させたのは、言うまでもなく裕一役の池松壮亮に他なりません。

 壮亮くん、やっぱカッコカワイイ~ので、ひとつオマケ♪心優しく純真で、気の強い女の子に振り回される少年役は、ほとんど「とめはね!」と同じですが。里香の言いなりになって下僕のように動き回る姿は、私もこんな男の子を奴隷にしてみたい~♪というS心をソソります。
 ドMな壮亮に萌えまくりですが、やっぱ彼の基本は静かなる凛々しさです。ヘタレな役でも、それは隠せません。あどけない顔の少年なのに、堂々と毅然としてて、男の翳りや哀愁さえあって、少年らしい幼さや未熟さが感じられない。すでに老成されてる感じがする。演技力の高さが、その要因かもしれません。今回も、大げさな動きや表情をしなくても、台詞なしでも、裕一の万感の想いがこっちに伝わってくる。思わず見入っちゃうんですよねえ。やっぱ他の若手俳優とは役者が違うなあと、またまた感嘆させられました。もちろん、その可愛いけど男らしい風貌もイケまくりです。最近では「十五歳の志願兵」とか「陽はまた昇る」など、ドラマでその肉体美を披露していましたが、ほんといいカラダしてるんですよね彼。この映画ではまったく脱いでませんが、パジャマ姿でもそのガタイのよさはよく分かります。里香を後ろに乗せたバイクを走らせるシーンがあるのですが。ああ~わしも後ろから壮亮にギュっとしがみつきたい~その背中に頬を埋めたい~と、乙女な妄想を楽しんでしまいました。あと、壮亮くんは声が美しいですよね。何言ってんのか分かんない若い俳優は、壮亮くんから発声方法や台詞まわしを学ぶべき。

 ルックスといい演技力といい、ワタシ的には将来性№1な若手俳優である壮亮くん。いろんな役に挑戦してほしい。ジャ○ーズとかでもできるような役は、彼にはもったいない。ファンとしては、「愛を読むひと」とか「藍宇」みたいなのに出てほしいんだけど。今の邦画じゃ無理かな。
 里香役のは忽那汐里(最近になって、くつなしおり、と読むと知った)、CMでよく見る子ですね。クネクネネチョネチョしたブリっ子じゃないところに好感が持てますが、あまりにも健康そうで全然病弱に見えませんでした。逆に壮亮くんをダッコもおんぶもできそうな逞しさがあったよ。
 成長した裕一役が、何であの人なの。納得できん。壮亮が、あんな寝ぼけた顔のおっさんになるわけない!お人よしっぽいキャラを演じてるけど、何か意地の悪さとか計算高さを彼には感じて仕方がなんですよね。すごく苦手です。

 ↑また時代劇に出てほしいなあ。あと、三島由紀夫の「潮騒」とか。彼のフンドシ姿を妄想してる私は、ほとんどエロおやぢ(汗) 
 ちなみに壮亮くんの新作は、吉田修一原作の「横道世之介」です。
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コノヤロー!!

2012-12-03 | 日本映画
 トンネル崩落事故…まさに絶句するしかない惨事が、年の瀬になって起こってしまいました。亡くなられた方々のご冥福と、負傷された方々の一日も早いご回復をお祈りします…
 私も最近、車で通勤してるのですが…家から職場まで長いトンネルを幾つも通過せねばなりません。いくら安全運転しても、崩落なんて避けようがない。注意しても回避できない不運や悲劇が、世の中にはあふれていますよね…

 「アウトレイジ」
 ビートたけしこと北野武監督作品を、初めて観ました。
 関東裏社会を牛耳る山王会は、麻薬で稼ぐ村瀬組を疎ましく思い、そのシマを狙っていた。山王会の傘下にある大友組は、罠を仕掛けて村瀬組壊滅に成功するが、それは山王会内部での熾烈な抗争を勃発させることに…
 すごく面白かったです!もともとヤクザものが好きなこともあり、男たちの血で血を洗う死闘にはドキドキ&ワクワクさせられました。最近はヌルいユルいTVドラマばかり観てるせいか、その激しさや凶暴さは返って新鮮でした。本当は善い人とか可哀想な人、といったキャラが皆無で、みんな黒い野望まみれ、私欲まみれなところが潔くもあった。
 ヤクザ世界のヒエラルキー、ピラミッド構造が明確かつ残酷に描かれていたのが、大変興味深かったです。上には絶対服従、下は人間以下な扱い。徹底した上意下達は、いかにも日本らしい、昔の封建制度そのものです。地位によって態度や言葉づかい、意思まで厳格に目まぐるしく変えなければならないところは、現在のサラリーマン社会にも通じるように思えました。山王会の会長を頂点に、右腕の加藤→寺元組組長の寺元→若頭の小沢→大友組組長の大友→若頭の水野→子分ども、と上下関係が命がけの体育会系なノリ。思惑や不満、憤怒や妬みがドロドロと渦巻いています。上に怒られたり理不尽な命令をされたり侮辱されたりしたら、そのシワ寄せは必ず下に順番に降りてくるところなど、非道すぎて笑えました。銃や刃物で暴れるより、人間関係のほうが大変そうでした。血まみれで死ぬ前に、ストレスで胃に穴が空きそうなヤクザたちでした。

 任侠を重んじる熱い武闘派昭和節ヤクザと、クールで合理的で狡猾な陰謀派政治家系ヤクザとの対比も面白かったです。ヤクザ映画といえばの残虐なヴァイオレンスシーンは、かなりホラーだけどスタイリッシュな工夫があって楽しめます。特に水野の最期は、悲惨すぎてインパクト強烈。
 この映画、笑えるシーンもたくさんあります。村瀬とかアフリカの某国大使の黒人とか、明らかにお笑いキャラ。お笑いを忘れないたけし、好きです。そのビートたけしが、演出だけでなく不器用な昔堅気なヤクザ大友を熱演してます。たけしといえば、大久保清とか千石イエスとか金嬉老とか、実在の犯罪者を演じた彼も忘れがたいですね。
 キャストがシブくて魅力的でした。普段はヌルい映画やTVドラマでやっつけ仕事してる俳優たちが、ここぞとばかりに生き生きと楽しそうに激演してます。
 抗争の元凶となる寺元役の國村準、シブくて硬派な彼しか見たことがなかったので、その下劣で軽薄な演技はかなり強烈でした。村瀬役の石橋蓮司は、助演男優賞ものの珍演。小沢役の杉本哲太、今まで見た中で一番男前だった。水野とのシーンで一瞬、何とも言えない表情を見せ、やっぱ彼って演技うまい!と感嘆しました。悪賢い経済ヤクザ石原役の加瀬亮は、濃ゆいオヤジどもに混じってると、さすがに可愛いらしかったです。
 いちばんイケてたのは、水野役の椎名桔平。

 いい役もらいましたね、きっぺい。あの衝撃作「永遠の仔」以来の快演と男前ぶりでした。すぐにブチキレる狂犬ぶりも、ふてぶてしい不敵な笑顔も素敵でした。ヤク売人のラーメン屋の頭に箸を突き刺すシーンの彼、超怖いけどカッチョE!スーツが似合ってて、スラっと着やせしてるけど脱いだら肉厚でセクシー。彼だけ軽くベッドシーンあり。
 それにしても。罵倒合戦もこの映画の見所のひとつなのですが、みんな何かと言えば『この野郎!!』を常套句にしてるのが笑えました。観終わった直後は、伝染して思わず口にしてしまいそうになるので要注意!
 続編の「アウトレイジ ビヨンド」早く観たい!

 
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あんたってさぁ、ほんとヤな女よねぇ

2012-12-02 | 日本映画
 早いもので、もう師走!
 何かほんと、光陰矢のごとしですね。去年の今頃のことなんて、ついこないだのように思えて当惑。仕事中の一時間はなかなか過ぎないのに、一週間一か月一年は、気付けばもう…
 着てはもらえぬセーターを編んでしまいそうになるほど、日ごと寒さが募りますが、皆様はいかがお過ごしですか?
 わしは、身体的にも精神的にももう若い子と遊ぶのは限界に達し、今はひっそり静かに平穏な孤独をエンジョイしてます。寒いしメンドいし、仕事以外はすっかり引きこもり状態です。ますます独り上手になっていく私♪
 最近、いい年こいて漫画にハマってます無聊を慰めるには、ほんと最適な方法です。今は東村アキコの「海月姫」にズッパマリ。
 
 岡田あーみんを彷彿とさせる笑いがツボです。絵も可愛いし。職場の後輩オススメの「ハツカレ」も、キュンキュン系でハマってます。あと、韓流ファン心をナニゲにくすぐる「女帝 由奈」も、続きが気になって生活に支障が。
 どうせ今年のクリスマスも正月も独りぼっち♪皆さま、孤独を紛らわすための面白い漫画とかあれば、ぜひオススメください
 あ、でも、映画も観に行きたいです。007だけは、何とか年内に…


 「疑惑」
 こないだのスペシャルドラマが消化不良気味だったので、映画版を再観しました♪
 子どもの頃、TVで初めて観て、かなりトラウマになった映画です。
 まず、夜の海にいきなり車が死のダイブ、というショッキングなオープニングが第一のトラウマ。今でも夜の海沿いを走ると、運転手のことが怖くなって助手席で落ち着きを失ってしまいます。
 トラウマその二は、毒々しい二人の女。ヒロインと呼ぶにはあまりにも禍々しくて恐ろしい、被告人球磨子&弁護人佐原のキャラと見た目は、女って化け物!という真実を、汚れなき私の幼心に植えつけたのでした。
 とにかくこの映画、主演の桃井かおり&岩下志麻が強烈すぎて、お話がどうでもよくなってしまいます。二人とも、ほんと女のイヤらしさMAXで、ほとんどホラーに近いんだけど、非道すぎて返って痛快爽快でもあるんです。2大女優が、それぞれに真逆な女のイヤらしさ、怖さ、悲しさを、その強烈な個性と演技で表現し、観るものを戦慄せしめ、圧倒、そして魅了します。
 まず、球磨子役の桃井かおり。まさに、一世一代の毒婦ぶり!

 邦画史上最凶最高のズベ公演技です。人もなげな人を食ったふてぶてしさと下品さ、誰にも飼い慣らせない野良メス犬な凶暴さ奔放さは、悪女というより獣女って感じです。球磨子の、法廷の中でも外でもやりたい放題、言いたい放題、傍若無人な暴言暴挙は、ほんと憎々しく忌々しい。『あんたみたいなのをさぁ、ペン乞食っていうのよぉ』『このチンコロが!』など、球磨子語録が冴えまくってます。有害すぎる球磨子ですが、その誰にも媚びない“これがあたいの生きる道”な彼女の外道キャラは、チマチマと他人の顔色をうかがって生きてる私には、悪い意味でまばゆく憧れてしまう個性でもあります。かったる~い、シラケた喋り方や表情は、まさにTHE 桃井かおり!かおり節炸裂で、思わずマネしてしまうカッコよさです。この映画の桃井かおりの素晴らしいところは、確実に笑いを狙ってるところ。球磨子と検察側の証人とのやりとりは、この映画をミステリではなく絶妙な喜劇にしてます。証人たちのボケに、球磨子のシラけた、時に過激なツッコミが入る、みたいな。

 証言台には、山田五十鈴、三木のり平、名古屋章など、今は亡き名優たちが立ち、短い出番ながらもインパクトある存在感を残します。証人役の中で最も美味しい役だったのは、球磨子の元情夫役の鹿賀丈史。そのチープすぎるチンピラっぷりと、どこか憎めないスットボケた演技が笑いを誘います。彼と桃井かおりの法廷つかみ合いバトルは、ほんと笑えます。
 この映画が素晴らしいのは、金や愛でトチ狂う人間の愚かさや悲しさを嗤う、ブラックなユーモアが充満してるところ。どの登場人物も、ああ人間ってホントどうしようもない生き物だなあ、と自嘲をさせてくれます。
 そして、何といっても佐原役の岩下志麻。彼女も桃井かおりに負けず劣らずイヤな女を名演してます。

 冤罪かもしれない被告人を救う正義の味方、なはずなのに。あの人を完全に見下しきった態度、常に上から目線な物言い、球磨子じゃなくてもムカつきます。能面のような無表情、カエルを睨むヘビのような目つきは、冷酷で威圧感ありすぎで怖いです。球磨子や証人を冷ややかに高圧的に攻める姿には、人としての温もりや思いやりなどかけらもなく、頭が良く美しくてもこんな女にはなりたくない、と心底思わせるものがあります。生活感や庶民感など微塵もない、気圧されてしまう岩下志麻の氷の美貌とオーラは、まさにthe 女優。彼女みたいな女優は、もう絶滅しちゃってますよね。
 何もかも正反対のようで、冷酷で利己的、誰も愛さない愛せない女、というところはとても似ている球磨子と佐原、ある意味同族嫌悪、だからこそ絶対に一瞬たりとも相容れない、というところが面白い二人です。ラストのワインぶっかけ合いシーンは、邦画史上に残る名シーンです。
 
 
 
 
 
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