まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

KKK★アメリカファースト

2019-05-27 | 北米映画 15~21
 「ブラック・クランズマン」
 1979年のアメリカ。コロラドスプリングの警察署で黒人初の警察官となったロンは、白人至上主義集団クー・クラックス・クラン(KKK)への潜入捜査に抜擢される。ロンと相棒のフリップは二人一役で、KKKのメンバーとの接触を試みるが…
 昨年のカンヌ映画祭でグランプリ、今年のオスカーで脚色賞を受賞した名匠スパイク・リー監督の新作を、やっとこさ観ることができました~。評判通り、すごく面白かったです!とっても強烈でゴキゲンな快作でした。映画ってやっぱ、楽しい!面白い!が最重要ですよね。あと、驚きと刺激が加われば無敵。もうね、最近は誰が観てもOKなユルいヌルい無難映画ばかりなので、この作品はまさにキノコ狩りでマツタケ発見したかのような僥倖です。数々の問題作を世に放ち、物議を醸してきたスパイク・リー監督。一貫してアメリカに巣食う黒人差別を糾弾する映画を撮り続けてる彼の作品中、この新作はかなり異色と言えるのではないでしょうか。今回もコッテコテでガチガチの黒人差別糾弾映画なのですが、かなり笑えるんですよ。コメディ仕立てになってたのが、まずもってスゴい特色です。

 もう見るに耐えない、聞くに耐えない非道すぎる黒人差別をコレデモカ!と突きつけられるのですが、心が痛んだり暗くなったりする代わりにプっと笑えるシーンや台詞が満載。深刻で重い内容なのに、軽やかなシニカルさとポップなノリのおかげで、凡百な差別告発映画とは違う愉快痛快な問題提議映画になってました。声高に過激に激怒する告発調から、アメリカの暗部・恥部を嗤う余裕へと成熟したスパイク監督です。とにかくこんな映画、日本では絶対に作れません。 

 KKKの連中のイカレっぷりを、徹底して滑稽に描いているのがコメディ色を濃ゆくしています。スパイクさん、KKKをディスりまくり。出てくるKKKメンバー、そろいもそろってアホバカ。狂ってるとしか思えない思考回路や言動なんだけど、暗い狂気なんてカッコよさは微塵もありません。悪ではなく愚者として描かれていた差別主義者たち。それが返って監督の激烈な嫌悪と蔑みを浮き彫りにしていました。フリップと親しくなるKKKのメンバーが、魅力も共感も感じさせないけど個性的で笑えるキャラばかり。特に疑い深いフェリックスと、見るからにノータリンなアイヴァンホー、フェリックスのデブ嫁が笑えた。彼らの口汚すぎるトンデモ差別用語も非道すぎて、一周回って笑えました。特に冒頭の政治家?のおじさんの演説、もう笑うしかない頭のおかしさ。このおじさん、完全にあの人とカブります。

 笑えると同時に、もちろん戦慄も。こんなイカレた連中に支持されているレイシスト大統領の存在に。白人以外は汚物同然だと信じてるトランプさん、どんだけ我慢して阿部首相と仲良く握手やゴルフしてるんだろ、と同情さえしちゃいます。トランプさんもですが、白人至上主義者って強い憎悪や嫌悪があって差別してるわけじゃなさそう?交通ルールや社会常識を守ってるに近しい軽さが、返って怖いです。黒人側にある溶けない憎悪や怒り、頑なな警戒心と猜疑心もまた深刻で、歩み寄りの困難さだけは笑えませんでした。
 主役のロン役は、名優ゼンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン。

 若い頃のパパほど美男ではないけど、おおらかさとふてぶてしさを併せ持った男らしい面構えが素敵。パパよりどっしりした恰幅のよさも、頼もしさ抜群。何かすごく可愛く見えてしまう愛嬌ある表情や仕草など、パパよりもコメディの才を感じる好演でした。アフロヘアとカラフルなファッションもオシャレでした。現在34歳のジョン・デヴィッド、嵐とかと同世代なんですね~。若々しいけど大人っぽいところが、嵐と真逆ですね。
 ユダヤ人のフリップ役は、スターウォーズシリーズのカイロ・レン役で日本でも人気のアダム・ドライバー。彼はこの作品で、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。

 アダムさん、ぜんぜん大熱演なんかしてないのに、ほぼ無表情なのに、すごいインパクト。演技に見えない演技の名手ですね。ドキュメンタリーの中の人物みたいなリアルさ自然さだけど、無音な不気味さ、不穏さがジワジワ…ゴゴゴゴ…と出ていて、はっきり異常者よりヤバい雰囲気。風貌も独特。イケメンなんだけどヘンにも見える小顔と、ヌオオオ~っと威圧感ある巨体のアンバランスさも奇妙で個性的。危険な任務は主に彼の担当だったので、見せ場も主演のジョン・デヴィッドより多く、KKKになりきってる姿はマジで洗脳されたのでは?と不安になるほどの迫真の演技でした。

 ↑このラストシーン、すごい好き!それにしても。カッコいいけどアフロヘアって大変そう!
 ロンとフリップのコンビに、ベタな友情や悩みを盛り込まず、サラリとした仕事仲間で終始していたのも、ありがちな刑事ドラマにらなずにすんだ要因。ミュージックビデオみたいな斬新な演出、そして音楽も秀逸で、サントラが欲しくなりました。やっぱり出てきた!なトランプさんや、シャーロッツビル事件など、実際の映像を使ったラストが、ポップで軽快な本編とギャップのある重さ痛ましさで、アメリカの今をあらためて憂慮せずにはいられませんでした。

 ↑ SWの最新作公開が待たれるアダムさんの新作は、先日カンヌ映画祭でお披露目されたジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画“The Dead Don't Die” です。ジョン・デヴィッドはクリストファー・ノーラン監督の新作に主演!アゲアゲな二人です

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腐女コク③~⑤ 好きなんでしょホモが

2019-05-20 | 日本のドラマ(連続)
 「腐女子、うっかりゲイに告る」の第3話から5話まで観ました~。

☆お勉強デート
 三浦さんと付き合うことになった純。彼女とファミレスで一緒に楽しく試験勉強。いいですね~。憧れます。高校生の頃は、そういうの全然したくもなんともなかったけど、年老いた今はラブホや自室でエッチよりも、図書館やカフェで彼氏とお勉強のほうがイイネ!と思います。でも私、静かな環境でないと集中できないので、たぶん公共の場で勉強は無理
☆LGBT環境に恵まれてる
 純がマコトさんと待ち合わせに使ってるカフェの店長は、イギリス人のレズビアン。演じてるの誰?すごい不自然な演技でコントみたい。純の年頃の同性愛者って、かなり孤独な立場になりがちだと思うのですが、純はマコトさんやミスターファーレンハイト、レズビアン店長とか、身近に自分を理解してくれる人たちがいて、独りで苦悩してる感じは薄いです。

☆隠れゲイ
 ノンケのふりして生きようとするゲイを、卑怯なコウモリと自嘲するミスターファーレンハイトの台詞がイタい。
☆乳もみ練習
 肉まんをおっぱいに見立てて、モミモミしながら『勃て、勃て!』と念じる純、その必死な様子は悲壮で痛ましく、まったく滑稽ではありませんでした。
☆彼死
 ミスターファーレンハイトの恋人が、エイズで死亡。ひと昔ほどエイズは死病ではなくなってるようですが、それでもゲイにとっては今も大きな十字架…

☆修羅場温泉
 三浦さんと純、三浦さんの腐女子仲間とその彼氏とで日帰り温泉ダブルデート。酔った腐女子仲間が、ふざけて自分の彼氏と純のBLポーズを執拗に強要。こんな腐女子、ありえんわ~。

 なぜか温泉にマコトさんも家族と来ててビツクリ。どうやら純、知っててわざと鉢合わせ。『当てつけだよ』と微笑む純、かなり小悪魔。純はマコトさんのことが本気で好きなのか、それとも性欲処理なのか、かなり曖昧なのが何か釈然としないんですよね~。

 三浦さんと付き合うことにした直後、あっさりもう会わないと言ったり。そんなにマコトさんのことで苦しんでる風もないし、気軽に偶然を装って再会したりと、どういうつもりなのか、どうしたいのか純の真意が解からない。

 ミスターファーレンハイトの遺書メールにショックを受けた純を慰めるマコトさん。二人は抱き合ってブチューと濃密なキス。それを目撃し、純にどーいうこと?!と詰め寄る三浦さん。あのさー何でそんなところで男同士がキスするの?堂々とカミングアウトしてるゲイだって、そんな人目のつくところでキスなんかしませんよ。純の『いいじゃん。好きなんでしょホモが』という台詞と表情が、虚しすぎて悲しすぎて…三浦さんの受難は、BLを面白おかしく楽しんでいた腐女子への、皮肉で手厳しい罰のようにも思えた。
☆学校も修羅場
 亮平くんから三浦さんを盗ったと、何かと純をネチネチ責める小野くん。仲間内では唯一の非童貞で、背が高くて彼女もいるモテ男な小野くんですが、前から妙に亮平くんに執着してるのが怪しい。純に刺々しく絡む小野くん、『亮平のことが好きなんだろ』と純に指摘され動揺する様子が、語るに落ちた感じでした。亮平くんも小野くんもノンケなんだけど、仲が良すぎる男同士って男女間以上の独占欲や嫉妬でモヤモヤすることも。亮平くんと小野くんが私好みのイケメンだったらな~と、毎回惜しい!

 純がゲイであることを知った小野くんは、それを学校で言いふらし、純に対してぎこちなくなるクラスメート。昔なら即いじめ、無視が待ち受けてるところですが、さすがに現代ではそれはない、けど、あの困惑による居心地の悪さも十分つらい。小野くんの攻撃的な罵倒、蔑みよりも、亮平くんの必死すぎる気づかいのほうがダメージでかい。言葉とは裏腹に、スキンシップを一切しなくなったことが、亮平くんの本音をよく表してました。いくらLGBTがオープンになってきてるとはいえ、私の住んでる田舎なんか小野くんみたいな人ばっかですよ。
★総括
 想定外のシビアでリアルな内容。腐女子向けのライトなファンタジーにせず、ゲイの生きづらさ、性的な悩みもちゃんと描いてるところが、おっさんずラブとの大きな違いです。
 心では愛せても体は愛せない、というゲイ×女の関係もイタくて切ないです。三浦さんを利用して“フツー”になろうとした純の卑劣さも、すごく悲痛。ゲイを愛してしまった女の悲劇、苦悩にも興味あるので、三浦さんが今後どう動くのかも気になります。三浦さん、いい娘なので傷ついても女ってやっぱ強い!カッコいい!な結末を迎えてほしいです。不自然なご都合主義ハッピーエンドだけはやめて!

 ↑ マロ~「おっさんずラブ」劇場版、観に行こうかどうか迷ってますが、マロにまた会いたいし蝶子とどーなったか気になるので、やっぱ観に行こうかな

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The Romanoffs ①~④

2019-05-19 | 欧米のドラマ
 amazonのドラマ「ロマノフ家の末裔 それぞれの人生」第1話から4話まで観ました~。全8話。長々しい連ドラは苦手ですが、これは1話完結のオムニバスだったので、集中力と持続力がない私でも観ることができました~(^^♪
 ロシア革命で処刑された皇帝ニコライ2世一家を描く大河ドラマかと思ってたのですが、ぜんぜん違ってました。ロマノフ家の子孫だと信じてる人々を通して、現代的な人間関係や社会問題を炙りだす悲喜劇、ブラックコメディ調のドラマでした。
 第1話「ヴァイオレット・アワー」
 パリで暮らすアメリカ人のグレッグは、ロマノフ家の末裔だと称している金持ちの伯母マヌシュカの気難しさに辟易しながらも、彼女の遺産相続人になるために機嫌をとっていた。そんな中、新しい家政婦として派遣された若く美しいイスラム系の女性アジャルに、アヌシュカは難色を示すが…
 パリの意地悪ばあさんなアヌシュカの、イヤミや毒舌、あてこすりが笑えた。イスラム人はみんなテロリスト、女は多産で男はみんな複数の妻がいると本気で信じてる差別偏見が、トランプさんを支持してるアメリカ人とカブって皮肉な笑い。フツーの人なら速攻で辞めるか殴るかだけど、何を言われてもクールにスルーし、自分のペースでテキパキ仕事をこなすアジャルの忍耐強さ、賢さが素敵でした。二人の女性が、世代も人種も階級も超えて親密になってゆく姿が、ユーモア&ペーソスでもって描かれていました。

 アヌシュカがアジャルに遺産を遺さぬようにするため、アジャルを誘惑するグレッグが最低なゲス男なんだけど、ラストの痛快で優しいドンデン返しのおかげで後味は良かったです。
 アヌシュカ役はスイス出身のベテラン女優マルト・ケラー。デヴィ夫人をクール&エレガントにした感じの美老女。シャキっとした姿勢の良さ、ほっそりしたスタイルの良さ、趣味の高いファッションで、老いさらばえ感ゼロでした。グレッグは美男子という設定だったので、ブサイクじゃないけど地味なアーロン・エッカートはミスキャストだったのでは。アーミー・ハマーとかならピッタリな役。でも、素朴でおおらかなアメリカ人らしい風貌は、返ってパリの街ではカッコよく見えました。アジャル役のイネス・メラブが、すごい美人で可愛かった。パリの街並みも、観光プロモーションフィルムみたいに美しく撮られていました。

 第2話「空しい望み」
 陪審員に選ばれたマイケルは、美しい人妻ミシェルに心を奪われ、彼女に近づくためわざと裁判を長引かせる。マイケルの妻シェリーは、仕方なく独りでロマノフ家の末裔クルーズツアーに参加するが…
 中年ハゲおやじの下心丸だしな浮かれた言動が不快!ミシェルへの執着もほとんどストーカーでキモかった。陪審員裁判って、あんな風に簡単に一人のメンバーの身勝手な都合で左右されちゃうのもありえるんだよな~と、日本の裁判員制度について考えさせられました。悲劇で喜劇な結末が皮肉でした。ゴージャスなクルーズ船に感嘆。私もあんなリッチな船旅がしてみたい。船内の催し物が、楽しいけどバカバカしくもあって、これもすごい皮肉だった。

 第3話「栄華の果てに」
 ロマノフ家の最期を描くドラマの撮影に参加するため、アメリカ人女優のオリヴィアはオーストリアの田舎にやって来る。元女優のフランス人監督ジャクリーンやスタッフの、どこか不可解な態度に戸惑うオリヴィアだったが…
 イザベル・ユペールが大暴れ!ヤバいイカレ女を毒々しくエキセントリックかつ、のんしゃらんとスットボケ怪演。しらじらしい表面的すぎる親切や物分かりのよさで油断させといて、いきなり別人のように意地悪で冷酷な鬼女の正体を現す二重人格なユペりんが笑えた。俳優たちへのモラハラパワハラ演出シーンとか、レストランでの怨霊にとり憑かれた?イタコ演技とか、楽しそうでノリノリ。正気なのかコワレてるのか判らない言動は、オリヴィアだけでなく視聴者をも惑わします。小柄で華奢だけど、ものすごい存在感。アメリカのテレビ俳優が、同じ土俵に立って互角に渡り合える相手ではありません。

 テレビドラマの撮影風景が、興味深く描かれていました。役者さんもスタッフさんも大変そう!オリヴィアやジャクリーンに起きる怪奇現象?霊体験?は本物?それとも幻覚妄想?オカルト?ニューロティックもの?と思わせて、実は…なオチと皮肉な結末も楽しいです。
 第4話「秘密の重さ」
 ニューヨークの裕福な人妻ジュリアは、娘のエラの出産を間近にし悩んでいた。エラの実父は夫ではなく、元恋人の作家ダニエルだという秘密を、長年ジュリアは抱えていたが…
 ジュリアを筆頭に、みんなギスギス刺々しくて不愉快でした。アメリカ人を含め西洋人って、他人に対して無神経で意地悪なところが、東洋人よりも露骨ですよね~。ジュリアの、夫や娘の舅姑、お医者さんに対するものの言い方とか、カフェでのジュリアをバカにしたような若者たちの態度とか、イヤな人たちだな~と思った。ジュリアの思いやりのない、自分本位な生き方と性格に不快になるだけの話でした。ニューヨークの街並みや高級デパートなどは目に楽しかったです。
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過去に書いたゲスレター

2019-05-12 | イギリス、アイルランド映画
 日曜日は庭いじりなどしてのんびり過ごしました~
 春の花はすっかり盛りを過ぎて、見苦しく枯れ始めているのが何だか人間とカブって切ないです。

 カンパニュラとジギタリスが咲き始めました。大好きな花。初夏の庭のレギュラーです。

 春のレギュラーのキンギョソウ、矮性スイートピーの可憐な風情が好き。

 職場の人にすすめられて育ててみたスナップエンドウ。畑と違ってプランターだと大きくならず収穫も少なかったけど、甘くて美味しかった!

 この奇怪な植物は、ウラシマソウという山野草です。去年芽が出てこなかったので枯れたのかなと思ったら、今年は元気に姿を現してくれました。
 ガーデニングって癒されるけど、めんどくさくてストレスにもなりますね~。夏のお花や野菜を枯らさないよう頑張らねば…

 「ベロニカとの記憶」
 ロンドンでカメラショップを営む老人トニーは、学生時代の恋人ベロニカの亡くなった母が彼に遺した日記を、ベロニカが処分したことを知る。トニーはベロニカと再会を試みるが…
 「終わりの感覚」という小説の映画化だそうです。イギリス映画といえば、上流一家の優雅な生活とか男子高校でのBLですよね~。その美味しいエッセンスがかなり薄口だったのが物足りなかったです。それは、ベロニカ一家が富豪でも貴族でもない小金持ちレベルで、期待させながらも結局はBLドラマではなかったから、でしょうか。もみじまんじゅうを食べたら中にアンコが入ってなかった、みたいな感じというか。

 物足りなさよりも、主人公のトニーが何かイヤな感じのジジイだったのが残念。基本的には善い人なのですが、かなり無神経でマイペースすぎる言動が不愉快でした。冷酷で身勝手な悪人よりも、返ってタチが悪いです。本人には悪意も他意も全然ないので、怒って責めることもできないですし。そういう困った善人、実際にもいますよね~。トニーの元妻や娘へのKYな対応にイラっとしました。みんな怒っても仕方がないと諦めてるのか、すごく寛容な接し方してたのがエラいな~と感心。人のことにはほぼ無関心で、自分ことばかり話すトニーって、ちょっとアスペルガーなのかなとも思った。ベロニカを尾行する姿はほとんどストーカーで気持ち悪かった。若い頃のトニーが書いた、自分をフったベロニカへの腹いせゲスレターとか最低。ベロニカを含め、みんなトニーに優しすぎる。

 エイドリアンが自殺した理由とか、意味ありげなベロニカ一家の関係とか、ミステリーなところは面白かったけど、思わせぶりだったわりには全然フツーな真相で、返って驚いてしまいました。もっとドロドロと衝撃的な家族の秘密にしてほしかった!ベロニカの兄ちゃんとか無駄キャラすぎ!
 内容はビミョーでしたが、キャストは豪華じゃないけどイギリス映画ファンには嬉しいシブいメンツがそろってました。トニー役は、「アイリス」でオスカーを受賞した名優ジム・ブロードベント。役は不快でしたが、ブロードベント氏の見た目は素敵おじさまでした。一般人爺さん役にしてはカッコいいです。全然ヨボヨボしてないし。佐○健とブロードベントおじさんだったら、迷わず後者に抱かれるわ。
 ベロニカ役のシャーロット・ランプリングは、中盤になって登場。相変わらずクールでシブい。これ見よがしな熱演なんかしないところが好きです。枯れた風貌になっても男に色目を使われる役も、ランプリングおばさまならでは。ブロートベントおじさんとは、「ロンドン・スパイ」でも共演してましたね~。

 自殺したエイドリアン役は、「女王陛下のお気に入り」での好演も記憶に新しい、最近売り出し中のジョー・アルウィン。制服男子、メガネ男子で可愛かったです。若い頃のトニー役の俳優、もうちょっとイケメンにしてほしかったです。ベロニカの兄役は、これまた「ロンドン・スパイ」にも出てたエドワード・ホルクロフト。ジェームズ・フランコをブリティッシュ化したような感じのイケメンで、ワケアリな役が似合う俳優。トニーやエイドリアンを誘惑するゲイの役なのかなと期待させといて、いてもいなくてもいいようなチョイ役だったのでガクッ。イケメンといえば、トニーの高校の教師役でマシュー・グードも出演してますが、これまたチョイ役。ベロニカの母役のエミリー・モーティマーがミスキャスト。もっと色っぽい美熟女女優に演じてほしかったかも。ベロニカの父役は、ぜんぜん気づかなかったけどジェームズ・ウィルビーだった!あのモーリスが、誰だか判んないほどフツーのおじさんになってて悲哀…
 ベロニカ一家の別荘がある田舎の風景はもちろん、ロンドンの街並みもイギリス好きには楽しめます。トニーがベロニカと再会するグラグラ橋とか、もしまたロンドンに行けたら訪ねてみたいです。


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お手伝いさんは見た!

2019-05-06 | 南米映画
 「ROMA ローマ」
 1970年のメキシコシティ、ローマ地区。医者のアントニオ一家宅で住み込みの家政婦として働くクレオは、恋人の子どもを身ごもっていることに気づくが…
 今年のアカデミー賞で、監督賞、外国語映画賞、撮影賞の三部門を受賞したnetflix映画。映画は劇場でかネット配信でか、という論争の火種となった映画でもあります。公開後、かつてないほどの大絶賛の嵐を巻き起こした話題作。映画ファンなら鑑賞マストとは思いつつも、有名スターは一人も出ておらず、お話も私好ではないので、netflixに加入してまでは…とスルーしていたのですが、突然広島でも劇場公開が決定し、タイミングがいいことに映画の日が休みだったので、それならばやっぱ観ておこうと映画館へ。GW中ということもあってか、すごい盛況!あと一歩遅ければ満席でアウト!になるところでした。いったいどんな傑作なのかしらん?いや、あまり期待はするまい。世間の傑作が私にとっても傑作になるとは限らない。私のような低能ミーハーには敷居の高い、意識高い系映画ファンの方々向けの高尚なゲージュツ映画、つまり気取った退屈な映画!過大評価を嗤うことになるだろうというヒネクレた予想は、見事にハズれました。評判通り、とっても佳い映画でした!

 お話じたいは特殊なことが起きるわけでもなく、特異な登場人物が出てくるわけでもなく、クレオの家事や子守や友達付き合いをする姿を淡々と静かにカメラで追ってるだけで、しかも3時間近くもある長い映画とくれば、通常なら私にとっては苦痛以外のナニモノでもないはずなのに、あら不思議!ぜんぜん退屈しなかったし、ラストなんか不覚にもホロっと涙腺が緩んでしまった。決して感動を押し付けてくるお涙ちょうだい映画ではないのに。なぜグイグイと惹きこまれ、あまつさえ感動してしまったのでしょうか。

 意識高い系映画ファンの方々のように、ここがスゴいから!と的確に指摘はできないのですが。やはり映像と演出の成せるわざでしょうか。まさにマジカルでした。何でもないように見えることが、この世で唯一無二な宝物であることに気づかせる魔法のような映像と演出なんて、やはり凡百な監督には不可能。この映画で2度目のオスカー監督賞を受賞した(外国語映画では初の快挙?)アルフォンソ・キュアロン監督は、やはり傑出した才人ですね~。
 モノクロ映像なのですが、古いクラシック映画とかでなじみがある白黒とは何か違うんですよ。清冽な白黒というか。色がないのに鮮やかな印象。人々や街、自然の動きを追うカメラワークは、観客に映画の中へと入り込んでしまったかのような感覚を与えてくれます。暴動シーンや海のシーンなど圧巻のダイナミックさで、ネットでよりも映画館で観るべき映画だな~と思いました。サスペンス映画でもアクション映画でもないのに、緊張感と緊迫感あるシーンにハラハラも何度かさせられました。暴動シーン、クレオが無事赤ちゃんを産めるかどうかな病院のシーン。そしてラスト近くの海のシーンには、え!やめて!最後の最後になってまさか悲劇が?!と、すごい気をもまされました。そういう観客を翻弄する演出も秀逸。空を飛んでる飛行機とか、背後に映ってるものが話とは関係ないのに何か気になってしまう、というシーンも多かった気がします。
 
 ほのぼのと温かいユーモアも、この映画の魅力でしょうか。笑えるシーンもたくさんあって、車の車庫入れシーンとか(車の扱い方が雑すぎ!)武術の先生とか、いい味だしてました。登場人物たちもみんないい味。ゲス人間は出てくるけど、悪人は一人も出てきません。クレオも出しゃばらないカワイコぶらない、でも優しさと真摯な献身にあふれたヒロイン。市原悦子みたいにのぞき見なんかしません。悩みや痛みを抱えても、ヘンにドラマティックに振る舞ったりしないところが良かったです。クレオが仕える一家は、騒々しくもイキイキとしていて、私もあんな風に仲良くケンカしてみたかったな~と羨ましくなりました。子どもたちは元気ありすぎ!だけど可愛かった。三兄弟は、将来イケメンになりそう。監督の少年時代を題材にしてるらしいけど、末っ子が監督なのかな?

 ママが超いい人!ちょっとキツい言動もするけど、気風と気前がよくてサバサバした男前マダム。身分は違えど、同じ女性であるクレオへの、決して上から目線ではない思いやりや労りが感動的でした。クレオ、あの一家が雇い主で本当にラッキーでした。「沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇」のブルジョア一家&家政婦に、この映画を観せてやりたいです。フランスのブルジョアと違い、メキシコのブルジョアは生活感ありすぎ。ゲス野郎なパパとクレオの彼氏も、最低男なんだけど何となく滑稽なキャラでもあったおかげで(デカいイチモツをブラブラさせて武術の練習してる彼氏が笑えた)こんな男いるいる~と、不快感よりも親近感。あと、犬も笑えます。ウンコしすぎ!当時のメキシコの、不穏な社会情勢や格差社会も興味深く描かれていました。社会派映画的な告発調じゃないところも、この映画の美点。

 ↑ アルフォンソ・キュアロン監督、俳優顔負けの男前。「天国の駅、終わりの楽園。」とかまた観たくなってきました(^^♪
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これでおしまいヒーロー大集合

2019-05-01 | 北米映画 15~21
 今日から令和!争いや災害のない時代になるといいですね。
 皇室の静かで厳かな儀式も、日本らしい美しさでした。新天皇皇后両陛下のご成婚前後の映像に懐かしさと隔世の念を覚えずにはいられなかった私は、もう旧世代人間…
 喪に服す暗い始まりだった平成と違い、明るくおめでたいムードで幕を開けた令和。私の名字や会社も新しくなるといいな〜。いや、ならんでいいわ。新時代になっても個人的には今までのままでいたい私です♫

 「アベンジャーズ エンドゲーム」
 サノスによって人類の半数が消えてしまった世界。生き残ったアベンジャーズのメンバーは再結集し、世界を元通りにするための戦いに挑むが…
 シリーズ待望の新作にして最終回!正直、名残惜しさより安堵。シリーズものが苦手な私にとっては、数少ない全作コンプリートなシリーズなのですが、いいかげん引っ張り過ぎ。だんだん次回が楽しみ半分しんどいになり、前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」あたりからはもうこれ以上は無理、に。なので、アベンジャーズ最後の戦いには、嬉しい開放感を覚えました。有終の美を飾る今作は、3時間を超える超大作!長いなとは思いましたが、ぜんぜん苦痛ではありませんでした。すごく面白かったです!ナンダカンダでやっぱ、このシリーズが大好きなんですね私。

 でもでも。もう何がなんだかわけがわからないほど、いろんなことが乱発、いろんなキャラが乱立し、もうシッチャカメッチャカになってましたわ前作でアベンジャーズの半分が消えたこと以外、詳細は忘れ果ててしまってたので、これどーいうこと?これ誰だっけ?と、全然ついて行けてないことが露見でも話はもうぶっちゃけどーでもヨシ子。大好きな人気俳優たちが豪華集結してることが、私にとってこのシリーズ最大の魅力だから。よくみんな途中降板せずにやりきったな~と、あらためて労をねぎらいたいと存じます。初期の頃に比べると、さすがにみんな老けた。映画の中の時間はそんなに経ってないはずだけど、リアルではかなり長期に渡りましたから当然のこと。みんな老けたけど、いい感じに円熟味を増しました。ロバート・ダウニー・ジュニアとか、カッコいい爺さんになりそうだし。シリーズ以外の作品でも会いたい、と思わせてくれるスターに、みんななりました。私の好きなキャラが、最終回でもチャーミングだったのが嬉しかったです。

 クリス・ヘムズワースasソーと、マーク・ラファロasハルクは、もう完全にお笑い担当。コメディ要素が濃ゆいのもアベンジャーズシリーズの魅力なのですが、特にソーは男前おバカとして突出した存在に。今回は、アル中のビール腹となって引きこもり、という笑撃の変貌!とても神さまとは思えぬ崩れっぷりで笑わせてくれます。顔だけはイケメンのままなのも笑えた。

 どちらかと言えば地味なキャラだったホークアイが、今回もっともカッコよく見えるほどの見せ場と活躍!「S.W.A.T」とかイケてたジェレミー・レナーも、すっかりおじさんになりましたが、彼も渋みを増して若い頃とは違った魅力を備え始めてます。ヤサぐれて東京で暴れてた彼と闘う悪い日本人役で、真田広之がチョイ役で登場。彼も老けたな~。ダウニー・ジュニアやジェレミー・レナーと違って、悪い老け方してる。老けた上にいまだにこんな役しかやらせてもらえないとか、とてもハリウッドで成功してるとは思えず、何だか悲しくなってしまいました。

 ラスト近くになって、やっとあの御方が登場!そう、アベンジャーズの中でmy最愛ヒーロー、ブラックパンサーです!きゃー❤陛下~♡待ってました~💛陛下の復活に私のテンションは一気に上昇しましたが、遅すぎる登場に加えて見せ場もほとんどなく、顔見せ程度の出演にガッカリ。最後だけ出演なら、ベネディクト・カンバーバッチasドクター・ストレンジと、クリス・プラットasピーター・クイルのほうが、登場シーンは少ないながらも笑える言動をしてくれたりしたので、陛下の扱い方に不満!

 今回はタイムスリップ作戦がメインで、過去のシーンに懐かしい~!え?こんなんあったっけ?嵐。ロキやソーの母上、ドクター・ストレンジの師匠など、亡きキャラの再登場も驚喜でした。ラストの大決戦は、まるで関ヶ原の戦い。今や大物スターなアベンジャーズの面々が集合してるシーンは、ひょっとしたら合成?スケジュール合わせるの、不可能そうだし。今の技術だと、もう同じ場にいなくても共演しているように見せることも簡単でしょうし。大好きなアベンジャーズメンバーですが、今回???なキャラが登場していて当惑。「アントマン」と「キャプテン・マーベル」は未見だったせいか、彼らの加入に唐突感と違和感を覚えました。アントマンは何かイライラするキャラだし、キャプテン・マーベルは大物ぶっててナニサマ?な女だったし。最も???だったのは、アイアンマンの嫁が女アイアンマンみたいなキャラで参戦してたこと。あんなキャラ、いましたっけ?演じてるグイネス・パルトローは、まだ女優やってたんですね。今は女優というより炎上セレブとしてのほうが有名ですもんね。顔ももう女優は無理っぽいし、これが引退作になることでしょうか。

 地球の平和のために何人かのメンバーが落命したりスーパーな能力を失ったり、もう次回作はできないようにした終わり方が、潔くて好感。それぞれの道を進むメンバーの中では、やはりあのイケメンコンビの今後が気になります。前作で仲良しになった?二人が、最後になって正式?に仲間になったのが笑えた。アライグマのロケットが人間の姿に戻ってめでたくブラッドリー・クーパー登場!となれば、いい男トリオ主演の最高すぎる新シリーズができそうなんだけどね。

 ↑ アベンジャーズの皆さん、お疲れさまでした!クリス・ヘムズワース&クリス・プラットのWクリスには、アベンジャーズ以外の作品でも共演してほしいな~。この二人だとどうしてもコメディになるでしょうけど、シリアスなドラマで激突もmust be marvelous!
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