まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

熊VS猿 ロス市警24時☆

2015-11-19 | 北米映画 80s~90s
 さっき知ったのですが…カズオ・イシグロの小説「私を離さないで」が、日本で連ドラ化!
 キャリー・マリガン主演の「わたしを離さないで」の原作でもある小説、私も大好きなんです。もし日本で映像化されるとしたら、あの役はあの人がいいんだけどな~と、いつも小説を読む時には脳内で理想妄想キャスティングを楽しんでるのですが、とりわけ「私を離さないで」はmyイメージが強く働いた作品でした。なので、発表されたドラマ化のキャストは、かなりの衝撃というか…むむむ…
 最近では吉田修一の「怒り」映画化もですが…小説や漫画が映像化されると、ファンは期待以上に不安や失望を先に抱いてしまいますよね~。自分のイメージとあまりにも乖離がありすぎると、いっそ映像化されずそっとしておいてほしかったかも…なんて思ってしまいます。そんな私の勝手な思い入れを嘲笑うような名作や秀作に仕上がってくれることを切に祈ります。

 「L.A.コンフィデンシャル」
 50年代のロサンゼルス。マフィアの抗争が激化する中、カフェで客や従業員が虐殺される事件が起きる。元同僚を殺された刑事バドは、捜査線上に浮かんだ娼婦のリンと恋に落ちる。一方、エリート刑事のエド、ベテラン刑事のジャックもそれぞれ事件を追ううちに、恐るべき真相に近づいていくが…
 1997年のアカデミー賞助演女優賞、脚色賞を受賞するなど(「タイタニック」の対抗馬としても注目されてました)、高く評価された犯罪ドラマの傑作です。
 50年代のハリウッド、陽気で優雅な古き佳き時代…というのは表の顔で、実は血みどろで腐りきったダークタウンだったんですね。こんな街、ぜったい住みたくない!命がいくらあっても足りん!な地獄絵図に戦慄。毒と知っていても、野心や欲望が甘い蜜となって人々を惹きつけ狂わせるロサンゼルスの明と暗が、ムーディに描かれているのもこの映画の魅力です。マフィアも警察も、激烈に対立してるのかと思いきや、ズブズブな腐敗関係だったり、もう誰も信じられない世界。ちょっとでも出方を間違えたらお陀仏、な薄氷を渡るような怖さと緊張感に満ちています。マフィアの凶暴さも怖いけど、警察はマフィア以上に凶悪。拷問や偽装工作など当たり前、問答無用に容赦なく逆らう奴も怪しい奴も邪魔な奴も殺しまくり、金や出世のためには汚いことも平気。こんなお巡りさんたち、いやだ~この映画みたいな非道さは、いくら何でも今はまかり通ってないと思うけど、悪しき名残みたいな事件はたまにアメリカでは起きてますよね~…とにかく暴力的すぎるのが、ほんと怖い国アメリカ。わしなんか確実に、事件には関係ないのに巻き添え食って死ぬタイプじゃわ

 事件の謎も、複雑怪奇で面白かったです。マフィアの抗争、かと思われていた事件が、調べていくうちにだんだん深い闇に引き込まれていくような展開のスリリングさや、個性的な刑事たちのキャラがよく理解できる会話、伏線の張り方の巧さなど、さすがオスカーの脚本賞を受賞しているだけあります。エドが父親を殺した未逮捕の犯人に名付けた仇名が、事件解決につながる使われ方をしていたのが秀逸でした。でも…せっかくの深い闇っぽい真相も、ラストのほうではもうシッチャカメッチャカの大戦争に発展してしまい、真実もクソもないじゃん的な、結局皆殺しが最良の解決法だったのがちょっと…当時の人種差別も非道すぎる。出てくる黒人はみんな、差別されても仕方がないような凶悪卑劣な犯罪者ばかり。演じてる黒人俳優たち、仕事とはいえイヤだっただろうな~。
 この映画、キャストが素晴らしいです!主役のガイ・ピアースとラッセル・クロウが、若い!カッコいい!可愛い!漢(おとこ)!大熱演!

 エリート刑事エド役のガイピー、当時30歳。角度によっては大学生にも見えるほど、若くて可愛い!シャープな猿顔がええわ~眼鏡も知的かつキュート。出世のためには仲間も裏切る冷徹なガイピー、とんがっててイキがってるところも、ヤな奴というよりガムシャラに頑張ってる少年っぽくて応援したくなります。傲慢不遜でクールだけど、眼鏡のことでからかわれて心外そうな顔したり、大事な時に眼鏡かけわすれて来たり、ハニートラップにかかったり。ちょっとヌケてるところがあって、とにかく何か可愛いガイピーです。

 正義の暴力刑事バド役のラッシー、当時33歳。怖い!けど、可愛い。ろくでもない奴らはボコボコ半殺し、もしくは殺してしまう激ヤバ刑事だけど、女には異常に優しいフェミニスト、という男の剛と柔を併せもった役。憤怒に燃えてる時の目つきは、危険度MAX!キレた時の表情は、ふんがー!という漫画みたいな声が聞こえてきそうなほど。かなり病んでる上に、あのプロレスラーみたいなゴツい体格。あんな熊みたいなマル暴刑事さんに取調室へ連行されたら、やってないことでもゲロりそうです。敵に回したら怖いけど、愛されたら幸せ…かな?!女には超優しいけど、裏切ったら何するか分からない危険もあるし。娼婦に恋して彼女にZOKKON命になるラッシーは、ウブな少年のように初々しく繊細。ラブシーンの彼もスウィート&ラブリーでした。ゴリマッチョなサービス脱ぎシーンもあり。

 当時ハリウッドでは、ほぼ無名だったオーストラリア俳優のラッシー&ガイピー。彼らの起用は、かなり制作側としては賭けだったのではないでしょうか。結果は大成功でした。その後、二人は大躍進。特にラッシーは、有名女優とのスキャンダルやオスカー受賞など、立派なハリウッド☆スターになりました。ガイピーも地味ながら佳作異色作に出演し、今は素敵な熟年男優に。もっともイキがいい頃の若熊ラッシーと若猿ガイピーの、火花バチバチなガンとばし合いシーンや、ガチンコタイマンシーン(ラッシーが一方的にボコってるだけですが)が萌え~です。二人がもうちょっと早く協力してれば、あんな阿鼻叫喚なラストにならなかったでしょうけど。険悪だった熊と猿が、ついにアニマルタッグ!ラストのハードボイルド・ヒーローな二人、かなり胸キュンものです。
 クレジットのトップは、2度のオスカーに輝く名優のケヴィン・スペイシー。

 スマートで小粋なチョイワル刑事ジャック役のスペイシー氏も、なかなかカッコよかった。飄々と掴めないキャラが、彼らしい。スペイシー氏と悪徳関係なゴシップ記者役のダニー・デヴィートも、いい味出してます。二人のやりとりが、緊迫血みどろ激闘の中、コメディリリーフ的な役割を果たしてます。そして、二人に利用される売れない俳優役が、TVドラマ「メンタリスト」で人気のサイモン・ベーカー。メンタリストにハマってるmy motherが、彼の大ファンなんですよ。まだ駆け出し時代の彼、さすがに若い!クニャっとしたメロウな笑顔が可愛い。両刀使いで、ドラマの役を得るためにホモ爺と寝ることも厭わない役、ファンにはかなり切ないかも。全裸で写真撮られて逮捕される、なんてマヌケな姿が笑えるけど切ない。悲惨すぎる末路も切ないです。そういえば、サイモン・ベーカーもオージーでしたっけ?この映画、オージー率が高いのはなぜ?常に平然と高みに立ってるみたいだったスペイシー氏が、可愛い男娼のサイモン・ベーカーが殺されてショックな様子に、ちょっとニヤリ

 ほぼ紅一点、謎の娼婦リン役のキム・ベイシンガーは、この映画でアカデミー賞助演女優賞を獲得。ゴージャスかつ哀感ある存在感で、荒ぶる男たちの中で艶やかに咲く花のよう。若いラッシーとガイピーじゃ、とても太刀打ちできない貫禄のキム姐さん、いかにも怪しい悪女って感じではなく、娼婦でありながら優しい聖母みたいなところが特異で魅力的でした。 

 ↑ラッシー&ガイピー、あの頃きみは若かった~♪おじさんになった今、再共演してほしいです
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アイルランドの夏⑤ バイシクル・ララバイ

2015-11-15 | 旅行、トレッキング
 朝、目覚めたら大雨…テンションがダダ下がりです
 サロンで朝食を食べてたら、他の宿泊客も姿を現しました。アメリカ人の熟年夫妻が、フレンドリーに声をかけてくれました。その日私がアラン諸島に行くと知ると、彼らも翌日行く、お天気が心配、と短いながらも気持ちのいい会話ができました。
 9時にフェリー乗り場へと向かう2階建てバスに乗り込みます。2階のほうがいいかな、と思って移動。ぼけ~っと雨にけぶる外をを見てたら、1階からイケメン(ゴシップガールに出てたチェイス・クロフォードにチョイ似)が上がってきて、私に近づいてくるではないか!じぇじぇじぇ!とビビる私に、カサ忘れてたよ!と笑顔のイケメン。ありがとうございます~!親切!異人さんに優しくしてもらうなんて滅多にないので、ちょっと感激しました。ちなみにイケメンは、彼女(奥さん?)が一緒でした。
 9時半にバスは出発。バスはほぼ満員。アラン諸島、やっぱ外国人観光客に人気あるんだな~。雨の中、バスは10時15分ごろロッサヴィール港に到着。チケットを船員に見せて、フェリーに乗船。たくさんの乗客で、船内はにぎやか。10時40分にフェリー発進。風雨のせいで波は荒々しく、フェリーも揺れる揺れる。船酔いする人には、ちょっとキツいかも。私は船にも車にも酒にも恋にも酔わない体質なので、ぜんぜん平気でした♪船酔いはしなかったけど、荒涼とした黒々とした海を見てたら、何だか寒々しい気持ちになりました。

 12時前に、アラン諸島最大の島、イニシュモア島に到着。その頃には、雨も上がっていました。島内観光のバスもあるみたいでしたが、私もほとんどの観光客同様、フェリー乗り場のそばにある自転車レンタル店で自転車を借り、アラン諸島最大の見どころであるドン・エンガスに向かうことに。自転車のレンタル代は€10、デポジットとして€10預けます(自転車返却時に返してもらえる)。

 いざ、島内サイクリング!チャリンコなんて乗るの、久しぶりじゃ~。いつの間にか空は気持ちよく晴れて、絶好のサイクリング日和に。のどかな田舎道を、のんびりと鼻歌まじりに自転車をこぐ私。島から眺める海は、広く大きくキラキラ輝いていて、道中では牛さんや馬さんが人懐っこく観光客を歓迎、道端には日本では見たことない野の花が咲いていて、墓地さえも爽やかな日中では情緒ありげ。ルルル、ラララ、と上機嫌でチャリンコ走らせてた私ですが…10分ぐらいしたら、もうしんどくなって後ろからくる他の観光客に、どんどん追い抜かれていくのであった。
 ほぼ平坦な一本道なので、坂道でゼエゼエとかココハドコ?!な迷子にはならないのですが、やっぱ自転車に普段乗り慣れてない、体力のない年寄りには、サイクリングはキツイわ~。鼻歌はいつしか、たいぎい~!まだ着かんのん~!原チャリ貸せえや~!という溜息&罵倒に
 トータル30分ほど走って、やっとドン・エンガスの入口に。駐輪場に自転車を置き、案内センター内に入ります。受付では、人のよさそうなおばちゃんたちが笑顔で出迎えてくれました。入場料を払っていると、え!?さっきまでの快晴が嘘のように、外は大雨!天気が不安定で気まぐれすぎるわ~。とても外を出歩く状態ではないので、しばらく案内センター内で待機。10分ほどすると、小雨になったので出発。ドン・エンガスへと続く道はかなり険しく(岩とか急な勾配とか)しっかりした靴が絶対マスト。はるか遠くに見える岩の砦に向かい、ひたすら歩く。長く原始的な岩の階段をのぼり、岩のアーチをくぐると、おおお~。絶海の海が目の前に!モハーの断崖同様、ドン・エンガスの断崖も大迫力で圧倒されます。強く荒々しい風、波涛は、やはり人間を拒んでいるかのような冷厳さが。モハーもそうでしたが、ここも自殺の名所にならないのが不思議なほど、投身を妨げるものなど何もありません。

 黒々とした眼下の海、そして見上げた空は暗雲がたちこめ…こ、怖い!今にも魔物が哄笑しながら現れそうな雰囲気。逃げようとする私を追うように、激しい雨と風が襲いかかってきました。震えながら岩陰に隠れます。古代要塞のドン・エンガスは、いまだに解明されていないことが多い謎の遺跡なんだとか。岩陰で隠れるように雨宿りしていたら、目の前には不思議な儀式を始めようとする古代人が、いけにえにするため私を探している…夢かうつつか定かではない光景を、一瞬見たような気がしました。
 雨と泥道に難儀しながら、案内センターへと引き返します。センターを出ると、カフェやお土産屋さんがあります。アラン諸島といえば、アランセーターが有名。温かそうで色合いや優しいセーターや帽子、マフラーが、購買欲をそそります。あ!可愛い!と思わず声が出てしまったセーター発見!これはなかなか日本では買えない類だぞ。でも、高い!でも、買わなきゃ後悔しそう。いや、きっとする。ええい、ままよ!と、私には珍しく衝動買い。あと、M子やジミー、ダミアン、ピーターの靴下などもお買い上げ。アイルランド滞在中、最大の出費でした。
 再び自転車こいで、港へと引き返します。途中、カフェに寄って休憩。ティ・ジョー・ワッティーズというお店。アイリッシュコーヒ(€5)ーとステーキバーガー(€10.9)を注文。

 初体験のアイリッシュコーヒー、独特の味でしたが美味しかったです。バーガーはデカくてジューシーで、so delicious!バーガーについてたポテトも、ゴールウェイで悲しい目に遭った有名店より美味しかった。カフェを出ると、絵葉書を島の小さな郵便局から日本へと出しました。ちゃんと着くかな~。
 17時にフェリーに乗り、ロッサヴィール港へ。そして港からゴールウェイへと無事戻りました。疲れたけど、今夜こそパブデビューしようと決めてたので、勇気を出してまた夜のキー・ストリートショプ・ストリートヘ繰り出します。相変わらずスゴい人!いっぱいあるパブの中で、キングス・ヘッドという店を選んで、おそるおそる入りました。

 元は、1649年にチャールズ1世を処刑した処刑人に、報酬として与えられた建物なんだそうです。中は博物館っぽいと聞いてたのですが、人・人・人!で見て回ることなどできません。私やっぱ、ダメじゃ~。人が多すぎる場所が苦手。でもせっかくなので、カウンターでサイダー(リンゴ酒)のハーフパイント(€2.95)を注文し、店の隅のほうでチビチビ恐々と飲みました。もちろん、誰も私に声などかけてきませんでした。飲み終えると、逃げるように店を出ました。ほんと、損な性格してますよね私♪宿に戻り、シャワーを浴びて爆睡。
 to be continued…
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罪と罰の迷宮

2015-11-12 | ドイツ、オーストリア映画
 「顔のないヒトラーたち」
 1958年の西ドイツ、フランクフルト。ジャーナリストのグルニカは、元ナチス親衛隊員が小学校の教師をしている事実を突き止める。グルニカの告発に心揺さぶられた若き検事ヨハンは、周囲の反対を押し切り調査を進めるが…
 ナチスドイツの非道さ、残虐さを描いた映画は枚挙にいとまがありせんが、この映画も悲痛で重苦しい内容でした。アウシュヴィッツの悲劇、人間がやったこととは信じられない、信じたくない。日本人の私でさえ耐えがたい気持ちに襲われるのに、当事者のドイツ人にとっては…と察するに余りある。恐ろしい恥ずべき過ちは、どこの国も背負っていますが…ナチス時代のドイツ人のユダヤ人虐殺は、人類史上最大級の禍根。この映画では、ドイツ人がドイツ人を断罪しなければならない悲劇を描いていて、時間が経っても決して忘れられない、癒えない傷の深さ、痛みに暗澹となってしまいました。
 アウシュヴィッツの真実が、おぞましすぎて…それを再現するシーンとかはなかったのが、少し救いになりましたが…収容所の生き残りであるシモンが語る、彼の双子の娘に施された悪魔の人体実験とか、やめてー!と耳を塞ぎたくなった。ナチスの残虐行為だけでなく、罪を問われることなく平然と社会生活を送っている元ナチスの人たちと、彼らによって生き地獄を味わった被害者が、戦後の社会で表面的には何事もなかったように共生しているという事実にも、衝撃と恐怖を覚えました。悪魔の所業に及んでいた元ナチスが、金持ちの実業家とか尊敬される教師とか親切なパン屋さんとか、平和で豊かな生活を送っていたり。あんな地獄を体験して、気も狂わずに生きてる被害者もそうですが、厚顔無恥という表現では足りないような元ナチスも、人間って強い生き物なんだな~と戦慄。

 怖かったのは、そんなに遠い昔のことではないのに、戦後のドイツ人の多くがナチス時代に関して無知無関心だったこと。主人公のヨハンや若い人たちが、アウシュヴィッツのことを知らなかったのがショッキングでした。そして、ナチス時代をよく知る人たちの、臭いものには蓋をしろ!的な考え方や生き方にもゾっとしました。あまりにも重い辛い過去ゆえに、蒸し返したくない、ほじくりかえさないで!という気持ちは解からないでもないけど、隠蔽や忘却するにはあまりにも大きく深い罪業。無知無関心、そして沈黙することの罪深さも、あたらめて思い知りました。
 表面的には平和な世の中になってるけど、ナチスは決して根絶されておらず、影のようにそこかしこに存在している…ヨハンや仲間たちが受ける妨害や圧力に、戦後ドイツ社会の暗部を思い知らされました。信じがたかったのは、ナチスの高官や人体実験を指揮した医師が、手厚く保護されていたこと。“死の天使”と恐れられていた悪魔の人体実験ドクター、メンゲレの追跡劇もサスペンスフルに描かれていますが、スルリと堂々と追尾をかわすメンゲレに、いったい世の中どーなってるの、とヨハン同様に観客も絶望感に苛まれてしまいます。

 メンゲレのような大物は逃しながらも、小物はじゃんじゃか捕まえていくヨハンたち。捕えても反省どころか罪悪感のかけらもなく、ナチスの面影をうかがわせる被告人たちは、悪人を成敗してる!という勧善懲悪気分にさせてくれません。ガス室に送ってやる!と罵る元ナチスの老教師とか、三つ子ならぬナチスの魂百まで、みたいで怒りよりも虚しさを覚えました。元ナチスがみんな絵に描いたような極悪人という描写は、ハリウッドのサスペンス映画っぽい分かりやすさですが、ほんとはもっと複雑で悲しい事情が被告人側にもあったんだろうな~。もし私が当時のドイツでフツーのドイツ人として生まれてたら、果たしてナチスを全否定して生きられたでしょうか…ヨハンだけでなく、当時のドイツ人、そして観客も出口が見つからず踏み迷ってしまう歴史の闇は、この映画のオリジナルタイトル通りラビリンス(迷宮)のようです。
 主人公の若き検事ヨハンを演じたのは、アレクサンダー・フェーリング。いま注目の独逸イケメン

 いや~めっちゃカッコいい、ていうか、可愛かったです!ブロンドで長身で優しく端正な顔立ちは、昔話の王子さま風。ちょっとアーミー・ハマー似?アーミーくんをさらに爽やかにスウィートにした感じ?背が高いけど、スラ~っとスレンダーではなく、ドイツ人らしくガッチリ骨太なイカちー体格なのもポイント高し。ちょっとだけ脱いでましたが、いいカラダしてました!すごい優しそうで誠実な雰囲気、困難にも屈せず突き進むタフネスも、まだ世の中の汚さ醜さに染まってない青年の若さ、美しさと強さであふれていて、年寄りには眩しい爽やかなキラキラ感。

 スーツも似合ってましたが、カッコいい車ではなく原チャリ!乗り回してるのが可愛かった。どのシーンも爽やかでカッコいいのですが、家族や恋人までナチスと無関係ではなかった事実に打ちのめされ、ボロボロになってしまう姿が切なくて胸キュン。もうあかん!というところまで落ち込みながらも、正義と希望を信じて立ち上がる勇姿も、清々しくて感動的でした。それにしても。あんなイケメン検事が裁判に出廷したら、法廷はザワつくだろうな~。毎日傍聴に行っちゃいそう

 ↑アレクサンダー・フェーリング、1981年生まれの34歳。「ゲーテの恋」も好評みたいでしたが、何と!彼は現在、アメリカの人気TVシリーズ「ホームランド」に出演中!クレア・デーンズの恋人役なんだとか。くわー!デーンズさんよぉ~!実生活ではヒュー・ダンシー、仕事ではフェーリングくんかい!?何か腹立つわー
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だるまさんが出てきた

2015-11-10 | 日本映画
 「劇場版 MOZU」
 武装集団による高層ビル占拠と、ベナン国大使館襲撃が同時に発生。妻子の死の真相を追う公安警察官の倉木は、戦後の重大事件に関わってきたと言われる“ダルマ”が、テロ組織を背後から操っていることを知り…
 一部マニアの間で大人気だったTVシリーズ「MOZU」が、待望(と同時に、大丈夫なの?!どこまで引っ張るの?!と不安&心配)の映画化!初日に喜び勇んで観に行きました♪
 いや~期待通りのハチャメチャさでした。コメディじゃないのに、ヘタなコメディより笑えた。三谷コーキ先生の「ギャラクシー街道」より100倍は笑えると思います。作り手が、それを確信犯的に狙ってるのか、それとも本当に大真面目なのか。たぶん後者だと思うのでほんとは笑っちゃいけない。でも、TV版もそうでしたが、ツッコミ上等!みたいな感じは濃厚。あれ変!とか、おいおい~!?なシーンや展開、キャラがMOZUの魅力。なので、ハリウッド的な本格的アクションとか、緻密に練られた上質のスリラーを期待する人は、ナンジャコリャ!なトホホ映画かもしれません。
 それおかしいだろ~!?何でそーなるの!?イミフすぎ!が、映画版でもテンコモリです。もはや日本では話が成り立たないので、何でもアリOKな途上国に舞台を移して、MOZUファミリー大暴れ!スケールアップを狙ったカーアクションや大爆破シーンは、邦画にしては大がかりで頑張ってるな~と感嘆しましたが、これがやりたかったんだよおお~!な気合いが暑苦しいほど伝わってきて、必然性があまりない無理やりなハリウッド風味に苦笑しつつ、でもそんな無駄に壮大なところも好きだったりします。大騒動が起こってるのに、現地の俳優やエキストラ以外はどこ吹く風で平然としてるベナム国(架空の国。ロケはフィリピン)の人々が笑えた。

 ↑コマネチ!今の若い子、分かんないだろうな~
 ハリウッド映画に負けないものを!という意気込みや目標の高さは、大いに評価したいです。でも、設定や謎、キャラのほうにも時間と知恵を割いてほしかったかも。MOZU最大の謎であるダルマの正体や、倉木の妻子の死の真相が、ついに解明される!というのがファンを映画へと引っ張るエサだったはずなのに…せっかく食べに行ったエサが、思ってたほど美味しくなかったような期待はずれ感が。もっと深淵な、おぞましい真相が隠されているかと思ってたのにな~。衝撃の薄さにトホホ。いっそ、ダルマは地球侵略を目論んでいた宇宙人だった、とか反則的トンデモさでギャフンと言わせてほしかったです
 TV以上のトンデモを期待してたので、内容には正直ガッカリしましたが、MOZU一族の破天荒で支離滅裂な暴れっぷり、狂いっぷりは美味しゅうございました♪
 主人公の倉木刑事…相変わらずジャック・バウワーで笑えました~。あの不死身っぷり、一介の刑事にしておくにはもったいない。何しても死なない倉木、実はダルマが造った人造人間だった!みたいな衝撃が欲しかったです。西島秀俊は、カッコいいけど他のドラマや映画でも倉木刑事と同じ?あの一本調子は、ある意味スゴい。007みたいに、ちょっと大人なセクシーシーンもあれば、MOZUも一部マニアだけでなくもっと女性ファンを獲りこめたことでしょうに。
 メインキャラなはずの大杉役の香川照之と明星役の真木よう子は、TVドラマの時のように濃ゆいキャラに埋もれて、さらに印象薄い人たちと化してました。大杉が誘拐された娘を救出するシーン、あの爆弾いったいどこで、いつの間に入手したの?!真木よう子の棒読み、いっそう磨きがかかってました。ダルマ役に、ビートたけしが起用されたことが話題になりましたが…バラエティ番組のたけしは好きだけど、俳優としての彼はちょっと…コントみたいで、今にもコマネチ!とか言い出しそうだった。
 新キャラとして、松坂桃李が参戦!

 ダルマの組織に育てられた殺し屋役のトーリ、初登場シーンからカッコよかった!長身痩躯にタイトな黒が似合う。バレエダンサーっぽい体つきです。ポジション的には、TV版での吉田鋼太郎と同じ?ハイテンションき○がい役で、コータローおぢさんに勝るとも劣らぬ激演でした。見た目も言動も凶暴な狂人なのですが、キモくも怖くもなく、むしろ可愛いかった。新谷ヒロミの崇拝者で、ヒロミちゃん大好き!ヒロミちゃん萌え~な発言のみならず、ヒロミを真似て女装まで!ヒロミで~す♪と大杉の探偵事務所に現れるシーン、大爆笑でしたわ。

 MOZU一族の中でも人気の高いキャラ、チャオ東がまた美味しいところをもっていってました。いったい何がしたいの?!何しに来たの?!なところが相変わらず笑えた。キメ台詞?であるチャオ♪も、ちゃんと言ってくれてたのが嬉しい。

 映画版でも楽しそうだったチャオ東、倉木のことがすごく好きなんだな~ということが、映画版では決定的になってた感じ。腐女子にあらぬ期待・妄想を抱かせる、チャオ東&倉木の不思議な関係も好きです。血まみれでぐったりしてる倉木を、笑って~♪とスマホで写メ撮るシーンが笑えた。長谷川博己は苦手な俳優ですが、MOZUの彼は独りミュージカルみたいにハッチャケまくってて好き!アヒャヒャヒャァ~♪なトーリVSハセヒロのシーン、まるで岡田あーみんの漫画みたいで笑えた。
 そして。MOZUと言えば、双子の新谷ブラザーズ。TV版で和彦&ヒロミを大怪演して、すっかり主役になってしまった池松壮亮も、まさかの再登場

 いったい今までどこで何してたの和彦。そして、いったい何しに現れたの?!壮亮くん、明らかに無理やり引っ張り出された感じ。まあ、何でもアリなMOZUワールドなので、気にしない。素直に出演を喜ぶのみ。トーリ壮亮のデスマッチが、どちらのファンにとってもこの映画の白眉です。

 壮亮くんは、ほぼこの死闘シーンだけ。お約束である百舌の早贄が、MOZUファンにはニヤリでした。
 MOZUはこれにて完了らしいので、ちょっと寂しいです。大ヒットしたら、もしかして続編もありえる?いくらでも作れる終わり方してましたし、ちょっとだけ期待同じキャスト・スタッフで、また違ったドラマか映画、ぜひ制作してほしいものです。

 ↑壮亮&トーリ、再共演するなら、この二人で高村薫の「冷血」を映画化してほしい!

 ↑若いのに、何かすごくミステリアスなところも、壮亮くんの魅力です 
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ヤンキー壮亮のイケメン♂背負い投げ

2015-11-09 | 日本映画
 MOZU公開記念②
 「この世で俺/僕だけ」
 さえない会社員の伊藤は、ある夜はずみでヤクザの車を盗んでしまう。偶然それを目撃し、追跡して伊藤を捕える不良高校生の甲賀。車の中には、ヤクザが誘拐した市長選立候補者の娘である赤ん坊がいて…
 MOZUといえば、新谷ヒロミちゃん。ヒロミちゃんといえばの池松壮亮主演作です。いや~壮亮くん、やっぱ最高ですね~彼の何もかもが、どストライク。私の理想そのものな男子なんですよ。それは、いい男いい役者に成長して注目され人気も出てきた最近になってのことではなく、彼が子役だった頃から。ゆえに彼は私にとって、ずっと特別な存在なのです。ショタコンでも何でもない私、少年よりもどちらかといえば熟年おじさまが好きな私なのに、壮亮くんにだけは無関心ではいられず、ずっと熱視線で彼の成長を見守ってました。中学生の頃から壮亮くん、男なんですよ。しかも、ただの可愛いカッコいい男ではなく、シブくて翳りと色気のある男。そんな中学生、いますか?!さらに、演技は天才的。彼を初めて知ったのは大河ドラマ「義経」なのですが、源頼朝の少年時代を演じてた壮亮くんを見て受けた衝撃は、いまだに忘れられません。当時14歳ぐらいだった壮亮くん、見た目は小学生みたいな幼さだったけど、主演のアイドルやベテラン俳優たちを圧倒する凛々しく堂々としたたたずまい、そして明朗で端正な演技!え!この子、ほんとに子ども?!と、魅了されると同時に怖くなった。以来、池松壮亮の名は私の心に深く刻みこまれたのでした。学業を優先していた壮亮くんも、大学卒業で演技に本腰を入れ始め、地味ながらもジワジワと知る人ぞ知る存在となり、今や若手最高峰と評価される売れっ子役者に成長。

 この映画では、屈折した不良高校生を演じてる壮亮くん。どよよ~んと暗くて重い若者役が、すっかり専売特許みたいになってる彼ですが…確かに、そんな役がいちばん似合うんですよね~。年齢にはそぐわないあの落ち着き、重々しさ、悲哀は、同年代の若い俳優にはない個性かつ魅力なので、きれいで可愛いだけのイケメン俳優には演じられない陰影のある複雑な若者役は、どうしても壮亮くんに回ってきてしまうのでしょう。またそーいう役やらせたら、上手いんだよ壮亮くんは。どよよ~んな目つきといい雰囲気といい、ほんとにちょっと病んでるのかなと心配になってしまうほどのリアルさ。

 父親への反感や満たされない思いのせいで、鬱屈と虚無感で心くすませている甲賀を、ニヒルにクールに演じてる壮亮くん。基本的には寡黙で冷静だけど、激したらヤバい子になるプッツンぶりが、怖い!けど、可愛くもあって。ヤンキー役といっても、彼の子分たちのように見た目からしてわかりやすい不良ではなく、風貌は学生服をちょっと着崩してる程度で、髪もフツーに黒い。ちょっと昭和のにおいがする硬派なバンカラさ。ほっそりした壮亮くん、タイトな学生服の黒がよく似合ってカッコよかった。ヤンキー言葉での罵詈雑言や威嚇も、迫力はあるけど野卑さや下品さが全然ない。何だか不良というより武士みたいな風情。

 煙草をけだるげに吸う様子が、すごくアンニュイで退廃的。その若さで壮亮くん、もう酸いも甘いも噛みわけた熟年男みたいじゃないですか!大人っぽすぎるわ。雰囲気は熟年男ですが、顔は幼い!猿みたいな童顔が、これまた萌えツボつくんですよね~。このアンヴィヴァレントさも、彼の魅力です。
 粗暴で荒っぽい壮亮くんですが、赤ちゃんには超優しいところが可愛かった!赤ちゃんのオムツかえたり、ミルクあげたりダッコしてあやしたりしてる時の戸惑い顔や笑顔を見てると、壮亮くんいいパパになりそうだな~とほっこりしちゃいました。逃亡や闘いの時と違い、赤ちゃんの世話に関しては甲賀が素直に伊藤の言いなりになるところが笑えた。

 赤ちゃんのため、正義のために満身創痍で戦う壮亮くんの、男気あふれるヒーローぶりときたら!格闘シーンで見せる身のこなしの敏捷さ、シャープさは、彼の運動神経、身体能力の高さを証明しています。特に背負い投げ!伊藤も敵も、エイヤーと投げ飛ばしまくる壮亮くんが圧巻。スポーツマンの壮亮くんは、野球や水泳、乗馬だけでなく、柔道も得意みたいですね。何でもできちゃうんですね。

 伊藤役のマキタスポーツって…何者?俳優じゃないんですよね?そのへんにフツーにいるおじさんみたいでした。演技もほぼ素人みたいでしたが、俺は演技派だ!な暑苦しい鬱陶しさはなかったので、安心して壮亮くんだけ見てられたW主演のはずが、ほとんど壮亮の映画になってましたし。腐的には、さえないサラリーマンならフツーのおっさんではなく、ヘタレなイケメンにしてほしかったかも。岡田将生とかよさげ。じわじわ仲良くなっていくドSな壮亮とドMな岡マ…うう~ん、絵になりますね♪
 敵のヤクザとか政治家が、何かみんな軽くてオバカなキャラだったせいか、せっかくの闘いも命がけな悲壮感がなかった。ヤングジャンプとかモーニングの漫画みたいな内容、大学生の自主制作っぽい演出・編集は、質の高い映画を見慣れてる映画ファンからすると、かなり稚拙で雑に感じられるかも。

 ラジオでマキタスポーツに、芸能界で最も巨大なイチモツの持ち主であると絶賛された壮亮くん。最近、ちょっと自己陶酔っぽい演技や役が多いのが気がかり。おかしなTVドラマにはもう出なくていいけど、私が苦手な“演技派きどり”とか“映画俳優な俺”な人にはならないでほしいな~…作品を選びつつも、いろんな役に挑戦してほしいです。凛々しい武士とかキボンヌ(死語)!

 いくつかある新作映画の中では、小池真理子原作の「無伴奏」が楽しみです。映画化される吉田修一の「怒り」にも出てほしかったんだけどな~。妻夫木聡の恋人役!を、ぜひ演じてほしかった…
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うそつきトーリ

2015-11-08 | 日本映画
 「MOZU」劇場版、初日に観に行きました~期待以上にハチャメチャで、笑えました~「S 最後の警官」みたいに大コケして早々と打ち切りになる前にMOZUファンは劇場へ急げ~!!
 公開前にDVDで、MOZU the movie に出演してる大好きなイケメン二人の映画も観ました~

 MOZU公開記念①
 「エイプリルフールズ」
 対人恐怖症の女性清掃員は、一度だけ関係をもった若い医者に、妊娠したことを報告。エイプリルフールの嘘と思い相手にしない医者。彼が美女を口説いているレストランに清掃員が現れ、もっていたピストルで客や従業員を人質にして店に籠城するが…
 うう~ん…こういうノリ、苦手かも…ドタバタコメディは決して嫌いじゃないのですが、ドタバタが雑でしょーもなさすぎ、というか。何だか延々とダラダラと続くバラエティのコントみたいだった。大人向けじゃない。コメディなのに笑えない、というのが致命的。笑えそうにはなるけど、寸でのところで笑えなくなる。途中で止まってしまうクシャミのような気色の悪い中途半端感、かゆいところに手が届かないもどかしさ。イカレた妊婦と色魔の医者、宮様のふりをしている老夫婦、仲良しの青年二人、少女を誘拐したヤクザが、まったく関わりなくそれぞれドタバタ騒動を展開しながら、やがてつながりが判明という内容なのですが。うう~ん…あっと驚き膝を打つような意外性がなかった。あの人とあの人が夫婦だった、恋人同士だったと分かっても、だから何?って感じでしたし。ストーリーにサプライズな形で直結、影響してないのが惜しかった。おバカでも下品でもいいから、もうちょっとトリッキーなヒネリが欲しかったかも。「殺したい女」とか、ハリウッドのドタバタコメディは傑作が多いよな~と、あらためて感服。
 お話も、ベタな人情ものすぎ。既視感たっぷりな使い古された設定が陳腐で白けます。あと、共感も理解もできない異常者が多すぎ。ピストル籠城するコミュ障の妊婦とか、屋上で宇宙人を招来しようとする中学生とか、人騒がせすぎる大迷惑なき○がいだし。キャラ立ちさせるのに失敗したギャグ漫画みたな、ハンパないスベリ感がサムかったです。
 キャストは、好きなイケメンや女優と、苦手なタレントや舞台系俳優のゴチャマゼ。そのせいで、美味しいのかマズいのか判らない変な味の雑炊みたいな映画になってしまいました。
 女狂いの色魔医者役は、大好きな松坂桃李MOZU劇場版では、新キャラの殺し屋を激演してます

 トーリくん、なかなかのアホっぷり!イケメン崩しな顔芸もお見事でした。尻も披露!上半身はガリガリですが、おちりは意外とどっしりムッチリしててエロかった!眼福でしたが残念ながら、あのデカいケツがグワングワンと淫動することはなかったです。いずれは、と期待トーリくん、声と唇がエロいですよね~。色気ないないと不満ばっか言ってましたが、どうしてどうして。彼の役者魂を燃えさせる演出に恵まれれば、エロい濡れ場も可能なのでは。
 レストランの店長役は、これまた大好きな小澤征悦

 カッコいいけどトボけたオザユキも、ほんといつみてもいい男。そしていつ見てもフツー。そろそろ強烈に大胆な演技、カマしてほしい。トーリとのツーショットに萌え~。
 胡散くさい占い師(りりィが珍演!)に除霊してもらおうとする青年役は、これまた大好きな岡田将生

 岡マも、相変わらず美人で可愛いですね~。でも出番はチョコっとだけ。ヘタレな草食イケメン役は彼のオハコですが、そろそろ彼もそこから脱皮してもいい頃…

 親友とイチャイチャしてる青年役は、売れっ子の窪田正孝。彼もチョコっとしか出てこないのですが、インパクトはトーリよりもあり。何せ、BLでしたから(笑)。親友のウソを真に受けて、俺も好きだー!と布団に押し倒してグワっと互いの服を剥いでレイプ?する野獣ゲイな窪田くん、ちびっこなのに筋肉質な肉体美です。彼らのパートが、いちばん見たかったんですけどぜひスピンオフを!
 人質のひとりであるCA役は、トーリとは「サイレーン」でも共演してる菜々緒。

 ゴージャスなサイボーグ美女という見た目はいつも通りですが、今回は男前な気風のいい役で好感。トーリの股間を足で弄んだり、うっそぴょーん!ポーズとか笑えました。
 宇宙人な中学生役の男の子、どっかで見たことあるな~と思ったら、あ!「家族ゲーム」の子じゃん?浦上晟周くん、演技も巧いしイケメンというよりは味わいのある男になりそうだし、将来が楽しみな子ですね。
 古田新太、滝藤賢一、生瀬勝久とか、いい役者なんだけど…舞台系のオーバーな演技は、ちょっと苦手。最も受け付けなかったのは、ユースケサンタマリア。イヤな予感が見事に的中してしまった。彼にはいつも、俺って面白いだろ?と無理やり笑わせようとしてるような圧迫感を覚えます。無駄に出番が多かったのも、ちょっと…

 ↑三ツ星食感!のCMのトーリが特に好きです。声がいいですよね~。でもトーリくん、ちょっとCMに出すぎなのが気になる…
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惨劇の海霧

2015-11-06 | 韓国映画
 「海にかかる霧」
 不況にあえぐ漁村。漁船の船長チョルジュは、中国からの不法移民の運搬という裏仕事を引き受けてしまう。密航者を乗せた船の上では、恐ろしい惨劇が待ち受けていた…
 愛しのパク・ユチョンの待望のスクリーン・デビュー作を、やっとこさ観ることができました~!マンセー
 最年少の船員ドンシク役のユチョン、ちょんまる可愛かった~役作りで増量したユチョン、普段のスレンダーな彼も好きですが、ガッチリムッチリしたユチョンもイケてますがな~韓流スターといえばのモムチャンではないユチョンですが、背が高く肩幅が広いなど体格は元々いいので、鍛えたり太ったりしたら、やっぱチビで貧相な日本の某事務所のタレントとは違った男らしさが。

 TVドラマでは、朝鮮王朝の王子さまとか貴族の子息、財閥の御曹司とかセレブな役がほとんどなユチョンなので、貧しい漁師な彼はすごく新鮮でした。貧乏な役のほうが、ユチョンに似合うし何か自然な感じする。異国アメリカでの複雑な家庭環境、売れる前の東方神起時代の苦節など、実は苦労人のユチョンなので、地に近いのでは?

 素朴な風貌同様、ドンシクのキャラも可愛かった!シャイで優しく、ちょっとトンマっぽい愛らしさが母性本能をくすぐります。密航者の女性ホンメにオズオズと、でもグイグイ近づいてくるドンシク、まるでデカい子犬みたいで可愛すぎる!ぜったいヘンな下心とかないと信じられる純真で清潔な雰囲気も、なかなか出せないユチョンの魅力のひとつです。笑顔が無邪気すぎる!あんな笑顔、演技でできるんですね~。ドンシクじゃなかったら、ホンメも男と地下で二人っきりにはならなかったでしょうし。何でタメ口きくのとホンメに年齢を疑われるドンシク。ユチョンの少年っぽさ、童顔もチョアチョア。ぼわ~んとふやけたような、非ファンにはブサイクにも見える顔してますが、そこが曲者なユチョンなんですよね~。フツーっぽいけど、油断してたらハっと目を奪い胸をドキっとさせる美しさ、エロさを見せるんですよ。東方神起時代のユチョンは、それで私を虜にしていました。この映画では、あ!可愛い!と胸キュンはさせるけど、彼の最大の魅力であるドキ!なエロさはなかった。そこが残念。

 ユチョン、セックスシーンに挑戦!ユチョンが裸で女と絡むなんて、前代未聞じゃないですか!でも、脱いでも乳首もおしりも見せないという、そういう面ではまだ事務所NG、脱アイドルできてないユチョンでした。ユチョンもアラサーなので、そろそろ大人の俳優にステップアップしてほしい。
 でも、演技はなかなかの気概、気迫でした。おとなしい優しいドンシクの、愛する女を守るために鬼と化す悲しい恐ろしい変貌が…密航者の死体を刃物で解体!ホンメを強姦しようとしたり殺そうとしたりする先輩船員たちを暴力で撃退!ひえ~!可愛いユチョンに、そんなことさせないでー!と、目を覆いたくなるエグいヴァイオレンスさ。愛のために、生き残るために血みどろになるユチョンが、怖くてカッコよかったです。アイドルの映画といえば、チャラいラブコメと相場が決まってますが、こういう映画をデビュー作に選んだユチョンに、本気度と役者魂を感じました。

 ユチョンも頑張ってましたが…船長や先輩船員たちが狂いすぎ、外道すぎ!みんなどんどんダークサイドに堕ちてゆき、船上は阿鼻叫喚の地獄絵図、映画はだんだん血まみれホラーに。まあ、あの状況で理性を保つのは至難の業ですが。地下倉庫で密航者がみんなガス中毒死!の惨状もウゲゲでしたが、死体を解体して海に放り投げたり、極限状態に耐えられなくなった船員たちがプッツンして殺し合いに発展したりが、韓国映画らしく残虐に野蛮に描かれているので、気が弱い人は観ないほうがいいです。船に執着する船長も狂ってましたが、ホンメとヤリたくてヤリたくて仕方がないあまりにおかしくなってしまう船員の、ギラギラハアハアっぷりがヤバすぎて笑えた。あの人、無事に陸に戻れても性犯罪者になること必至ですよ。船員が抱えていたストレスとか不満、憎悪や嫉妬、劣等感など、心の闇を殺し合いに至る前に濃ゆく描いてたら、もっと怖くて面白い映画になってたかも。
 船長チョルジュ役は、「チェイサー」や「ワンドゥギ」などの名優キム・ユンソク。その破滅的な暴虐っぷりが怖い~!はじめは寡黙で頼れる親分だったのに、いろんなことが積み重なって鬼畜化。待遇に文句をつける密航者をボコボコにして海に放り込んだり、邪魔なホンメを容赦なく殺そうとする非情さは、ユルいヌルい日本の俳優には出せない凄愴さでした。船長に忠実な甲板長は、「ワンドゥギ」でハゲおやじを演じてた人ですよね?
 密航など、韓国ならではの社会の裏面も興味深かったです。そして韓国の貧乏さは、日本より悲惨でシビア。日本に生まれてよかった、と心の底からあらためて思いました。

 ↑ユチョンもついに、兵役に就きましたね。体に気をつけて、お国のために頑張ってくださいクテカジアンニョン~
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暴露する男たち

2015-11-05 | 北米映画 08~14
 秋の英国男優祭⑦
 「フィフス・エステート 世界から狙われた男」
 内部告発サイト“ウィキリークス”の創設者ジュリアン・アサンジと、彼のカリスマに魅せられたダニエルは、次々と隠蔽された国家的機密をネット上で暴露。やがて彼らは世界各国で脅威と見なされて…
 今をときめくベネディクト・カンバーバッチ主演作。バッチ大好きなmy motherに、先に観んさいとDVD貸してあげたのですが、わけがわからん!おもしろうない!とすぐに返されましたどんだけつまらないのか、恐る恐る観たのですが…恐れてたほどつまんなくはなかったです。でもまあ、確かに面白くもなかったさすが、2013年最大コケ映画だけある。老母や私のようなアナログな年寄りには、かなりキツい内容です。ウィキリークスとか、よく耳にはするけどいまだによく解かってないし。この映画を観た後でも、???なままです。世界的な機密をネット上で暴くジュリアンたちですが、そのプロセスとかよく理解できない。情報提供者との関わりとかもワケワカメ。そういうのに知識や興味があれば、面白く観られる映画かもしれませんが…暴露もスケールが大きすぎて、ふう~ん?みたいな。同じ暴露なら、ウィキリークスでアメリカ政府の謀略よりも、アサヒ芸能で芸能人のスキャンダルを知りたい私は、悲しいまでに意識の低い小市民です

 ヨーロッパやアメリカ、中東やアフリカなど、世界のいろんな都市にジュリアンたちが神出鬼没するのが、旅行好きには楽しかったです。ほんとに現地でロケしたのなら、製作費かかっただろうな~。ミュンヘンとレイキャビクに行ってみたい!
 話の内容、主人公たちのキャラと相関は、「ソーシャル・ネットワーク」に似てる?映像や編集が斬新で怒涛の展開だったSNに比べると、この映画は地味で暗いです。SNの主人公と彼に翻弄される人々はコミカルで笑えたけど、この映画のジュリアンたち登場人物には、あまり魅力を感じなかった。人間ドラマというより、ドキュメンタリータッチだったからでしょうか。全体的に無機質な印象。ジュリアンとダニエルの対立、愛憎も、腐としてはかなり薄くて物足りなかった。
 ジュリアン役のベネディクト・カンバーバッチは、白髪に近いブロンドの長髪で、すごい変装感。いつもに増してキツネっぽかった。それが人を化かしてるようなジュリアンのキャラには合ってたけど。天才だけどコミュ障っぽい主人公、というのは「シャーロック」や「イミテーション・ゲーム」と同じ。でも、傲慢不遜なのは天然すぎるから的なシャーロックやアラン・チューリングと違って、ジュリアンはすべてわかっててやってるみたいな性格の悪さを感じました。凄腕詐欺師とか新興宗教の教祖みたいな胡乱さ、危ないカリスマっぽさが、もっと欲しかったところです。バッチさん、ヤな男役でも何か人が善さそうで、真の悪役とかはできないかも?

 わし的にはバッチさんよりも、ダニエル役のダニエル・ブリュールのほうに抱かれたいですブリュっち、相変わらず優しいクマさんみたいで可愛い絶対いい人!と確信できる温かい仁徳オーラであふれてます。クマみたいだけどキャラは犬。コミュ障のジュリアンにも優しく忍耐強く接し、敬意や信頼を寄せる様子とか表情が、ご主人様に対して忠実で誠実な犬みたいで萌え~。ムチムチした裸も好き。抱かれたら、さぞや心地よいことでしょう。国際俳優として、最近は英語圏の映画を主戦場にしてるっぽいブリュっち。彼がホントはドイツ人だということを忘れそうになるほどの流暢な英語もカッコいい。ブリュっちって、ドイツ語とスペイン語のバイリンガルで、フランス語も上手なんですよね~。語学力ハンパねぇ~。
 今回の英国男優はバッチさんではなく、ダン・スティーヴンスに注目

 英ガーディアン誌の記者イアン役のダン。あまり登場シーンがなく、ぶっちゃけチョイ役なのですが、やっぱイケメンですね~。派手で特異な美しさではなく、地味だけど品があって知的な端正さは、いかにも英国美男。ダニエルの恋人役は、新作目白押しなスウェーデン出身のアリシア・ヴィキャンデル。アメリカ政府の高級官僚役は、名女優のローラ・リニー。国際色豊かな出演者は特筆に値します。

 ↑和気藹々の3人。ダンは美男、バッチは個性派、ブリュっちはイモ可愛い。みんな好き

 ↑ダン&バッチは、私生活でも大の仲良しなんだとか
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不滅のバズビー・ベイブス

2015-11-03 | イギリス、アイルランド映画
 秋の英国男優祭⑥
 「ユナイテッド ミュンヘンの悲劇」
 1958年、イギリスのサッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッドの主力選手たちは、ゲームを終えミュンヘンから英国へ戻ろうとするが、彼らの乗った旅客機は悪天候の中で離陸に失敗。事故で仲間を失ったボビーは、悲しみから立ち直れずにいたが…
 実話をベースにしたノンフィクション・フィクション。元はテレビ映画だそうです。英国以外の国では劇場公開。
 飛行機事故、最近多いですよね。ついこないだも、エジプトの旅客機がドイツに向かう途中で墜落したばかり。アイルランドに行く前に観なくてよかったです。飛行機事故は、車よりも起こる確率が低いとよく言われてますけど…被害と恐怖が甚大すぎて、やはり運転中には感じない緊張感と怖さを、飛行機に乗るたびに感じずにはいられません。それにしても。あんな悲惨な事故でも、ボビーや監督みたいに重症を負いながらも生存したり、中にはかすり傷程度ですんだ人もいる。生死を分かつ運命の不思議な残酷さにも、暗澹となってしまいます。

 それにしても、映画の中で起きた飛行機事故…あんな悪天候で運行なんて、ありえない~!乗客、怖かっただろうな~。運が悪かった、という一言では片づけられないやりきれなさがあります。有望で有能な若者が命を奪われてしまうことほど、理不尽で悲痛なことはありません。何も悪いことはしてない、むしろ世の中にとって有益な人たちが、あんな悲惨な目に遭うだなんて。神も仏もないとは、まさにこのこと。亡くなった人同様、生存者も悲惨です。事故で味わった恐怖感、助かった!という喜び以上に、生き残ってしまったという罪悪感、大切な人を失ってしまった喪失感…体の傷は癒えても、心の傷はたやすくは癒えないでしょうし…事故の被害者、遺族もさることながら、応援していたファンのショックもはかり知れません。もしカープが同じことになったらと想像しただけで、精神のバランスを崩しそうになりますし。

 悲劇に打ちのめされながらも、再生に向かって立ち上がる人々の姿が、感動的に描かれています。ほぼ壊滅状態から短期間で復活するチームを見てると、人間ってたくましい生き物だな~と感嘆せずにはいられません。悲嘆は深いけど、どこぞの国民みたいに感情あらわなヒステリックなものではなく、静かに抑制されてるところが、いかにもイギリス人って感じでした。ウジウジメソメソ湿っぽくないところに好感。チームを応援する人々も、慎ましくも誠実な温かさで、ヘンにハイテンションな押し付けがましい親切、過干渉がないところも、イギリスの国民性でしょうか。
 50年代当時は、今のようにサッカー選手ってセレブじゃなかったんですね。スタメンで活躍しマスコミにも騒がれてる人気選手も、生活が質素だったのが驚きました。
 主人公のボビー役は、最近出演作目白押しな気鋭の若手イギリス俳優、ジャック・オコンネル。

 イギリス男優とえいばのハイソな上品さとか知的な紳士的な魅力、とは違って、かなり庶民的な下町ボーイ的な男子。系統としては、「キングスマン」のタロンくんと同じでしょうか。少年っぽくて可愛い。日本ではそんなに人気は出そうにないけど、私は好きです。素朴なフツーっぽさとか、ちょっとヤンチャで実はナイーブ、といった感じは、たとえば「モーリス」とかでモーリスではなく庭師の青年のほうに萌える腐女子に受けそうな風貌。事故のショックを引きずってる様子が、なかなか母性本能をくすぶる胸キュンな可愛さでした。いつも悲しそうな、今にも泣きそうな不幸顔がキュートです。
 コーチのジミー役、デイヴィッド・テナントも好演。重傷を負うバスビー監督役は、どっかで見たことあるおじさんだな~と思ったら、後でダグレイ・スコットと知ってビツクリ!すっかり爺っぽくなっててショック!トム・クルーズのM:I2の、あの男前な悪役が…役作りで老けメイクだったのかな?
 ボビーを弟のように可愛がってるスター選手ダンカン役、サム・クラフリンがイケメン!

 「スノーホワイト」で王子さま役だった人ですよね?カッコいいですね~。シャイなボビーを明るくからかったり励ましたりするイケメン兄貴分っぷりに、ちょっと腐的には萌える微かなBLのかほりが(^^♪妻帯者役だったのが残念(笑)。

↑ジャック・オコンネルくん、1990年生まれの25歳。アンジェリーナ・ジョリー監督の「アンブロークン」に続いて、ジョディ・フォスター監督作にも起用。ハリウッドの大物女傑たちに気に入られたオコンネルくん、私生活ではモデルのカーラ・デルヴィーニュと付き合ってるとか。何か怖そうな女たちからモテモテですね

 ↑サム・クラフリン、1986年生まれの29歳。「ハンガー・ゲーム」にも出てましたよね。脱いだらスゴいマッチョ!残念ながら(笑)奥さんいるみたいです
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アイルランドの夏④ 独り火サスの断崖!

2015-11-01 | 旅行、トレッキング
 朝食前に、市民の憩いの場である公園、エア・スクエアまで散歩。ゴミ袋を突きまわしている鳥は、カラスではなくカモメでした。
 8時、サロンで朝食。日当たりの良いガラス張りのサロンで、美しい花が咲き乱れてる庭を眺めながらの朝食は、なかなか趣がありました。朝食は、もちろんアイリッシュ・ブレックファスト。ソーセージが美味しかったです。
 この日は、日本でネット予約したモハーの断崖ツアーに参加。9時45分に、高速バス乗り場のコーチ・ステーションで観光バスに乗り込みます。総勢20人くらいのツアー。日本人は私だけです。陽気な運転手さんが、運転しながら観光案内してくれます。
 ゴールウェイ中心地を離れ、どんどん人里離れた田舎へとバスは進みます。人よりも、牛さん馬さんのほうが多い緑の風景が、ひたすら窓外に広がります。

 やがてバスは、山道を登り始めます。バレンという土地にある、アーウィーの洞窟に寄るのです。石灰石の丘陵が広がる荒涼としたバレンの光景は、まさに自然の神秘。アーウィーの洞窟は、バレン地方にある数千もの洞窟の中で、唯一一般公開されている洞窟なのだとか。

 11時頃に、アーウィーの洞窟に到着。職員の案内で洞窟内ツアー。秋吉台の鍾乳洞をコンパクトにした感じ?暗くて狭いので、閉所暗所が苦手な人にはおすすめできません。ひんやりと静かな、やはり自然の神秘を感じさせる異空間でした。

 再びバスに乗り、13時過ぎにモハーの断崖に到着。アイルランド観光といえば、やっぱこの世界でいちばん有名な断崖でしょう。いろんな映画や、韓国ドラマ「アイルランド」でもロケ地になった断崖絶壁に、前からずっと憧れてたんですよね~。断崖といえば、追い詰められた犯人が罪を告白したり投身自殺したりする、2時間ドラマお約束の場。土ワイや火サスのファンなら、ワクワク間違いなし!
 案内センター前は、観光バスや観光客でゴッタ返し。さすがアイルランド随一の観光地。バスを降りると個人行動。団体行動ができないコミュ障の私は、ほっと安堵&行くぞ!と張り切って断崖へと向かうのだった。
 しかし…さっきまでの快晴が…空がどよどよと曇り始めたかと思うと、ものすごい風雨に!ひえ~!か、傘!ついでにカッパも!しかし、そんな雨具も役に立たないほどの強い風と雨!他の観光客同様もう引き返せない、進むしかない状態で歩き続けてたら、ふっと風も雨もおさまって、再び青空が。もう、これの繰り返しでした。今までに体験したことがないほどの天候の不順さ、不安定さ。

 断崖沿いの道を、ひたすら歩きます。距離があるし足元がよくないので、しっかりした運動靴がマストです。目の前に広がる断崖絶壁、荒々しく黒い海は、禍々しいまでの峻厳さ。わ~きれい♪なんて呑気な感動ではなく、人間を拒絶してるかのような自然の厳しさに、ただもう畏怖するのみでした。断崖に立ち、強い風に吹かれながら、岩よ砕けろとばかりに荒々しい波涛の海を見下ろしていると、後ろから声をかけられました。片平なぎさ?!はっと振り返ると、なぎさではなく、アジア人の親子連れが、写真撮ってくれと。快諾し、ハイ、チーズ♪カメラを返すと、ニホンジンデスカ?と日本語で訊かれました。彼らは何人だったのかしらん?おそらく中国人だと推察。

 それにしても、この断崖。一歩間違えれば、まっさかさまに転落!のスリルが楽しめます。柵とか安全対策が全然なされてないのが驚異。崖っぷちまで、フツーに行けちゃいますから。つわものどもは、うつ伏せになって崖の下を覗き込み、写真撮影などしてました。私も高所は苦手ではないので、日本だと怒られそうなこともして、断崖の恐怖を楽しみました♪ビツクリだったのは、小さい子どもとか犬とか連れて歩いてる人たち!あ、危ないよ~。
 断崖で最も高い所にあるオブライアン塔まで来ると、嵐がキター!!避難!レベルの大雨になり、ゆっくり眺めを楽しむ余裕などナッシング。しばらくすると雨もやみ、断崖から案内センターへ戻る途中、空に虹が。あ、きれい…と見とれてたら、強い風が吹いて私の手ぬぐいを奪っていったのでした。風に乗ってどんどん遠くへ飛ばされていく、関空の100均で買った手ぬぐい…母さん、僕のあの手ぬぐい、どうしたでしょうね…ジョー山中の歌が、バックから流れてきそうな光景でした(古っ!)。
 断崖を堪能し、ゴールウェイへと戻るためバスへ。でも…集合時間の15時を過ぎても、ツアー客の一人であるドイツ人女性が戻ってきません。10分ぐらい待って、ま・いっか、なノリで、何とその女性を置いてけぼりにして、バスは発進!ええ~?!同じ旅行会社のバスがまだいるので、何とかなるでしょ!な感じでしたが…いとも簡単に置き去りにされるなんて!時間は厳守せねば!と、あらためて思いました。
 途中、バスはパブに寄ってコーヒーブレイク、18時頃にゴールウェイに無事到着。何だかもうクタクタで、一刻も早く独りでゆっくりしたかった私は、エア・スクエア・センター内でサンドウィッチと飲み物を買って、宿へと戻ったのでした。翌日はアラン諸島への小旅行、きっとまた体力勝負な一日…その夜はパブにチャレンジしようと計画してたのですが、そんな余力は残っておらず、ベッドに転がるなり爆睡したのでした…
 to be continued…
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