さっき知ったのですが…カズオ・イシグロの小説「私を離さないで」が、日本で連ドラ化!
キャリー・マリガン主演の「わたしを離さないで」の原作でもある小説、私も大好きなんです。もし日本で映像化されるとしたら、あの役はあの人がいいんだけどな~と、いつも小説を読む時には脳内で理想妄想キャスティングを楽しんでるのですが、とりわけ「私を離さないで」はmyイメージが強く働いた作品でした。なので、発表されたドラマ化のキャストは、かなりの衝撃というか…むむむ…
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最近では吉田修一の「怒り」映画化もですが…小説や漫画が映像化されると、ファンは期待以上に不安や失望を先に抱いてしまいますよね~。自分のイメージとあまりにも乖離がありすぎると、いっそ映像化されずそっとしておいてほしかったかも…なんて思ってしまいます。そんな私の勝手な思い入れを嘲笑うような名作や秀作に仕上がってくれることを切に祈ります。
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「L.A.コンフィデンシャル」
50年代のロサンゼルス。マフィアの抗争が激化する中、カフェで客や従業員が虐殺される事件が起きる。元同僚を殺された刑事バドは、捜査線上に浮かんだ娼婦のリンと恋に落ちる。一方、エリート刑事のエド、ベテラン刑事のジャックもそれぞれ事件を追ううちに、恐るべき真相に近づいていくが…
1997年のアカデミー賞助演女優賞、脚色賞を受賞するなど(「タイタニック」の対抗馬としても注目されてました)、高く評価された犯罪ドラマの傑作です。
50年代のハリウッド、陽気で優雅な古き佳き時代…というのは表の顔で、実は血みどろで腐りきったダークタウンだったんですね。こんな街、ぜったい住みたくない!命がいくらあっても足りん!な地獄絵図に戦慄。毒と知っていても、野心や欲望が甘い蜜となって人々を惹きつけ狂わせるロサンゼルスの明と暗が、ムーディに描かれているのもこの映画の魅力です。マフィアも警察も、激烈に対立してるのかと思いきや、ズブズブな腐敗関係だったり、もう誰も信じられない世界。ちょっとでも出方を間違えたらお陀仏、な薄氷を渡るような怖さと緊張感に満ちています。マフィアの凶暴さも怖いけど、警察はマフィア以上に凶悪。拷問や偽装工作など当たり前、問答無用に容赦なく逆らう奴も怪しい奴も邪魔な奴も殺しまくり、金や出世のためには汚いことも平気。こんなお巡りさんたち、いやだ~
この映画みたいな非道さは、いくら何でも今はまかり通ってないと思うけど、悪しき名残みたいな事件はたまにアメリカでは起きてますよね~…とにかく暴力的すぎるのが、ほんと怖い国アメリカ。わしなんか確実に、事件には関係ないのに巻き添え食って死ぬタイプじゃわ
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事件の謎も、複雑怪奇で面白かったです。マフィアの抗争、かと思われていた事件が、調べていくうちにだんだん深い闇に引き込まれていくような展開のスリリングさや、個性的な刑事たちのキャラがよく理解できる会話、伏線の張り方の巧さなど、さすがオスカーの脚本賞を受賞しているだけあります。エドが父親を殺した未逮捕の犯人に名付けた仇名が、事件解決につながる使われ方をしていたのが秀逸でした。でも…せっかくの深い闇っぽい真相も、ラストのほうではもうシッチャカメッチャカの大戦争に発展してしまい、真実もクソもないじゃん的な、結局皆殺しが最良の解決法だったのがちょっと…当時の人種差別も非道すぎる。出てくる黒人はみんな、差別されても仕方がないような凶悪卑劣な犯罪者ばかり。演じてる黒人俳優たち、仕事とはいえイヤだっただろうな~。
この映画、キャストが素晴らしいです!主役のガイ・ピアースとラッセル・クロウが、若い!カッコいい!可愛い!漢(おとこ)!大熱演!
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エリート刑事エド役のガイピー、当時30歳。角度によっては大学生にも見えるほど、若くて可愛い!シャープな猿顔がええわ~
眼鏡も知的かつキュート。出世のためには仲間も裏切る冷徹なガイピー、とんがっててイキがってるところも、ヤな奴というよりガムシャラに頑張ってる少年っぽくて応援したくなります。傲慢不遜でクールだけど、眼鏡のことでからかわれて心外そうな顔したり、大事な時に眼鏡かけわすれて来たり、ハニートラップにかかったり。ちょっとヌケてるところがあって、とにかく何か可愛いガイピーです。
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正義の暴力刑事バド役のラッシー、当時33歳。怖い!けど、可愛い。ろくでもない奴らはボコボコ半殺し、もしくは殺してしまう激ヤバ刑事だけど、女には異常に優しいフェミニスト、という男の剛と柔を併せもった役。憤怒に燃えてる時の目つきは、危険度MAX!キレた時の表情は、ふんがー!という漫画みたいな声が聞こえてきそうなほど。かなり病んでる上に、あのプロレスラーみたいなゴツい体格。あんな熊みたいなマル暴刑事さんに取調室へ連行されたら、やってないことでもゲロりそうです。敵に回したら怖いけど、愛されたら幸せ…かな?!女には超優しいけど、裏切ったら何するか分からない危険もあるし。娼婦に恋して彼女にZOKKON命になるラッシーは、ウブな少年のように初々しく繊細。ラブシーンの彼もスウィート&ラブリーでした。ゴリマッチョなサービス脱ぎシーンもあり。
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当時ハリウッドでは、ほぼ無名だったオーストラリア俳優のラッシー&ガイピー。彼らの起用は、かなり制作側としては賭けだったのではないでしょうか。結果は大成功でした。その後、二人は大躍進。特にラッシーは、有名女優とのスキャンダルやオスカー受賞など、立派なハリウッド☆スターになりました。ガイピーも地味ながら佳作異色作に出演し、今は素敵な熟年男優に。もっともイキがいい頃の若熊ラッシーと若猿ガイピーの、火花バチバチなガンとばし合いシーンや、ガチンコタイマンシーン(ラッシーが一方的にボコってるだけですが)が萌え~です。二人がもうちょっと早く協力してれば、あんな阿鼻叫喚なラストにならなかったでしょうけど。険悪だった熊と猿が、ついにアニマルタッグ!ラストのハードボイルド・ヒーローな二人、かなり胸キュンものです。
クレジットのトップは、2度のオスカーに輝く名優のケヴィン・スペイシー。
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スマートで小粋なチョイワル刑事ジャック役のスペイシー氏も、なかなかカッコよかった。飄々と掴めないキャラが、彼らしい。スペイシー氏と悪徳関係なゴシップ記者役のダニー・デヴィートも、いい味出してます。二人のやりとりが、緊迫血みどろ激闘の中、コメディリリーフ的な役割を果たしてます。そして、二人に利用される売れない俳優役が、TVドラマ「メンタリスト」で人気のサイモン・ベーカー。メンタリストにハマってるmy motherが、彼の大ファンなんですよ。まだ駆け出し時代の彼、さすがに若い!クニャっとしたメロウな笑顔が可愛い。両刀使いで、ドラマの役を得るためにホモ爺と寝ることも厭わない役、ファンにはかなり切ないかも。全裸で写真撮られて逮捕される、なんてマヌケな姿が笑えるけど切ない。悲惨すぎる末路も切ないです。そういえば、サイモン・ベーカーもオージーでしたっけ?この映画、オージー率が高いのはなぜ?常に平然と高みに立ってるみたいだったスペイシー氏が、可愛い男娼のサイモン・ベーカーが殺されてショックな様子に、ちょっとニヤリ
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ほぼ紅一点、謎の娼婦リン役のキム・ベイシンガーは、この映画でアカデミー賞助演女優賞を獲得。ゴージャスかつ哀感ある存在感で、荒ぶる男たちの中で艶やかに咲く花のよう。若いラッシーとガイピーじゃ、とても太刀打ちできない貫禄のキム姐さん、いかにも怪しい悪女って感じではなく、娼婦でありながら優しい聖母みたいなところが特異で魅力的でした。
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↑ラッシー&ガイピー、あの頃きみは若かった~♪おじさんになった今、再共演してほしいです
キャリー・マリガン主演の「わたしを離さないで」の原作でもある小説、私も大好きなんです。もし日本で映像化されるとしたら、あの役はあの人がいいんだけどな~と、いつも小説を読む時には脳内で理想妄想キャスティングを楽しんでるのですが、とりわけ「私を離さないで」はmyイメージが強く働いた作品でした。なので、発表されたドラマ化のキャストは、かなりの衝撃というか…むむむ…
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最近では吉田修一の「怒り」映画化もですが…小説や漫画が映像化されると、ファンは期待以上に不安や失望を先に抱いてしまいますよね~。自分のイメージとあまりにも乖離がありすぎると、いっそ映像化されずそっとしておいてほしかったかも…なんて思ってしまいます。そんな私の勝手な思い入れを嘲笑うような名作や秀作に仕上がってくれることを切に祈ります。
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50年代のロサンゼルス。マフィアの抗争が激化する中、カフェで客や従業員が虐殺される事件が起きる。元同僚を殺された刑事バドは、捜査線上に浮かんだ娼婦のリンと恋に落ちる。一方、エリート刑事のエド、ベテラン刑事のジャックもそれぞれ事件を追ううちに、恐るべき真相に近づいていくが…
1997年のアカデミー賞助演女優賞、脚色賞を受賞するなど(「タイタニック」の対抗馬としても注目されてました)、高く評価された犯罪ドラマの傑作です。
50年代のハリウッド、陽気で優雅な古き佳き時代…というのは表の顔で、実は血みどろで腐りきったダークタウンだったんですね。こんな街、ぜったい住みたくない!命がいくらあっても足りん!な地獄絵図に戦慄。毒と知っていても、野心や欲望が甘い蜜となって人々を惹きつけ狂わせるロサンゼルスの明と暗が、ムーディに描かれているのもこの映画の魅力です。マフィアも警察も、激烈に対立してるのかと思いきや、ズブズブな腐敗関係だったり、もう誰も信じられない世界。ちょっとでも出方を間違えたらお陀仏、な薄氷を渡るような怖さと緊張感に満ちています。マフィアの凶暴さも怖いけど、警察はマフィア以上に凶悪。拷問や偽装工作など当たり前、問答無用に容赦なく逆らう奴も怪しい奴も邪魔な奴も殺しまくり、金や出世のためには汚いことも平気。こんなお巡りさんたち、いやだ~
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この映画、キャストが素晴らしいです!主役のガイ・ピアースとラッセル・クロウが、若い!カッコいい!可愛い!漢(おとこ)!大熱演!
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エリート刑事エド役のガイピー、当時30歳。角度によっては大学生にも見えるほど、若くて可愛い!シャープな猿顔がええわ~
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正義の暴力刑事バド役のラッシー、当時33歳。怖い!けど、可愛い。ろくでもない奴らはボコボコ半殺し、もしくは殺してしまう激ヤバ刑事だけど、女には異常に優しいフェミニスト、という男の剛と柔を併せもった役。憤怒に燃えてる時の目つきは、危険度MAX!キレた時の表情は、ふんがー!という漫画みたいな声が聞こえてきそうなほど。かなり病んでる上に、あのプロレスラーみたいなゴツい体格。あんな熊みたいなマル暴刑事さんに取調室へ連行されたら、やってないことでもゲロりそうです。敵に回したら怖いけど、愛されたら幸せ…かな?!女には超優しいけど、裏切ったら何するか分からない危険もあるし。娼婦に恋して彼女にZOKKON命になるラッシーは、ウブな少年のように初々しく繊細。ラブシーンの彼もスウィート&ラブリーでした。ゴリマッチョなサービス脱ぎシーンもあり。
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当時ハリウッドでは、ほぼ無名だったオーストラリア俳優のラッシー&ガイピー。彼らの起用は、かなり制作側としては賭けだったのではないでしょうか。結果は大成功でした。その後、二人は大躍進。特にラッシーは、有名女優とのスキャンダルやオスカー受賞など、立派なハリウッド☆スターになりました。ガイピーも地味ながら佳作異色作に出演し、今は素敵な熟年男優に。もっともイキがいい頃の若熊ラッシーと若猿ガイピーの、火花バチバチなガンとばし合いシーンや、ガチンコタイマンシーン(ラッシーが一方的にボコってるだけですが)が萌え~です。二人がもうちょっと早く協力してれば、あんな阿鼻叫喚なラストにならなかったでしょうけど。険悪だった熊と猿が、ついにアニマルタッグ!ラストのハードボイルド・ヒーローな二人、かなり胸キュンものです。
クレジットのトップは、2度のオスカーに輝く名優のケヴィン・スペイシー。
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スマートで小粋なチョイワル刑事ジャック役のスペイシー氏も、なかなかカッコよかった。飄々と掴めないキャラが、彼らしい。スペイシー氏と悪徳関係なゴシップ記者役のダニー・デヴィートも、いい味出してます。二人のやりとりが、緊迫血みどろ激闘の中、コメディリリーフ的な役割を果たしてます。そして、二人に利用される売れない俳優役が、TVドラマ「メンタリスト」で人気のサイモン・ベーカー。メンタリストにハマってるmy motherが、彼の大ファンなんですよ。まだ駆け出し時代の彼、さすがに若い!クニャっとしたメロウな笑顔が可愛い。両刀使いで、ドラマの役を得るためにホモ爺と寝ることも厭わない役、ファンにはかなり切ないかも。全裸で写真撮られて逮捕される、なんてマヌケな姿が笑えるけど切ない。悲惨すぎる末路も切ないです。そういえば、サイモン・ベーカーもオージーでしたっけ?この映画、オージー率が高いのはなぜ?常に平然と高みに立ってるみたいだったスペイシー氏が、可愛い男娼のサイモン・ベーカーが殺されてショックな様子に、ちょっとニヤリ
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