まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

おっさんずラブ①② 巨根じゃダメですか

2018-04-29 | 日本のドラマ(連続)
 好評を博した単発ドラマ「おっさんずラブ」が、待望の連ドラ化!1話と2話を観ました(^^♪

☆春たん
 運命の男?主人公の春田役は、もちろん田中圭。モテない冴えないダメ男って設定ですが、まず見た目からしてもうダメじゃないです。スーツが似合っててカッコいい!モテないなんてありえんでしょ。アホみたいな表情、言葉づかいも、すごく可愛い!春たんのキャラも、アホだけど明るくて優しくて、仕事も誠実で一生懸命で、滅多にいないようないい男だし。男にもモテるのも理解、納得できるナイスキャラ、そしてナイス演技です。

☆黒澤部長
 大好きな吉田鋼太郎おじさまas黒澤部長、連ドラでパワーアップしてますね~。ノリノリで楽しそう!激シブなダンディな面と、乙女な面のギャップが楽しいのですが、二重人格的に激変するのではなく、どっちもいかにもなキャマっぽさとかゲイゲイしさとはな全然なく、あくまでカッコいい大人の男なところが素敵なんですよね~。相変わらず舞台調なところも笑えます。美声にもうっとり♡
☆牧くん
 単発編の長谷川に代わる新キャラ、ルームシェアする後輩の牧くん役は、吉田鋼太郎とは「カラマーゾフの兄弟」では父子役だった林遣都。

 久々に見た遣都くん。最近はケントといえば山崎賢人になってますが、遣都くんはイケメン枠を脱して個性的な俳優に成長。美少年だった遣都くんも、いつの間にかアラサーに。隔世。いっとき宇宙人っぽい顔になってたけど、また可愛くなってきてるような。小柄で痩せてるので、スーツがあまり似合ってませんね~。10代の頃の彼の、学生服の似合いっぷりは神ってましたが。またちょっと可愛くなってる遣都くんが、春田に恋する牧を好演してます。牧くん、ほんと優しい善い子なのが、ちょっと物足りないかな。ドSなツンデレかと期待してたので。遣都くん、見た目は中性的だけど、全然キャマっぽくないです。

☆イケメン息子ほしい
 だらしない息子に愛想を尽かし、家出する春たんママ。あれぐらいのだらしなさ、私だったら全然許容範囲ですがね~。イケメンで大きな会社の正社員で真面目に働いてて、モテないので女性トラブルもない、ギャンブルもしない、なんて良い息子じゃないですか。うちのダミアンのほうがよっぽどダメアラサーですよ!
☆一緒に住まないか
 牧くんに同居を提案する春たん。恋の予感、恋の始まりにドキドキするシーンでしたね!きれいな夜桜をバックにしてるところが、またムード抜群!

☆大場海浜公園で待つ
 部長にカップルだらけの夜の公園に呼び出だされた春たん、待っていたのは薔薇の花束と情熱的な愛の告白!単発編と同じく、顔を真っ赤にして今にも泡を吹いて倒れそうなほどパニくる田中圭の熱演が圧巻!バックの東京タワーとベイブリッジが映る夜景が、滑稽なシーンとギャップのある美しさ!

☆ふたりきりの病室
 部長をかばい、落下物の下敷きになってしまう春たん。病院で取り乱す部長、無事だった春たんに思わずしがみついて涙。けなげで可愛い部長の頭を、思わず撫でてしまう春たん。BLを嗤う意図があるなら、おバカで気持ち悪い演出になってたでしょう。でもこのドラマ、愛にほだされて垣根を超えそうになるノンケの心の揺れを、繊細に優しく描いてたんですよ。今までのドラマにはなかったよな~。

☆巨根じゃダメですか
 バスルームに乱入し、シャワーを浴びていた春たんに壁ドン、切なげに想いをぶつける牧くんの、TV史上に残る?名台詞です。

 春たんにキスする牧くん、動揺する春たん。おバカコメディなはずなのに、すごく切ない~。遣都くんと圭ちゃんの表情が秀逸でしたね~。消えてくれないキスの感触に、翌朝も心揺れるままの春たんに、何事もなかったかのように振る舞う牧くんの、冷静だけどちょと不自然な態度も、これまた切ない~。

☆陸嬢
 春たんの地元の後輩の彼女は社会人陸上の選手で、彼女をモデルに後輩が書いた小説のタイトルが「陸嬢」。下駄をアレした、というどっかで聞いたことがある内容が笑えた。
☆モンスターゆとり社員
 春たんの後輩社員、歌麻呂はイケメンだけど絵に描いたようなゆとり男。マイペースすぎる無神経で非常識な言動が笑えます。あれに怒らない春たんや部長、牧くんって、ほんと懐が広いわ~。

☆女もいい味
 BLに女は邪魔なのですが、BLを応援したり叱咤したりする春の幼なじみ娘や、おばちゃん社員の舞ちゃんは、腐女子みたいで好感。悩む牧くんに、好きになっちゃいけない人なんかいない、と慰める舞ちゃん、いい人!

☆あの時おまえが俺をシンデレラにしたんだ
 春たんに靴を履かせてもらい、うっとりときめく部長のバックには、虹色のシャボン玉!おバカだけど、かなり胸キュンなシーンでもありました。カッコいい男子に優しく靴を履かせてもらうなんて、まさに少女漫画の王道ですからね~。
☆けんかをやめて
 部長の手作り弁当を、戸惑いつつ美味しそうに食べる春たんが可愛い!

 ラブラブになりそうな中、牧くんが乱入。突然おっぱじまる修羅場!二人を止めて~私のために争わないで~♪河合奈保子もビツクリのシチュエーション、春たんのパニくりっぷりも壮絶!
☆おまえが必要なんだよ!
 夜の公園で、また切ないシーン!話を聞かず去ろうとする牧くんの腕を、待てよ!と掴む春たん。壁ドン同様、これもイケメンにされてみたい行為のひとつですよね~。まだ同性愛は受け入れられない様子だけど、牧くんにそばにいてと懇願する春たんの必死さは、もう男同士の友情ラインを越えてました。

★総括
 面白い!おバカなのに、少女漫画とBL漫画の王道を踏まえてる内容、演出に驚喜。ヘタな男女の恋愛ものより、よっぽど胸キュンで切ないですよ!数々の名台詞も素晴らしい。BLってことがあまり気にならない、素敵なラブコメになってるところも素晴らしい。LGBTをキワモノではなく、真面目に優しく描く画期的な名ドラマになりそうな予感!
 田中圭、吉田鋼太郎、林遣都の好演、熱演も素晴らしい!やっぱ若くてイケメンなだけの自称俳優、可愛いだけの女優じゃダメ、しっかりとした演技力とチャレンジ精神がある役者じゃないと、映画もドラマも面白くならないと痛感。

 
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夫の目の前で…

2018-04-27 | フランス、ベルギー映画
 お松の第2回イザベル・ユペール映画祭②
 「Eaux profondes 」
 資産家のヴィクは、奔放な若妻メラニーの情事に寛容で無関心な態度をとっていた。メラニーの愛人たちは次々と不可解な死を遂げ…
 「太陽がいっぱい」などの原作者として知られるパトリシア・ハイスミスの小説「水の墓碑銘」を、「読書する女」など女優映画の名匠ミシェル・ドヴィル監督が映画化。ミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール」と新作の「ハッピーエンド」では父娘役だったジャン・ルイ・トランティニャンとイザベル・ユペールが、この映画では夫婦役で共演しています。1981年公開の作品。36年前なので、当然ながら二人とも若い!

 メラニー役のイザベル・ユペールは、当時27、8歳。ショートヘアと、まだふっくらした丸い童顔が可愛い。小柄で華奢なので、ほんと少女みたい。役も悪女というより、イタズラ好きな子猫みたいでコケティッシュ。すごく陽気で闊達な若き日のユペりんが新鮮でした。可愛いけど挑発的で、すでにクールで二ヒルな毒があり、男たちの間をフワフワ飛び交いながら、毒を撒き散らして彼らを破滅へと導く小悪魔を、軽やかに楽しそうに演じてました。

 シックでエレガントな熟女な現在のユペりんですが、この映画の彼女はピンクや純白のドレスやパンツスーツなど、明るく可愛いファッション。おっぱい丸見え!なだらしなさ、あられもなさや、恥ずかし気もない平然とした全裸姿などが、天衣無縫なメラニーの性格を表していました。とにかく若い頃もユペりん、脱ぎっぷりがよすぎ!何ともあっけらかんと、ここで脱がなくても?!なシーンでも、大胆な全裸に。でも、着替えや入浴シーンで裸になるのは当然でしょ?と言ってるみたいな自然さリアルさが、さすがフランス女優です。

 ジャン・ルイ・トランティニャンは、当時51歳ぐらいでしょうか。現在はすっかりお爺さんになってますが、この映画の彼はシブい!ダンディ!そして男らしい!妻や幼い娘への優しさ甘さも素敵でしたが、たまに見せる射るような鋭い目つきが怖い!あの眼光が好きです。初老なのに、年寄りくささが全然なく、全体的にすごくシャキっとシャープで、若者みたいに動きが敏捷。プールで水着になるシーンがあるのですが、全然たるみがなく引き締まった上半身で驚きました。

 イビツな夫婦関係が怖くて面白かったです。ヴィクは若妻の浮気を容認していると見せかけて、間男たちを容赦なく始末。夫を疑い責めながらも、夫が殺人を犯すことが愛の証と無意識に思ってるようなメラニー。異常な愛のゲームのようでした。あんな異常な両親で、幼い娘が可哀想!娘が両親のやってることなどどこ吹く風で、すごく無邪気で幸せそうだったのが、せめてもの救い。働かずに遊びと趣味三昧っぽいブルジョア生活にも憧れます。ヴィクが飼ってたカタツムリが、ちょとっと不気味でした。何事にも動じないヴィクが、カタツムリ食べていい?と訊かれた時だけブチギレたのが笑えた。フランス料理のエスカルゴ、美味しいのかな?食べてみたいかも…
 サイコサスペンスな内容なのに、すごく洒脱で小粋な雰囲気の不思議な映画です。こういう大人の洗練された映画も、まさにフランス映画ならでは。今の邦画では望むべくもない味わいです。ミシェル・ドヴィル監督が撮った、フランスの人気女優たちが主演の映画のほとんどが、日本未公開なのが残念です。


 ↑若い頃のJLT、めっちゃカッコいい!
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堕ろす女

2018-04-24 | フランス、ベルギー映画
 突然の訃報に、広島中が驚きと悲しみに包まれました。衣笠祥雄さんが死去。ついこの間まで、野球解説をされてたのに。まだ71歳。

 山本浩二さんとともに最強赤ヘル軍団を牽引し、プロ野球界に不滅の名を刻んだ鉄人衣笠さんも、病には勝てなかったのですね…星野さんに続いて、また野球の巨星が落ちてしまいました。あらためて、ご冥福をお祈りします。衣笠さんの弔いのためにも、カープにはぜひとも3連覇を成し遂げてほしいものです。今夜はそんな闘志が実って、手ごわいベイスターズに勝利。完投間近で無念の降板となった中村祐太の、悔しそうな表情にキュンキュンしちゃいました♡ユータくんは、ピッチャーが軒並み崩壊しているという窮状の中、最大・唯一の希望の星!中日に信じられない逆転負け、そして3タテ食らうとか、もうカープあかん~!と絶望してたけど、ちょっとだけ光が見えてきました。首位も再び奪取。今年はぶっちぎりとはいきそうにないけど、衣笠さん、天国から応援してください!
 話はガラリと変わりますが。先日、やっとミヒャエル・ハネケ監督×イザベル・ユペールの新作「ハッピーエンド」を観に行くことができました。それを記念して、またイザベル・ユペール映画祭を開催したいと思います。今年のフランス映画祭でも、ユペりんの出演作が上映されるので楽しみ

 お松の第2回イザベル・ユペール映画祭①
 「主婦マリーがしたこと」
 ナチス占領下のフランス、ノルマンディー。出征中の夫の帰りを待ちながら、幼い子供たちと貧しい生活を送っていたマリーは、隣の奥さんの堕胎を手伝う。いつしか堕胎で稼ぐようになったマリーは、裕福に美しくなっていくが…
 ゴールデンコンビだったクロード・シャブロル監督とは、数々の秀作佳作を作り上げたイザベル・ユペール。この作品は、その代表作の一つといってもいいのではないでしょうか。ユペりんはこの映画で、ヴェネチア映画祭の女優賞を受賞(後に同じシャブロル監督との「沈黙の女」で2度めを獲得)。
 フランスで最後にギロチン処刑となった女性の物語と聞くと、とてつもなく重く悲惨な話を連想してしまいますが、確かに悲劇的な話ではあるのですが、ぜんぜん暗くも重くもありません。そして、上質で痛烈なフェミニスト映画でもあります。ヒステリックなまでに声高に女性の権利を叫ぶ映画とか、き◯がいとしか思えない田島ヨーコ先生の支離滅裂な主張よりも、女とは?女の一生とは?妻とは?母親とは?と真摯に考えさせてくれる映画です。

 昔に比べると、女性の自立や権利が保障されるようになったとはいえ。いつの世も女性にとって社会は、理不尽で不公平で冷たい。苦患に満ちていて、生きづらいまま。それに抵抗、反逆するかのように、自由に軽やかに生きようとしたマリーに下された、現代社会なら絶対にありえない罰の苛烈さに愕然、暗澹となります。でもマリー、確かに調子に乗り過ぎた。その行為、言動は責められて当然ですが、だからといってあんな末路になってもいいわけない。見せしめ、生贄にされてしまった、究極の運のなさです。堕胎の罪よりも、男社会に従うことを拒んで、自分らしく好きなように生きようとしたことが罪深いとされての制裁、みたいでした。捕まっても罪の意識がなく、何が悪いの?いつ帰れるの?と獄中で無邪気に出所の日を待ってる姿が、愚かで哀れだった。

 映画はシャブロル監督らしく、ヘンにドラマティックにしたりせず、終始淡々と静かに、時に冷ややかなユーモアでもって、“マリーのしたこと”を描いています。堕胎ビジネスで稼ぐマリーが、どんどん調子ぶっこいてルンルン化する姿が、すごく軽やかでシニカル。クスっと笑えるシーンも多々あり。旦那への冷たさが、非道いけど痛快でもあって。夫にヘコヘコ貞淑にかしずいたりせず、マリーみたいに冷ややかな本音や現実を夫に叩きつけたい!と願望する奥さま、世の中にいっぱいいそう。

 お金も稼いで、キレイになって友だちや恋人もできて、子どもに美味しいものを食べさせてあげられて。暗い時代に反していいことづくめの幸せな毎日を謳歌してたマリーが、予期せぬ形で逮捕され、裁判にかけられて死刑宣告!と、あれよあれよな急転直下の憂き目に遭うのですが、ついに来るべきものが来たな~という、不吉なことが起こる兆しや伏線は散りばめていた演出は、シャブロル監督ならではでした。

 それにしても。いくら何でもマリー、夫を蔑ろにしすぎ。いくらダメ亭主でも、あそこまで全否定はあかんでしょ。マリーがもっと旦那に優しかったら、あんな悲劇は起こらなかったかもしれないし。あの夫、ダメ男だけど善い人だったから、あの仕打ちは可哀想だった。でも、マリーに愛されるよう、認められるよう努力をしなかった旦那も悪い。夫婦関係にも、思いやりと努力は欠かせませんよね~…
 堕胎についても、あらためて考えさせられました。あんな方法で、堕胎ってできるの?!容易すぎるし危険すぎる!極めてデリケートな問題なのに、マリーや妊婦たちがあまりにもあっけらかんとしてたのが、ちょっと衝撃的でもあった。望まない子どもを“排除”することは、女性にとって大罪なのか救済なのか…いずれにせよ、男のほうが楽!とつくづく思いました。あと、ギロチン処刑が第二次世界大戦まであったことにも衝撃。絞首刑も電気椅子もイヤだけど、ギロチンもイヤすぎる~ナチス占領下のフランスの庶民生活も、リアルに描かれていました。あんな不便で窮屈で暗い生活したくないので、ほんと戦争反対!です。
 イザベル・ユペールは、当時35歳ぐらい。まさに女ざかり、女優として脂がのりきってた頃です。さすがに若い、そして美しい、ていうか、可愛いです。

 小柄で華奢なので、少女みたいな風情。だいたい無表情だけど、笑顔で歌ったり踊ったりはしゃいだりするシーンも多く、かなり明るい彼女でもあります。この映画でも、悪びれる様子なく冷ややかにシレっとトボけてるユペりんでした。陳腐な悲劇のヒロインじゃないところが、さすがです。
 マリーのダメ夫役は、今やフランス映画界きっての名優フランソワ・クリュゼ。さすがに若い!みじめなダメ男を好演してます。マリーの愛人役のニルス・タヴェルニエが、なかなかの美青年でした。彼はその名の通り名匠ベルトラン・タヴェルニエ監督の息子で、最近は俳優ではなく監督として活動してるとか。マリーと仲良しになる娼婦役の故マリー・トランティニャンも存在感あり。彼女の遺児二人とユペりんが「未来よ こんにちは」と「アスファルト」で共演してるのが、何か奇妙な縁めいてますね。マリーの幼い息子と娘役の子役たちが可愛かった。娘役のほうは、最近では「静かなふたり」などに出演しているイザベル・ユペールの実娘、ロリータ・シャマだそうです。早くも母娘共演してたんですね。

コメント (12)
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ハッテンバ刑事!

2018-04-22 | 日本映画
 「眠らない街 新宿鮫」
 ある事件によりエリートの道から脱落し、“新宿鮫”と異名をとる無頼の刑事となった鮫島は、連続警官殺人事件の犯人が使用したと思われる改造銃が、かつて自分が逮捕した木津の製造したものであると確信し、出所したばかりの木津を追跡するが…
 アメリカに拠点を移して以来、日本の映画やドラマにはまったく出演しなくなっている真田広之が、大ヒットしたドラマ「高校教師」と同年の1993年、まさに男ざかり、役者として脂ののりきっていた33歳の時に主演したハードボイルド映画です。直木賞作家の大沢在昌の小説を映画化したもの。
 いや~真田さん、めっちゃカッコいいですね~子どもの頃、すごく好きだったのですよ。サニー千葉の弟子時代の若い彼も可愛くてイケてましたが、30代の彼はまさにいい男の見本、理想でしたね~。今はもう、当時の彼みたいな男優いないですよね~。魅力と実力ある30代の男優不足が深刻なので、かえすがえす現状が嘆かれます。そして、あらためて80年代の真田さんがいかに男前だったかを思い知りました。

 この映画の真田さん、まさに男の色気ムンムン!若造でもない、おっさんでもない、大人の男汁がダダ漏れしてました。ハード&ワイルドな役と演技と、端正で甘い二枚目なマスクと雰囲気との相乗効果が素敵。過去のある男、一匹狼な役ながら、変に翳りを強調したカッコつけナルシストっぽさは全然なく、すごく真面目で優しそうなところも好感度が高かったです。すごく小柄なんだけど、ムッチムチのエロい肉体美は圧巻。ここんとこが、同じカッコいいチビおじさんでも、キムタクとは大いに違う点。ナルシーで貧相で何かちょっとセコそうでスカしてて意地悪そうなキムタクじゃなく、真田さんがドラマ「BG」でボディガードを演じてたら、さぞかし魅力的な大人のドラマになってただろうな~。とにかくこの映画、真田広之がこれでもか!とばかりに脱いでます。

 いい感じに脂ののったガチムチ上半身裸を、2丁目の発展場サウナや拷問シーン、ラブシーンで惜しげもなく披露してます。女性以上に、真田さんってゲイ人気が高そう。サウナでゲイたちに生唾を飲ませ、彼らの欲望の熱視線を浴びるシーンなどは、そんな自分の性的フェロモンを知り尽くしてるかのような表情、たたずまいの真田さんでした。鮫島刑事のハッテンバ潜入捜査は、アル・パチーノ主演の「クルージング」を彷彿とさせました。「怒り」でも描かれていましたが、男たちが性欲のためだけに蠢き絡み合うハッテンバの、あの暗い湿り気と濁りのある隠微さ、妖しさは、どんなファンタジー映画の異界よりも不気味で不思議な魔魅に満ちています。

 ただこの映画も御多分にもれず、ゲイは気色の悪い変態、キワモノな扱い。ガチホモの木津に鮫島がハニートラップみたいな逮捕したり、異常なまでの木津への密着張り込みや、変態拷問シーンなど、ミイラ取りがミイラに的な、コロんじゃいそうな的な、面白い展開と関係になる要素があったので、腐女子以外にはこれが限界、キモいインパクトだけ狙った設定と演出がかなり惜しかったです。

 話を真田さんに戻すと。脱ぎっぷりのみならず、木津役の奥田瑛二(彼も若い!人気絶頂の頃?)との、糸を引くディープキスシーンとか、これもキムタクには絶対ムリだろうな~な果敢さに感嘆。奥田氏の変態攻めに苦悶する真田さんの、顔や声がエロかったです。色っぽさだけでなく、さすがはサニー千葉の元愛弟子、若い頃にアクロバットなアクションを叩きこまれただけあって、格闘や疾走シーンの若々しさ、キレのよさ、迫力もまた、キムタクとかにはない真田さんの魅力です。あと、ボソボソ何言ってんのか分かんない時があるキムタクと違って、舞台でも映えそうな美声も素敵。
 とにかく。相棒とかが好きなジジババ向けの刑事ものではありませんので、ご注意ください。真田さんファンなら必見ですが、本格的なハードボイルドアクションを期待すると、ガクっとなります。鮫島とロック歌手の晶とのロマンスが、かなり脱力系。当時最盛期だったトレンディドラマっぽい軽~いラブコメテイストが強引に、中途半端に加えられてるのが、この映画が傑作になるのを妨げています。晶役の田中美奈子が、当たり前だけど若い!けどすごい大根で軽すぎ。歌もまったくロックじゃなく失笑。
 脇役はメインよりも、小さい役のほうに名優たちが。鮫島の上司役の室田日出男、ガンショップの店長役の大杉連、今は亡き名優二人がさすがの存在感。塩見三省が、ショボい悪徳刑事役だったのも新鮮でした。容疑者その1役は、何と駆け出し時代の浅野忠信!わ、若い!けどキモい!今の浅野さんのほうが断然いいです。容疑者その2役の松尾貴史が笑える珍演。ぜったい犯人じゃないよ~な小物感が秀逸。サウナで鮫島に因縁つけてくるおっさん役で、チョイ役ながら六平直政がケツ丸だしの熱演でインパクトあり。鮫島の捜査に協力するゲイの男の子が、若い頃のカープ緒方監督似で驚笑。
 90年代前半のファッションとか、懐かしいな~と感慨深かったです。もちろん当時は、スマホもネットもありませんでした。歌舞伎町や2丁目など、猥雑な新宿の光景も印象的でした。ロケ、大変だったんだろうな~。
 真田さん、日本でもまた仕事を再開してください!熟年になった彼も見たいものです。海外での活動も、いい作品に出てるとは言い難い。まあ、今の日本でも同じことになってしまうのでしょうけど…
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おっさんずラブ 2016

2018-04-15 | 日本のドラマ(単発)
 来週から始まる連ドラ「おっさんずラブ」が超楽しみ(^^♪元々は去年放送された単発ドラマ。好評を受けての連ドラ化なのだそうです。観逃してしまった単発ドラマ、連ドラ前に何とか観ることができました!
 ダメ男のサラリーマン春田は、家事が得意な後輩の長谷川とルームシェアをし、モテないながらも快適な独身生活を送っていた。そんな中、尊敬する上司の黒澤の携帯の中にあった自分の隠し撮り写真を見てしまった春田は…

 すごく面白かったです!ライトなBLコメディでした。BLって、フツーの人にとっては今でも気持ち悪い、キワモノな題材だと思う。TVドラマではほとんど取り上げられることもないし、取り上げられたとしても、やっぱキワモノ扱いか、とことん笑い物にしてるかのどっちか。ゲイの恋愛事情をきめ細やかに、リアルに描くことはありません。このドラマも、どちらかといえばBLを笑う内容になってるのですが、その笑いが同性愛者をバカにするものではなかったのが良かったです。脚本家は、腐女子なのかな?と思わせるような、BLへの微笑ましい愛も感じられました。

 三角関係になる男3人が、なかなかキャラ立ちしていたのが笑えました。ごくフツーの男だけど、欠点がどこか可愛くて心ほだされる、見守りたくなる魅力がある春田。シブくて男らしくて仕事もできる完璧な熟年上司だけど、実は乙女な黒澤部長。クールだけど優しい後輩の長谷川。部長と長谷川のそれぞれの春田への熱すぎるアプローチと、春田をめぐって火花を散らす様子が、ドタバタかつほのぼのと描かれていて、大笑い&ほっこりでした。

 笑えるシーンや台詞はたくさんあったのですが、特に傑作だったのはバスルーム前での壁ドン&告白と、クリスマスパーティでの恋のバトル。長谷川の『巨乳じゃなくて巨根じゃダメですか?』が笑えたわ~。トナカイの黒澤部長とサンタの長谷川が、掴み合いのケンカ&激辛勝負もバカすぎて吹いたわ。いい年した男たちが、大真面目に痴話げんかなんて、実際には醜悪なんだろうけど、いい男たちだと可愛くて楽しい。

 おバカな騒動がメインですが、少女マンガのお約束的、鉄則的な胸キュンシーン&展開も秀逸でした。長谷川のキス未遂シーンとか、なかなか切なかったわ。部長も長谷川もほんとどっちも性格も見た目もいい男で、本来はノーマルな春田が二人の間で揺れる?姿は、男女の恋愛ものと何ら変わらない普遍的な設定、でも全員男なので珍妙、なのがBLコメディらしい独特さ。あまりにも真剣に愛され、だんだんと男に迫られて困っている、というより、どっちも好きだから選べないという悩みになってしまってるのが、恋愛に男も女もない!人間同士!というメッセージとも感じられて好感。ロマンティックなハッピーエンドも、腐女子には嬉しかったです。
 このドラマ、とにかくメインの3人を演じた役者たちが素晴らしいです!3人とも全然ゲイゲイしくもカマっぽくもないところや、そういう演出がなされてなかったところにも、今までのTVドラマになはかった特色。特に主人公の春田役の田中圭がグッジョブ!

 いや~田中圭、いい役者になりましたね~。演技うまいですね~。ちょっと前は、向井理と見分けがつかないとか言う人もいたけど、役者としてはムカイリーより間違いなく上でしょう。アタフタ、アヒャアヒャぶりが、アホすぎ可愛すぎ!部長に迫られてどうしようどうしよう焦って真っ赤になる顔とか、滑稽だけど鬼気迫ってもいたり。豊かすぎる表情も圧巻。漫画みたいな顔するし!女にモテない役なのですが、説得力ないわ~。女がほっとかないでしょ、あんなカッコカワいい男!素朴で清潔な雰囲気。スーツが似合う!笑顔が無邪気すぎる!驚喜だったのは、壁ドンシーンでの上半身裸。かなり鍛えてる感じの肉体美でした。唇がエロい。あれは男でもキスしたくなるでしょ。

 黒澤部長役の吉田鋼太郎の、乙女おじさんぶりときたら!ぜんぜんキモくない!めっちゃ可愛かった!普段はいぶし銀のダンディなのに、春田にだけは別人と化して乙女になるギャップが、ヤバくて楽しかったです。相変わらずの美声にうっとり。あんな声で迫られたら、誰だって落ちるわ~。怖い役はお手のものなコータローおじさまですが、コメディもイケてますね~。ヤバい役もコミカルな役も、いつも楽しそうなところがザ・役者って感じです。春たんを隠し撮りしてる様子とか、トナカイの被り物とか、一歩間違えたらグロテスクになりかねないヤバカワさも強烈。

 長谷川役の落合モトキも、なかなかの好演でした。このドラマで初めて彼を知ったのですが、イケメンだし演技も上手だし、他の作品も観たいものです。長谷川の、春たんが女に傾くことができないほどの愛情や家事能力が、女にとっては驚異で脅威でした。もう女だからって、ゲイに勝てるとタカをくくってはいけない時代なのですね。女であることに胡坐をかいてると、まんまと男心を熟知した男色家にしてやられるのです。時代といえば。周囲の人々が同性愛に対して、拒絶や嫌悪をあまり示さなかったのも、時代って変わったよな~と思わせました。女があまり絡んでこない、結局は女を選ぶんだろな~なありきたりな内容じゃなかったのも、腐女子には嬉しかったです。あと、東京タワーとかベイブリッジとか、夜景がすごく美しく撮られていたのも印象的でした。

 来週スタートの連ドラが、ほんと待ち遠しい!続編ではなく、新たに作り直すみたいですね。長谷川がいなくなってるのが寂しい。新キャラの林遣都が長谷川のポジションになるようです。圭ちゃんのアワワワ演技とコータローおじさまのシブい乙女演技、ますます磨きがかかってることでしょう!
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開発された女

2018-04-12 | 日本映画
 「化身」
 文芸評論家の秋葉は、田舎出身の若いホステス霧子を愛人にする。霧子は秋葉の愛撫と庇護によって、美しく洗練された女へと成長するが…
 原作は渡辺淳一の小説。渡辺センセイの作品の映画化といえば、大ヒットし流行語にもなった「失楽園」が有名ですが、この作品も同じ黒木瞳が主演です。当時26歳、宝塚を退団した直後の映画初主演作で、実に思い切りのいい脱ぎっぷり、濡れっぷりを披露しています。無名の新人女優や売れない女優ならまだしも、宝塚の娘役のトップとして輝かしいキャリアを築いていた黒木瞳がどうしてここまで?と、当時のファンはざぞや困惑したのではないでしょうか。でも、70・80年代は松坂慶子とか大竹しのぶとか十朱幸代とか、多くの大女優は当たり前のように脱いで濡れてましたし、きっと黒木さんもそういう鮮烈な印象をスクリーンに刻める大女優を目指したのではないでしょうか。そんな彼女の女優魂には感服。今の人気女優は、きれいで可愛いだけで、ほんとつまんないです。

 で、この映画の黒木さん、当然のことながら若い、そして可愛いです。現在は小ぎれいなブリッコ熟女、といった感じの黒木さんですが、この映画の彼女も熟女じゃないことを除けば、今とほとんど同じです。清純で可憐で、まさに宝塚の娘役そのものです。そして、すごいブリッコです。あんな喋り方、仕草をする女性って、実際にもいるのでしょうか。私は会ったことありません。大胆すぎる全裸は、まったくエロくありません。アンなことコンなことされたりしたりの黒木さんですが、ガリガリに近い痩せた肢体と貧乳のせいで、何だか痛々しかったです。でも、ボカシ入りのセックスシーンでのエクスタシー顔や声など、かなり頑張ってました。

 やぼったい田舎娘が、男の愛で磨かれて都会的で華やかな女に変貌していく、という設定なのですが。あまり洗練されたようには見えず、ファッショナブル(死語)なつもりっぽい衣装にも苦笑。80年代の売れないB級アイドルのステージ衣装みたいな服とか、ある意味特異で超個性的ではありましたが。

 秋葉役の藤竜也が、いい男!熟年の色気たっぷりで、エロいです。おじさんなのに、非メタボな引き締まった肉体美に驚嘆。美尻も眼福でした。ダンディーだけど、どこかコミカルなところがスケベな中年おやじ感を希薄にしていました。独特の喋り方とか、ちょっとトボけた演技とか、かなり笑えます。当時45歳の藤氏、今のキムタクと同じぐらいなんですよね~。信じがたいです。キムタクも、秋葉みたいな役に挑戦すればいいのに。藤さんは最近もTVドラマに出演したり、お元気そうで何よりです。

 山口百恵や中森明菜の大ヒット曲を作詞した阿木燿子が、秋葉の愛人役を好演。女優とは違う独特の演技、雰囲気。上品なマダム感と熟れた色香、黒木瞳と違って高級感があるファッションも素敵でした。何と濡れ場では彼女も脱いでます。彼女と黒木瞳が恋のライバルではなく、共感で結ばれて親密になる不思議な関係が、ちょっと精神的レズビアンみたいで面白かったです。

 秋葉の友人役で梅宮辰夫、秋葉の元妻役で三田佳子、秋葉の母役で淡島千景が出演しています。秋葉家の家政婦役の杉山とく子とか、懐かしい顔も。
 金とステイタスのある男が、無垢な娘を自分好みの淑女に育てる、という源氏物語やマイ・フェア・レディみたいな調教物語なのですが、秋葉はただセックスして資金援助してるだけで、霧子の美質を引き出したり磨いたりすることはしてないのが、ちょっと物足りなかったです。脚本の問題?原作はどうなのでしょう。この映画の秋葉と霧子は、小金持ちの初老男性が若い女に騙されて、みたいな世間でよくあるセコい痴情のもつれっぽくなってたのも残念。でも、渡辺センセイはやっぱ究極のフェミニストなのでしょうか。女のほうが、男より賢く強い。ラストの秋葉へ告げる別れ話、ズルいな~悪い女だな~でも優しいな~私も男に言ってみたいと思わせる、いい女にしか言えない台詞でした。さんざん振り回されて傷つけられたけど、楽しい甘い夢を見ることができた秋葉は、まさに男のファンタジーを体現したかのよう。男は愚かで可愛い。これも渡辺センセイの男性観でしょうか。
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鯉、ツッツかれて死亡!

2018-04-08 | カープ
 カープDeNA戦、ズムスタに観に行ってまいりました~
 今回はダミアンだけでなく、老父母も連れての観戦。たまには親孝行(^^♪内野自由席なので、早く行かないと良い席どころか空席さえ見つけられない。病身の老父は後でダミアンに車で連れて来てもらうことにし、母と私が席とりのため先にズムスタへ。前日は冬に戻ったかのように寒く、冷たい強風や雨。職場の人たちとTVで観ながら、こんな中でズムスタ観戦はイヤじゃ~と思ってたら、翌朝は快晴で安堵。でも春とは思えんほど、ぶち寒い~!ゲームまでお寒くならなきゃいいけど…DeNAは昨年、唯一勝ち越せなかった球団、であるばかりか、まさかの下剋上で日本シリーズ進出を阻まれるなど、煮え湯を飲まされた因縁の相手。カープファンの多くは、連覇しても生来の臆病気質は矯め難いまま。もし今年の初戦で負けるようなことになれば、DeNAアレルギーは悪化することでしょう。そうはさせじ!DeNA恐るるに足らず!な強さと自信を、この連戦で見せつけてほしい!でも…初戦こそは先発ノムスケで勝つことができましたが、2回戦では先発ジョンソンでまさかの敗退!3戦目の先発は、大瀬良くん!前回観戦のソフトバンク戦に続いて、大瀬良くんに会えるラッキーハッピーな気分と、大丈夫なんかのお~な不安に、揺れる想い~♪by ZARD で、母と共にズムスタへと向かったのでした。

 試合開始1時間前に到着したのですが、やっぱ甘かったわ~。もう自由席はぎっちり満席状態!そりゃそうだよな~。朝早くから並んでる人だっているもんね。のんびりチンタラ来て、いい席に座れるはずがない。どこも空いてないね~…と半ば立ち見を覚悟してたら、奇跡的に並んで空いてる3席があった!しかも通路に近く、目の前はバッター、ピッチャー、電光掲示板という、なかなか美味しい席!一席だけ、ちょっと上のほうにあってそこも確保。よかった!幸先いいね!と、もうカープの勝利を予感し喜び合う老母と私。開戦直前にダミアンと老父も無事到着。さあ、気合いを入れて応援するゾっと(^^♪
 マウンドに立つ大瀬良くん。双眼鏡で見ると、すぐ目の前にいるようにハッキリその表情や見てとれます。普段のほんわか優しそうな大瀬良くんも可愛いけど、マウンド上での凛とした彼も素敵でも、しょっぱなからアクシデントが。DeNA打者の打った球を取ろうとしたライトの堂林が、壁にぶつかって負傷?!ゲームが一時中断され、堂林大丈夫なの?!と不安にスタジアムは包まれました。数分後、堂林は無事に守備位置に戻り、試合再開。ホっ

 今回のゲーム、カープもDeNAも、どっちもなかなか点が入らない、前半はとってももどかしい展開。大瀬良くん、なかなかの快投で、これで野手が得点してくれたら、早くも2勝目となる!はずだったのに、ああああ~…
 6回の表、トイレに行く途中、すごい嘆声でズタジアムがどよめきました。歓声ではありません。あ!大瀬良くんやらかしたな!と、その場でおもらししそうになりました沈黙してたDeNA打線が、ついに目覚めた!ハマの主砲、筒香が豪快なHR!!

 ビジター席のDeNAファンは大喜び。スタジアムを真っ赤に染めていたカープファンは、動揺でざわざわ。痛い、これは痛いわ~…大瀬良くんことなので、5.6回ぐらいから崩れちゃうんじゃないかな~と心配してたけど、見事に悪い予感的中それにしてもツッツ!やってくれたのお~。開幕からダメダメ状態で最下位だったDeNA、ツッツのバットも湿ったまま。なのになのに、何でカープ戦で!やっぱツッツを甘く見てはいけなかった…大瀬良くん、同い年のツッツに完敗!
 降板した大瀬良くんに続いて登板したのは九里。ええ~…やらかしそうな予感ハンパないんですけど。気のせいか、九里の名前が告知されても、すごい冷めた塩反応だったような…みんなの不安はこれまた見事に現実のものとなり、九里はポカスカ打たれ、再び出現したツッツが何と!またもやHR!!しかも3ラン!一挙に3点を獲られ、カープは0点のまま、絶望という名の5点差

 ↑ゴメンなさい by ダメ瀬良大地
 それでも、逆転のカープらしい大ドンデン返しはある!と信じ、カープファンは諦めず熱い声援を送ります。この日、最も大歓声を浴びたのは、前々回のDeNA初戦でまさかの活躍をし、お立ち台でヒーローインタビューを受けた堂林。塁に走者がいるビッグチャンスで、堂林が登場。割れんばかりの拍手と声援。かつては鯉のプリンスと呼ばれ、将来を嘱望されていた堂林も、最近はすっかり影が薄くなり、そろそろ中日あたりに金銭トレード…なんて噂も。もう終わった男、必要のない男、というレッテルや冷笑を、この連戦で払拭せよ!と願いつつ、あの堂林がそう何度も活躍するなんてことありえん…と思ってたら、カキーン!打った!しかもかなり大きい!総立ちになるカープファン。HR!?

 残念ながらHRとはなりませんでしたが、タイムリーヒットでカープ2点!ようやくの得点!沸き立つスタジアム。堂林くん、信じてなくてゴメン!腐ってもプリンス、いや、腐るにはまだ早い!これで堂林、華麗なる復活か?歓喜にわくカープファンに、堂林への愛の熱さ、強さを感じました。ナンダカンダでみんな、やっぱ堂林のことが好きじゃね!この後、丸がソロHRをカマし、終盤になってカープ追い上げ!2点差に迫り、奇跡の逆転ありか?と期待も膨らむ。が…

 この日のカープ野手は、再三のチャンスがありながら、ことごとく好機を潰しまくり。特に松山!磯村!西川!エルドレッド!下流水!何しょうるんな~!堂林も、派手な活躍が勝利に結びつかないところが、やっぱ“あんまし持ってない男”堂林たる所以期待だけは散々させられて、そのほとんどが高い木のリンゴに手が届きそうなところで、ハシゴを蹴られて無残に地面に落下!みたいな目に何度も遭った…そんな本日のDeNA戦でした結果はどうであれ選手は頑張ったから!なんて、ポジティヴで優しい気持ちになれない私は、真のファンにあるまじき心の狭い人間なのでしょうか…新井さんとセイヤがいなくても勝てる!と思ったけど、どうやらそうでもなさそうですね~消沈する他の観客にまじって、寒かったね~と言葉少な目にトボトボとスタジアムを出る私たち。帰りは何か美味しいものを食べる予定でしたが、落胆と疲労で食欲がなく、家の近くにあるラーメン屋で夕食をすませました。せっかく珍しく家族で野球観戦したのに、負けちゃって残念。でも、仲良く家族と過ごせた時間は貴重で幸せでした。
 カープ、まだ首位とはいえ、これでまたDeNA苦手意識が選手にもファンにも強まってしまう連敗となってしまいました。悔しい!ツッツひとりにやられてしまった感じ。ツッツ、恐ろしい子…!そして敵ながら、あっぱれな男。次こそは、DeNA粉砕じゃー!!それまでは、ガンガン勝利を続けて揺るがない王者のままでいて!栄光の旗を引きずり降ろさせるな!カープ is No.1!

 ↑負けてフテ寝してる場合じゃないよ大瀬良くん!
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半魚人に抱かれた女!

2018-04-06 | 北米映画 15~21
 「シェイプ・オブ・ウォーター」
 1962年、冷戦下のアメリカ。発話障害のあるイライザは、政府の秘密研究所で清掃員として働いていた。南米から運ばれてきた異形の生物と、いつしか心を通い合わせるようになるイライザだったが、軍人のストリックランドが生物を虐待し、解剖のため殺そうとしていることを知り…
 「パンズ・ラビリンス」などで知られるメキシコのギレルモ・デル・トロ監督作品。本年度のアカデミー賞受賞作を、ようやく観ることができました~。噂にたがわず、とてもユニークで楽しい映画でした。 ロマンチックで切ないラブストーリー、幻想的なファンタジー、ゲロゲロなホラー、プッと笑えるコメディ、意外な展開のサスペンス、そしてドリーミーなミュージカルと、映画のすべてが凝縮された映画、お正月の福袋みたいな映画でした。福袋にはたいてい、がっかりさせられるものや、こんなん要らん!なものが一つか二つ入ってるけど、この映画に詰め込まれているものには、すべて満足しました。どのエッセンスも映画ファンの心をくすぐる、映画への愛にあふれていました。特にモンスター映画ファンには感涙ものなのではないでしょうか。

 高度なCGではなく、着ぐるみ感のある半魚人とか、円谷プロのウルトラマンシリーズを思い出させます。ウルトラマンって、子ども番組とバカにできない深いテーマや社会的メッセージがあるエピソードが、多々ありましたよね。この映画も、現在の不寛容で刺々しいアメリカ社会への、批判や憂慮に満ちた内容になってました。黒人、女性、同性愛者、障害者への狭量で非情な差別や攻撃的な排除。自分の国だけが大事だという考えや行動。60年代と何も変わってない、むしろ今のほうが堂々としてる怖さを、この映画を観てあらためて痛感しました。トランプ大統領そのものな将軍とか、笑えないキャラも痛烈な皮肉となってました。

 楽しいモンスター映画なのですが、子どもは観ちゃダメ!な大人向けのモンスター映画、なところも好きです。イライザのバスルーム自慰とか、半魚人とのラブシーンとか、裸や性的シーン満載。そして、残虐な鮮血描写も強烈。特に半魚人に食いちぎられたストリックランドの指が、ウゲゲ~な存在感です。
 この映画、キャストの好演が素晴らしいです。みんなグイグイと観客の心を引きつける名演!

 イライザ役のサリー・ホーキンス、その女優魂に感服!ただ美しいだけの女優にはまず無理な、大胆かつ力強くも細やかな演技でした。半魚人にも、それ以上に恐ろしいストリックランドにも、たじろぐことなく向き合う不敵とも言える態度や表情、迷いのない行動力、勇気がカッコいい、と同時に、どこか不気味な不穏なもの、女の業も秘めているところが、特異なヒロインでした。フツーの女は、半魚人に欲情したりしませんし脱ぎっぷりの良さにも感嘆。台詞がなく、表情もオーバーな喜怒哀楽を表さないのに、イライザのほとばしる感情が伝わってくる。言葉以上にエモーショルな手話が圧巻でした。「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンド同様、サリー・ホーキンスもオスカー受賞に値する演技でした。「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンよりは、はるかにハイクオリティな演技です。
 今やハリウッドきっての怪優、マイケル・シャノンがストリックランド役を怪演熱演!

 まさに鬼演技!顔だけでもヤバさがハンパないです。早く死んで!と願わずにはいられない悪役。あんな悪いオーラを毒ガスのように噴出できる役者も、そうそういないですよね~。マイケル・シャノンの毒々しい、黒々しい悪や狂気に比べると、日本の俳優の悪役なんてユルいヌルい可愛いもんですよ。ただ残虐で凶暴なだけでなく、ネチっこく陰湿なイヤらしさも瘴気のごとし。イライザやゼルダへの態度、言動など、笑えるほどイヤ~な感じです。何でこんなにイヤな人になったのか、気になったり気の毒になったりするほどに。奥さんとボカシ入りのセックスシーンとかにも度肝を抜かれました。調子ぶっこいて買ったキャデラックを、すぐにぶっ壊されたのが可哀想で笑えた。そのシーンのシャノン氏の表情も絶妙でした。

 イライザの隣人で親友であるゲイの老画家役、リチャード・ジェンキンスのシブい乙女おじさんぶりも、可愛くて切なかった。イライザの同僚ゼルダ役のオクタヴィア・スペンサーは今や、黒人の善い人役やらせたら右に出るものナシな女優ですよね~。あんな優しい誠実な友人たちに恵まれたイライザ、ちっとも孤独な女性ではありません。ソ連の回し者科学者役は、「君の名前で僕を呼んで」での好演も忘れがたいマイケル・スタールバーグ。観てる間は、ぜんぜん気づかなかった。君名僕とは別人!後で知って驚きました。
 半魚人が、モンスターなのに全然キモくなくて、すごくカッコよく見えたのが不思議。長身でスタイルよくて筋肉質。ゆで卵や音楽が好きになるところとか、可愛かった。画家の飼い猫を食べちゃうシーンが、ウゲゲゲかつ笑えた。私ももう半魚人でいい!イライザみたいな素敵な異形の恋に落ちてみたたいものです
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たっくるせ!

2018-04-03 | 日本映画
 「沖縄やくざ戦争」
 返還直後の沖縄。国頭組の中里は、組長の理不尽なやり方に不満を抱いていた。内紛で混乱する沖縄やくざの隙を突いて、本土の暴力団は侵攻を仕掛けてくるが…
 広島といえばやくざ、というイメージを世に植え付けた「仁義なき戦い」。後に伝説となるやくざ映画の金字塔は、公開当時大ヒット。それに味をしめた東映は、広島だけでなく大阪や九州など、各地を舞台にしたやくざ映画を次々に制作。そろそろネタ切れになりかけたところ、当時実際に暴力団の抗争が激化していた沖縄に白羽の矢が立てられました。さぞかし生々しく緊迫した、命がけのロケが敢行されたのかな~と思いきや、映画業界の複雑な事情のせいで、撮影のほとんどは京都で行われたのだとか。あんまし沖縄っぽくないな~と思いながら観ていたのですが、後でそういったエピソードを知って納得。有名になった広島弁の台詞と違って、沖縄弁はほとんど使用されなかった(難しすぎたからだとか)のも、ここいったいどこ?感を強くしてました。唯一、『たっくるせ(叩き殺せ!)』という方言が頻繁に口にされていました。

 で、この沖縄編。「仁義なき戦い」同様、いや、それ以上に内容といい演出といい雰囲気といい演技といい、すべてにおいて現在では制作実現不可能なトンデモ映画でした。もうハチャメチャすぎて、ギャグ漫画の世界です。返還直後とはいえ、ここは本当に法治国家の日本?!と目がテンになるほど、アナーキーかつクレイジーなんですよ。警察も一般人も、あってなきのごとし。やりたい放題に大暴れするやくざたちに絶句、そして爆笑。最初から最後まで、みんな阿鼻叫喚の大騒ぎ。ハイテンションすぎて、何だか楽しそう!ちょっとトム・ハーディ主演版の「マッドマックス」とノリが似てる。き◯がいちっくな笑いは、岡田あーみんの漫画も彷彿とさせます。
 主要キャラが、次々と過激に壮絶にくたばっていくのも、シリーズのお約束。それぞれの死にざまが、これまたトンデモすぎて笑いを狙ってるとしか思えません。悲惨で残虐なのに、なぜか陰惨さがないところが、韓流のやくざ映画と違うところ。同じ泥臭く血生臭くても、日本のやくざには独特の美徳である仁義とか任侠といった人間臭さがあるけど、韓流やくざはとことん下劣で非情で、まさに外道。暴力描写も、エグすぎて笑えません。その点、この映画のバイオレンスは、どことなくユーモラスな味わいもあって、うげげと眉をひそめつつも笑えるんですよね~。特に掟を破った組員が、制裁を受けるシーン。ち◯こ切断!死んだほうがマシな非道さですが、なぜか笑えて仕方なかった。

 「仁義なき戦い」シリーズでおなじみの俳優たちが、熱く濃ゆく激突!みんな大真面目だけど、すごく楽しそう。毒にも薬にもならん演技や、ちまちました小器用な演技しか最近は見られないので、この映画のぶっとんだ、型にはまらない破天荒かつ鷹揚ともしている演技は、返って目に新鮮です。そして、俳優たちの荒々しい迫力と男くささには圧倒されるばかり。今のポリティカルコレクトネス俳優たちには望むべくもない魅力。中里役の松方弘樹と国頭役の千葉真一の激演が圧巻。特にサニー千葉の、イカレたカンフー極道ぶりが強烈。死に方もぶっとんでて爆笑。若い頃の男前なサニー千葉、どこな~くですがマッケンユーに似てますね。やはり血は争えません。でもマッケンユーには、絶対に無理な演技と存在感でした。
 キャストの中で最も目立っていたのは、やはりこの男、渡瀬恒彦

 「狂った野獣」と同年の映画なので、当時32歳の渡瀬さん。若い!いい男!そして、役のおかげもあって、すごく可愛い!腕っぷしと度胸は右に出るものなしだけど、すごくひょうひょうとしてて愛嬌たっぷりなキャラを、おちゃめに演じてる渡瀬さん。笑顔のピュアさときたら!文無しなのにヤろうとして娼婦に拒まれつつ、なんだかんだでヤっちゃうシーンの渡瀬さんが、超可愛くてセクシー!パンツ一丁姿の浅黒い肌とガッチリしたカラダ、レイプまがいのエッチのエロいこと!娼婦がメロメロになるのも当然。彼女を殴って貯金箱を奪うシーンも、クズすぎるけど笑える憎めなさ。

 長身でスタイル抜群なところもカッコいい渡瀬さん。Tシャツ&帽子も可愛かった。得意のスタントなしカーアクションも、今の映画にはない粗削りな魅力が。とにかく若々しくイキがよくて男くさい渡瀬さんの姿に、あらためて彼が不世出の役者であることを思い知りました。

 その他、カリスマ兄貴な梅宮辰夫、セコくてズルい成田三樹夫、朴訥で昔気質な室田日出男が、お約束なキャラを好演。晩年はおちゃめなおじさんとして人気だった地井武男が、狡猾な悪役だったのも面白かった。彼らのギラギラした脂ぎった存在感も、こぎれいで薄っぺらい今の俳優にはない独特な魅力です。サニー千葉と辰っつあん以外の主要キャストは、今はもう彼岸の住人になってしまってることが切ないです。千葉さんはお元気そうですが、辰っつあんは病床にあるとか。心配ですね…
 東映のやくざ映画といえば。もうすぐ公開される「孤狼の血」も楽しみですが。タイトルもキャストも、いまどきな感じ、こぎれいでライトな女性向けっぽくて、70年代のやくざ映画ファンには失笑ものな映画になってそうな予感…
コメント (6)
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