昨日の夜、正確に言うたら夜中、それも3時過ぎまで、わたしはパタパタとパソコンのキーボードを叩いてた。
頭の中には、言葉がぎょうさん渦巻きを作ってて、それを整理しようにも、眠気と苛立ちと疲れの三連発で、なかなか思うように作業がはかどらず、
それでもまあ、なんとか一区切りつけて、旦那と別の、自分だけの寝室のベッドになだれ込んだ。
そしたらいきなり、今住んでる煉瓦の家が、気味が悪いほどユサユサと揺れる、大きな地震の夢を見た。
びっくりして狼狽えるわたしの周りには、大人になった(夢ではよく小さかった頃の息子が出てくるので)息子達と旦那がいて、
その3人に向かって、性懲りもなくわたしはまた、「落ち着いて、大丈夫、いや、けど、う~ん……」などと言いながら、近くの階段の手すりを掴んでいた。
どうして性懲りもなく、かというと、阪神大震災の時、大津に住んでいて、大きな余震に揺られるたび、「落ち着いて!落ち着いて!落ち着こう!」と叫んでいたのはわたしひとりで、
他の3人は、そんなわたしの狼狽えた姿を、実にシラケた顔をして見ていて、後々の家族伝説の中のひとつにしっかりと加えられてしまったからだ。
目が覚めても、なんとなくベッド自体が揺れているような気がした。
自分の体も、それから部屋自体も、まだ揺れが続いているような気がした。
急に、日本は大丈夫か?と心配になり、またパソコンをつけて、ニュースを検索したりした。
皆が無事でいるとわかってからも、なぜだか気持ちが落ち着かず、それから夜が明けてしまうまで眠れなかった。
先日のハリケーンのせいで、レッスンを変更した、とても遠くから来てくれる大人生徒のS子さん、もしかして今日違たっけか……。
などと、朦朧と思い出しながら、眠っているのかいないのか、なんとも中途半端な状態で、ベッドの上に横たわっていた。
そして……、目覚ましが鳴って、消しに起き上がり、そしてまた横たわって、寝てしまった……。
「せんせぇ~、すみませぇ~ん、遅くなってしまって~」
ぎょえぇ~~~!!S子さんっ!!
彼女はいつも、ちょびっと遅れて、それで悪いと思うからか、えらい勢いで玄関から入って来る。
今はまだ夏で、玄関のドアはパカンと開いていて、網戸が閉まっているだけなので、余計に素早い。
朝はいつも、旦那の方が早起き。
二階の彼の寝室から降りてきて、台所に入り、コーヒー豆を挽く音が聞こえるぐらいの頃に、ピアノ部屋の奥にある寝室から、のそのそと起き出してくるわたし。
問題は、寝坊そのものではなく(いや、もちろん寝坊も問題だが……)、寝ている場所が袋小路になっていて、家の中に入ってきた生徒との鉢合わせは避けられないこと。
旦那は前々から、夜中遅くまで起きていて、朝はぼぉ~っと寝ぼけて起きてくるわたしに、
「休み中は特に、午前中のレッスンを不定期に入れてるんやから、目覚ましだけはちゃんとかけること!ええ気になって夜更かしせんこと!」
と、口を酸っぱくして忠告し続けていた。
(こりゃもう、後で旦那にめっちゃ叱られる)……などと思いながら、
ベッドから飛び起き、必死になってなんとか誤摩化せそうな部屋着(実はパジャマ。洋服類は全部、二階の寝室にある)を探し出し、
髪の毛を手櫛で乱暴にとき、目くその点検をし、瞼を数回大きく開けたり閉じたりして、部屋のドアのノブに手をかけた時、
「あぁ~S子さん、あのね、えっと、あの、あっ、そうそう、実はちょっと聞きたいことがあるんですよ」
という、ナニゲに悲愴感&絶望感の漂う、けれどもめちゃくちゃ大声の、旦那の日本語が聞こえてきた。
「え?なんですかぁ~?」
「あの、それは、あの、外のことなんですよ!」
「え?外?」
「そうそう、外。だからちょっと、一緒に見てもらえませんかね」
「そうですかぁ~、じゃあ、ちょっとだけ」
旦那の声の端々から、「おらぁ~!なにやっとんねん!ボクが誤摩化したってるうちに、さっさと着替えて準備しとけっちゅうねん!」という怒り玉が、すっかり恐縮しまくっているわたしの心をポカポカと打ち込んでくる。
顔を洗う間など無く、歯だけ磨いて、ピアノ部屋の方のドア(一階のトイレにはドアが二つついていて、一方は台所に、一方はピアノ部屋に出る)から出た。
一件落着、めでたしめでたし!
と……、気をとり直してパソコンの前に座り、調べものをして、少しピアノの練習をし、お昼ご飯などを食べ、夏休み限定の昼1時からのレッスンをしていると、
なぜだかそれからずうっと、夕方の6時半まで、◯◯で変更した人、△△で急に今日に滑り込んできた人が次々にやってきて、
結局わたしは、顔も洗わず、パジャマ的服装のまま、最後の最後までレッスンをしてしまったのであった……。
いやはや、もう夜更かしはやめなあかん!と、毎晩心に誓うのやけど、それがなんとも難しく……ううむ……。
頭の中には、言葉がぎょうさん渦巻きを作ってて、それを整理しようにも、眠気と苛立ちと疲れの三連発で、なかなか思うように作業がはかどらず、
それでもまあ、なんとか一区切りつけて、旦那と別の、自分だけの寝室のベッドになだれ込んだ。
そしたらいきなり、今住んでる煉瓦の家が、気味が悪いほどユサユサと揺れる、大きな地震の夢を見た。
びっくりして狼狽えるわたしの周りには、大人になった(夢ではよく小さかった頃の息子が出てくるので)息子達と旦那がいて、
その3人に向かって、性懲りもなくわたしはまた、「落ち着いて、大丈夫、いや、けど、う~ん……」などと言いながら、近くの階段の手すりを掴んでいた。
どうして性懲りもなく、かというと、阪神大震災の時、大津に住んでいて、大きな余震に揺られるたび、「落ち着いて!落ち着いて!落ち着こう!」と叫んでいたのはわたしひとりで、
他の3人は、そんなわたしの狼狽えた姿を、実にシラケた顔をして見ていて、後々の家族伝説の中のひとつにしっかりと加えられてしまったからだ。
目が覚めても、なんとなくベッド自体が揺れているような気がした。
自分の体も、それから部屋自体も、まだ揺れが続いているような気がした。
急に、日本は大丈夫か?と心配になり、またパソコンをつけて、ニュースを検索したりした。
皆が無事でいるとわかってからも、なぜだか気持ちが落ち着かず、それから夜が明けてしまうまで眠れなかった。
先日のハリケーンのせいで、レッスンを変更した、とても遠くから来てくれる大人生徒のS子さん、もしかして今日違たっけか……。
などと、朦朧と思い出しながら、眠っているのかいないのか、なんとも中途半端な状態で、ベッドの上に横たわっていた。
そして……、目覚ましが鳴って、消しに起き上がり、そしてまた横たわって、寝てしまった……。
「せんせぇ~、すみませぇ~ん、遅くなってしまって~」
ぎょえぇ~~~!!S子さんっ!!
彼女はいつも、ちょびっと遅れて、それで悪いと思うからか、えらい勢いで玄関から入って来る。
今はまだ夏で、玄関のドアはパカンと開いていて、網戸が閉まっているだけなので、余計に素早い。
朝はいつも、旦那の方が早起き。
二階の彼の寝室から降りてきて、台所に入り、コーヒー豆を挽く音が聞こえるぐらいの頃に、ピアノ部屋の奥にある寝室から、のそのそと起き出してくるわたし。
問題は、寝坊そのものではなく(いや、もちろん寝坊も問題だが……)、寝ている場所が袋小路になっていて、家の中に入ってきた生徒との鉢合わせは避けられないこと。
旦那は前々から、夜中遅くまで起きていて、朝はぼぉ~っと寝ぼけて起きてくるわたしに、
「休み中は特に、午前中のレッスンを不定期に入れてるんやから、目覚ましだけはちゃんとかけること!ええ気になって夜更かしせんこと!」
と、口を酸っぱくして忠告し続けていた。
(こりゃもう、後で旦那にめっちゃ叱られる)……などと思いながら、
ベッドから飛び起き、必死になってなんとか誤摩化せそうな部屋着(実はパジャマ。洋服類は全部、二階の寝室にある)を探し出し、
髪の毛を手櫛で乱暴にとき、目くその点検をし、瞼を数回大きく開けたり閉じたりして、部屋のドアのノブに手をかけた時、
「あぁ~S子さん、あのね、えっと、あの、あっ、そうそう、実はちょっと聞きたいことがあるんですよ」
という、ナニゲに悲愴感&絶望感の漂う、けれどもめちゃくちゃ大声の、旦那の日本語が聞こえてきた。
「え?なんですかぁ~?」
「あの、それは、あの、外のことなんですよ!」
「え?外?」
「そうそう、外。だからちょっと、一緒に見てもらえませんかね」
「そうですかぁ~、じゃあ、ちょっとだけ」
旦那の声の端々から、「おらぁ~!なにやっとんねん!ボクが誤摩化したってるうちに、さっさと着替えて準備しとけっちゅうねん!」という怒り玉が、すっかり恐縮しまくっているわたしの心をポカポカと打ち込んでくる。
顔を洗う間など無く、歯だけ磨いて、ピアノ部屋の方のドア(一階のトイレにはドアが二つついていて、一方は台所に、一方はピアノ部屋に出る)から出た。
一件落着、めでたしめでたし!
と……、気をとり直してパソコンの前に座り、調べものをして、少しピアノの練習をし、お昼ご飯などを食べ、夏休み限定の昼1時からのレッスンをしていると、
なぜだかそれからずうっと、夕方の6時半まで、◯◯で変更した人、△△で急に今日に滑り込んできた人が次々にやってきて、
結局わたしは、顔も洗わず、パジャマ的服装のまま、最後の最後までレッスンをしてしまったのであった……。
いやはや、もう夜更かしはやめなあかん!と、毎晩心に誓うのやけど、それがなんとも難しく……ううむ……。