ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

国は国民を守らないのだ!事故はいまだに終わらないのだ!私たちは棄てられたのだ!

2011年09月21日 | 日本とわたし
福島原発40年『ハイロアクション』に掲載された、9.19『さようなら原発5万人集会』での、武藤類子さんのスピーチをご紹介します。




みなさんこんにちは。福島から参りました。

今日は、福島県内から、また、避難先から何台ものバスを連ねて、たくさんの仲間と一緒に参りました。
初めて集会やデモに参加する人もたくさんいます。
福島で起きた原発事故の悲しみを伝えよう、私たちこそが原発いらないの声をあげようと、声をかけ合いさそい合ってこの集会にやってきました。
はじめに申し上げたい事があります。

3.11からの大変な毎日を、命を守るためにあらゆる事に取り組んできたみなさんひとりひとりを、深く尊敬いたします。

それから、福島県民に温かい手を差し伸べ、つながり、様々な支援をしてくださった方々にお礼を申し上げます。
ありがとうございます。

そして、この事故によって、大きな荷物を背負わせることになってしまった子供たち、若い人々に、
このような現実を作ってしまった世代として、心からあやまりたいと思います。
本当にごめんなさい。


皆さん、福島はとても美しいところです。
東に紺碧の太平洋を臨む浜通り。
桃・梨・りんごと、くだものの宝庫中通り。
猪苗代湖と磐梯山のまわりには黄金色の稲穂が垂れる会津平野。
そのむこうを深い山々がふちどっています。
山は青く、水は清らかな私たちのふるさとです。

3.11・原発事故を境に、その風景に、目には見えない放射能が降りそそぎ、私たちはヒバクシャとなりました。

大混乱の中で、私たちには様々なことが起こりました。

すばやく張りめぐらされた安全キャンペーンと不安のはざまで、引き裂かれていく人と人とのつながり。
地域で、職場で、学校で、家庭の中で、どれだけの人々が悩み悲しんだことでしょう。 
毎日、毎日、否応無くせまられる決断。
逃げる、逃げない?
食べる、食べない?
洗濯物を外に干す、干さない?
子どもにマスクをさせる、させない?
畑をたがやす、たがやさない?
なにかに物申す、だまる?
様々な苦渋の選択がありました。

そして、今、半年という月日の中で、次第に鮮明になってきたことは、

・真実は隠されるのだ

・国は国民を守らないのだ

・事故はいまだに終わらないのだ

・福島県民は核の実験材料にされるのだ

・ばくだいな放射性のゴミは残るのだ

・大きな犠牲の上になお、原発を推進しようとする勢力があるのだ

・私たちは棄てられたのだ


私たちは疲れとやりきれない悲しみに深いため息をつきます。

でも口をついて出てくる言葉は、「私たちをばかにするな」「私たちの命を奪うな」です。

福島県民は今、怒りと悲しみの中から静かに立ち上がっています。

・子どもたちを守ろうと、母親が父親が、おばあちゃんがおじいちゃんが……、

・自分たちの未来を奪われまいと、若い世代が……、

・大量の被曝にさらされながら、事故処理にたずさわる原発従事者を助けようと、労働者たちが……、

・土を汚された絶望の中から、農民たちが……、

・放射能によるあらたな差別と分断を生むまいと、障がいを持った人々が……、

・ひとりひとりの市民が……、国と東電の責任を問い続けています。そして、原発はもういらないと声をあげています。

私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です。

私たち福島県民は、故郷を離れる者も、福島の地にとどまり生きる者も、苦悩と責任と希望を分かち合い、支えあって生きていこうと思っています。
私たちとつながってください。
私たちが起こしているアクションに注目してください。
政府交渉、疎開裁判、避難、保養、除染、測定、原発・放射能についての学び。
そして、どこにでも出かけ、福島を語ります。
今日は遠くニューヨークでスピーチをしている仲間もいます。
思いつく限りのあらゆることに取り組んでいます。
私たちを助けてください。
どうか福島を忘れないでください。

もうひとつ、お話したいことがあります。

それは私たち自身の生き方・暮らし方です。 
私たちは、なにげなく差し込むコンセントのむこう側の世界を、想像しなければなりません。
便利さや発展が、差別と犠牲の上に成り立っている事に思いをはせなければなりません。
原発はその向こうにあるのです。
 

人類は、地球に生きるただ一種類の生き物にすぎません。
自らの種族の未来を奪う生き物がほかにいるでしょうか。 
私はこの地球という美しい星と調和したまっとうな生き物として生きたいです。 
ささやかでも、エネルギーを大事に使い、工夫に満ちた、豊かで創造的な暮らしを紡いでいきたいです。
どうしたら原発と対極にある新しい世界を作っていけるのか。
誰にも明確な答えはわかりません。
できうることは、誰かが決めた事に従うのではなく、ひとりひとりが、本当に本当に本気で、自分の頭で考え、確かに目を見開き、自分ができることを決断し、行動することだと思うのです。
ひとりひとりにその力があることを思いだしましょう。


私たちは誰でも変わる勇気を持っています。
奪われてきた自信を取り戻しましょう。 
そして、つながること。原発をなお進めようとする力が、垂直にそびえる壁ならば、限りなく横にひろがり、つながり続けていくことが、私たちの力です。


たったいま、隣にいる人と、そっと手をつないでみてください。
見つめあい、互いのつらさを聞きあいましょう。
怒りと涙を許しあいましょう。
今つないでいるその手のぬくもりを、日本中に、世界中に広げていきましょう。
私たちひとりひとりの、背負っていかなくてはならない荷物が途方もなく重く、道のりがどんなに過酷であっても、
目をそらさずに支えあい、軽やかにほがらかに生き延びていきましょう。
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尿からセシウムが検出された、福島の10人の子供達を覚えていますか?

2011年09月21日 | 日本とわたし
その子供達のうちのひとりのおかあさんから、写真家の藤代冥砂さんのもとに、こんなメッセージが届けられていました。
メッセージはツィートを通じて届けられました。
全部で28回です。
ツィートは140文字の制限があります。
なので、このおかあさんは、必死で、140文字の世界の中で、自分の思いを伝えたいと思われたのだと思います。

福島メール① 
先日福島の子供達10人の尿からセシウムが検出されましたが、その内の一人の母親の方から、全28ツイートのメッセージが寄せられました。
要約してお知らせします。 
彼女のお子さんの通う小学校に、放射線量の測定を申し込んだのは5月6日。
予想通り、好評値よりも高い数値が検出された。

福島メール② 
①の訂正、好評値を公表値に。 
ばかりかホットスポットも発見。
その後に、それまでの岩手産牛乳が、告知もなしに福島産の牛乳に変更される。
野菜ももやし以外は福島産に。
校長に問うと、250円でやりくりするのだがら、仕方がないと。
これ以上はPTAでどうにかしてくれ、と言われた。
  


福島メール③ 
5月23日に、文科省へ20ミリ撤回の政府交渉に行く前、毎年恒例の梅雨入り前の真夏日に、息子を迎えにいくと、汗びっしょりで校門から出て来る姿にびっくり。
数週間前に、扇風機が入る知らせがあったので、「扇風機は?」と息子に聞くとまだだったので、校長に問うと、注文はおろか、どの


福島メール④ 
タイプにするか検討中との返事。
それを聞き、福島の猛暑の中、窓を閉め切った教室に居続ける子供達は、自分たちで守るしかないと気づき、
友人がやっていたツイッターなるものを通して、声をかけると、反応してくれたのは福島市以外の方ばかり。
須賀川の方は翌日に届けてくれ、茨城の方は、36台

福島メール⑤ 
買って車で届けてくれた。
さぞ校長が喜んでくれるだろうと、これから持っていきたいと連絡すると、
「使い終わったあとの処分費はどうします?」と言われた。

処分の心配が先?要らなくなったら引き取るので、と伝え普通車で何度も往復して届け、学校で段ボールを開いていると、学校には


福島メール⑥ 
空箱を置くスペースがないから、持ち帰ってくれ、と。
この広い学校で?
大事な政府交渉の日は行くはずだったが、扇風機を受け取るために辞退。
県から扇風機各クラス2台はいまだ入っていない。
エアコンのリースを提案すると、校長は、この節電ムードの中では無理だ、と。
なぜ一番弱い子供たちが


福島メール⑦ 
苦しみのしわ寄せに耐えなくてはいけないのか。
その校長には以前にも、まだ飛来する核種が分からないので窓を開けたり、外に出さないで下さい、とお願いすると、
「私はアルファ線は重用視してないので」と信じられない答え。

それとは逆に、家庭訪問に来た担任は、50分も話していった。

福島メール⑧ 
本当は怖くて話したいのに誰も口にしないと、その担任。
「福島の学校から一人残らず、生徒は転校していってほしい」とも。
その担任の子供は、すでにとりあえず避難さえていると。
とりあえず残るではなく、とりあえず出るが大切。
10人の子供から尿検査の結果セシウムが出たということは


福島メール⑨ 
私は自分の子を守れずに、被爆させてしまったということ。
結果が分かってしまてからは、本当に毎日苦しい。
他県の子や親に、こんな苦しい思いはさせたくない。
子供の寝顔を見るたびに、毎日元気に育ってね、と思います。
鼻血やあざや斑点がでたらどうしよう、と不安で押しつぶされそうです。


福島メール10 
普通の主婦達が、避難という人生を左右する決断を強いられて、精神的にみんなボロボロです。
長い闘いでみんな疲れてます。以上です。  
 

福島メール11 この主婦の方は6月16日、福島市から山形へ移住しました。
ですが、それで終わりではないです。
彼女の大切な大切なお子さんは、尿からセシウムが出てしまったのです。
そして、その土地で、いまだに住んでいる故郷の方々を、心から心配されてます。
子供達が、目に見えない何かと暑さに苦しんでます。


日本の学校は、子供を殺しても平気なんや。
学校の校長は、子供が目の前で苦しんでても見て見ぬふりができるんや。

ちっちゃい島国やから、放射能汚染なんか簡単に、パアッと広がってしまう。
風が吹いて雨が降って、空からも水からも地面からも、放射能物質の攻撃は、それはそれはあっけらかんとしたもんや。
そこに、今や汚染推進委員会と化した政府のバカ野郎どもが、ありとあらゆるもんを汚染させてるもんやから、もうみんな、逃げようがあらへん。

こないだの集会で、福島の女性が言うてはったやんか。
「福島県民は核の実験材料にされる。
核のゴミは残される。
私達は棄てられたのだ。
疲れとやりきれない哀しみに襲われる。
バカにするな。命を奪うな。
子供達を守ろうと、大人達は立ち上がっている。
わたし達は、静かに怒りの炎を燃やす東北の鬼」やと。

今だ、己の利権や権力や金に執着して、長である人間としてせなあかんことをしてない、決断せなあかんことを先延ばしにしてるあんたら、
あんたらみたいなやつは、東北の鬼の、怒りの炎に焼かれて消えてしまえ!
 
コメント (2)
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