ウーヴェとケリー、そして一人息子のハンズが遊びに来てくれた。
ウーヴェはずっと風邪をひいていて、一週間近く臥せってたらしく、お互いに咳をし合いっこしては苦笑い。
ハンズは3歳半の男の子。
クルクル巻き毛を、わざとねじってバネにしたみたいな髪の毛がめっちゃキュート!
ウーヴェおとうさんの祖国ドイツ語と、ケリーおかあさんの米語を、ペラペラと気分良さげに話す、にくったらしくも賢い子。
昨日は、野菜中心のメニューにして、旦那とわたしとで作ったランチを食べながら、ゆっくりと4人で語り合うた。
ウーヴェとケリーはふたりとも、旦那が会社で働いてる時に知り合うた友達。
旦那の友達の間では、ここ数年、結婚して、あるいは前から同居していてて、子供を授かる人が続出してる。
彼らもその中のふたり。
けど、彼らがその中でも特別なのは、子供が生まれる前と同じように、楽しく話しながら時間を過ごせるってこと。
こういうカップルは彼らだけなので、ある意味スゴいことなんやと思う。
3才半のハンズは、お気に入りの『機関車トーマス』のビデオを観たり、大人の会話を横でじっと聞いてたり、
時には、「これはどこ?」「どうしてここにこんなものがあるの?」などと、幼児とは思えない質問を投げ掛けてきたりする。
ウーヴェとケリーは、わたし達の近況を、それはそれは楽しそうに尋ねてくれる。
日本の状況を、眉を寄せて、心から心配しながら聞いてくれる。
そしてまた、我々の未来の夢にも興味を持ってくれる。
もちろん旦那もわたしも、同じように、彼らにとても興味があって、いろんなことを聞き出そうとする。
それはもう、山ほどのトピックに渡り、いくら時間があっても足りないくらい。
これはそのトピックの中でも、ひときわ光ってたもの。
その1
ケリーは前世で日本人やったらしい。
しかも、腹切りをした?!
その超能力者に、「あなたのお腹のこの辺りに、一文字の傷があるはずです」と言われ、愕然としたらしい。
実は彼女、子供の頃に自転車事故で大怪我をし、その際に右側の脇腹の手術をしたのだそうで、それがまさにその場所であり、一文字の痕が残ってる。
その2
自給自足のスローライフを夢見ているケリー。マサチューセッツ州に100エーカーもある土地と家を見つけ、ただ今考察中。
その3
6年前に、散々考えた挙げ句に買った家は、それはそれはチャーミングな、文化財として指定されてもいる古い家なのやけど、
妙な現象(鏡が相当な高さから落ちていたけど全然割れてなかった、というのが3回)があったのと、
去年のハロウィーンの3日前に、ハンズが急に、
「ママ、前にここに住んでたっていう女の人と話したよ。台所や居間を見て、わたしが住んでた時と随分違うって言ってた。
彼女は4人家族で、ママが使ってる寝室で寝てたって。
いい人みたいだけど、ボクはあんまり好きになれない。
だって、歯が全然無いし、すごくイヤな臭いがするんだもん」と、ケロッとした顔で言うたらしい。
ハンズ、君はシックスセンス保持者やったんかっ?!
うちも100年を越える古家。一晩泊まってもらおかな……。
さあ帰るぞ~。という時になって、写真を一枚も撮ってないことに気がついた。
カメラを向けると、「撮らないで~」ときっぱり拒否するハンズ。
ごめんよ、君の可愛さを撮らないわけにはいかないのだよ。
コートを着る新テクニックを披露中。素早過ぎてピントが合わない。君は歌舞伎役者かっ?
隠し撮りしようと焦ったからボケボケ。
ああ楽しかった!また来てね!