ファンタストクラブ在厩のリナーシェは、今週はおもに屋外のウッドチップ坂路でハロン17~18秒ペースのキャンターを消化。21日、2本目に3F15-15を計時しています。
◇米田育成広報担当のコメント 「あまりカリカリさせても意味がありませんので、単走でスーッと脚を伸ばす程度に。小柄でも馬体を小さく見せませんし、デビュー前よりも馬に落ち着きがあって、走りもしっかりしつつあるように感じます。この調子で適度に15-15を織り交ぜながら、入厩態勢を整えていきましょう」
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前走の疲れも完全に癒えて、今週は15-15まで進んでくれました。
「馬体を小さく見せない。デビュー前よりも馬に落ち着きがあって走りもしっかりしつつある」と嬉しいコメントもありましたし、次のレースでは、4着だった前走からさらなる前進が見込めそうです(^^)
その上で、もともとリナーシェのようなタイプは、使いながら成長させていくのが大事ですから、あまり慌てず適度にレース間隔を開けてあげるのがイイですね。まだ具体的に言及はないものの、復帰戦の候補としては、例えば8/23札幌1Rや翌週30日の札幌1R(いずれも芝1500m)あたりとか。。
どちらになっても前走から300mの距離延長が試せますし、30日なら牝馬限定戦のおまけつき。前走からの2ヶ月でどう成長したかも確認することが出来ますし…。うーむ。。勝ちを焦らず一歩一歩と思う反面、何だか次で勝てそうな気がしてきました(^^ゞ
【6/28札函館1R 2歳未勝利でのリナーシェ:公式HPより】
宇治田原優駿ステーブル在厩のマーテルは、18日そして22日と坂路で2F15-14程度で乗り込まれています。7/21の馬体重は460kgです。
◇青山調教主任のコメント
「この一週間は終いを重点にしっかりと時計を入れました。22日の脚捌きがやや硬く、『疲れが溜まっている』(獣医師)ことから、このあとは笹針を打って小休止へ。週内は舎飼とし、週明けからウォーキングマシン、週後半からまた跨っていく予定になっています。ちょうど暑くなってきたことですし、ここで軽くお休みを挟んであげることでまた良くなってくるはず。こうやって適度に攻めつつ、成長を促してあげましょう」
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速めを含めて乗り込まれながら、ジワジワと馬体が増えているのは良い傾向ですね。多少疲れが溜まり、小休止となったのも決して悪い話ではなく、この休みが、さらに一段成長するキッカケになるかもしれません。
という事で、マーテルのデビューははっきり秋競馬以降という事になりました。小休止明けの立ちあがり具合にもよりますが、うまく進めば秋の中京開催(毎回、阪神と勘違いしそうになりますけど(^^ゞ)、もっと時間をかけるのであれば、いわゆる王道の京都開催デビューになる可能性もありそうです。
今年の2歳勢は早期デビュー組が頑張っているお陰で、本馬のような秋デビューをめざす組、そして年明けデビューが確実な馬(^^;)と、バラエティに富んでいる状況が単純に楽しめています。まあ、それは全体的に育成ペースが早まっているからなのですが、それだけに各馬には、時期だけでなく内容で勝負ができるよう頑張って欲しいと思います。
宇治田原優駿ステーブル在厩のパンサラッサは、引き続き、おもにトラックで軽め2400m、坂路でハッキング1本を消化しています。
◇乾主任のコメント 「念のため、月曜日に長針治療を実施。施術の際に『いくらか疲労を示す筋肉の硬さが見られた』(獣医師)とのことですから、いいメンテナンスになったのではないでしょうか。テンションもいつものこの馬といった様子で許容範囲ですので、今週末より軽くペースを上げていければと思います」
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復帰戦の目標は9月のセントライト記念とほぼハッキリしていますから、当面はオーバーホールとリフレッシュが最優先です。あと2ヶ月の中で心身を立て直し、春以上の状態を作り上げたいところです。
このところ、新規募集となるキズナ産駒の弟に注目が集まっていますが、パンサラッサの本領発揮はまだまだこれからです。無事にセントライト記念への出走が決まった暁には、デビューまで(少なくとも)あと1年ある弟よりも、『まずは俺様だろ!』的な気合を見せて欲しいです(^^ゞ
ミスペンバリー産駒の傾向として、何となく、3歳秋から4歳一杯が本当の成長期、4歳後半から5歳時にピークが来るイメージがありますので、今後の成長による地力アップを楽しみにしたいと思います!
【7/5福島11R ラジオNIKKEI賞(G3)でのパンサラッサ:公式HPより】
スピリットファーム在厩のグランソヴァールは、おもに周回コースでハロン17~18秒ペースのキャンター3000~3200mを消化。週2回の15-15を乗り込まれています。
◇明智代表のコメント 「先週末そして21日と半マイル15-15を乗ることができました。速めの本数を重ねていく中で少しずつ馬に走る気が出てきたようですし、多少の緩さはあるものの背中が張ることもなく、順調に調整できていると思います。暑さに気を付けつつ、この調子で進めていきたいですね」
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少しずつペースが上がり、週2回の15-15をこなすところまで戻ってきました。「多少の緩さはあるものの順調」とのことなので、その気になれば8月後半にはレースが出来そうですが…。
ザッと見たところ、8/15からの新潟開催には、ピタッとくる条件のレースがあまり見当たらないんですよね。。他場と言っても札幌か小倉では移動が面倒(?)で、わざわざ一回のレースのために長距離輸送をするのは微妙かもしれませんし…。
まあ、7/8の近況で尾関先生の「速めを何本か乗り進めていく中で、次のスケジュールを明確にしていく」とのコメントが紹介されていましたので、(具体的な復帰プランについてはこれから検討としても)夏は無理せず秋競馬から始動するパターンかもしれません。
果たしてグランソヴァールがどういうストーリーでオープン入りにチャレンジしていくのか、今年後半戦のテーマに向けて、来週、再来週の近況に注目したいと思います。
高木競走馬育成牧場在厩のカナロアガールは、おもに常歩30分、周回コースでのダク1800m、ハロン20秒ペースのキャンター3000mを消化。先週末より、週1回の速めを開始しています。
◇高木場長のコメント
「馬体重は494kg。先週の金曜日から3F15-15を入れ始め、少しずつペースアップを図っています。まだ気配としてはピリッとしませんが、飼葉をよく食べており、馬体にも異常はありませんので、これから週1~2回ペースで速めの本数を重ねていく中で、徐々に良化を示してくれるものと思われます」
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8月の声を聞く前に、少しずつ調教ペースが上がってきました。
まだ何とも言えないながら、前走後には田村先生から「新潟の後半か秋競馬」に備えたいとの言葉もありましたし、「まだ気配はピリッとしてこない」ながらも、まずまず予定通りのペースで回復、調整が進んでいるという事でしょう。馬体も494kgまで増えているようですが、回復以上に成長分があると嬉しいですね。
ちなみに、毎度展開に左右されがちで、あと一歩差し届かない競馬が続いているカナロアガールですが、コース条件は中山より新潟向きだと感じています。なので、この調子で乗り込みを強化し、8月中旬にはトレセン帰厩、9/5新潟12R 牝馬限定の芝1800mあたりで復帰するのが面白そうかなぁと。。
牝馬なのにレースをたくさん走ってくれて、毎回賞金をしっかり稼いでくれる孝行馬ではありますが、もうそろそろ1勝クラスは卒業しないといけません。前回近況で「以前と比べて大人になり、オン・オフの切り替えがうまくなっている(かもしれない)」とのコメントがあったように、カナロアガールの成長による地力アップにも期待したいです。
【6/20東京7R 3歳以上1勝クラスでのカナロアガール:公式HPより】
テンコートレーニングセンター在厩のクレッシェンドラヴは、まずはウォーキングマシンのみでひと息入れています。
◇伊藤マネージャーのコメント 「さらに成長しているのか、それとも勝って帰ってきたからでしょうか。激しいレースの後を考えれば疲労度は低く、馬は元気を失っていません。ひとまず今週一杯はウォーキングマシン運動で体を休めて、来週からトレッドミルでの調整に移行していく予定です」
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先週末にはテンコートレセンに移動をし、しばしのリフレッシュに入りました。
もしかしたらあるかな?と考えた札幌記念(G2)を狙うには、遅くとも8月頭には帰厩、美浦で追い切って直前輸送のパターンでしょうから、今日のコメントの内容からするとさすがに難しそうですね。今からしっかり立て直すとなれば、やはり次走は秋の中山、オールカマー(G2)で昨年5着の雪辱を期すことになりそうです。(それが一番無難な気はしますね…)
ちなみに昨年のオールカマーでは、3コーナー、いや、4角までは順調な競馬でした。。が、2番人気のウインブライトが直線でまさかの失速、直後にいたクレッシェンドラヴはそのあおりをモロに受け、外のレイデオロとミッキースワローをやり過ごしてから進路を外に切り替える痛恨のロス…。あれがなければ(スローで逃げていたスティッフェリオは別にしても)2着はあったと思えるだけに、非常に口惜しい結果(5着)でした。
ただ、その後クレッシェンドラヴは福島記念、七夕賞と重賞を2勝、改めて、格付けも実力もG2制覇に相応しい馬になってくれたと思います。コンビを組む内田騎手も、オールカマー参戦となれば、七夕賞と同等以上に心に期すものがあるでしょうし、とても楽しみなレースになるでしょう(^^)
【7/12福島11R 七夕賞(G3)でのクレッシェンドラヴ:公式HPより】
シュウジデイファーム在厩のプライムラインは、先週同様、週1回の速めを順調に消化。23日朝に牧場を出発し、栗東トレセンに帰厩する予定となっています。
◇矢作調教師のコメント 「当初は札幌での復帰を検討していましたが、現地のダートコースで調教を重ねていくのは、脚元に対してリスクが高さそうですからね。よって、調教施設の整っている栗東トレセンに戻して追い切りを重ね、第3回新潟開催(8/15~9/6)に向かいたいと考えます。ここまで脚元は大丈夫。体を減らさないように注意して進めていきたいところです」
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いよいよプライムラインが栗東トレセンに帰厩することになりました。
矢作先生が「札幌での復帰を検討していた」と仰るぐらいですから、私もてっきり札幌で復帰と思いこんでいました。その意味で、栗東に帰厩となったのは驚きですが、言われてみればダートと芝しかない札幌での最終調整はリスキーではあるんですよね。そのあたり、仕上げに信頼しているシュウジデイさんを使ったものの、今年は裏函がNGなことが影響しての作戦変更ですかね。
それはさて置き、繋靱帯損傷で戦列を離れ、療養のための放牧に出てから約9ヶ月。。プライムラインは非常に長い道のりを、よく我慢して乗り越えてくれたと思います。長く面倒を見て頂いた三重ホーストレーニングセンター、競走馬リハビリテーションセンターの皆さん、難しい状況下で仕上げを担当してくれたシュウジデイファームの皆さんには感謝の気持ちしかありません。
ただ、本当のご恩返しは無事に復帰戦を終え、そして悲願の1勝を挙げてこそ…。最も高いハードルはまだそっくり残っていますので、引き続き気を引き締めて応援したいと思います。
デビュー戦の内容が内容だっただけに、復帰が出来ればすぐにでも… と思っていましたが、いざその時が近づくと『そうは言っても怪我による超長期休養明けだし…』と、不安な気持ちが湧いてきます。当然と言えば当然ですが、やはり、実戦でのパフォーマンスを早く確認したいです。
【シュウジデイファーム在厩のプライムライン:公式HP(7/16更新分)より】
スピリットファーム在厩のアレアシオンは、おもに坂路でハロン18~20秒ペースのキャンター2本を乗り込まれています。
◇明智代表のコメント 「脚元を気遣い、坂路のみで乗り進める形になりますので、どうしてもトモに疲れが溜まりがち。ただ、こればかりは仕方がありませんからね。ひとまず牧場レベルにおいて右前が悪化するようなことはなさそうですので、しっかり全身のケアをしながら調教量を積み重ねていければと思います。休んでいた分、体は立派ですが、体調や毛づやは良好です」
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アレアシオンは、ほぼ先週と同等のメニュー、18秒までのキャンターで調整されています。
幸い、今のところは脚元も小康状態をキープ、このまま順調なら機を見て15-15に移行しそうですが、復帰戦に向けた仕上げまでを考えると、今後もギリギリの綱渡りが続くことになるでしょう。
まあ、ここまで来たら、外野がアレコレ心配しても始まりません。アレアシオンの持って生まれた運を信じ、何があっても最後まで応援し続ける信条に従い、覚悟を決めて見守りたいと思いますm(_ _)m