前回に続き、陶磁器の鑑賞方法について、述べます。
4) 鑑賞の方法
前回と別の分類方法には、以下の様なものが有ります。
④ 単独鑑賞(直接鑑賞、純粋鑑賞)
作品そのものから、直に受ける美的要素を、鑑賞しようとする方法です。
その作品の、時代的背景や、作者や出所由来などの、他の要素を考慮する事なく、純粋にその
作品が持っている、美的要素を、味わい鑑賞する方法です。
最初の出会は、直接(又は写真などで)作品を見て、作品そのものに、心が動き、興味や、好奇心を
抱いたはずです。これが、単独鑑賞で、何の予備知識も無くても、鑑賞している事になります。
興味や、好奇心が起これば、その後に、その作品の周辺の事柄を、調べるのが普通で、これが、
相対鑑賞の、入り口になります。
⑤ 相対鑑賞
作品その物以外の要素も、考慮に入れて、鑑賞する方法です。
我が国では、相対的鑑賞方が、主流に成っている様です。
作品以外に、箱書や、由来書、伝来、時代的(歴史的)事項などが、加味されて、評価が
なされ、鑑賞の見所も増え、好奇心が、されに強く刺激されます。
⑥ 我が国では、色彩はやや単調ですが、形態や線(曲線)の美に、主眼が置かれ、作品の品格を
特に重視する、鑑賞方法に成っています。
) 土味(つちあじ): 抹茶茶碗の様に、高台脇や高台内に、施釉せず、土を露出させ、
土その物の、色や粗さの肌合いや、削りの状態をも、鑑賞します。
) 本来は、失敗作である貫入や、虫喰い、歪みも、積極的に鑑賞の対象にしています。
・ 一方、外国では、主に形よりも、色彩の美や紋様が、鑑賞の対象に成っています。
中国の作品では、色彩に関する言葉が、豊富に存在する様です。
紋様も、緻密な計画性のもと、隙間無く描かれている作品が、多いです。
以上の様に、陶磁器は、一個で美的形態を有していて、人間生活に役立つ役割を持ち(文化的側面)
更に、工芸品として、芸術的側面を有し、愛玩し、鑑賞して楽しむ物と成っています。
以上にて、陶磁器の鑑定、鑑賞の話を、終わります。
次回より、別のテーマでお話する、予定です。
鑑賞と研究
4) 鑑賞の方法
前回と別の分類方法には、以下の様なものが有ります。
④ 単独鑑賞(直接鑑賞、純粋鑑賞)
作品そのものから、直に受ける美的要素を、鑑賞しようとする方法です。
その作品の、時代的背景や、作者や出所由来などの、他の要素を考慮する事なく、純粋にその
作品が持っている、美的要素を、味わい鑑賞する方法です。
最初の出会は、直接(又は写真などで)作品を見て、作品そのものに、心が動き、興味や、好奇心を
抱いたはずです。これが、単独鑑賞で、何の予備知識も無くても、鑑賞している事になります。
興味や、好奇心が起これば、その後に、その作品の周辺の事柄を、調べるのが普通で、これが、
相対鑑賞の、入り口になります。
⑤ 相対鑑賞
作品その物以外の要素も、考慮に入れて、鑑賞する方法です。
我が国では、相対的鑑賞方が、主流に成っている様です。
作品以外に、箱書や、由来書、伝来、時代的(歴史的)事項などが、加味されて、評価が
なされ、鑑賞の見所も増え、好奇心が、されに強く刺激されます。
⑥ 我が国では、色彩はやや単調ですが、形態や線(曲線)の美に、主眼が置かれ、作品の品格を
特に重視する、鑑賞方法に成っています。
) 土味(つちあじ): 抹茶茶碗の様に、高台脇や高台内に、施釉せず、土を露出させ、
土その物の、色や粗さの肌合いや、削りの状態をも、鑑賞します。
) 本来は、失敗作である貫入や、虫喰い、歪みも、積極的に鑑賞の対象にしています。
・ 一方、外国では、主に形よりも、色彩の美や紋様が、鑑賞の対象に成っています。
中国の作品では、色彩に関する言葉が、豊富に存在する様です。
紋様も、緻密な計画性のもと、隙間無く描かれている作品が、多いです。
以上の様に、陶磁器は、一個で美的形態を有していて、人間生活に役立つ役割を持ち(文化的側面)
更に、工芸品として、芸術的側面を有し、愛玩し、鑑賞して楽しむ物と成っています。
以上にて、陶磁器の鑑定、鑑賞の話を、終わります。
次回より、別のテーマでお話する、予定です。
鑑賞と研究