国宝 「玳玻天目茶碗」 (たいひてんもく)
① 別名、玳玻盞(たいひさん)とも呼ばれ、室町時代初期に、記録が有り、天目の中で、建盞と並んで
室町時代から、賞美されている茶碗です。
② 盞とは、辞書で引くと、杯(さかずき)事で、「建盞」は中国の、建窯で焼かれた、天目茶碗の
事です。この名は、釉調が、海亀の一種の、玳瑁(たいまい)の甲羅、即ち、鼈甲(べっこう)
に似ているので、付いた名です。 一名鼈盞(べっさん)とも、言われています。
③ 中国、江西省吉安県の、永和鎮の吉州窯で、南宋から元の時代にかけて、盛んに量産された物で、
吉安天目 又は吉州天目とも、言われています。
1) 玳玻天目の特色
) 釉は、黒飴釉を掛けた上に、ワラ白釉(失透性のワラ灰釉)を、斑(まだら)に、振り掛けた物で、
鼈甲のような、釉調をして、大変美しい物です。
) 両釉の二重掛けで、陶器の装飾紋様を、表現しています。
即ち、全体に、黒釉を塗ります。次に、剪紙細工(きりがみざいく)で、紙を種々の 、文様の
型に切り抜き、見込みの、黒釉の上に、型紙を貼り付けます。その上から、藁白釉を掛け、
紙の部分を除き、施釉する事により、紋様を浮き立たせる、玳玻天目特有の、技法を使ています。
梅花、唐 花、鸞(らん・尾長鳥)、竜、吉 祥文字(富貴長命、金玉満堂、福寿康寧等)など
があります。
2) 国宝「玳玻天目茶碗」
① 外側の釉が、黄斑に発色し、見込みには綺麗に、型抜き紋様の、蓮花を組み合わせています。
中央に1個、中段に5個、外側に9個の、同じ紋様が、紫褐色で、表現されています。
高台は低く、有るか無いかと、言った程度で、上げ底風に、成っています。
素地は白く、釉は、高台際まで、掛かっています。 口縁には、銀覆輪が、掛けられています。
② 大きさ 高さ 6.2cm 口径 11.6cm 高台径 3.5cm
13世紀、中国、江西省吉安市永和鎮にあった、吉州窯で、生産された物です。
③ 松江藩、第7代藩主 松平 不昧(まつだいら、ふまい)公の、愛蔵品でしたが、
後に、萬野記念文化財団の、美術館収蔵に成りますが、平成16年2月末に閉館になり、
現在は,京都、相国寺、承天閣美術館に収蔵されています。
3) 重要文化財の、玳玻天目茶碗(文字天目)
国宝以外にも、優れた玳玻天目茶碗は、何点かあります。
文字天目茶碗 : 高さ 6.6cm、 口径 22.5cm、 高台径:3.3cm
この茶碗は、大振りで、平碗形をしています。
内面に、菱形の切紙文が、三個配されています。 菱形文の中には、樹木と鹿とみえる、文様が
置かれています。
三代将軍家光の長女、千代姫が、二代光友に嫁した時、持参したとの、伝承があります。
以下次回に続きます。
国宝 玳玻天目茶碗 (たいひてんもく)
① 別名、玳玻盞(たいひさん)とも呼ばれ、室町時代初期に、記録が有り、天目の中で、建盞と並んで
室町時代から、賞美されている茶碗です。
② 盞とは、辞書で引くと、杯(さかずき)事で、「建盞」は中国の、建窯で焼かれた、天目茶碗の
事です。この名は、釉調が、海亀の一種の、玳瑁(たいまい)の甲羅、即ち、鼈甲(べっこう)
に似ているので、付いた名です。 一名鼈盞(べっさん)とも、言われています。
③ 中国、江西省吉安県の、永和鎮の吉州窯で、南宋から元の時代にかけて、盛んに量産された物で、
吉安天目 又は吉州天目とも、言われています。
1) 玳玻天目の特色
) 釉は、黒飴釉を掛けた上に、ワラ白釉(失透性のワラ灰釉)を、斑(まだら)に、振り掛けた物で、
鼈甲のような、釉調をして、大変美しい物です。
) 両釉の二重掛けで、陶器の装飾紋様を、表現しています。
即ち、全体に、黒釉を塗ります。次に、剪紙細工(きりがみざいく)で、紙を種々の 、文様の
型に切り抜き、見込みの、黒釉の上に、型紙を貼り付けます。その上から、藁白釉を掛け、
紙の部分を除き、施釉する事により、紋様を浮き立たせる、玳玻天目特有の、技法を使ています。
梅花、唐 花、鸞(らん・尾長鳥)、竜、吉 祥文字(富貴長命、金玉満堂、福寿康寧等)など
があります。
2) 国宝「玳玻天目茶碗」
① 外側の釉が、黄斑に発色し、見込みには綺麗に、型抜き紋様の、蓮花を組み合わせています。
中央に1個、中段に5個、外側に9個の、同じ紋様が、紫褐色で、表現されています。
高台は低く、有るか無いかと、言った程度で、上げ底風に、成っています。
素地は白く、釉は、高台際まで、掛かっています。 口縁には、銀覆輪が、掛けられています。
② 大きさ 高さ 6.2cm 口径 11.6cm 高台径 3.5cm
13世紀、中国、江西省吉安市永和鎮にあった、吉州窯で、生産された物です。
③ 松江藩、第7代藩主 松平 不昧(まつだいら、ふまい)公の、愛蔵品でしたが、
後に、萬野記念文化財団の、美術館収蔵に成りますが、平成16年2月末に閉館になり、
現在は,京都、相国寺、承天閣美術館に収蔵されています。
3) 重要文化財の、玳玻天目茶碗(文字天目)
国宝以外にも、優れた玳玻天目茶碗は、何点かあります。
文字天目茶碗 : 高さ 6.6cm、 口径 22.5cm、 高台径:3.3cm
この茶碗は、大振りで、平碗形をしています。
内面に、菱形の切紙文が、三個配されています。 菱形文の中には、樹木と鹿とみえる、文様が
置かれています。
三代将軍家光の長女、千代姫が、二代光友に嫁した時、持参したとの、伝承があります。
以下次回に続きます。
国宝 玳玻天目茶碗 (たいひてんもく)