わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

国宝の焼き物 (青磁1)

2010-09-24 22:17:57 | 国宝の焼き物
国宝に指定されている、「青磁」は、以下の3点の、花生(はないけ)ですが、全て中国製です。

 ① 飛青磁 花生           元時代   大阪市立東洋陶磁美術館

 ② 青磁  下蕪花生         南宋時代  アルカンシェール美術館

 ③ 青磁  鳳凰耳花生 銘萬声  南宋時代  久保惣記念美術館

1) 青磁について

  青磁とは、鉄を含んだ釉が、青く発色する事で、生み出される、焼き物です。

  ① 古代中国が起源とされ、12世紀頃には、現在の青磁の手本とされる、名品が作られています。

    12世紀初め頃、皇帝のために、青磁を焼いた窯が、「汝窯(じょよう)」です。

    汝窯の歴史は、わずか20年ほどですが、その間に、史上最高峰の、青磁が作られました。

    今残っているのは、世界で約70点ほどです。

  ② 青磁は、中国で皇帝たちの為に作られ、皇帝たちに、愛されてきた、特別な器です。

    本来その形は、宗教的儀式に使われた、青銅器をかたどった物でした。

    そして、色は「玉(ぎょく)」、つまり翡翠(ひすい)を、摸したと言われています。

    青銅器の形に、翡翠の色を取り合わせた、青磁は、最も高貴な器とされていました。

   ③ 青磁の釉には、わずかな、鉄が含まれていて、それを焼くと、独特の青が生まれます。

    窯の中の酸素を、少なくする「還元焼成」する事により、青く発色のします。

     (「酸化焼成焼」では、鉄は茶色くなります。)

     焼き上がった、青磁の表面は、柔らかく光を、反射し、独特の「青」と成ります。

   ④ 青磁には、貫入が入り易いです。青と細かい「ひび」が織りなす、独特の景色が、鑑賞の対象と

     なっています。

     又、焼成の際に、空気が釉に閉じ込められ、小さな泡となり、光が乱反射し、柔らかな色調を

     生み出すと、言われています。

   ⑤ 釉の調合により、明るい水色から、緑に近い色まで、時代や、窯によって、様々な「青磁」が

     焼かれ、「砧(きぬた)青磁」、「天竜寺青磁」などの、名前が付けられています。


 本日の本題に入ります。

2) 国宝  飛青磁花生(とびせいじ、はないけ)

 ① 中国 元時代(13~14世紀)の、龍泉窯で作られた物です。

   高さ:26.9cm、 口径:6.8cm、 底径:8.5cm。 

 ② 鉄斑文(てつはんもん)のある、いわゆる飛青磁の、代表作です。

   褐色の斑文を散らした、飛青磁作品は、我が国に多く渡来しています。特に茶人に好まれています。

   これは、器に鉄斑を散らし後、青磁釉を掛けて、「還元焼成」したと、考えられています。

   濃く淡く、釉中ににじみ出た鉄斑は、空に浮かぶ、雲の様に見えます。

 ③ なだらかに、引き締まった首から、緩やかに膨らむ、胴に掛けての、形がすこぶる端正です。

   高台は畳付から、5mmほど、釉を削っており、露胎部は、濃い赤褐色となっています。

   この青磁は、俗に玉壺春(ぎょっこしゅん)と呼ばれる器形だそうです。

   釉も「砧手」と言われていますが、「天竜寺手」に近い釉色で、色調はとても優美です。

 ④ 類品が、イギリスのヴイクトリア・アルバート美術館と、スイスのバウアー・コレクションにあるとの

   事です。

 ⑤ 九州の炭鉱主から、鴻池家の、「安宅コレクション」に渡り(現在の金額で、6億円との事です)、

   更に、大阪市立美術館に寄贈されました。

以下次回に続きます。

  国宝 飛青磁花生
コメント
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