「一流の焼き物」には、常に本物と偽物(贋作)の問題が、存在します。
贋作の問題は、個人的問題として、片付けられる事(個人的に損失をこうむる事)が多いですが、
場合に拠っては、社会問題になる事も、有ります。
1) 本物、本物の偽物、偽物の本物、嘘、偽
① 嘘(うそ)は、口でつく嘘で、直ぐに「バレ」易い行為です。口に虚(きょ)と書きます。
② 偽(いつわり)は、容易には、「バレ」難い行為です。しかし何時かは、「バレ」ます。
③ 「本物」は、当然、本人が作った物(真作)で、作品そのものが、素晴らしい物、更に、独創性を
有している物です。
(勿論、独創性の無い物で、商品価値の無い、本物は有りますが、ここでは、除外して考えます。)
④ 「本物の偽物」は、本人が余分に作った作品(スペアー品)で、出来が悪い等の理由で、表に
出なかった作品です。それが、後日、なんらかの理由で、表に出てきた作品です。
⑤ 「偽物の本物」は、本物を型に取り、その型を元に、作った作品です。
勿論、作者本人が、型を作った物であれば、それは本物に成りますが、後世に他の人が、型を作り
本物と同じ物を、作るのは、偽物と成ります。この様な作品を、「偽物の本物」と言うそうです。
⑥ 「本当の偽物」は、他人が、本物に似せて作った物や、偽の銘(サイン)のある作品です。
⑦ 作品の中には、実際には、手を出さずに、指導のみで、作らせた物も多いです。
又、磁器の様に、分業によって製作された、作品も有ります。
これらに、個人の銘を入れた場合、これを贋作とは、言いません。
2) 贋作(がんさく)とは
本物を模倣した作品が、利益を目的に、市場に流通する様に成ると、その作品は、贋作と成ります。
たとえ、それを作った人が、贋作と認識しなくても、市場に流通するならば、贋作と成ります。
一般に、贋作とは呼ば無い、作品が有ります。
① レプリカ: 本物のレプリカは、しっかりした存在価値が、有ります。
即ち、国宝級の美術品や、貴重な資料などは、常に展示する事は出来ません。
そこで、本物そっくりな物を作り、博物館や美術館などに、展示する事に成ります。
又、絵画などの写真、印刷、コピー、模造品などを、販売する事は、普通に行われています。
これらは、はっきり言えば、偽物ですが、本物では無い事を、承知で見たり、買ったりしています。
② 修復、復元: 美術品や工芸品は、時代と共に、劣化し壊れてきます。
又、土器などは、完全な形で、発掘される事は、稀です。
この様な場合、修復や、復元をする事も、普通に行われています。
後から、他人の手が入ったからと言って、その物が、厳密には、本物で無い事は確かですが、
これを贋作とは言いません。
③ 人造品、合成品、模造品: 天然の物ではない、人造や合成品は、場合に拠っては、天然品
以上の、良いところを、持っている場合も、多いです。これらを、偽物とは呼びません。
) 例えば、釉に使用する、各種の灰も、合成品の方が、成分が安定しています。
) 研磨や研削に使う、「ダイヤモンドやすり」等も、超高圧装置で作った、人造ダイヤが、
使われています。
3) 一流の美術品には、本物の10倍以上の、贋作があるといわれています。
例えば、北大路魯山人は、数万点の作品を作ったと、言われていますので、その偽物は数十万点も
ある勘定に成ります。
逆に、贋作の少ない作家は、一流ではないと、言われる程です。
以下次回に続きます。
焼き物の真贋
贋作の問題は、個人的問題として、片付けられる事(個人的に損失をこうむる事)が多いですが、
場合に拠っては、社会問題になる事も、有ります。
1) 本物、本物の偽物、偽物の本物、嘘、偽
① 嘘(うそ)は、口でつく嘘で、直ぐに「バレ」易い行為です。口に虚(きょ)と書きます。
② 偽(いつわり)は、容易には、「バレ」難い行為です。しかし何時かは、「バレ」ます。
③ 「本物」は、当然、本人が作った物(真作)で、作品そのものが、素晴らしい物、更に、独創性を
有している物です。
(勿論、独創性の無い物で、商品価値の無い、本物は有りますが、ここでは、除外して考えます。)
④ 「本物の偽物」は、本人が余分に作った作品(スペアー品)で、出来が悪い等の理由で、表に
出なかった作品です。それが、後日、なんらかの理由で、表に出てきた作品です。
⑤ 「偽物の本物」は、本物を型に取り、その型を元に、作った作品です。
勿論、作者本人が、型を作った物であれば、それは本物に成りますが、後世に他の人が、型を作り
本物と同じ物を、作るのは、偽物と成ります。この様な作品を、「偽物の本物」と言うそうです。
⑥ 「本当の偽物」は、他人が、本物に似せて作った物や、偽の銘(サイン)のある作品です。
⑦ 作品の中には、実際には、手を出さずに、指導のみで、作らせた物も多いです。
又、磁器の様に、分業によって製作された、作品も有ります。
これらに、個人の銘を入れた場合、これを贋作とは、言いません。
2) 贋作(がんさく)とは
本物を模倣した作品が、利益を目的に、市場に流通する様に成ると、その作品は、贋作と成ります。
たとえ、それを作った人が、贋作と認識しなくても、市場に流通するならば、贋作と成ります。
一般に、贋作とは呼ば無い、作品が有ります。
① レプリカ: 本物のレプリカは、しっかりした存在価値が、有ります。
即ち、国宝級の美術品や、貴重な資料などは、常に展示する事は出来ません。
そこで、本物そっくりな物を作り、博物館や美術館などに、展示する事に成ります。
又、絵画などの写真、印刷、コピー、模造品などを、販売する事は、普通に行われています。
これらは、はっきり言えば、偽物ですが、本物では無い事を、承知で見たり、買ったりしています。
② 修復、復元: 美術品や工芸品は、時代と共に、劣化し壊れてきます。
又、土器などは、完全な形で、発掘される事は、稀です。
この様な場合、修復や、復元をする事も、普通に行われています。
後から、他人の手が入ったからと言って、その物が、厳密には、本物で無い事は確かですが、
これを贋作とは言いません。
③ 人造品、合成品、模造品: 天然の物ではない、人造や合成品は、場合に拠っては、天然品
以上の、良いところを、持っている場合も、多いです。これらを、偽物とは呼びません。
) 例えば、釉に使用する、各種の灰も、合成品の方が、成分が安定しています。
) 研磨や研削に使う、「ダイヤモンドやすり」等も、超高圧装置で作った、人造ダイヤが、
使われています。
3) 一流の美術品には、本物の10倍以上の、贋作があるといわれています。
例えば、北大路魯山人は、数万点の作品を作ったと、言われていますので、その偽物は数十万点も
ある勘定に成ります。
逆に、贋作の少ない作家は、一流ではないと、言われる程です。
以下次回に続きます。
焼き物の真贋