茶の湯に用いられる茶碗で、国宝に指定されている物は、以下の作品です。
① 曜変天目茶碗 3点 中国南宋時代 静嘉堂文庫、藤田美術館、大徳寺龍光院蔵
② 油滴天目茶碗 中国南宋時代 大阪市立東洋陶磁美術館蔵
③ 玻玳天目茶碗 南宋時代 相国寺承天閣美術館(萬野美術館、旧蔵)
④ 井戸茶碗 銘喜左衛門 李朝時代 大徳寺蔵
⑤ 志野茶碗 銘卯花墻 桃山時代 三井文庫蔵
⑥ 楽焼茶碗 銘不二山 江戸時代 サンリツ服部美術館蔵
1) 天目茶碗とは
① 鎌倉時代に、中国に渡った禅僧たちが、天目山にある、有名な禅寺から、持ち帰った事から、
天目の語源とされています。
この地方は、古来茶の名産地として、知られた所で、抹茶の流行した宋代には、抹茶用の茶碗
として、建窯で作られました。従来の青磁に代り、天目山の禅僧達の間で、盛んに使われていた
様です。この天目山から、茶人の間で、天目茶碗と呼ばれています。
② 天目の名は現在の、中国福建省建陽市にあった、建窯の茶碗、すなわち建盞(けんさん)だけに、
限られていましたが、後に、他窯の茶碗にも、使われる様になります。
③ 天目茶碗の特徴は、天目形(なり)と言われ、口径、高さ、底径とも、小振りで、口辺に段が
付いており、いわゆる鼈甲(スッポン)口になっています。これは、中の抹茶の保温の為です。
④ 小さな割に、重量も有ります。腰回りが、肉厚の事と、釉が厚く掛かっている為です。
⑤ 釉は、鉄分を多く含み、無地の黒、茶、焦げ茶色など、やや地味な色が多く、これを烏盞(うさん)
と言います。
2) 曜変天目茶碗の特徴
曜変天目は天目茶碗の一種で、宋時代(12〜13世紀)の、建窯 で焼かれ、唐物茶碗の「筆頭」に、
格付けされています。 尚、「曜変」は「耀変」と書かれる事もあります。
① 曜変とは、窯の中の偶然の変化、つまり窯変(ようへん)で、釉面に種々の美しい自然の文様が
現れる事で、茶人はこれを、曜変、油滴、禾目(のぎめ)などと呼んで、特に賞美しています。
② 曜変は、内部の漆黒の釉面に、結晶による大小様々の斑紋が、群をなして一面に現れ、
その周りが、瑠璃色の美しい光彩を、放っています。 この斑紋(結晶)が、妖しく青く光り
輝いて、見る者を魅了します。 この茶碗の内側に、光を当てると、その角度によって変化自在、
七色の虹の輝きとなって、跳ね返ってきます。
③ 虹の様な光彩は、曜変独特の、神秘な魅力をなすもので、その成因は、釉上の極微の薄い膜に
よるものと言れています。
釉の主成分である鉄のほか、マンガン、チタン、銅、タングステンなどが、結晶作用を起して
出来た物とされています。
3) 曜変天目茶碗の由来
以下次回に続きます。
国宝の茶碗
① 曜変天目茶碗 3点 中国南宋時代 静嘉堂文庫、藤田美術館、大徳寺龍光院蔵
② 油滴天目茶碗 中国南宋時代 大阪市立東洋陶磁美術館蔵
③ 玻玳天目茶碗 南宋時代 相国寺承天閣美術館(萬野美術館、旧蔵)
④ 井戸茶碗 銘喜左衛門 李朝時代 大徳寺蔵
⑤ 志野茶碗 銘卯花墻 桃山時代 三井文庫蔵
⑥ 楽焼茶碗 銘不二山 江戸時代 サンリツ服部美術館蔵
1) 天目茶碗とは
① 鎌倉時代に、中国に渡った禅僧たちが、天目山にある、有名な禅寺から、持ち帰った事から、
天目の語源とされています。
この地方は、古来茶の名産地として、知られた所で、抹茶の流行した宋代には、抹茶用の茶碗
として、建窯で作られました。従来の青磁に代り、天目山の禅僧達の間で、盛んに使われていた
様です。この天目山から、茶人の間で、天目茶碗と呼ばれています。
② 天目の名は現在の、中国福建省建陽市にあった、建窯の茶碗、すなわち建盞(けんさん)だけに、
限られていましたが、後に、他窯の茶碗にも、使われる様になります。
③ 天目茶碗の特徴は、天目形(なり)と言われ、口径、高さ、底径とも、小振りで、口辺に段が
付いており、いわゆる鼈甲(スッポン)口になっています。これは、中の抹茶の保温の為です。
④ 小さな割に、重量も有ります。腰回りが、肉厚の事と、釉が厚く掛かっている為です。
⑤ 釉は、鉄分を多く含み、無地の黒、茶、焦げ茶色など、やや地味な色が多く、これを烏盞(うさん)
と言います。
2) 曜変天目茶碗の特徴
曜変天目は天目茶碗の一種で、宋時代(12〜13世紀)の、建窯 で焼かれ、唐物茶碗の「筆頭」に、
格付けされています。 尚、「曜変」は「耀変」と書かれる事もあります。
① 曜変とは、窯の中の偶然の変化、つまり窯変(ようへん)で、釉面に種々の美しい自然の文様が
現れる事で、茶人はこれを、曜変、油滴、禾目(のぎめ)などと呼んで、特に賞美しています。
② 曜変は、内部の漆黒の釉面に、結晶による大小様々の斑紋が、群をなして一面に現れ、
その周りが、瑠璃色の美しい光彩を、放っています。 この斑紋(結晶)が、妖しく青く光り
輝いて、見る者を魅了します。 この茶碗の内側に、光を当てると、その角度によって変化自在、
七色の虹の輝きとなって、跳ね返ってきます。
③ 虹の様な光彩は、曜変独特の、神秘な魅力をなすもので、その成因は、釉上の極微の薄い膜に
よるものと言れています。
釉の主成分である鉄のほか、マンガン、チタン、銅、タングステンなどが、結晶作用を起して
出来た物とされています。
3) 曜変天目茶碗の由来
以下次回に続きます。
国宝の茶碗