わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

国宝の焼き物 2 (火焔型土器)

2010-09-18 21:34:05 | 国宝の焼き物
引き続き、国宝の焼き物について、話を進めます。

 ① 縄文土器 深鉢形土器 (火焔型土器、王冠型土器)

   平成11年6月7日、火焔型、王冠型土器など、深鉢形57点を始めとする、新潟県、十日町市笹山

   遺跡出土品(付属品を含め928点)が、国宝に指定されました。縄文土器では最初の国宝です。

   (既に、平成4年(1992年)、国重要文化財に、指定されていた物です。)
  
 ) 縄文の大集落

   笹山遺跡は、信濃川右岸の、河岸段丘上に位置し、近くには、多くの縄文時代の遺跡が、存在て

   いました。

   遺跡は、十日町市教育委員会により、1980年(昭和55)~1985年(昭和60)の間に、7次に渡たり、

   発掘調査が行われました。 調査の結果、縄文時代中期、後期、中世の集落跡が発見されます。

   集落は、馬蹄形(100m×100m)の、大集落の可能性が高いもので、この地が採集、漁労、狩猟

   などに適し、定住生活を、営まれていたことを物語っています。

 ) 遺跡からは、多くの、出土品が、発掘されますが、中でも、火焔土器と、王冠土器が、眼を引きます。

    14点が、火焔型土器で、6点が王冠型土器です。

  a) 火焔型土器
  
   火焔型土器は、立体的な装飾にとみ、優れた造形美を、有する土器です。 

   大きく立ち上がる、四つの突起(鶏頭冠)が、燃え盛る炎の様に、見える事から「火焔型土器」と

   呼ばれています。

   火焔型土器の、用途は不明ですが、その特異な形状から、祭りなどに用られたと、考えられます。

   火焔型土器でも、種類が色々あり、No.1 と命名されている土器が、代表的な、火焔型土器です。

   ・ No.1 火焔土器 縄文中期 (BC 2000~3000年)

      高さ 46.5cm 、最大径43.8cm

   イ) 特徴

    火焔型は「鶏冠状把手」と、4単位の大きな突起を持ち、突起や口縁には、鋸歯状の連続した

    小突起が、規則的に、付いています。

    上から見ると、真横から見るのと較べ、意外にシンプルな、形をしています。

    四つの把手(鶏頭冠という)と、鋸歯状のぎざぎざが、規則正しく並んでいるのが、判ります。

    この把手は、機能的には、ほとんど役に立たず、装飾を重視した、形に成っています。

    尚、鶏は縄文時代にはいませんでした。それ故、鶏の鶏冠をイメージした物では、無いはずです。

  その他の 火焔型土器

     高さ 34.5cm 最大径33.6cm 。  高さ 57.9cm 最大径53.3cm 。

   b) 王冠型土器

以下次回に続来ます。

 火焔土器
コメント
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