わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

楽焼 6 (その他)

2010-09-11 21:42:32 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
楽焼は、施釉された状態の、作品が用意できれば、一度に数個ずつ、何回かに分けて、連続的に、焼成

出来る方法です。

1) 黒楽は前回まで、引き出した後、水に没して急冷すると、お話をしましたが、今では、この方法に

   よらず、釉の調合で、光沢のある、黒い楽を焼く事が、出来ます。

   即ち、釉に珪酸分を多くします。このままですと、光沢の無い黒い色に成ります。

   そこで珪石を増やし、釉を強く(高い温度で熔ける)し、光沢のある釉とします。

2) 前回までに、焼成の雰囲気は、酸化の方が良いと、述べましたが、人によっては、還元の方が良いと、

   言う方もいます。即ち、冴えた色の黒は、酸化鉄第一鉄(Fe2O3、赤錆、弁柄など)が還元され、

   黒色の酸化第二鉄(Fe3O4)に成るからと、言われています。

   釉に酸化鉄を、5~10%程度調合し、還元ならば、黒く、酸化ならば。暗黄赤色から、褐色に

   発色します。

3) この還元作用が、起きるのが、1050℃位との事ですので、これ以上の温度で、焼成すると良い

   結果が出る様です。初代長次郎、二代常慶の黒楽は、光沢が少ない様です。これは温度不足の為と

   思われています。三代道入(のんこう)の時代に成って、「ふいご」を使い、強制的に、風を送り

   込み、火度を上げ、更に水に没して、急冷した為に、光沢が出たとの事です。

   現在では、電気窯で焼成する事は、珍しくはありません。但し、還元の掛けられる、タイプが望ましい

   です。

4) 引き出しのタイミングの、補足説明

   釉が十分熔けたら、鋏で引き出しますが、説明不足の所もありますので、再度説明します。

  ① 窯の炎などが、赤色からやや黄色味を、帯びてきた事が、肉眼で判断出来れば、温度が上昇し、

    引き出しの頃合と、成ります。

  ② 釉が熔け始めると、先ず表面に、「ふくれ」が表れます。やがて「ふくれ」も収まり、落ち着いて

    きます。完全に溶けると、表面は、ガラス化し、炎や熱源(電気の場合)の光が、反射して、

    釉が輝いてきます。 この頃を見計らい、作品を引き出します。

5) 釉は、熔け過ぎも、熔け不足も、余り良く有りません。釉中の鉄分が分解し、ガスが出て、穴が、

   表面に少量ある状態を、「柚子肌」と呼び、珍重されます。

   又、急冷する事により、必ずと言って良いほど、貫入(釉のひび)が入ります。

    これは、素地と釉の膨張係数に、大きな差が、ある為です。

6) 熔け不足の場合には、焼成温度を上げるか、時間を長くするか、唐土を加えて、熔融温度を下げる

   工夫をして下さい。

以上にて、楽焼の話を、終わります。

次回より、別のテーマで、お話したいと思います。
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